ノンフィクションはこれを読め!

2013年の記事

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643記事

『IDOL DANCE!!! 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい』 書影

アート・スポーツ / 社会

『IDOL DANCE!!! 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい』

AKB48、ももいろクローバー、KARA、少女時代…2013年現時点でのエンタテイメント業界はその役者の揃いぶりからアイドル戦国時代とも呼ばれる。確かにPerfumeのライブは完成度も高く「アイドル=見習い」というイメージから逸脱している。単純に可愛く歌って踊るだけのプロトタイプのユニットは終焉し、これからは視覚的パフォーマンス、とりわけダンス部分がもっと重

2月の今月読む本 その1 書影

今月読む本

2月の今月読む本 その1

天気予報では雪、それも相当積もるので注意するようにと言い続けていた。 2月の朝会は、今注目の書店「代官山蔦屋」での初の公開を予定していた。前日、ネットでどうするか相談した際「きっと誰も来ないよね」「3人ぐらいだったら、永久VIPにしてイベントやら飲み会に招待しようよ」と人が来ないということが前提になっていた。 当日の朝、私の住む田園都市線沿線は霙。意外に暖か

アベノミクスを考えてみる。 - 『リフレはヤバい』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

アベノミクスを考えてみる。 - 『リフレはヤバい』

2012年12月26日。 その日は今後の日本史において、どのように語り継がれていくことになるのだろうか。 その日から遡ること10日前の12月16日。この日行われた第46回衆議院議員選挙において、安倍晋三総裁率いる自民党は圧勝。過半数を大きく超える議席を獲得し、民主党を与党の座から引き摺り下ろすと、その後、安倍氏が第96代内閣総理大臣に就任。政権交代が果たされ

『アップル 驚異のエクスペリエンス』暮らしを豊かにする 書影

社会 / ビジネス

『アップル 驚異のエクスペリエンス』暮らしを豊かにする

アップルの新製品が発表されると、発売の何日も前からアップルストアに並ぶ人々がいる。新しいiPadが発表になったときは、銀座のアップルストアの前にこたつがあって笑ったのを覚えている。宗教的といってもいいような、熱狂的なファンが、アップルにはたくさんついている。スティーブ・ジョブズが亡くなったときには、アップルストアの前にたくさんの花が添えられた。 英国の神経科

『皮膚感覚と人間のこころ』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『皮膚感覚と人間のこころ』 新刊超速レビュー

これは、本書で紹介されているトーマス・マンの『魔の山』(1924年発表)の中で医師が主人公に語りかける台詞の一部である。80年以上も前の作品が指摘した表皮と脳の類似性は、最新の研究成果によって、科学的に立証され始めているという。皮膚は、熱さ寒さや痛さを脳に伝える以上の働きをしているのだ。 本書で著者は、皮膚や知覚、感覚にまつわる多くの研究を引きながら、皮膚の

言語の力は7%か?『言語の社会心理学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

言語の力は7%か?『言語の社会心理学』

タイトル『言語の社会心理学』だけでは、抽象的で伝わらないし、内容の推測も難しい。しかし、装丁と帯をよく見てみると、本書のことを伝えようとする気迫が伝わってくる。 副題は「伝えたいことは伝わるのか」 帯には、「ことばは「文字どおり」には伝わらない」 背表紙からは、「伝えたいのに伝わらない」 裏返すと、「伝えたいことを伝えるために」 ここまで何度も伝えられれば、

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NEWS

エキサイトニュースへの記事配信に関するお知らせ

本日2月4日より、ポータル系ニュースサイト・エキサイトニュースへの記事配信が本格稼働いたしました。記事を厳選し、週一回程度の配信を予定しております。 オリジナル記事などに定評のあるエキサイトニュースにつきましては、ひと味違った情報を求める感度の高いユーザーに対しても、ノンフィクションの面白さを伝えていくことができるのではないかと考えております。 また、スマー

