
『経営者 日本経済生き残りをかけた闘い』経営者から日本の資本主義を考える
「この紙切れをさ、みんなが価値があると信じているから流通しているって不思議だと思わないか? それが貨幣論の始まりなんだよ」 私が永野健二さんに会ったのは、1992年のニューヨークだった。週刊誌の記者、月刊誌の編集者を6年やった私は、一年休職してコロンビア大学のジャーナリズムスクールに留学していた。永野さんは、少し遅れて同大学の東アジア研究所にフェローとして滞
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「この紙切れをさ、みんなが価値があると信じているから流通しているって不思議だと思わないか? それが貨幣論の始まりなんだよ」 私が永野健二さんに会ったのは、1992年のニューヨークだった。週刊誌の記者、月刊誌の編集者を6年やった私は、一年休職してコロンビア大学のジャーナリズムスクールに留学していた。永野さんは、少し遅れて同大学の東アジア研究所にフェローとして滞

日大アメフト部による悪質タックル問題がいまだに世間を騒がしている。監督からの直接的指示の有無があったかが最初の焦点だったが、世の中の関心は日大の広報対応や会見の司会者の素性、過去のアメフト部内での暴力問題にまで飛び火した。 もちろん、今回の問題は監督やコーチの属性による部分も少なくないだろう。だが、一方で全てを個人の問題として捉えてよいのか。日本の大学スポー

複数の角度から証拠となるものを収集し、それらを慎重かつ巧妙に組み合わせながら、歴史の大きなうねりを炙り出していく。研究の醍醐味、そして読書の醍醐味をこれほど堪能させてくれる本はそうないだろう。 本書の主題は、インド・ヨーロッパ語族の拡散だ。英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語。そして北欧や東欧の諸言語に、ウクライナ語、ロシア語、ギリシャ語。さらにはペルシャ

「LGBT」と称されることも多いセクシュアルマイノリティ(性的少数者)。人口の3〜7%にあたると言われ、40人クラスであれば1〜3人は存在する割合だ。近年、メディアでとりあげられる機会も増え、認知度は高まりつつあるが、2015年に行われた全国調査では「自分の周りに同性愛者がいるか否か」という質問に対し、「いない」と回答した人が54.2%、「いないと思う」が3

歴史というものは、常に勝者が作ってきたものである。勝てば官軍負ければ賊軍という言葉にある通り、戦いに勝った側が自身の正当性を主張するために、負けた側を貶めることがよくある。現在、日本で教えられている歴史も例外ではないのだろう。一般的には討幕を成し遂げ、明治政府を作り上げた薩長側から見た歴史(薩長史観)が学校では教えられている。 私もそのような歴史を習い、いま

本稿を執筆中の5月9日、日本経済新聞は「三菱重工は逆風下で5兆円の連結売上高目標を掲げた」と報じた。いっぽうで同記事は「達成を不安視する声は少なくない」と警鐘を鳴らすことを忘れない。さらに、成長が停滞する三菱重工の時価総額は1兆3800億円であり、日立の4兆1400億兆円と比べても見劣りし、海外のライバル各社の10分の1でしかないことを付記した。 実際、三菱

『10年後の仕事図鑑』(落合陽一・堀江貴文)が売れています。『未来の年表』の大ブレイクなど、未来のために今やるべきことを語る本は出版点数も増えており、いま最も注目を集めるジャンルとなっています。新たな知識や技術が次々と発表されてくることから、売り手も読み手も気を抜けません。ちょうどいまは就職活動のピーク。将来の仕事を考える本はどんな人に読まれているのでしょう

正に「青天の霹靂」と、いうヤツである。 何故、人よりホンの一寸ばかし読書が好きなだけの、40過ぎの一介のスタイリストの元に、あの開高健ノンフィクション賞と、大宅壮一ノンフィクション賞の最終候補に残る様な、本格派ノンフィクションの文庫版解説という大役が回ってくるのだろうか。 しかも本書は、あるファッション・デザイナーの評伝でもなければ、映画や演劇の衣装について

本書はそのイタリアの織物のように軽やかで、味わい深く、時には風を通すような美しい本だ。紙質、装丁など、どこを見ても丁寧に作られた一級品だ。文章は清々しくも温かい。上質のツイードそのものなのだ。 それもそのはず、内田洋子はイタリアの時空を縱橫に飛びまわり、掌編小説のようにエッセイ仕立てのノンフィクションを書く名手だ。 あくまでも著者が見たまま、聞いたままを文章

