ノンフィクションはこれを読め!

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419記事

『紀州のドンファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

事件・事故 / 併せて読まれたこの一冊

『紀州のドンファン 美女4000人に30億円を貢いだ男 』を買ったのは、どういう人たちなのか?

今や「紀州のドン・ファン」という言葉がテレビから聞こえてこない日はありませんが、ノンフィクションファン、HONZファン…というか栗下ファンにとってはこの名前は馴染みのあるワードだったのではないでしょうか。栗下直也の「 『紀州のドン・ファン』美女4000人に30億円を貢いだ男 」というキャッチコピーと一体化してしまったかのようなタイトルがレビューされた日は、思

『サルたちの狂宴』 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『サルたちの狂宴』

IT企業やシリコンバレーの世界を描いた本は数多くあります。イノベーションを起こした企業の サクセスストーリーや仕事術について書いた本などが主流ですが、同じシリコンバレーを舞台にしていても本書はかなり異色です。著者のアントニオ・ガルシア・マルティネスは物理学の博士課程を中断し、ウォール街のトレーディングデスクで働いていましたが、2008年の金融危機を目の当たり

あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

あなたはなぜ特定の色を好むのか?──『好き嫌い―行動科学最大の謎―』

あなたは何色が好きですか? と聞くと大抵の人はペラペラとこんな色が好きですと答えてみせる(僕は灰色だ、地味だから)。初対面同士の飲み会ならなんか嫌いなものor食べたいものでもあります? と聞くものだし、映画や小説など、作品を鑑賞する際にも、好みは密接に関わってくる。巨大人型ロボット物は嫌い、という人もいれば巨大人型ロボット物ならなんでも大好き! という人もい

『全世界史』上下 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『全世界史』上下

私が出口治明さんと出会ったのは2013年6月のことだ。HONZの代表、成毛眞が客員レビュアとして招聘し、快く引き受けてくださったときのことである。出口さんを成毛はこう紹介した。 ライフネット生命保険の出口治明社長は還暦ベンチャー経営者として有名ですが、週に5−6冊は読んでいるという無類の読書家にして、驚くべき知識人です。ビジネス書100冊は古典1冊にかなわな

『ウィスコンシン渾身日記』を読んで幸せになろう! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ウィスコンシン渾身日記』を読んで幸せになろう!

無名人の留学記である。そんなもん誰が読むねん、というのが、とりあえず大多数の人たちにとっての率直な感想だろう。ごもっともである。 それ以前に、留学記というものが読まれなくなってきているような気がする。かつては、小澤征爾の『ボクの音楽武者修行』や藤原正彦の『若き数学者のアメリカ』といった名作があって、いまも文庫におさめられている。もしかすると、情報が少なく、外

『進歩 人類の未来が明るい10の理由』悲観に入れ込みすぎないように 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『進歩 人類の未来が明るい10の理由』悲観に入れ込みすぎないように

ニュース番組を見て憂鬱になる。新聞やインターネットの記事を読んでげんなりする。暗い内容ばかりだからだ。シリア情勢、温暖化、テロに凶悪犯罪、不況、所得格差、貧困、差別、少子化・高齢化、災害。マスメディアは脅威を報道するのが基本だし、これらすべて顕在化している問題であるとはいえ、連日こうしたニュースを見ていると、そんなにメンタルの強くない筆者などはすぐ気が滅入っ

今週のいただきもの:2018年6月17日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年6月17日週

梅雨ですね。雨続きの憂鬱な気分を吹き飛ばすため、最近は生春巻きパーティーをしています。というのも、凝った料理をするのも億劫なので、自分で食べる分は自分で巻いてもらおうという魂胆です。 レタスやキュウリ、モヤシ、ニラ、シソ、パクチーなど好みの野菜を用意し、巻きやすい大きさに切ります。むきエビや湯がいた豚肉などもあるといいでしょう。ライスペーパー(私はカルディで

