ノンフィクションはこれを読め!

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455記事

今週のいただきもの:2017年9月10日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年9月10日週

蒲田にあるトルコレストランに行ってきました。蒲田には美味しいベトナム料理屋が2軒あったり、中華やインド、ベトナム料理専門の食材店があったりなど、ちょっとしたアジア旅行気分が楽しめます。そんな蒲田にあるトルコレストラン、本場のようにお手ごろ価格で美味しく、お店の方がホスピタリティにあふれ、とても素敵なお店でした。 トルコの主な宗教はイスラム教ですが、お酒に関し

『PHOTO ARK 動物の箱舟 絶滅から動物を守る撮影プロジェクト』 書影

生物・自然 / アート・スポーツ

『PHOTO ARK 動物の箱舟 絶滅から動物を守る撮影プロジェクト』

パンダ・トラ・ゾウ・ライオン・ゴリラ。 これらはふだん動物園で見ることができる動物だ。そのせいかあまり意識しないのだが、じつは国際自然保護連合(IUCN)が作成する絶滅の レッドリストカテゴリー にすべて該当してる。 カテゴリー「CR:近絶滅種」「EN:絶滅危惧種」「VU:危急種」に分類された動植物は、特に絶滅寸前種と考えられ、哺乳類1194種、鳥類1460

一級の事故事例集『大惨事と情報隠蔽』 書影

事件・事故 / ビジネス

一級の事故事例集『大惨事と情報隠蔽』

情報隠蔽。誰もが、「情報隠蔽=悪」であり、起きてはならないと認識している。情報隠蔽が悪いのは、なにも不正につながるからだけでない。必要な情報が共有されずに恐るべき大参事を招いてしまうからである。 本書は多くの歴史的大惨事を引き起こした主な原因が情報隠蔽でだったという新しい視点を提示する一冊だ。原発事故、大規模リコール問題、金融危機に至るまで情報隠蔽が問題を深

『大学病院の奈落』「新聞協会賞」受賞記者がスクープの裏側を詳細に描く 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『大学病院の奈落』「新聞協会賞」受賞記者がスクープの裏側を詳細に描く

2015年9月、読売新聞東京本社は同年度の新聞協会賞を受賞した。受賞理由は「群馬大学病院での腹腔鏡手術をめぐる一連の特報」である。その特報取材班のリーダーだったのが本書の著者である高梨ゆき子記者だ。 その特報とは、10年から14年にかけて群馬大学病院第二外科で行われた腹腔鏡手術後に、8人もの患者が相次いで亡くなっていた事実をスクープしたものだった。 執刀した

社会分断による英国の『チャヴ 弱者を敵視する社会』は日本の近未来かもしれない 書影

社会 / おすすめ本レビュー

社会分断による英国の『チャヴ 弱者を敵視する社会』は日本の近未来かもしれない

『チャヴ』、聞き慣れない言葉である。もとはロマ族の「子供」を指す言葉「チャヴィ」から来た、英国において用いられる「粗野な下流階級」を指す蔑称である。いくつかの英語辞典を調べてみると、「生意気で粗野な態度によって類型化される若年下流階級(オクスフォード英語辞典)」、「教養の欠如や下流階級であることを、その衣服や話し方、行動があらわすような人を示す蔑称。通常は若

『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『性表現規制の文化史』えっちがいけないことなのは何故か

本書、表紙が素敵なのだ。 裸の成人女性からうまい具合に乳首を隠したイラスト、線画の描写ゆえ生々しさはなく90年代に流行ったオシャレ系マンガの表紙のようである。 とは言えハダカはハダカ、サラリーマンばかりの通勤電車で読むのは平気だった私もさすがに目の前に小学生男子が立っている中では本書の続きを読むのをためらった。 こんな風に感じるのは何も私だけではないだろう。

『デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択』 デザイナー・ベビーの誕生は避けられない? 書影

サイエンス / 医学・心理学

『デザイナー・ベビー ゲノム編集によって迫られる選択』 デザイナー・ベビーの誕生は避けられない?