けったいなおっさんである。大阪駅から環状線で一駅目の福島駅近くにある、知る人ぞ知るフレンチレストラン『 ミチノ・ル・トゥールビヨン 』のオーナーシェフだ。つむじ風を意味する店名トゥールビヨンに込められているように、旋風をおこしたいと常にたくらんでいるおっさんが本を出した。 本の作りもけったいである。まず、表紙が普通じゃない。料理人の本なら、それらしいポーズを

今週は丸の内で今一番イケてる場所、 Marunouchi Happ. Stand & Gallery に行ってきました。こちら、 伊勢角屋麦酒 とのオリジナルビールが飲めるのですが、とっても美味しいのでおススメです。丸の内にお立ち寄りの方はぜひ。 「液体のパン」とも言われるビールは、紀元前4000年以上前から飲まれていたそうです。メソポタミアで農耕が始まった

『 サピエンス全史 』ユヴァル・ノア・ハラリ激賞! と興奮気味に記されている割に、赤い帯には冷徹なメッセージが書かれている。 著者らが正しければ、有権者や消費者により良い情報を与えることは無意味に等しい 本書の核となる主張を簡潔にまとめたコメントである。 そして、ユヴァル・ノア・ハラリが疑っているように、果たして、著者らの言い分は正しいのだろうか。 そんな著

「日立・三菱重工 統合へ」──。 白抜きの横一本見出しがトップを飾る2011年8月4日付の日本経済新聞朝刊は、衝撃的だった。中見出しには「売上高12兆円超」「原発事故で環境激変」とある。同年3月11日の東日本大震災とそれに続く東京電力福島第一原子力発電所事故がもたらした政治・経済環境の緊迫が、日立製作所と三菱重工業という日本を代表する企業の経営統合という歴史

この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州のテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプラズマコア中で原子をたがいに衝突させる反応炉をつくって、当時の史上最年少で核融合の達成を成し遂げてみせた。 彼は核融合炉を

NHKに「100分de名著」という長寿番組がある。「趣味は読書です」などというからには、古今東西の名著も一通り知っておかなくては格好がつかない。とはいえ名著、とくに古典などは10代にでも読んでおかないと、大人になってしまえばなかなか手を伸ばせないものだ。かくして心密かに「あれも、これも読んでいない」というちっぽけなコンプレックスを抱いたりして…と、そんな心の

科学はあらゆる謎を暴き続けている。数万年前の遺物から人類がネアンデルタール人と交配していることを突き止め、山手線ほどの大きさにもなる巨大な実験装置を駆使してヒッグス粒子という極微小な存在を確認し、簡単なオペレーションで体細胞を多能性幹細胞にリプログラミングする方法まで編み出した。 巨人の肩の上に積み上がっていく科学の進展スピードはいや増しており、いつかはどん

気になって仕方がないことがある。スポーツ選手のインタビューで連発される「ネ」だ。え? 意味わからない? では以下に例文を。プロ野球でお立ち台に上がった選手にアナウンサーがインタビューする場面である。 アナ:「サヨナラホームランを打った○○選手です!おめでとうございます!」 選手:「ありがとうございます!」 アナ:「勝負どころで打てた、その理由について教えてく

福知山線脱線事故 ー 2005年4月25日、JR西日本の宝塚駅発の電車がカーブを走行中に脱線、107名の死者と592名の負傷者を出した巨大惨事である。加害企業の発表によると、事故原因は「運転手の不注意とブレーキ遅れ」。つまり、107名の命を奪ったのは、あくまでも個人の注意散漫によるミスが原因であると発表した。 少し時が経ち、国土交通省も事後原因を報告したが、

もはや毎日のように顔を合わせている人たちについての話だ。地域によって差はあるものの、都市部のコンビニでは外国人スタッフの存在はすっかり当たり前になった。自宅の最寄りのコンビニともなると7割くらいが外国人店員という印象なのだが、その割に知っていることはあまりにも少ない。タイトルを見た瞬間、自然と手が伸びた。 中身はコンビニの話にとどまらない。コンビニ店員のほと