『細菌が人をつくる』糞便移植も効果アリ?! 細菌100兆個の最新知識 書影

サイエンス / 医学・心理学

『細菌が人をつくる』糞便移植も効果アリ?! 細菌100兆個の最新知識

ここ数年、腸に関する話題が増えてきている。山中伸弥教授が司会を務めたNHKスペシャル「人体」では、腸は全身の免疫を司り、万病を撃退すると放送された。いささか誇張しすぎだと思うのだが、興味深い番組だった。 じっさい、コンビニの棚にはビフィズス菌や乳酸菌、食物繊維を含む食品がずらりと並んでいるし、サプリメントも次々と発売されている。花粉症などのアレルギーを抑制し

『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』 数学破壊兵器は知らぬ間にあなたをの運命を決めている 書影

サイエンス / 社会

『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』 数学破壊兵器は知らぬ間にあなたをの運命を決めている

アメリカのワシントンDCで教師をしていたサラ・ウィソッキーは、突然の解雇通知に驚いた。教師歴はまだ2年と浅かったものの、懸命に仕事に向き合い、生徒や保護者から高い評価を得ていたから解雇はより大きなショックをもたらした。 彼女を解雇に追いやったのは、IMPACTと名付けられた教師評価ツール。生徒の学力向上に対する教師の貢献度を計算するIMPACTは、業績の低い

『どもる体』読む人の「しゃべる」を引き出す、触媒のような本 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『どもる体』読む人の「しゃべる」を引き出す、触媒のような本

ここで不思議なことが起こります。スタジオには、同じく吃音当事者の落語家、桂文福さんがゲストとして来ていました。その文福さんが、吃音症状の出ている八木さんに向かって、「タン・タン・タン」と規則的に舌を打ち始めたのです。商売道具の扇子を横に振りながら、口拍子をとっていく文福さん。すると、まるで金縛りが解けたような変化が起きたのです。数秒前の吃音症状はどこへやら、

『ゲッベルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『ゲッベルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』

ヒトラーと、その右腕ゲッベルス宣伝相が作り出した大衆的熱狂の先には、戦争と破壊、そして未曾有の大量殺戮が待ち受けていた。偏狭な自民族中心主義と極端な反ユダヤ主義、人種差別主義(レイシズム)が第二次世界大戦と結びついて、ヨーロッパを「暗黒の大陸」へと変えたのだ。戦後、世界は解放された各地の強制収容所に累々と積み上げられた犠牲者の屍に絶句し、「二度と繰り返しては

『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ! 書影

社会 / 「解説」から読む本

『あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠』AI・ビッグデータの暴走を止めよ!

ある日、玄関の呼び鈴が鳴り、ドアを開けると警官が立っている。 「警察はあなたを監視しているので、気をつけるように」 そう告げられるが、これまで犯罪をおかしたことなどない。だが、ビッグデータを活用した「犯罪予測システム」によって、要注意人物として指定されたという。ソーシャルネットワーク解析によって、知り合いに犯罪者のいたことが、その理由の一端らしい。 ・・・・

『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで 書影

サイエンス / 医学・心理学

『3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』3歳までの言語環境に、3つのTで

育児には神話がある。また、周囲の友人や口コミサイトからの情報に溺れ、真偽を判断する余裕もない。情報に溺れることなく、なるべく子どもと過ごす時間を増やしたいのだが、子どものためにやるべきことは尽きない。ギリギリまで手抜きしてズボラに育児がしたいが、それで、ちゃんと育児やっているんだろうか、できていると思えるのだろうか、悩む。 そんなふうに自分もなるんだろうなと

『ロマンで古代史は読み解けない』科学者が古代史を研究するとこうなった! 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『ロマンで古代史は読み解けない』科学者が古代史を研究するとこうなった!