『インフォメーション: 情報技術の人類史』 すべては情報から生まれる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『インフォメーション: 情報技術の人類史』 すべては情報から生まれる

1845年元日の早朝、ロンドンに向かう列車の中に息を押し殺す男がいた。その男の名は、ジョン・タウェル。列車に飛び乗る直前、彼は愛人のセアラ・ハートを毒殺していた。今ごろ警察が殺人に気がついたとしても、大都会ロンドンの雑踏に身を潜めれば逃げ切れる、この殺人犯はそう考えていた。しかし、彼はあっけないほど簡単に捕まってしまう。ロンドンの警官たちが、駅でタウェルの到

インド攻略の鍵は高度成長期にあり - 『飛雄馬、インドの星になれ!』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

インド攻略の鍵は高度成長期にあり - 『飛雄馬、インドの星になれ!』

そんなニュースが報道されたのは、今から一年くらい前のことだろうか。 そして年も押し迫った、昨年末の12月23日。TVアニメシリーズ・インド版『巨人の星』は、『 スーラジ ザ・ライジングスター 』というタイトルで放映をスタートした。だが驚くべきことに、一年前に報道された時には、インドにおける放映について何もかもが白紙に近い状態であったのだという。 本書は、イン

『こんなにちがう中国各省気質』日中摩擦本に食傷気味のあなたへ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『こんなにちがう中国各省気質』日中摩擦本に食傷気味のあなたへ

いわゆる県民気質本だ。青森県人は口が重いのでいつも両手で支えているとか、大阪人にボケツッコミを禁止すると呼吸困難で死んでしまうとか、日本海側の府県では美人県がひとつおきに現れるとかいう、あれだ。当たらずとも遠からじ。たしかに秋田県と新潟県には美人が多いが、その2県に挟まれた山形県には・・・おっと、それはともかく本書は中国31地域の気質、簡単な歴史と経済、著名

『沖縄軍人妻の研究』 知られざる米軍兵士の憂鬱と自立する日本人妻 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『沖縄軍人妻の研究』 知られざる米軍兵士の憂鬱と自立する日本人妻

「沖縄軍人妻」。響きがたまらない。実は完全なタイトル買いだ。凛とした中に、日活ロマンポルノのタイトルにもなりそうな色香を感じられる。これほど魅惑的な5字の漢字があったのか。「沖縄軍人妻」。 版元は京都大学学術出版会。堅そうである。実際、本書は学術書だ。ポルノ云々言ったことを謝るべきだろうか。私の本棚では圧倒的な存在感を放ち、すでに浮いている。 とはいえ、本書

『「つながり」の進化生物学』 進化するのがコミュニケーション 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『「つながり」の進化生物学』 進化するのがコミュニケーション

本書の著者の岡ノ谷先生は、鳥の研究から始まり、現在は感情や心の研究を行っている東大の先生だ。また、「岡ノ谷情動情報プロジェクト」の研究総括であり、理化学研究所のチームリーダーでもある。そして、HONZ的には、あの『ハダカデバネズミ』や、ジュウシマツの歌についての『さえずり言語起源論』の著者である。であるからして、読む前から既におもしろいことが確定しているのだ

『インパラの朝』新刊超速レビュー 書影

社会 / 民俗・風俗

『インパラの朝』新刊超速レビュー

中国、ミャンマー、インド、パキスタンからイラン、シリア、イスラエルを抜け、ケニア、ウガンダからザンビア、ジンバブエへと下り、ニジェール、セネガル、西サハラと北上する。26歳の女性による、2年間、47ヶ国、予算180万円の旅。その記録が本書である。 単なるバックパッカーの旅行記ではない。それぞれの地域で彼女が体験した出来事を鋭く切り取り、彼女が関与した小さな世

