ノンフィクションはこれを読め!

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455記事

壮絶なる人生!『路地の子』を読んでいるのは、どんな人たちなのか? 書影

人物 / 社会

壮絶なる人生!『路地の子』を読んでいるのは、どんな人たちなのか?

『路地の子』が話題 です。著者は『日本の路地を旅する』で大宅壮一ノンフィクション賞を獲った上原善弘。今回は自らの父親の一代記を描いています。 非常に重いテーマの作品ですが、重版も続いているほどの人気ぶり。いったい何が人をここに惹きつけるのか、いったい誰がここに惹きつけられているのか、今回はこの作品を見ていきたいと思います。 まずは読者層です。 読者の70%超

『動物になって生きてみた』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『動物になって生きてみた』

本書は、イギリス人のナチュラリストであるチャールズ・フォスターが書いた『Being a Beast』の邦訳で、この地球上で人間ではなく動物として生きるとはどんなことなのか、人間の立場から考えたり想像したりするのではなく実際に動物になりきって暮らし、見て、嗅いで、聞いて、味わって、感じようとした経験を描いている。このユニークな試みは、20

8月の今月読む本 その2 書影

今月読む本

8月の今月読む本 その2

8月の半ば、夏たけなわだというのに雨続きで肌寒い。どうやら今年の盆休みは家のなかでゲームか読書、という人が多いらしい。書店に行けば子供連れの家族で混雑し、レジは長蛇の列で驚かされた。 8月3日に行われたHONZ朝会に来られなかったメンバーも(前夜の夜会の二日酔いも含め)オススメの3冊は用意していてくれたようだ。 面白そうな本ばかりなので、これから夏休みの方は

『9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために』21世紀のユーザーズ・マニュアル 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『9プリンシプルズ 加速する未来で勝ち残るために』21世紀のユーザーズ・マニュアル

本書を一言で表現するなら、「21世紀のユーザーズ・マニュアル」である。 本書の内容紹介に、「ビジネスの「ゲームのルール」の激変ぶりに、イノベーションの恐るべきペースの速さに、むち打ち症(whiplash)にならずついていくために不可欠な、『9の原理(ナイン・プリンシプルズ)』」と書かれているように、我々は、今、世界を動かすオペレーティングシステム(OS)が一

『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』良き敗者の魂 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』良き敗者の魂

「二課の花はサンズイ」と言われる。警視庁捜査二課は、汚職や詐欺、横領、背任、選挙違反などを摘発する部署だ。「サンズイ」は汚職の「汚」のサンズイに由来する隠語で、ゴンベン(詐欺)やギョウヨコ(業務上横領)などに比べ事件の格が一段上とされる。二課の刑事にとって、汚職事件の摘発は、命がけで成し遂げたい悲願である。 『石つぶて 警視庁二課刑事の残したもの』は、警視庁

『大阪ソースダイバー』にソース文化の真髄を学べ! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『大阪ソースダイバー』にソース文化の真髄を学べ!

あまり知られていないかもしれないが、大阪人はソース好きだ。東京では中濃ソースが一般的らしいが、大阪の家庭ではとんかつソースとウスターソースが常備されているのが普通である。 天ぷらにだってウスターソースをかける。少し古い、たぶん10年ほど前の データ だが、野菜と魚の天ぷらソースで食べる人は、関東では1%以下であるのに対して、近畿では 45 %もいる。アジとか

インドア派にこそ読んでほしい『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

インドア派にこそ読んでほしい『NATURE FIX 自然が最高の脳をつくる』

帰省シーズン真っただ中。慌ただしい日常からしばし遠ざかり、インドア派としてはサイダーでも飲みつつ家でごろごろ。するつもりが、今年はわりと緑豊かな場所まで出かけることにした。まちがいなく本書を読んだせいである。読んでいて、田舎に帰ってきたのに部屋に引きこもっていることが、急にもったいなく思えてしまったのだ。 森や海など自然豊かな環境に行くと、気分が上向き、体調

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今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年8月6日週

いつかお別れの日が来ることはわかっていました。でも、毎日一緒にいて、あなたの存在は掛け替えなく、大変離れ難かったです。 そう、親知らずを抜きました。 親知らずは10代後半から20代前半にかけて生え始めます。乳歯と異なり、親は生えてきたことを知らない=「親知らず」と呼ばれるようになりました。英語ではwisdom tooth、分別がつく年頃に生えてくる歯とされて

「深海」好きなあなたへ 『特別展「深海2017」公式図録』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

