ノンフィクションはこれを読め!

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419記事

今週のいただきもの:2018年4月22日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年4月22日週

筍の旬がもう少しで終わるかと思うと、悲しいですね。筍は「古事記」に登場していることから、日本では古くから食べられていたようです。しかし、現在一般的に食べられている孟宗竹という種類は、江戸時代に中国からもたらされました。 美味しいことはわかっていても、下処理が面倒なイメージがありますよね。筍の下茹では、普通の鍋だと小一時間ほど掛かりますが、圧力鍋を使えば15分

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女子刑務所での13ヵ月』

本書は、Netflixオリジナル作品として大人気の「 オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 」の原作となった、作家パイパー・カーマンによる回顧録、『Orange Is the New Black: My Year in a Women's Prison』の邦訳版である。 上流家庭に生まれ育ったパイパーは、有名大学卒業後、当てもなくさ迷った先で出会う女性と恋に落ち

ふたりの技術者の邂逅が巨大組織を動かした『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

ふたりの技術者の邂逅が巨大組織を動かした『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』

2005年4月25日、死者107名・負傷者562名を出したJR西日本・福知山線の脱線事故。その事故で妻を亡くし娘が瀕死の重傷を負った淺野弥三一の言葉である。「どうやって事故直後の数日間を乗り切れたかのかわからない」、「火山の噴火口に取り残された気分だった」、「当時の心境をひと言で言えば……自暴自棄、やろうね」と振り返る「感情が断ち切られた空の状態」だった淺野

『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』ピーター・ティールがシリコンバレーを離れる日 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『ピーター・ティール 世界を手にした「反逆の起業家」の野望』ピーター・ティールがシリコンバレーを離れる日

本書は、2017年9月にドイツのフィナンツブッフ・フェルラーク社から刊行されたPeter Thiel: Facebook, PayPal, Palantir – Wie Peter Thiel die Welt revolutioniert – Die Biografieの日本語訳である。 ピーター・ティールは、ドイツのフランクフルトで生まれ、1歳の時に家族

うつに殺されないために──『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

うつに殺されないために──『#生きていく理由 うつヌケの道を、見つけよう』

はたしてうつとはどのような状態なのだろうか。 幸いにしてこれまであまり憂鬱な気分に陥いったことすらない僕は、それが実感としてはよくわかっていないのだが、うつから抜けた人たちの語る言葉を読んでいると、少なくともその恐ろしさはよくわかる。職場や自分のポジションの変動によってうつというのは一瞬で発生し得るのだから、明日は我が身である。できることならば、うつになる前

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』面白い本を読んだら、誰かと話したい! 書影

教養・雑学 / 世界史

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』面白い本を読んだら、誰かと話したい!

幅広い選書と奥深い視点で、早くも話題になっている『 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦 』。先日、東京堂書店 神田神保町店で行われた刊行記念イベント「面白い本を読んだら誰かと話したい!」において、著者のお二人と一緒に登壇させていただきました。書き手としてよく知られるお二人は、読み手としてどのような一面を持つのか? そして本を語り合うことの面白さは

『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』記事を書くことではなく、犯人を追うこと 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』記事を書くことではなく、犯人を追うこと

1987年5月3日憲法記念日。朝日新聞阪神支局が襲撃され、記者2人が殺傷された。目出し帽をかぶった何者かは、一言も発することなく問答無用で散弾銃を発射し、当時29歳だった小尻知博記者は死亡、当時42歳の犬飼兵衛記者は危ういところで命はとりとめたものの重傷を負ったのである。 「赤報隊」と名乗った犯人は、この事件を含め、約3年にわたり襲撃事件や脅迫事件を実行した

『宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年』「真犯人」はなぜ封印されたのか 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『宿命 警察庁長官狙撃事件 捜査第一課元刑事の23年』「真犯人」はなぜ封印されたのか

あの日、あなたはどこで何をしていただろうか−−。1995年(平成7年)3月20日。警察担当の記者だったぼくは警視庁にいた。 その朝の記憶は、「霞ヶ関駅構内で異臭事件発生」との一報を聞いて、駅に向かって全力で走るところから始まる。いま思えば軽率極まりないが、途中で通風口にひざまずいて臭いを確認したことを覚えている。やがて地下鉄の入口が点在する交差点が近づくにつ