『パッケージデザインの教科書』 ベトナムのエースコック即席めんに、こぶた君がいないワケ 書影

教養・雑学 / ビジネス

『パッケージデザインの教科書』 ベトナムのエースコック即席めんに、こぶた君がいないワケ

ヒット商品にはワケがある。息の長いおなじみ商品から最近の流行商品まで、本書では「パッケージ」という切り口からそのヒットの理由を説き明かす。「日経デザイン」編集だけあって紙面の構成も見やすく、カラー写真や図版も豊富で手にとってページを繰るだけでも楽しい一冊だ。 パッケージには、消費者に訴えたい商品イメージのみならず意外な機能も備えられている。例えば缶コーヒー。

『チャイナ・ジャッジ』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『チャイナ・ジャッジ』

習近平が中国共産党の総書記に就任した。第5世代の最高指導者の誕生である。その陰でおなじく世襲王族の代表格だった薄煕来が失脚した。表向きは部下がアメリカ領事館に逃げ込んだことの責任をとらされた形になっているが、実際は共産党指導部が薄煕来の目指していた毛沢東時代への逆行に恐れをなしたからである。 本書はその薄煕来と中国共産党の凄(すさ)まじい権謀術数、腐敗構造や

『寄り添う 銀座「クラブ麻衣子」四十年の証』八百比丘尼は存在する。 書影

教養・雑学 / 人物

『寄り添う 銀座「クラブ麻衣子」四十年の証』八百比丘尼は存在する。

27歳のとき、人生の転機がきた。それまでは大学の専攻を生かした、動物医療機器の開発をしていたのだが、結婚とともに見事に仕事を干された。まあ、その当時、結婚したら会社を辞めるのは当たり前だったから、いま思えば仕方のないことだったのかもしれない。違う仕事に就きたいと探している時に、まるで天から降ってきたように舞い込んだのが作家の秘書という仕事だった。 私が奉職し

あやつられたのは人間?『欲望の植物誌』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

あやつられたのは人間?『欲望の植物誌』

人間の欲望をあやつる植物。気がついたら植物の虜となり、子孫繁栄のための奴隷となる。なんて怪しい。一体どんな色、形なのだろう……。 なんてことはない。本書の主役である4つの植物とは、リンゴ、チューリップ、マリファナ、そして、ジャガイモである。これらは人間が思うがままあやつりたくなるほど魅力的である。リンゴは甘ければ甘いほど良く、季節問わず食べられるなら最高に嬉

『何歳まで生きますか?』は聞かれてみたい質問かもしれない 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『何歳まで生きますか?』は聞かれてみたい質問かもしれない

タイトルは重いが、装丁は緩い。裏面は、牛乳1ℓの紙パックのイラスト。どんなに考えても、それに意味を見出せない。本の中身も外見の期待を裏切らない。 2009年にウェブメディアの連載企画として、スタートしたものの、連載とギリギリ言える回数の2回で終わってしまった。ユルい。その後、著者とその周囲の共有の友人が亡くなったことをきっかけに連載が再スタート。この本に至る

複雑さとは脆弱さである。『Xイベント』 書影

社会 / 事件・事故

複雑さとは脆弱さである。『Xイベント』

突如として起こる、システムを崩壊させる極端な出来事。著者はこれを「Xイベント」と呼ぶ。そして世界が複雑化すればするほど、予測不能なXイベントは起こりやすくなる。すなわち、現在、人類はXイベントに対して極めて脆弱な状態にあるというのだ。 ハリケーン・カトリーナの被害、9.11テロ、サブプライム住宅ローン危機、2003年の東海岸大停電などが、著者が挙げるXイベン

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「HONZ×現代ビジネス」がスタートしました。

本日1月22日より、ビジネスパーソン向けネットメディア・現代ビジネス内に「HONZ×現代ビジネス」というページがオープンし、HONZからの記事配信がスタートしました。 ビジネスパーソン、マネジメント層に向けて、プロフェッショナルの分析に基づいた記事を届けるメディアである現代ビジネスにおいても書評へのニーズは高く、HONZのレビューがサイトの厚みと多様性に貢献