「深海」好きなあなたへ 『特別展「深海2017」公式図録』

ダイオウイカ以来の深海ブームは、この夏もまだまだ熱く続行中だ。新たな南極の深海調査の結果が続々と出てきているのだ。あの震災時に三陸沖の海の下で何か起こったかも、だ。国立科学博物館での展示、NHKスペシャル「ディープ オーシャン」の放送……最新の深海情報をまとめた一冊を紹介しておこう。 深い海の中は、その特異な環境があるからこそ、見たことのないような形や色の生

巨象をあやつるSNS番長 『モディが変えるインド』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

巨象をあやつるSNS番長 『モディが変えるインド』

2017年8月15日、インドは独立70周年を迎える。本書は、普通に暮らす日本人に「インドの今」を知ってもらうために書かれた本だ。東アジア情勢が風雲急を告げるなか、「そういえば今、南アジアはどうなっているのだろう」と思い、私はこの本を手に取った。皆様も独立70周年の機会に、インドという大国に思いをはせてみてはいかがだろう。新たな視界が開けてくるかもしれない。

『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』地域型武装組織から国際テロ組織への変貌 書影

教養・雑学 / 事件・事故

『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』地域型武装組織から国際テロ組織への変貌

2014年、ナイジェリアで学校の寄宿舎が武装した男たちに襲われ、200人以上の少女が誘拐された事件を覚えている人も多いであろう。事件後、インターネットでイスラーム過激派組織「ボコ・ハラム」が犯行声明を出し、その動画の一部は日本のメディアでも取り上げられた。組織のリーダーを名のるアブバカル・シュカウという男が誘拐した少女たちを奴隷として売り飛ばすと宣言。 20

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』コンサルティングの終焉 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』コンサルティングの終焉

筋が通った正論に対して、直観が納得しないときがある。 本書タイトルでいう美意識は、デザインや広告などクリエイティブに関する領域かと思われがちだが、ポイントはそこではない。 近年、英国ロイヤルカレッジオブアート(RCA)など世界有数の美術系大学は、フォードやビザ、製薬会社グラクソ・スミスクラインといったグローバル企業の幹部に対して美術プログラムを提供している。

8月の「今月読む本」 その1 書影

今月読む本

8月の「今月読む本」 その1

「春の研修会」からはや5ヶ月。新しくメンバーになる人あれば退会する人ありで、久しぶりに顔を合わせましょうと言う話になったのが7月の初頭。仲野徹の上京にあわせて日程は決まったのだが、その仲野から「前日は夜会にしよう」という爆弾発言があった。 じゃあ会場はここで、と成毛が決めたのはメキシコレストラン。酒はビールとテキーラしかない、ですって!! はい、予想通り、時

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』人生を評価する自分なりのモノサシ 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』人生を評価する自分なりのモノサシ

今、第二次大戦後に世界が築き上げてきたありとあらゆる既成概念が崩壊し、これまでのルールが全く通用しなくなる中、それに代わる新しい秩序やルールが立ち上がって来ているかと言えば、それもない。 今後とも新しい秩序の姿は見えないようだという不透明で垂れ込めた感覚こそが、今の時代を覆う漠然とした不安の正体であり、その裏返しが、AIのシンギュラリティがもたらすユートピア

『水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬』稀代の詐欺師、暗躍の戦争裏史 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『水を石油に変える人 山本五十六、不覚の一瞬』稀代の詐欺師、暗躍の戦争裏史

昭和14年1月の深夜、霞が関の海軍省の地下の一角では、なにやら怪しげな実験が進行していた。「水からガソリン」をつくるというこの実証実験は、山本五十六海軍次官や「特攻の生みの親」ともいわれる大西瀧治郎大佐などの立会いのもと、三日三晩行われ、最終日に成功を収めた。 実験を行っていたのは「街の科学者」として名を馳せていた本多維富という初老の男だ。彼は稀代の詐欺師で

『音楽と沈黙 1』 書影

小説 / HONZ客員レビュー

『音楽と沈黙 1』

無謀にも30年戦争に介入して一敗地にまみれたデンマーク王、クレスチャン4世。戦で親友をも亡くしローセンボー城で塞ぎこむ王のもとに、イングランドから美貌のリュート奏者ピーターが訪れる。王はピーターを天使かと見紛い、亡き親友の面影を夢見てピーターを囲い込む。 音楽が好きな王は宮廷楽団を抱えているが、楽団は沈黙の地下のワイン貯蔵室で演奏し特殊なパイプを通じて王の謁

『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『戦争がつくった現代の食卓 軍と加工食品の知られざる関係』20世紀の食を発展させたのは「ミリ飯」の技術開発だった