ヒトが生殖以外の方法で新たなヒトの命を生み出す、改変するというアイディアは、数千年にわたって人類の想像を掻き立て続けてきた。科学者による理想の人間の創造を目指した『 フランケンシュタイン 』や遺伝子操作による優生学的な階級社会を舞台とした映画『 ガタカ 』など、このテーマを扱った作品は数え切れない。これらのフィクションが描き出すディストピアとクローン羊ドリー

『予期せぬ瞬間 医療の不完全さは乗り越えられるか』 医者と医療にまつわる不完全と不可解と不確実 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『予期せぬ瞬間 医療の不完全さは乗り越えられるか』 医者と医療にまつわる不完全と不可解と不確実

医者はどうしてミスから逃れられないのか。医療には未知や不確実なことがどれほどあって、医者や患者はそれらにどう対処したらよいのか。本書は、そんな問題をテーマとした、アトゥール・ガワンデのデビュー作である。 ガワンデは、現役の外科医であると同時に、雑誌『ニューヨーカー』にも寄稿する文筆家である。その最新作 『死すべき定め――死にゆく人に何ができるか』 が大ヒット

優しいペン 『わけあり記者』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

優しいペン 『わけあり記者』

弱者の気持ちを知っている人が、公器としてのペンを持っている社会は安心だ。本書の著者は、中日新聞の記者である。過労からうつ病になり、復職後に両親の介護をかかえ、パーキンソン病の進行を薬でおさえながら勤務を続ける「わけあり記者」だ。本書では、「ここまで書いてしまって良いのか」と思うほど克明に、事の次第を綴っている。心を動かされない人は、まずいないだろう。 熟達し

今週のいただきもの:2017年9月3日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年9月3日週

去る9/7 、成毛眞の私的なパーティーがありました。その名も「表参道パルプンテ」。年齢性別経歴商売関係なしの50人が集まって、ただただ楽しくお酒を飲んで、おしゃべりするだけです。 さて、そんなパーティーの準備で、かすみ草を買いました。かすみ草の花言葉は「清らかな心」「幸福」「夢見心地」。石灰質の土壌を好み、学名はGypsophila elegans(gyps

『ブラック・フラッグス 「イスラム国」台頭の軌跡』ザルカウィと群像 書影

人物 / 事件・事故

『ブラック・フラッグス 「イスラム国」台頭の軌跡』ザルカウィと群像

アフマド・ファディル・アル=ハライレー。それが本書の主人公の名前である。だが本名よりもこちらの名前のほうで世間には知られている。その名はアブー・ムサブ・アッ=ザルカウィ。イラクのアル=カーイダ(AQI)の創設者である。イラク戦争のさなか、米軍の占領政策の弱点を巧みにつき、イラク全土で武装反乱の炎を燃え広がらせたテロリストである。 本家のアル=カーイダとは違い

ドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』を更に詳しく 書影

社会 / おすすめ本レビュー

ドキュメンタリ映画『おクジラさま~ふたつの正義の物語』を更に詳しく

2017年8月28日、反捕鯨団体のシー・シェパードは今年の捕鯨シーズンは 日本の南極調査捕鯨船の妨害を行わないと発表 した。日本の監視技術に太刀打ちできないのが中止の理由だという。まるで本書の発売と映画の封切りを見計らったような時期の発表だ。だがこの問題は解決したわけではない。 本書は9月9日から全国で順次公開されるドキュメンタリ映画 『おクジラさま~ふたつ

『大学病院の奈落』変われない病院の体質が、惨劇を生み出した 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『大学病院の奈落』変われない病院の体質が、惨劇を生み出した