古代史=神話というイメージが拭えない。確かにロマンあふれる物語だが、真実ではないだろう。だが日本には『古事記』や『日本書紀』という過去の偉人たちが積み上げてきた第一級の資料が残されている。 ならば徹底的に科学で解明しようというのが本書の狙いである。著者は大学共同利用機関法人自然科学研究機構の科学者だ。坂本は「生理学研究所」でヒトの脳機能を、共著者の渡辺英治は

今週のいただきもの:2018年6月10日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年6月10日週

明日は父の日ですね。母の日に比べると、少し控えめなイベントのような気がしますが、きちんと日頃の感謝を伝えましょう。私は、父の好物のスイカを贈ることにしました。 スイカといえば、最近スイカのサラダにハマっています。スイカでサラダ…?と、思うかもしれませんが、シンプルでさっぱりとしているので、夏バテで食欲がない時にもオススメです。ブロック状に切ったスイカに、チー

生物から生まれるイノベーション『生物模倣』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

生物から生まれるイノベーション『生物模倣』

このように、近年、生物に着想を得たテクノロジーが増えてきている。「生物模倣」(ビオミミクリーやバイオロジカリー・インスパイアード)と呼ばれる、現在注目集める新たな分野だ。 イカの皮膚機能に似た軍事迷彩服の開発、ナマコの硬軟接続を真似したインプラント開発、トカゲ型ロボットなど、奇抜なテクノロジーが本書では数多く紹介されている。 私たち人類は自分たちがついつい動

『革命 仏大統領マクロンの思想と政策』 書影

人物 / 社会

『革命 仏大統領マクロンの思想と政策』

トランプ大統領の登場により、多くのメディアは、グローバリゼーションや地球温暖化対策は曲がり角に差し掛かったと報じた。ブレクジットについてもEUの将来を悲観的に見る報道が多かった。 しかしフランスでは、グローバリゼーションを真正面から受け止めEUの強化を愚直なまでに訴えたマクロン大統領が誕生した。「革命」はマクロンが書き下した本である。大統領選に出馬するために

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人・サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! 番外編 書影

生物・自然 / 著者インタビュー

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人・サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! 番外編

さて、4回にわたってお送りした本連載( ①シャークジャーナリストは、死を覚悟した! ②サメのふしぎと、謎とロマンの古代ザメ ③サメは安全?サメはおいしい? ④インドネシアで危機一髪!?……ガチで「ほぼ命がけ」 )。いかがでしたか? 最後に番外編として、沼口さんのサメイベントに参加してきたレポートと、取材直後におこったシャーク・セレンディピティ体験、そして沼口

『バーフバリ 王の凱旋』勝手に絶叫上映 in HONZ 書影

TV・動画 / HONZ活動記

『バーフバリ 王の凱旋』勝手に絶叫上映 in HONZ

詳細は面倒くさいので省きますが、HONZの一部でインド映画「バーフバリ」が流行っており、勝手に上映会を催すことになりました。 …という、なんとも荒っぽい投稿を足立真穂が飛ばしてきたのが1ヶ月前。映画配給会社に以前勤めていた人間として、参加しないわけにはいかない!と思い参加表明したのはいいものの、我らが編集長・内藤順から、「映画といえばということで、アーヤ、活

『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』 比べることで歴史の”なぜ”に答えを出す 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『歴史は実験できるのか 自然実験が解き明かす人類史』 比べることで歴史の”なぜ”に答えを出す

歴史に“もし”はない。もし奴隷制がなければアフリカはもっと経済発展を遂げただろうか、もしイギリス統治がなければインドの識字率はもっと高くなっていただろうか、もしフランスではなくスペインに支配されていればハイチはドミニカよりも豊かになっていただろうか。想像力豊かに刺激的な虚構のストーリーを作り上げることはできても、時計の針を巻き戻し、ありえたかもしれない結末を