『「においオブジェクト」を学ぶ』 においは記憶でつくられる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『「においオブジェクト」を学ぶ』 においは記憶でつくられる

なぜ、「におい」に名前をつけることは困難なのだろうか? この問いに答えるためには、先ずその困難さを理解する必要がある。においを表す言語的表現を思い起こせば、必ずといっていいほど比喩が付いて回る。コーヒーのようなにおい、腐卵臭、バラの香り。これらは、においに名前をつけたというより、においをもたらす物質を表記したものと言えるだろう。 「刺すようなにおい」や「甘い

『霊柩車の誕生』 - そして消えゆく今 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『霊柩車の誕生』 - そして消えゆく今

そう言えば最近、街中で見かけないなと軽い気持ちで手にとったのだが、読めば読むほど奥が深い。 本書『霊柩車の誕生』は1984年に刊行。その後1990年の新版を経て、この度三回目の増補新板となった、知る人ぞ知る名著である。路上から消えゆく今を起点に変遷を辿ると、その誕生をもって”終わりの始まり”を意味していたということがよく分かる。 霊柩車とは、文字通り遺体をお

『吉田神道の四百年』 “神使い”の人びと 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『吉田神道の四百年』 “神使い”の人びと

本書は、室町時代後期より400年に渡り神道界に大きな影響を及ぼした “神使い” 吉田家の歴史を描いたものだ。吉田家は、亀卜を行う神職の家系卜部(うらべ)氏の系統で、『徒然草』の吉田兼好もこの一族になる。吉田神道は、京都の神主であった吉田兼倶(かねとも)によって構想された。「唯一神道」「卜部神道」とも言われる。 1468年、応仁の乱の戦火で吉田神社が焼け落ちた

カッコよさにセンスは不要 『成功している男の服選びの秘訣40』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

カッコよさにセンスは不要 『成功している男の服選びの秘訣40』

デパートでは恒例の冬物バーゲンが真っ盛り。しかしよくよく考えてみると、毎年服を買い足しているはずなのに、今年着るものがないとはどういうわけだろう。昨年・一昨年に買ったシャツやセーターはどことなく古ぼけて見える。結局、衣類を毎シーズン買い続けてもタンスの肥やしが増えるばかり。 そんな悩める自分にぴったりの本が見つかった。コーディネートのレベルアップとタンスの”

『モサド・ファイル』ー中東は対岸の火事なのか 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『モサド・ファイル』ー中東は対岸の火事なのか

モサドとはイスラエルの対外諜報活動と特務工作と担当する組織だ。佐藤優氏は「客観的に見て、世界で最も強力な対外インテリジェンス機関はCIAだ。しかし、個々のインテリジェンス・オフィサーの能力においては、イギリスのMI6、イスラエルのモサドのほうがはるかに高い」と評価している。つまり、モサドは現代スパイの総本山のようなものなのだ。 スパイ組織なのだから当然その実

『三種の神器 〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源』 祟り神は守護神となる 書影

民俗・風俗 / 日本史

『三種の神器 〈玉・鏡・剣〉が示す天皇の起源』 祟り神は守護神となる

あなたは「三種の神器」が何か、知っているだろうか。“サラリーマンの三種の神器”とか“セクシー小悪魔の三種の神器”のような慣用句ではなく、天皇を天皇たらしめるための3つの品物のことだ。確か、剣と鏡と宝玉だったような…ぐらいは知っていて欲しいが、難しいかもしれない。 本書は第125代の今上天皇、明仁まで代々受け継がれてきた三種の神器について、いつ、どのように、な

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成毛眞著『面白い本』(岩波新書)発売記念イベントのお知らせ