森友学園と加計学園をめぐる問題に揺れた今年の通常国会で、ある重要法案が可決・成立したことはあまり知られていない。特定機能病院の安全管理を強化する改正医療法である。大学病院のような高度医療を担う病院は、医療安全対策も高水準でなければならないという方針が、法律として明文化されたのだ。 改正のきっかけとなったのは、読売新聞のスクープ記事だった。 <腹腔鏡手術後8人

とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

とてつもなく変態で、ありえないほど文章がうまい──『動物になって生きてみた』

どうやったら、我々人間は動物の感覚にもっと近づくことができるのだろう。たとえばアナクマのように巣穴で眠り、森を徘徊して獲物を物色する。たとえばカワウソのように水辺に住んで魚やザリガニを食べて生き、ツバメのように空を飛び、糞を撒き散らす。そうやって動物たちと同じように生きたら、彼らがみている世界を追体験できるのではないだろうか? そんな、言っていることはわから

明治神宮と『変形菌』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

明治神宮と『変形菌』

変形菌、それは粘菌のことだ。粘菌、それは南方熊楠が愛し、昭和天皇が新種をいくつも発見され、2度もイグ・ノーベル賞に貢献した生物だ。「梅雨時のじめっとした林、あるいは真夏の暑い公園で、粘り気があって色あざやかなアメーバ状のものが倒木や切り株に広がっている」、そのアメーバ状のものこそ、そいつだ。植物でも動物でもキノコでもない単細胞生物。なのに、色も形も、多様で興

今週のいただきもの:2017年8月27日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年8月27日週

六本木の国立新美術館で開催中のジャコメッティ展に行ってきました。ジャコメッティは20世紀を代表する彫刻家で、針金のように極端に細長く、引き伸ばされた人物彫刻で知られています。今回の展覧会は初期〜晩年の作品が集められ、彼の一生を追うことができます。個人的に気に入ったのは、大戦中に製作された作品です。持ち運びができるように、指の腹にも乗るようなサイズですが、彼の

みんな大好き大興奮!(のはず)『マンボウのひみつ』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

みんな大好き大興奮!(のはず)『マンボウのひみつ』

生きものによって人に好かれるのとそうでないのがある。それは、その生きもの固有の性質による場合もあれば、社会的なファクターによるものもある。たとえばアイアイを考えてみればよくわかる。 アイアイはその原産地・マダガスカルでは悪魔の使いとされており、忌み嫌われている。どれほど嫌われているかというと、一旦目撃すると、そのアイアイを殺さないと不幸になる、と言われていた

『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』 書影

ビジネス / 編集者の自腹ワンコイン広告

『OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び』

私はいま38歳。ちょうど私が産まれたときの、父親の年齢になった。私が物心ついたときには、すでに父は膠原病にかかっていた。膠原病はタチの悪い病気で、いわゆる難病である。父の場合は、手足の血流が悪くなり、すべての指が大きくソーセージのように丸くふくれ、関節はこわばり、すべての爪と指のあいだには潰瘍ができていた。 指先を常に深く怪我している状態だから、何をするにも

『芸術・無意識・脳』人の心は、どこまで解明されてきたのか 書影

サイエンス / アート・スポーツ

『芸術・無意識・脳』人の心は、どこまで解明されてきたのか

我々はなぜ芸術に心惹かれるのだろうか。人間の心が脳の活動から生まれているのは間違いないが、芸術作品を鑑賞する時、我々の脳の中では何が起きているのだろうか。 本書の表紙にもなっているクリムト(1862-1918年)の『アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像 I』の背景に溶け込んでいる人物の輪郭が分かるのはなぜか。ココシュ(1886-1980年)やシーレ(1890-

『科学捜査ケースファイル 難事件はいかにして解決されたか』凶悪犯罪と法科学の歴史200年 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『科学捜査ケースファイル 難事件はいかにして解決されたか』凶悪犯罪と法科学の歴史200年