『一発屋芸人列伝』大きく勝って、大きく負けた山田ルイ53世が、負けの中に見出した勝機 書影

人物 / 著者インタビュー

『一発屋芸人列伝』大きく勝って、大きく負けた山田ルイ53世が、負けの中に見出した勝機

その日、電車に揺られながら、ぼくは迷っていた。これから会う相手にどんなスタンスで話を訊けばいいのか悩んでいたのだ。待ち合わせ場所は新宿小田急百貨店。この中にある書店で、山田ルイ53世の『一発屋芸人列伝』の発売を記念したトークショーが予定されていた。 『新潮45』連載時に「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞した本書は、発売前から重版がかかるほど評判が高く

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その④ 書影

生物・自然 / 著者インタビュー

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その④

さて、 ①シャークジャーナリストは、死を覚悟した! ②サメのふしぎと、謎とロマンの古代ザメ 、 ③サメは安全?サメはおいしい? と続き、そろそろ終わりかなー、と雑談モードになったころ。本日最大の衝撃話が沼口さんの口から語られた……。 沼口 : ドバイでサメを食べたときに、じつは私、すごい痴漢にあってるんですよ。ドバイって治安が良くて、夜でも若い女の子が普通に

海鮮寿司とは違います 『旅する江戸前鮨』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

海鮮寿司とは違います 『旅する江戸前鮨』

月に数回、私は本屋さんに足を運び、本を数冊買い、そこから一冊を選んでご紹介させていただいている。今回は『旅する江戸前鮨』である。どのように書けば、本書の良さを引き出すことができるのか。料理の仕方を様々に考えながら、鮨をにぎる。いや、文章を書く。何度も読み返しているうちに、本は手になじんでいく。 本書の定義によると、新鮮な魚を単に酢飯の上にのせて出すのが「海鮮

今週のいただきもの:2018年6月3日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年6月3日週

今週のメルマガ にもありましたが、HONZで 『バーフバリ』 応援上映会をしました。異常な盛り上がり様だったのですが、詳しくはアーヤ藍のレポートを楽しみに待ちましょう。 さて、インドと言えばカレーです。自宅で簡単にできる、本格派っぽいキーマカレーをご紹介します。材料は玉ねぎ1個、ひき肉300g、トマト缶とスパイス(コリアンダー大さじ1、ターメリック、クミン、

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その③ 書影

生物・自然 / 著者インタビュー

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その③

『ほぼ命がけサメ図鑑』の著者・沼口麻子さんとのお話も佳境。 ①シャークジャーナリストは、死を覚悟した! ②サメのふしぎと、謎とロマンの古代ザメ 、に続く、第3回。さらにディープなサメ話は続きます。 塩田 : チョウザメやコバンザメは、じつはサメではないんですが、よくサメと混同されますよね? 沼口 : ええ、でも和名に「サメ」とついているので、それはしかたない

『プーチンのユートピア 21世紀ロシアとプロパガンダ』プーチン・イリュージョンの裂け目から見えるリアリティー・ショー 書影

教養・雑学 / 社会

『プーチンのユートピア 21世紀ロシアとプロパガンダ』プーチン・イリュージョンの裂け目から見えるリアリティー・ショー

近くて遠い国ロシア。プーチンという独裁者によって支配されるこの国は、国際社会において特異な存在感を示してきた。だが、この国で起きていることを知るのは意外に難しい。特にマスメディアに関することになると、なおさらだ。本書はそんな状況下にあるロシアのテレビ局TNTでプロデューサーを勤めたロシア系イギリス人が、ドキュメンタリー番組制作のために取材した市井の人々を通し

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その② 書影

生物・自然 / 著者インタビュー

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その②

さて、 その①では「シャークジャーナリスト」という仕事についてうかがいましたが 、今回はサメそのもののおもしろさを中心に、沼口さんへのインタビューを続けます。 塩田 : ご著書『ほぼ命がけサメ図鑑』を読んで、サメすごいって思ったところがいろいろあって。 そのひとつが「サメの第六感」と言われる、ロレンチーニ器官。人間にないからわからないんですが、どういうものな