『聖書の成り立ちを語る都市:フェニキアからローマまで』 書影

教養・雑学 / 世界史

『聖書の成り立ちを語る都市:フェニキアからローマまで』

世界で一番読まれている本は、おそらく聖書だろう。本書は古代オリエント世界で栄えた都市を旅しながら、歴史が聖書にどのような影響を与えたかを記した一般向けの啓蒙書である。少しでも聖書に興味がある人には是非とも読んで欲しい1冊だ。 著者の旅は、フェニキア人の都市、ビュブロスから始まる。バイブルの語源となった町だ。次は、エルサレムの神殿建設を担った南方のティルス。ビ

『こわいもの知らずの病理学講義』を読んでいるのは、どういう人たちなのか? 書影

サイエンス / 併せて読まれたこの一冊

『こわいもの知らずの病理学講義』を読んでいるのは、どういう人たちなのか?

HONZ読者にはお馴染みの仲野先生の著作『こわいもの知らずの病理学講義』の勢いが止まりません。9月に発売、発売即重版、そのまま勢い途切れることなく年末年始の増売期に入り、まだまだ売れ続けています。グラフで示してみるとその動きはこんな感じ。(日販オープンネットワークWIN調べ) ちなみに、最も大きな売上となった1月2週は、朝日新聞の読書面に掲載された週です。

今週のいただきもの:2018年4月15日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年4月15日週

明後日、4/23はサン・ジョルディの日です。カタルーニャの伝統でこの日は、女性から男性には本を、男性から女性には花を贈ります。バルセロナのランブラス通りには、本や花の屋台が立ち並び、年に一度のお祭りとなるんです。 サン・ジョルディは騎士であり、中世からカタルーニャ地方の守護聖人として、親しまれてきました。この日に花(特に赤いバラ)を贈るのは、サン・ジョルディ

だれもが楽しめる美しい科学絵本『世界を変えた50人の女性科学者たち』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

だれもが楽しめる美しい科学絵本『世界を変えた50人の女性科学者たち』

ある国際学会で、若手研究者プログラムの責任者を仰せつかったことがある。世界各国から 100 人程度の優秀な若手研究者が合宿形式で集い、成果を発表する。その中から、 5 名の優秀者を投票で選んで表彰しようという趣向である。 受賞者の顔ぶれを見て、学会トップで賞のプレゼンターである英国人女性研究者が、いきなり烈火のごとく怒り出した。どうして 5 名の中に女性が入

『巨人ファンはどこへ行ったのか?』あの頃、みんな、ジャイアンツが好きだった 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『巨人ファンはどこへ行ったのか?』あの頃、みんな、ジャイアンツが好きだった

「巨人、大鵬、卵焼き」。1960年代、子どもに人気のあったものの代名詞だ。昭和の大横綱・大鵬が入っているあたりに時代を感じるが、恐ろしいのは大鵬が忘れ去られ、卵焼きに子どもが見向きもしなくなっても巨人は長い間人気を維持していたことだろう。 1980年代後半に小学生だった私は特定の球団のファンでなかった。百貨店で広島カープのユニフォームのデザインをしたパジャマ

驚愕のクライム・ノンフィクション!『ウルフ・ボーイズ 二人のアメリカ人少年とメキシコで最も危険な麻薬カルテル』 書影

社会 / 事件・事故

驚愕のクライム・ノンフィクション!『ウルフ・ボーイズ 二人のアメリカ人少年とメキシコで最も危険な麻薬カルテル』

2006年、アメリカのテキサス州ラレドという国境の街で、メキシコ系アメリカ人のガブリエル・カルドナとバート・レタという二人の少年が逮捕された。アメリカで最も貧しい街のひとつで起きた不良少年の逮捕劇。ありふれた事件だが、この一件はアメリカ中を震撼させた。ガブリエル(逮捕当時19才)とバート(逮捕当時17才)はラレドの街の対岸にあるメキシコ側の街、ヌエボラレドを

生きていると出会う景色がある『野生のベリージャム』 書影

生物・自然 / 教養・雑学

生きていると出会う景色がある『野生のベリージャム』

歩くという行為に魅せられた冒険者は、世界の隅々まで足を運び、新たな発見を得る。それが未開の地であろうと、多くの人が足を運ぶ場所であろうと、日数をかけて歩くと、頭がスッキリして、自分の価値観が明白になる。本書の著者、小島聖は歩くことで何をみつけたのだろうか。 彼女が最初にトレッキングに魅せられたのは、初めて訪れたネパールでのこと。カトマンズ市内を観光し、ポカラ

『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』戦慄、衝撃のルポルタージュ! 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』戦慄、衝撃のルポルタージュ!