科学捜査は、多くのミステリードラマや推理小説の題材として扱われてきた。代表的なのは、アメリカ発のテレビドラマ『CSI:科学捜査班』や『BONES─骨は語る─』シリーズだ。日本でも『科捜研の女』が安定した人気を誇っている。推理小説は枚挙に暇がないが、アーサー・コナン・ドイルが1887年に発表した探偵シャーロック・ホームズ初登場作『緋色の研究』で、ホームズが行う

『答えのない世界を生きる』 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『答えのない世界を生きる』

いかなるビジネスであれ、ビジネスは人間と社会を相手に行うものである。そうであれば、僕は、人間と人間が創り出した社会の本質を理解することがビジネスにとっては何よりも大切だ、と思っている。その意味で、小坂井敏晶著『社会心理学講義』(筑摩書房)は、ここ数年の間に出版された本の中では、最高のビジネス書と呼んで差支えがあるまい。 『答えのない世界を生きる』は、その著者

『健康格差 不平等な世界への挑戦』 Fair society, healthy lives. 書影

医学・心理学 / 社会

『健康格差 不平等な世界への挑戦』 Fair society, healthy lives.

スコットランドのグラスゴーの話。その市のなかの、たった数キロしか離れていないふたつの地区は、驚くべき対照を見せている。一方のレンジーは高級住宅街であるのに対して、他方のカルトンは指折りの貧困地区。ただし、両地区の違いはそれだけではない。1998年から2002年の数字で、レンジーの男性の平均寿命は82歳であったのに対して、カルトンのそれは54歳であった。その差

『無冠、されど至強』影のナンバーワンと呼ばれたサッカー集団 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『無冠、されど至強』影のナンバーワンと呼ばれたサッカー集団

著者は『オシムの言葉』をはじめとしてサッカーを題材にしたノンフィクションを手がけてきた。サッカーを描きながらも大半の作品に通底するのは、政治や組織に翻弄された個人がその矛盾に対峙する側面を切り取る姿勢だ。 大文字の歴史で語られることは少ないが、戦後サッカー史で在日朝鮮人のチームは「影の最強チーム」と称された。 例えば社会人などで結成された「在日朝鮮蹴球団」は

『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』 進化認知学、そして「唯一無二の人間」という見方からの脱却 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』 進化認知学、そして「唯一無二の人間」という見方からの脱却

「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」。ずいぶん挑戦的な問いかけであるが、本書の内容もそれに負けず劣らず挑戦的である。 フランス・ドゥ・ヴァールは、ベストセラー 『チンパンジーの政治学 』といった著書もある、世界的に著名な霊長類学者である。そんな彼が本書で試みていることはおもにふたつある。ひとつは、彼の提唱する「進化認知学」というアプローチを明らかにするこ

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』 書影

民俗・風俗 / 日本史

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』

今年のフジロックで小沢健二とコーネリアスを観てきた。コーネリアスが今年発売したアルバム『 Mellow Waves 』が素晴らしくよい作品だったので、コーネリアスを最後まで観たかったのだけど、最後まで見ていると入場規制で小沢健二が観れないと思い、泣く泣く途中で切り上げ小沢健二をみにいった。その後、予想通り入場規制がかかったので、はやめに移動して正解だった。

『無銭経済宣言 お金を使わずに生きる方法』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『無銭経済宣言 お金を使わずに生きる方法』

本書は、19か国で刊行され日本でも大きな反響を呼んだ『ぼくはお金を使わずに生きることにした』の著者による第二作 The Moneyless Manifesto の全訳です。 著者のマーク・ボイルは、1979年生まれのアイルランド人。英国のブリストルで働いていた20代の終わりごろ、現代社会の多くの問題の根底に〈お金〉があると気づいた彼は、お金のいらない相互扶助

『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断

先日、新潮ドキュメント賞が発表され、ブレイディみかこさんの『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)の受賞が決定した。この作品を高く評価するのが、文藝春秋で数々の名ノンフィクション作品を送りだしてきた下山 進さん。本作の魅力がどういうところにあるのか、特別に寄稿いただいた。(HONZ編集部) 新潮ドキュメント賞を受賞したブレ