ミリ飯。小さなご飯という意味ではない。ミリタリーすなわち軍隊で支給される携行食のことである。海軍や空軍はそれぞれ艦内や基地に厨房があるため、いつも温かい食事が摂れる。しかし、野戦を主とする陸軍は兵士が自分の食料を携行する必要がある。 そのため、食料はできるだかぎり小さく軽く、しかも日持ちする必要がある。陸戦が主力だった戦国時代には干飯や焼味噌などを陣中食とし

今週のいただきもの:2017年7月30日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年7月30日週

先日、HONZの夜会がありました。お店はメキシコ料理屋、飲み物はビールとテキーラだけという、少々ハードな飲み会でした。 テキーラといえば、サボテンが原料だと思われがちですが、竜舌蘭という別の植物から作られています。無色透明のシルバーは蒸留後、熟成しないで瓶詰めにします。薄い黄色のゴールドは樽詰めにし、熟成させるため、ほのかに樽の香りが感じられます。ショットで

肥満に至る道はひとつではない──『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

肥満に至る道はひとつではない──『人はなぜ太りやすいのか――肥満の進化生物学』

現在の人はかつてないほど太っている。体長を身長の二乗で割って算出されるボディマス指数での評価では、世界人口の5人に1人が肥満あるいは過剰体重となってしまうほどだ。 1900年以前には肥満者は存在はしていたものの、多くはなかった。1700年代、1800年代のヨーロッパでは肥満者は珍奇なものであり、見世物にする人もいたぐらいだ。受け入れられ方も現在とは大きく異な

『芸術・無意識・脳』 科学と芸術の対話が人間の本質を明らかにする 書影

サイエンス / 医学・心理学

『芸術・無意識・脳』 科学と芸術の対話が人間の本質を明らかにする

1900年前後のウィーンにはあらゆる分野の才能を引き寄せる力があった。哲学ではクルト・ゲーデルやルートヴィヒ・ヴィドゲンシュタイン、音楽ではグスタフ・マーラーやベートーヴェン。その他の芸術や自然科学分野でも、挙げきれないほど多くの偉人たちがこの街に集まっていた。特筆すべきは、その天才たちが個々の分野毎に活動していたのではなく、科学者・作家・芸術家の垣根を越え

『歴史の証人 ホテル・リッツ 生と死、そして裏切り』権力の交点となったホテルでの魅惑的な群像劇」 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『歴史の証人 ホテル・リッツ 生と死、そして裏切り』権力の交点となったホテルでの魅惑的な群像劇」

パリの中心部、ヴァンドーム広場に面して、そのホテルは存在する。 ホテル・リッツ(Hôtel Ritz)。フランスの実業家セザール・リッツと名料理人オーギュスト・エスコフィエの協力のもと、1898年に開業したこのホテルは、その贅沢さ、壮麗さから、パリの富裕層だけでなく、世界各国の名士を顧客に迎え入れ、大きく栄えた。 だが、第二次世界大戦さなかの1940年6月1

今週のいただきもの:2017年7月23日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年7月23日週

オフィスにお中元でマンゴーが届いたので、頼まれてもいないのに率先して切り分けました。かつて フェルメール が愛用した、インディアンイエローという顔料にマンゴーが使われていたことをご存知ですか? インディアンイエローは、インドのベンガル地方の特産品でした。マンゴーの葉と水だけで牛を育てると、牛の尿は鮮やかな黄色になります。それを集めて乾燥させ、顔料を精製してい

ブレたっていいんです!『すごいヤツほど上手にブレる』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ブレたっていいんです!『すごいヤツほど上手にブレる』

信念を曲げる、ブレる、一貫性がない。どれも否定的なニュアンスで使われることが多い言葉だ。政治家が変節しようものなら、多くのメディアや、敵対する政党がそのことを一斉に叩くだろう。アメリカでは政治家の過去の発言と、それとは食い違う最近の発言を交互に放映する番組が人気を博しているそうだ。日本の週刊誌や新聞でも、その類いの記事はよく見かける。 リーダーには確固たる信

『祖国の選択 あの戦争の果て、日本と中国の狭間で』 書影

日本史 / 「解説」から読む本

『祖国の選択 あの戦争の果て、日本と中国の狭間で』

何という人生の数々だろうか――。 本書を読みながら、思わず天を仰ぎたくなるように、何度もそう感じた。 著者の城戸久枝さんが「あの戦争」と呼ぶ70年前の時代の混乱の中で、祖国を自らの意志によって選ばなければならなかった6人の体験が、丁寧な聞き取りによって描かれていく。 冒頭で滔々と語られる小林栄一氏の半生を読み始めたときから、私はその「語り」の重みに一気に引き

埼玉でスッポン、都内でエイを『捕まえて、食べる』アドベンチャーは自転車で! 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

埼玉でスッポン、都内でエイを『捕まえて、食べる』アドベンチャーは自転車で!