『とんでもない死に方の科学 もし○○したら、あなたはこう死ぬ』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『とんでもない死に方の科学 もし○○したら、あなたはこう死ぬ』

「スティーヴン・キングとスティーヴン・ホーキングを足して2で割ったような本」(「はじめに」より)とはよくいったものである。前者は有名なホラー作家。後者はいわずと知れた天才理論物理学者だ。そのふたりが合体するにふさわしく、本書のテーマはずばり「死に方の科学」。ここには45通りの死のシナリオが取りあげられている。今日にも起きそうな筋書きもあれば、今生では巡りあい

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その① 書影

生物・自然 / 著者インタビュー

『ほぼ命がけサメ図鑑』これが世界でただ一人、サメ専門ジャーナリスト・沼口麻子の生きざまだ! その①

やばい、遅刻だ! 必死で走る私。バッグの中には、『ほぼ命がけサメ図鑑』。 その日私は、世界でただひとりのサメ専門ジャーナリスト(シャークジャーナリスト)であり本書の著者でもある、沼口麻子さんと会う約束をしていた。が、池袋駅前で道に迷ってしまっていた。 サメ――海に行ってもお会いしたくない生物の代表格。「凶暴な海のハンター」というイメージをもつ人も多いことだろ

『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000㎞歩いた男との冒険 リアルRPG譚』 絶倫ロバと歩いた3カ月 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000㎞歩いた男との冒険 リアルRPG譚』 絶倫ロバと歩いた3カ月

春間豪太郎は海外旅行にまったく興味のない青年だった。昼は大学生で、夜は音楽系専門学校を掛け持ちしつつ、バンドでドラムを叩き居酒屋でバイトもしていた。だが親友がフィリピンで行方不明になったと聞き、救出に向かう。親友は無事だったのだが、この旅行が彼の好奇心に火を付けた。 一人旅で野宿をしながら海外をまわっているうちに、“GO”(外国用の通名)の冒険への関心は高ま

『経営者 日本経済生き残りをかけた闘い』私たちが目指すべき経営者像とは? 書影

ビジネス / HONZ客員レビュー

『経営者 日本経済生き残りをかけた闘い』私たちが目指すべき経営者像とは?

本書は、二つの物語である。カネボウ、新日鉄、興銀、東芝、三菱グループ、トヨタといった、日本経済界におけるエスタブリッシュメント企業。いわば、変わらない日本の象徴でもある。そして、ソニー、京セラ、ヤマト、セブン&アイ、ユニクロ、ソフトバンク、といった、戦後創業され、世の中に影響を与えてきたベンチャー企業。 「会社」と「マーケット」を取材し続けてきた「伝説の記者

自然と全力で格闘する科学者たちの姿『生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から』 書影

サイエンス / 生物・自然

自然と全力で格闘する科学者たちの姿『生物模倣――自然界に学ぶイノベーションの現場から』

生物模倣、バイオミミクリーという用語がある。 これは端的にいってしまえばアリやハチが持っている、生物が進化の果てに築き上げた独自の機能を模倣し、技術として取り込もうという考え方のことである。本書では、そうしたバイオミミクリー(または、「生物に着想を得た」バイオインスパイアード)の事例──具体的には、イカにナマコ、ゴキブリにヤモリ、生態系そのものから着想を得て

『新薬の狩人たち』創薬──人類最難の事業に挑む 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『新薬の狩人たち』創薬──人類最難の事業に挑む

NHKにて、2000年から2005年にかけて放送されたドキュメンタリー番組「プロジェクトX~挑戦者たち~」をご記憶の方は多いだろう。さまざまな困難に立ち向かい、苦闘のうちにそれを克服して、ついに成功を収める「挑戦者たち」の姿を描いた同番組は、共感を呼んで多くの支持を集めた。 中でも人気を集めたのは、新幹線、胃カメラ、液晶ディスプレイといった、新製品開発の物語