『科学が教える、子育て成功への道』21世紀の成績表 書影

サイエンス / 教養・雑学

『科学が教える、子育て成功への道』21世紀の成績表

もし、子育ての成功を定義できるのであれば、成功への道があるのならば、それを知りたいと思う人はたくさんいるはずだ。そして本書は、子育てにおいて、科学でわかっていることは何か、何を成功として定義して、その成功のために何をすればいいのか、を学習科学・発達心理学の知見を見事に体系化した本である。 「子育て」と「成功」という2つの言葉は相性が微妙で共鳴しづらいが、学習

今週のいただきもの:2017年8月20日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年8月20日週

先日、友人が畑で作ったという枝豆をもらいました。大豆を若いうちに収穫したものが枝豆ですね。そのまま育てると莢が枯れ、黄色く熟した大豆が採れます。 枝豆は奈良〜平安時代にすでに現在の形で食され、江戸時代には夏になると路上に枝豆売りの姿があったそう。当時はさやが枝についたままの状態で茹で、売られており、それを食べ歩いていたことから、ファストフードのような存在だっ

『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『アメリカを動かす「ホワイト・ワーキング・クラス」という人々』

2016年の米大統領選挙を契機に、日本でも米国の「白人労働者」の存在が注目されるようになった。彼らこそは、当初、異端の泡末候補だった不動産王ドナルド・トランプの大躍進を支えた原動力であり、同氏のコアな支持層と目されたからである。 「白人労働者」は米国では「プア・ホワイト(貧しい白人)」「ホワイト・トラッシュ(白人のゴミ)、「レッドネッ

あなたは他者からどう見られているのか──『なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

あなたは他者からどう見られているのか──『なぜ心を読みすぎるのか: みきわめと対人関係の心理学』

他人の心は、わからないものだ。 たとえ笑顔で話しかけてきても、こちらのことを殺したいほど憎んでいる可能性はいつだって存在する。自分以外のすべての人間に憎悪されている可能性について想像し始めるとめげてしまうが、実際のところそんなことはありえないわけで、だいたいの場合においてニコニコ顔は敵意のなさ、好意の証であるとみていいだろうと、普通はそう判断して会話をするこ

『食事のせいで、死なないために もっとも危ない15の死因からあなたを守る、最強の栄養学』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『食事のせいで、死なないために もっとも危ない15の死因からあなたを守る、最強の栄養学』

比較的簡単な手術のために、1週間でも入院すれば、現代医療の技術の高さに感謝せずにはいられない。だが生死に関わる病気にかかり、長い闘病生活を送るとなると、つらい治療に耐えねばならない患者本人はもちろん、家族もさまざまな苦しみや不安を経験するはずだ。 そのいっぽうで、医療従事者の負担も大きい。毎日どれだけ多くの診療や手術をこなし、投薬を行なっても、患者は増え続け

『時代劇の「嘘」と「演出」』クリエイターと 歴史家、「時代」をめぐるせめぎ合い 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『時代劇の「嘘」と「演出」』クリエイターと 歴史家、「時代」をめぐるせめぎ合い

「なんておもしろいの!」 この本を読んでいると、ページをめくるたびにこの一言が口をついて出る。 戦国時代を専門とする著名な学者・小和田哲男氏が時代考証にあたった大河ドラマ『江〜姫たちの戦国』で、こんなことがあったそうだ。浅井長政の小谷城が織田信長に攻め落とされる場面。 最近の研究では、小谷城は実際には燃えていなかったことが判明している。小和田は炎上シーンは描

『モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る』 書影

世界史 / HONZ客員レビュー

『モンゴル帝国誕生 チンギス・カンの都を掘る』

人類のグローバリゼーションは海の道と草原の道を結んだクビライ治下のモンゴル世界帝国で最初のピークを迎えた、と一般には考えられているが、モンゴル帝国の創始者・チンギス・カンについては意外とその治績が知られていない。本書は、長年モンゴルで発掘を続けてきた考古学者が描く等身大のチンギス像である。 遊牧民は放浪するのではなく、ある程度決まった場所を1年かけて季節移動

『子育ての大誤解 重要なのは親じゃない 』「言ってはいけない」真実が示す、親と子の幸福なあり方 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『子育ての大誤解 重要なのは親じゃない 』「言ってはいけない」真実が示す、親と子の幸福なあり方

『子育ての大誤解』は掛け値なしに、これまででわたしがもっとも大きな影響を受けた本のひとつだ。なぜなら長年の疑問を、快刀乱麻を断つように解き明かしてくれたのだから。 いまでいう「デキ婚」で24歳のときに長男が生まれたのだが、その子が中学に入るくらいからずっと不思議に思っていたことがあった。親のいうことをきかないのだ、ぜんぜん

『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』清く、正しく、疑わしく 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』清く、正しく、疑わしく

何かの分野を一筋に研究した人物の評伝には名作が多い。中でもとりわけ面白いのが、厳格でアカデミックな世界をいかに破天荒に生きたかというタイプのものだ。生きている世界と生き方とのコントラストが、読者を惹きつけ魅了するわけである。そういった意味で、本書もコントラストの妙が効いているタイプの一冊ではあるのだが、世界と生き方の関係がそれらのものとは反転している。 超常

親バカ(?)池谷裕二パパの神経科学的な育児日記 『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

親バカ(?)池谷裕二パパの神経科学的な育児日記 『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』

多くはないけれど、著者とタイトルを見ただけで絶対おもしろいだろうと思える本がある。この本がまさにそれだ。脳科学研究の第一人者であり、これまでに『海馬』や『単純な脳、複雑な「私」』といったヒット作をたくさんものにしている池谷裕二さんが、自分の育児について愛情たっぷりに書くんだから、おもしろくないはずがない。 もうひとつ、個人的にそそられる理由がある。1年少し前

『金融に未来はあるか』金融危機の必読書 書影

社会 / 世界史

『金融に未来はあるか』金融危機の必読書

今年これまでで、もっとも面白かった本である。書評を書くと決めた本を読むときには、引用したいページに付箋を張りつけるのだが、今回は付箋を張りすぎて、読み終わった後にさらに厳選して別の付箋を張りつけるはめになったほどだ。今年の金融読み物ナンバーワンだろう。 リーマン・ブラザーズ破綻に端を発した世界金融危機。これまで幾多もの書籍が出版されているが、そんな中でも必読

今週のいただきもの:2017年8月13日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2017年8月13日週

「形態は機能に従う」とは、シカゴの建築家 ルイス・サリヴァン の言葉です。9代目当主クラウス・ヨーゼフ・リーデルが機能美を求めた結果、 リーデル は世界中で愛されるワイングラスのトップブランドになりました。 シャンパンを飲むときは、フルートグラスで飲むことが多いですが、リーデルが薦めるのは 卵型のグラス です。シャンパンの香りや果実味をより一層楽しめるように

『戦場を歩いてきた カラー写真で読み解く戦場のリアル』ジャーナリストが見つめた戦地の日常 書影

社会 / 事件・事故

『戦場を歩いてきた カラー写真で読み解く戦場のリアル』ジャーナリストが見つめた戦地の日常

本書は日テレの番組、 NEWS24の「戦場を歩いてきた」 というコーナーを書籍化した物である。戦場ジャーナリストである佐藤和孝が戦場で撮り溜めてきた写真を通して、戦地に生きる人々の日常の姿を伝えるという趣旨の下に作成されたコーナーである。戦争と言う非日常の中にも日常がり、人々はそこでメシを食い、笑い、結婚もし、生きていく。しかし、尺の限られたニュース番組では