鯵が旬の季節です。江戸の学者新井白石が「鯵とは味なり。其の味の美をいふなり」と評したほど。鯵の語源は「味」で、その味のよさから名付けされたとか。漢字の「鯵」は、元は魚偏に「操」だったものを、日本人が書き間違えて「参」になったそうです。 干物やなめろう、フライなど定番の食べ方はたくさんありますが、ピカタで食べるのもおいしいですよ。三枚におろした鯵に塩胡椒、小麦

本書『花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』は、2017年にダブルデイ社から刊行された、デイヴィッド・グランの最新ノンフィクション、Killers of the Flower Moon: The Osage Murders and the Birth of the FBI の翻訳である。 2017年4月18日の刊行以来、40週連続で《ニュ

本書の著者は『帝国を魅せる剣闘士』、『愛欲のローマ史』などの著作や漫画家ヤマザキマリがナビゲータを務めたBSフジの番組『ローマ街道物語』の監修などでも活躍した歴史学者、本村凌二だ。今回の新作は『教養としてのローマ史の読み方』。題名だけでは論点がいまひとつピンと来ないかもしれない。その点で少し損をしているように思うのだが、表紙に付いている帯で、佐藤優が本書の論

人類は誕生以来宇宙とは何か、物質とは何かを考え続けてきた。その理解が一気に進んだのは、20世紀になってからだった。 1916年 、アインシュタインが相対論を完成することで、宇宙を現代的に理解する基礎が出来上がった。27 年までに、ハイゼンベルグの行列力学とシュレディンガーの波動力学が発表され、 物質を理解するための量子力学の構築が始まった。現代物理学の基礎は

最も怖いジャパニーズホラー映画は何か。著者の沖田瑞穂がインターネット検索をした結果、総合、男性、女性すべてで『リング』シリーズ、『着信アリ』シリーズ、『呪怨』シリーズが上位3位を占めていたという(2007年オリコン調べ)。 このデータ後、2016年には映画『貞子vs伽椰子』が公開されたり、USJのホラーナイトに貞子が登場したり、『リング』のハリウッド版第3弾


再生可能エネルギーの躍進で世界中の電力構造は大きく変わろうとしている。太陽光をはじめとする再生可能エネルギー分野で技術革新がすすみ発電コストが大きく下がったことにより、供給量が大きく伸びてきた。 2000年代にも同じように電力構造の変化が起きており、その頃の主役は原子力だった。CO 2 を輩出しない電源として地球温暖化対策の救世主としてももてはやされ、原子力

小学2年生の子どもに「ジャーナリストって何する人?」と訊かれた。子どもの質問はおそろしい。ハシゴを外されるとか背中から撃たれるとか、サラリーマン生活における不意打ちには慣れているつもりだったが、思いがけない方向から簡単には打ち返せないボールを投げてくる。 真っ先に浮かんだのは、「政府が悪いことをしていないか見張る仕事だよ」といういかにも教科書的な回答である。

本書『反ワクチン運動の真実』は『代替療法の光と影』に続き、地人書館から出版されるポール・オフィットの2冊目の著書となる。 ポール・オフィットは1951年生まれ、感染症、ワクチン、免疫学、ウイルス学を専門とする小児科医である。ロタワクチンの共同開発者の一人であり、米国屈指の名門小児科病院であるフィラデルフィア小児科病院で長らく感染症部長を務めた後、現在はペンシ

アスパラガスが美味しい季節です。江戸時代に観賞用として伝わり、明治期からは食用として栽培されるようになりました。芽が地上から出ないように土寄せして地中で栽培したものが白アスパラガスになり、土寄せせず、地上に伸びたものがグリーンアスパラガスになります。 春野菜のオススメの食べ方は、フランス風にエチュベ(蒸し煮)です。お好みの春野菜(アスパラガス、スナップエンド

『ファイナンスの哲学』は、資本主義の本質的な理解に必要な概念を分かりやすくまとめた一冊だ。経済原論の教科書としても機能するうえ、古今東西の俊英たちが考え抜いてきた最高の思考に触れることができる。この本を「特に起業家は絶対に読むべきだと思う」とレコメンドするのが、自身も起業家であり、また数々の起業家とイノベーションを起こしてきた孫泰蔵さん。本書の読みどころを、