『お金持ちはこっそり始めている 本当は教えたくない!「軍用地投資」入門』いろんな意味で掟破りな一冊 書影

事件・事故 / ノンフィクション事件簿

『お金持ちはこっそり始めている 本当は教えたくない!「軍用地投資」入門』いろんな意味で掟破りな一冊

ノンフィクションは一期一会、出会った時が買い時だ。いつか買おうなどと思っていても、きっと「いつか」は来ない。仮に来たとしても、既に書店には置いていなかったり、下手すると絶版になっていることもある。本書はワケありなケースであるものの、今となっては入手することの困難な一冊である。 オビの「掟破りの不動産投資法」という文言が眩しいが、色々な意味で掟破りだ。沖縄本

今週のいただきもの:2018年5月27日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年5月27日週

フルーツサンドって、なんて夢のある食べ物なんでしょう。一口ごとに味が変わるなんて、まるで魔法みたいですね。手元にある 『世界のサンドイッチ図鑑』 を見ると、フルーツを使ったサンドイッチは珍しく、日本発祥のようです。昭和初期には、ケーキの代用品として食べられていたんだとか。 自分で作る場合、個人の好みですが、食パンは甘みがないもの、生クリームも甘さ控えめにした

『辺境の思想 日本と香港から考える』 書影

社会 / 民俗・風俗

『辺境の思想 日本と香港から考える』

中国返還から20年がすぎ、「中国化」(大陸化)がじんわり進む中で、かつてのイギリス植民地下で育まれた自由の気風が減じている香港。しかし2014年の民主化デモ・雨傘運動以降、足もとでは新たな変化も起きています。一方、2011年の東日本大震災を経てオリンピックを控える東京には、どこか表層的な雰囲気が漂い、政治と社会の底ぬけが感じられるのではないでしょうか。 そう

『宇宙ビジネスの衝撃 21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『宇宙ビジネスの衝撃 21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ』

「これからは宇宙ビジネスの時代だ」と言うと、大抵の人は何のことだか分からず困惑するようだ。日本では下町企業のロケット打ち上げが感動物語として映画になってしまうくらいなので、宇宙ビジネスと言われても余り実感が湧かないのかも知れない。 そもそも、普通の人が宇宙空間をどこまで正確に理解しているかも怪しいので、まずこの点の整理からしておきたい。 宇宙ビジネスの対象と

『介護民俗学という希望 「すまいるほーむ」の物語 』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『介護民俗学という希望 「すまいるほーむ」の物語 』

著者の六車由実さんと初めて出会ったのは、三年前の二月に大津で開催されたアメニティフォーラム19のトークセッション「記憶の宝庫としての福祉現場」だった。 気鋭の民俗学者という前歴と、前著『驚きの介護民俗学』で提起された斬新な切り口から、お会いする前は、舌鋒鋭い才女という勝手なイメージを抱いていた。しかし、初対面の印象は全く違っていた。「すまいるほーむ」の実践に

『ユリイカ 2018年6月号』左脳で楽しむバーフバリ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ユリイカ 2018年6月号』左脳で楽しむバーフバリ

今、映画を大ヒットさせられるかどうかは、公開前の段階で8割方勝負がついてしまう。数ヶ月前から情報を小出しにすることで期待値を高めていき、公開直後から期待に違わぬことを示すポジティブな口コミが広がっていけば、ヒットがヒットを生み出す自走状態に入っていける。 一方で、 インド映画『バーフバリ 王の凱旋 』。日本での上映前に今の状況を予想することが出来た人は少なか

『世界を変えた14の密約』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『世界を変えた14の密約』

本書によると、世界は「平等に不平等になりつつある」。途上国はこの30年で着実に豊かになり、絶対的貧困者数は1990年の19億人から2015年の約8億人に減り、貧困率も36%から現在は10%を下回る割合まで改善している。テクノロジーの発達により、インフラのない国でもさまざまな商取引が可能になり、インターネットのおかげで銀行口座を持たずにおカネをやりとりできるよ