2017年7月、安倍晋三首相が「将来の首相候補」として守り続けてきた政治家、稲田朋美防衛大臣が南スーダン国連平和維持活動(PKO)の 日報隠蔽の監督責任を取って辞任した ことを覚えているだろうか。廃棄された文書の存在が発覚し、関係者の嘘が晒された末のことだ。 その1年前、南スーダン首都のジュバで政府軍と反政府勢力との大規模な戦闘が勃発した。現地には約350人

『定年入門 イキイキしなくちゃダメですか』ワタシのこれからの拠り所はどこ? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『定年入門 イキイキしなくちゃダメですか』ワタシのこれからの拠り所はどこ?

「ご苦労様でした」と花束を渡され、見送りの車を断ってロードバイクで走り去る男。引退前の最後の客に深々とお辞儀をした直後、リゾートのプールに飛び込む旅館の女将。二人とも満面の笑みを浮かべている。こんなCMを覚えているだろうか。 定年のイメージを覆す楽しげな姿を、そんなはずがないと思った人は多いだろう。 フリーランスの物書き、高橋秀実には定年がない。だが同年代の

今週のいただきもの:2018年4月8日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年4月8日週

先日、会社の飲み会で、若くて可愛い女の子がハイボールを頼んだので、意外と酒飲みなのかと思ったら、美容のため(糖質が少ない)でした。 バーボン(boubon)は、英語の綴りからわかるように、フランスのブルボン王朝に由来します。アメリカ独立戦争時に、フランスは、独立派を支援しました。当時、植民地支配をめぐり、フランスはイギリスと対立していたのです。 アメリカ独立

『秘録イスラエル特殊部隊〜中東戦記1948〜2014』でイスラエルの裏面史が見えてくる 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『秘録イスラエル特殊部隊〜中東戦記1948〜2014』でイスラエルの裏面史が見えてくる

1948年の独立以来、イスラエルの特殊部隊が関わった作戦の数々を時系列で微細に入り伝えるノンフィクション。空港での人質奪還、中東戦争、エルサレム包囲戦、レバノン戦争、「テロリスト」の暗殺、原子炉空爆、ハマスとの闘い……その背景を知ることで、イスラエルの歴史や芯のようなものまでが見えてくる。 原題はNo Mission is Impossible. 『ミッショ

『ルポ 中国「潜入バイト」日記』絶望もなければ希望もない 書影

社会 / 民俗・風俗

『ルポ 中国「潜入バイト」日記』絶望もなければ希望もない

我々は中国をどこまで知っているのか。メディアにすり込まれたステレオタイプな中国人像で語ってないだろうか。上海の寿司屋、反日ドラマの日本兵役、山東省の田舎町にあるパクり遊園地の踊り子、上海の高級ホストクラブのホスト、爆買いツアーのガイド、留学生寮の管理人。七カ所の労働現場に入り込み、日本人が知られざる中国人の実像を描き出したのが本書だ。 「実像を描き出した」と

『証言バブル伝説』 聖子と明菜とノーパンしゃぶしゃぶ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『証言バブル伝説』 聖子と明菜とノーパンしゃぶしゃぶ

4月といえば入社式。今年も多くの若者たちがその舞台に立った。それに先立つ就職活動。近年も売り手市場とはいわれているが、それを遥かにしのぐ時代があった。その頃企業は、地方の優秀な学生を獲得するために、入社試験で東京に出てくる際の足代や宿泊代を全額負担していた。それはいつの時代か。1986年12月から1991年2月までの経済拡大期。そう、バブルの時代である。 一

今週のいただきもの:2018年4月1日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年4月1日週

最近、農家さんや漁師さんから直接食材を買える、 ポケマル(ポケットマルシェ) にハマっています。友人からこの時期旬のサザエを勧められたのですが、2人暮らしで20個を食べ切れるか不安で購入に踏み出せずにいます。近所へのおすそ分けを真剣に検討中です。 諸説ありますが、サザエは「小さい家」という意味であり、「ササ」が小さい、「エ」が家を表しています。また、漢字の「

『ゆらいだら、薬膳』大病を克服するために行きついた究極のレシピとは? 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ゆらいだら、薬膳』大病を克服するために行きついた究極のレシピとは?