HONZ代表・成毛眞の著書『面白い本』(岩波新書)がいよいよ1月23日に発売となります! HONZでは、これを記念してイベントを行う予定です。 まずは、2月2日(土)午後2時から、ジュンク堂書店大阪本店の3階喫茶コーナーにて、成毛眞、東えりか、土屋敦、仲野徹による、刊行記念トークショーを行います。 「HONZ曼荼羅」的なすごいポスターまで作ってもらったのです

『なぜゴルフ場は18ホールなのか』どうでもいい数の裏にある人間ドラマ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『なぜゴルフ場は18ホールなのか』どうでもいい数の裏にある人間ドラマ

年末年始はつい軽めの本を好んで読んでしまう。どうやらHONZ代表の成毛も同じ症状のようなので、世の中にはきっと同じ症状の本読みがたくさんいるのだろう。そんな人にオススメなのが本書である。タイトルでもある「なぜゴルフ場は18ホールなのか」など、世の中に溢れる数のいわれを解き明かす良書に仕上がっている。1項目1トリビアでそれぞれ2〜5ページなので通勤時間に読むの

ゆるり漫遊 万城目学『ぼくらの近代建築デラックス!』 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

ゆるり漫遊 万城目学『ぼくらの近代建築デラックス!』

いままで隠していたが、じつは建築ファンである。たぶんノンフィクションと同じくらい好きである。であるから、もちろん建築系ノンフィクションもよく読むのであるが、なぜかこれまで紹介する機会がなかった。今回、満を持して-というほどのことはないけれど-紹介するのは、『 鴨川ホルモー 』や『 プリンセストヨトミ 』でおなじみの万城目学が、作家・門井慶喜といっしょに近代建

『[図解] 電車通勤の作法』快適な通勤で幸せな生活を 書影

教養・雑学 / ビジネス

『[図解] 電車通勤の作法』快適な通勤で幸せな生活を

先日、 外国人が撮ったという日本の通勤電車の写真 をネット上で見かけた。そこにはドアに顔を押し付けられて、悲壮感の漂う日本人の姿が映し出されていた。そう、まるでゾンビのような日本人の姿が……。 毎朝こんな状態で通勤していたら、仕事へ行く前に疲れきってしまうのではないだろうか。私は満員電車が苦手なので、ある時期から通勤時間を早めて、座れないまでも立って本を読ん

一年中、正月気分で。『ちゃっかり温泉』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

一年中、正月気分で。『ちゃっかり温泉』

どうもお正月気分が抜けない。そんな気持ちのまま、思わず手にとったのが本書だ。帯には「平日の真っ昼間から、温泉入ってひとり飯!?」とある。いじゃないか。今の気分にぴったりだ。 いきなり、こんな文章で始まる。 「すみません。今書いているところで、夜になったら必ず送ります」 書いていない。ボクはウソを言っているのだ。 <中略> 電話を切って、すぐにカバンにタオルと

1月の今月読む本 その2 書影

今月読む本

1月の今月読む本 その2

HONZの朝会では、紹介する本のamazonリンクをスクリーンに映して、みんなでデータを読む。著者、出版社、順位、などを見た後に、けっこう気になるのは 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」 というところ。マニア揃いのHONZメンバーより、もっとマニアな人もいるだろう、その人が買っている本ってどんななの? 今回、それで騒然としたのはこの本。 えっ、

世界はホルモンで動いている!? - 『トレーダーの生理学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

世界はホルモンで動いている!? - 『トレーダーの生理学』

新年早々大当たりの一冊。どれくらい面白いのかを生理学的に述べると、体内のテストステロンの濃度が上がり、ヘモグロビンの量が増え、適度なストレスとともにドーパミンが快楽をもたらしたほどだ。と言われたところで、この時点ではなんのこっちゃという感じかもしれないが... 本書における一つの側面は、金融マンのトレーダー取引がありのまま描写されているということである。プロ