旧約聖書の中に「バベルの塔」という物語がある。人間たちは、天にも届かないような高い塔を作りはじめた。神は、それを人間たちの神への挑戦と受け取り、人間の驕りを戒めるべく言葉をバラバラにしてしまう。言葉が通じなくなった人間たちは、意思疎通がとれずに塔を建設することができなくなり、塔は完成を見ることなく崩れ去ったーーそういう内容である。 この物語から得られる教訓は

少し前に「世の中には500万円で買える会社がこんなにあった!」と題する「現代ビジネス」の記事が、莫大な閲覧数を集めた。本書は、その記事の筆者が書いた本である。起業を薦める本は世に数多あるが、サラリーマンに「企業買収」を薦める本はほとんど無い。画期的な本である。 著者は、事業承継や事業再生のタイミングにある中小企業を引き受ける、投資ファンドを運用している会社の

近ごろアメリカでは、自分の子にあえて小児ワクチンを接種させない母親が増えていて、麻疹が突発的に流行するような事態が生じている。そうした母親のおおよそのプロフィールは、白人で高学歴、社会経済的に恵まれた女性だ。1970年代後半に生まれたユーラ・ビスはまさにそのプロフィールにあてはまる。 ここからは私の想像だが、彼女は子を産むまでは主体的な人生を送ってきたことだ

昭和48年(1973年)3月、青山学院大学で後世に残る一大スキャンダルが噴出した。「大学教授が教え子に暴行した」と朝日新聞がすっぱ抜いたのだ。 逮捕されたのは、当時の法学部教授、春木猛(63)で被害者は同学部4年生のA・T子さん。被害者の証言や警察の調べ、関係者の話を総合すると、春木教授は「卒業試験の採点を手伝ってほしい」とT子さんに声をかけ自分の研究室で乱

ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が、昨年5月に行われたサザビーズ・ニューヨークのオークションで、ジャン=ミッシェル・バスキアの『Untitled』を約123億円で落札して話題になった。これはバスキアのオークション史上最高額である。 それ以前にも、一昨年5月にバスキアの作品を62億円で落札したら、世界のトップ100コレクターにも選ばれて

本日5月5日は、端午の節句ですね。菖蒲の節句ともいい、無病息災を願って、菖蒲湯に入ります。菖蒲を勝負や尚武にかけ、男児の出生を祝ったことが始まりとされています。 菖蒲湯は、水の時から浴槽に菖蒲を入れ、湯を沸かします。香り高くするためには、一度、42度ほどまで温度を上げ、ほどよい温度に冷ましてから入浴すると良いです。血行促進や保温効果のためには、葉だけでなく、

ハンス・フランクはひざまずき、傍らの神父に十字を切ってくれるよう願った。そして、微笑みを浮かべながら歩き出した。彼の人生の終着点となる絞首台へ向かって。 1939年からドイツ占領下のポーランド総督府総督としてユダヤ人虐殺を進めたフランクは、ニュルンベルク裁判で「戦争犯罪」と「人道に対する罪」に対する有罪で死刑判決を受けた。今では当たり前の存在にも感じる「人道

「話し上手は聞き上手」などとよく言われるが、物事の本質の多くは、その行為の内部ではなく外側に潜んでいる。生物学の分野に今、急速に訪れている変革も、それと近いものがあるだろう。 生物の研究者ならずとも、「人間とは何か」ということを深く理解したいと願うのが人間の常だ。だがここで重要になってくるのは、理解するとは何かということの定義である。 かつてリチャード・ファ

衰退はかなしいことではない…(略)…ポジティブに受け入れ、楽しむべきものなのだ。 消滅自治体、縮退都市、限界集落…。成長を追い求め続ける経済・社会の限界については、日本国内だけでなく、世界で問題視されている。本書『CREATIVE LOCAL エリアリノベーション海外編』は、そうした「限界」や「衰退」に日本より早く直面し、その状況をポジティブに変換して、新た

女性業界において、下着のラインが「ひびく」ことは、大変に恥ずかしいとされています。その上下に肉がムリっとはみ出ることによってブラジャーの存在感がニットの上からでもありありとわかるのも恥ずかしいのですが、しかし「ひびく」ことが恥ずかしいのは、何といってもブラジャーよりもパンツの方。 尻を覆うたっぷりとした脂肪にパンツのゴムが食い込むことによってできるラインは、