夏休みシーズンが到来し、海へ山へと出かける計画を立てている最中の方も多いかもしれない。しかし夏休みには、いつか終わってしまうという最大の欠点がある。これを回避する方法が、一つだけ存在するのだ。それは、毎日を夏休みのように生きるということである。 本書の著者は、まさにそんな生き方を体現している人物だ。スッポンを自分で捕まえて鍋にする、エイを捕まえてフォンオフェ

『発想法 改版 - 創造性開発のために』半世紀前を温ねて新しきを知る 書影

サイエンス / 教養・雑学

『発想法 改版 - 創造性開発のために』半世紀前を温ねて新しきを知る

国民総生産(GNP)が西ドイツを抜き、第2位になるのが1968年、その前年に本書は出版された。高度経済成長期の真っ只中であり、急速な成長の裏返しとして公害や環境破壊が世間の注目を集め、公害対策基本法が制定された。そこから版を80回以上重ね、現在までに80万部以上を売り上げている。 発想法とは、アイディアを創り出す方法である。問題提起から記録、分類、統合にいた

『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟 書影

サイエンス / 生物・自然

『世界からバナナがなくなるまえに 食糧危機に立ち向かう科学者たち』 ロペスのハチ、チョコレート・テロ、現代版ノアの箱舟

バナナがなくなってしまうだって!? 多くの人にとっては寝耳に水であろうが、しかしこの話、けっしてありえないことではないようである。 現在、人々が口にしているバナナは、その大半が単一の品種、すなわちキャベンディッシュバナナである。そしてそのバナナには、遺伝的な多様性がまったくない。というのも、キャベンディッシュは種子がなく、株分け(新芽を移植すること)をとおし

『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』そこには、最低限の秩序だけがあった 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』そこには、最低限の秩序だけがあった

「出勤日も、出勤・退勤時間も自由」 「欠勤の連絡をしなくてよい」 「嫌いな作業はやらなくてよい。好きな作業だけやればよい」 著者の武藤北斗さんが経営している水産加工会社のルールである。こんな職場、本当にあるの? のっけから驚かされる。理想主義も行き過ぎて、意識高い系の実験的な試みはいいけれども「生き生き働く笑顔」のうらになにか無理が潜んでいるんじゃ…。などと

なんと明るいチ〇コ本 『日本男子♂余れるところ』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

なんと明るいチ〇コ本 『日本男子♂余れるところ』

『余れるところ』の平均長は8.3センチメートルらしい。ん、余れるところって?その由来は古事記にまでさかのぼる。かのイザナギが自らの男根を「成り成りて成り余れる処」と呼んでいるのだ。そして仏教では「魔羅(まら)」、すなわち修業の邪魔になるものという意味である。そんなこんなで秀実(ヒデミネ)さんは考えた。そこには真理があるはずだと。 序章  仏説男根 ぶっせつだ

『息子が殺人犯になった コロンバイン高校銃乱射事件・加害生徒の母の告白』わかりやすい原因などない、という現実 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『息子が殺人犯になった コロンバイン高校銃乱射事件・加害生徒の母の告白』わかりやすい原因などない、という現実

コロンバイン高校銃乱射事件。1999年4月20日、コロンバイン高校の学生2人が無差別に発砲を行い最終的に自殺、教師1人と生徒12人が死亡し、24人が負傷した傷ましい出来事だ。発生から15年以上が経った今なお学校銃乱射事件の代名詞的存在とされるのは、犯人であるエリックとディランがそれぞれ卒業を間近に控えた、18歳・17歳の少年だったという若さだけが理由ではない

今週のいただきもの:2017年7月16日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年7月16日週

夏といえばスイカの季節ですね。JR東日本のICカードもSuica(スイカ)と言いますが、由来をご存知ですか?「スイスイ行けるICカード」というだけではなく、「super urban intelligent card」の頭文字なんです。ロゴマークはJR東日本のイメージカラーである緑と、線路でスイカを表現しています。 マスコットキャラクターのペンギンも頭が丸く、

小池百合子「ファースト」写真集を買っているのは、どんな人たちか? 書影

アート・スポーツ / 併せて読まれたこの一冊

小池百合子「ファースト」写真集を買っているのは、どんな人たちか?