死ぬまで「現役」が当たり前?『男の壁』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

死ぬまで「現役」が当たり前?『男の壁』

「欲しがりません、勃つまでは」。 新年早々、自らの人格を疑ってしまう書き出しだが、学生時代に読んだ夕刊紙だか実話系雑誌の性に関する特集でのフレーズを時々思い出す。「パートナーが不能になった場合、どうするか」。そんな質問に応じた女性が冒頭の台詞を述べていた。オッサンが好きそうな駄洒落だけにデスクか記者の妄想のような気もしなくもないが、納得したものだ。世の中、無

『名刀と日本人』刀に込められた思い。 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『名刀と日本人』刀に込められた思い。

平安時代より天皇家では皇子が生まれると「御剣(みはかし)」を贈るという習慣が存在した。長保元年(999年)11月7日に一条天皇の皇子敦康親王がお生まれになったとき、御剣が贈られたことが『栄花物語』に書かれている。このときの御剣がどのようなものであったのかは、今ではわからない。剣とは直刀で両刃の武器のことだが、このときの御剣はおそらく、片刃の直刀ではないかと著

1月の今月読む本 その1 書影

今月読む本

1月の今月読む本 その1

あけましておめでとうございます。 HONZは2年目のお正月を迎えました。 忙しいメンバーは、正月休みに積ん読を解消しようと意気込んでおりましたが、結局、家族や郷里の友人たちとの時間が楽しくて、いつもよりかえって読めなかったようです。 かく言うワタシも、年末年始の1週間は1年で一番本を読まない期間で、なんと1冊しか読んでいません。朝会のための本屋めぐりもひさし

現場の研究者が語る 『ヒッグス粒子の見つけ方』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

現場の研究者が語る 『ヒッグス粒子の見つけ方』

ヒッグス粒子は、 『サイエンス』誌のブレークスルー・オブ・ザ・イヤーに選ばれる等 、昨年大いに話題となった、質量の起源となる素粒子だ。 ロマンだ。「宇宙が今の姿になるために、なくてはならない。」素敵に言えるだろうか。サイエンティストは、ロマンティストである。 ヒッグス粒子は、現在の素粒子論の「標準模型」において唯一発見されていない素粒子であったが、遂に昨年7

『昆布と日本人』 コンブって、地味だけどすごいんです。 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『昆布と日本人』 コンブって、地味だけどすごいんです。

表紙は3本の干し昆布を並べただけという何とも飾り気のない本だが、なかなかどうして読ませる一冊。さながら、140年を誇る昆布商の主人が語る「昆布民俗学」の決定版と呼べるほどの充実した内容だ。 この黒くて地味な昆布、実は日本の近代化にも一役買っている。古くから蝦夷地で食されていた昆布がポピュラーになったのは江戸時代後半。松前(北海道)と大坂を往復しながら物資の売

特殊撮影『ワンダー・フォトグラフィー』 書影

サイエンス / アート・スポーツ

特殊撮影『ワンダー・フォトグラフィー』

本書には2013年現在、最も高度な最新技術で撮影された画像が掲載されている。月刊 コマーシャル・フォト に連載された人気連載「特殊撮影見聞録」の4年間分をまとめて1冊に再編集したものだけあって、内容が濃密だ。 撮影ジャンルは最先端技術による宇宙撮影から限界ギリギリの深海、超望遠から超マクロ、X線や赤外線撮影に至るまで多岐にわたり紹介しており、超最先端画像のこ

いがらしみきお自伝 『ものみな過去にありて』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

いがらしみきお自伝 『ものみな過去にありて』

いま、私は困っている。 この本、どうやって紹介すればいいのだ? HONZの成毛代表も言っていた―― 「世の中には、レビューしやすい本と、しにくい本がある」。 そして、この本はレビューしにくい。なにしろ、こんな具合だ。 (映画 『ノー・カントリー』 について、ハビエル・バルデム演じる殺し屋が酸素ボンベの圧縮エアガンを武器として一瞬にして人殺しをすることや、この