都議選の声が聞こえ始めた6月上旬、我々のもとに「ものすごい隠し球があるらしい」という噂が飛び込んできました。出版業界というのは隠し球が好き、発売して内容が明らかになってからよりも、内容がわからないうちのほうが盛り上がるくらいのものです。 で、その隠し球。どこぞの政治家がものすごい爆弾発言をしているのでは? とか、タレントの離婚か? とか(郷ひろみの『ダディ』

『かくて行動経済学は生まれり』人間は間違える。劇的に、そして規則的に 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『かくて行動経済学は生まれり』人間は間違える。劇的に、そして規則的に

マイケル・ルイスといえば『世紀の空売り』や『マネー・ボール』をはじめ、一攫千金の舞台裏をゲームのようなスリリングさで描く作家として記憶されている方も多いかもしれない。ところが本作は行動経済学がテーマ、しかもルーツとなった2人の心理学者の評伝形式になっている。 ここで一抹の不安を覚えた方には、予め声を大にして言っておきたい。「心配無用である」と。まるで、これま

ダマされても憎めない『ananの嘘』 書影

教養・雑学 / 社会

ダマされても憎めない『ananの嘘』

雑誌はその時代のトレンド、社会の流れを掴むもの。だから1冊の雑誌の来歴をたどれば、自ずと、時代ごとの社会の変遷を読み取ることができる…。 そんな普段とは異なる「雑誌の楽しみ方」をみせてくれるのが本書『ananの嘘』。創刊から45年を迎えた雑誌『anan』(以下、アンアン)の2000号に及ぶ誌面を、『負け犬の遠吠え』他の著者である酒井順子氏が分析した一冊である

『復讐者マレルバ 巨大マフィアに挑んだ男』 生きるために殺し続けた男。それは現代版の『罪と罰』なのか? 書影

人物 / 社会

『復讐者マレルバ 巨大マフィアに挑んだ男』 生きるために殺し続けた男。それは現代版の『罪と罰』なのか?

「マレルバ」とは雑草のことである。雑草こそが本書の主人公のアントニオ・ブラッソことジュゼッペ・グラッソネッリの少年時代のあだ名である。雑草の名から連想できると思うが、彼は生粋の不良少年だった。本書はイタリアのシチリア島出身である「雑草」の数奇な半生を綴った自伝である。 日本では無名といっていいジュゼッペ・グラッソネッリとはどのような男で、いかなる人生を歩んだ

『教養としての社会保障』 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『教養としての社会保障』

少子高齢化が進む中で、社会保障の持続可能性について不安を持つ人々が増えているようだ。「年金は破綻する」といった論調などその最たるものであろう。僕は半世紀近く生命保険業界に身を置いてきたので補完関係にある社会保障については昔から興味があったが、この分野では信じられないようなトンデモ本が多くバランスの取れた概説書に出会った記憶があまりなかった。 社会保障は、マク

今週のいただきもの:2017年7月9日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年7月9日週

地元の縁日へ行ってきました。縁日と言えば金魚すくい。昨日はボウルに金魚がいっぱいになるまですくい、ちびっ子たちから尊敬の眼差しを浴びました。 金魚すくいのコツはいくつかあります。 ・ポイ(金魚をすくう道具)は表裏があり、紙が貼ってある表面を使う。 ・ポイは最初に全部濡らす。一部だけ濡らすと、境目が破れやすい。 ・ポイは斜め(45度くらい)に水に入れる。 ・水

痛快!『女子プロレスラー 小畑千代』81歳にして現役 書影

教養・雑学 / 人物

痛快!『女子プロレスラー 小畑千代』81歳にして現役

昭和43年11月6日、IWWA(国際女子プロレス協会)世界選手権がおこなわれた。超満員の蔵前国技館で、32歳の 小畑千代 が対戦したのは米国の ファビュラス・ムーラ 。一本目は、いきなり反則攻撃をしかけたムーラがフォール勝ち。二本目は、必ずとると決めた小畑が攻めまくる。ドロップキックからキーロック、空手チョップから、跳び蹴り、ハンマー投げ。最後は、20キロほ

『世界一訪れたい日本のつくりかた』観光の基本は「楽しい」にあるべき 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『世界一訪れたい日本のつくりかた』観光の基本は「楽しい」にあるべき

去る6月19日、東京大学の伊藤国際学術研究センターで行われた、東京大学政策ビジョン研究センター主催の『 文化を基軸とした融合型新産業創出研究ユニット キックオフシンポジウム「日本の文化政策の新たな姿を探る」 』に参加して来た。 その基調講演がデービッド・アトキンソン氏で、日本の観光政策についての中身がある非常に良い講演だった。アトキンソン氏のポイントは幾つ