最近でもクイズ番組などでよく見かける麻木久仁子。若々しい声の印象が強くて、50歳を超えていたとは思えないほどだ。 だが48歳で脳梗塞、50歳を目の前に乳がん、と大病を経験して、食生活を見直そうと「国際薬膳師」の資格を取ったという。高齢の母と一人娘との女だけの三人暮らし。生活の中で食が最も重要だ。だったら体に良くておいしいものを作りたい。人生のリセットを料理に

『動物たちのすごいワザを物理で解く 花の電場をとらえるハチから、しっぽが秘密兵器のリスまで』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『動物たちのすごいワザを物理で解く 花の電場をとらえるハチから、しっぽが秘密兵器のリスまで』

動物たちは人間の五感を超えた世界を生きている。 たとえば、私たちの目には美しく見える花々—— でも、花は人間に鑑賞してもらいたくて咲いているわけではない。虫などを誘惑して、花粉をつけてもらい、受粉を果たすために、咲き匂っているのだ。 花の紫外線写真を見れば、このことがよくわかる。人間の目で見るより、花粉や蜜のある中心部が大きく派手に目立っている。紫外線が見え

宇宙に行くならまずこれを読んでからにするべし──『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

宇宙に行くならまずこれを読んでからにするべし──『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』

最近の人類は当たり前のように未来に生きているので、もうみんな宇宙旅行とかにガンガン行っていると思うのだけれども、そうした時にぜひ一読しておいてもらいたいのが、本書 『太陽系観光旅行読本:おすすめスポット&知っておきたいサイエンス』 である。月や彗星、火星に金星、はては冥王星まで、各種惑星にどうやって行くのか。各惑星はどのような大気組成であり、地面はあるのか。

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』ああ、僕に時間がもう少しあれば、このような1対1のゼミを受講してみたい 書影

教養・雑学 / 世界史

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』ああ、僕に時間がもう少しあれば、このような1対1のゼミを受講してみたい

何というおどろおどろしいタイトルだろうか。普段お世話になっている旧知の著者からゲラが送られてきたので、少しは読まなければ申し訳ないと思って読み始めたら、これが面白くて読むのを止められない。 本書は2人の尖った個性がお互いに本を選んで3か月に1回、その本について縦横に語り合った対談集である。選ばれた本も秀逸で(知らない本が半分ほどあったが)、2人の対談も奔放の

『経済学者、待機児童ゼロに挑む』難攻不落の社会問題への挑戦 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『経済学者、待機児童ゼロに挑む』難攻不落の社会問題への挑戦

夫婦というのは、年数を重ねる中でそれなりに関係が変化していくものだが、我が家の場合、いまもお互い変わらずに抱いている感情がある。ときめき? まさか。いまや恋は遠い日の花火である。いまも夫婦で変わらずに思っていること。それは、ぼくらは「戦友」であるということだ。 夫婦にとっての戦いとは、子育てである。具体的に言えば、2人の子どもが小学校にあがるまでの延べ10年

『知ってるつもり 無知の科学』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『知ってるつもり 無知の科学』

世界レベルで近年の流行語大賞を選ぶとすれば、「フェイクニュース」が有力候補に入るのはまちがいない。アメリカのドナルド・トランプ大統領は自らに不都合なニュースをことごとくフェイクニュースと称しているが、本来は虚偽の情報に基づいて作られたニュースを意味する。2016年のアメリカ大統領選挙の前には、「ローマ法王がトランプ候補への支持を表明した」「民主党のヒラリー

『話術』50年の怠慢を経て名著を読む 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『話術』50年の怠慢を経て名著を読む

私が東京放送のアナウンサーになったのは1967年の春だった。 新人の頃、アナウンサーとして読むべき何冊かの本を教えられた。そのひとつが「徳川夢声さんの話し方の本」だった。 正に今回文庫化されたこの『話術』なのだ。先輩から読めと言われていたのに、50年間手にすることがなかった本が手元にやってきた。襟を正して読み始めることにした。 思い返してみると、ただ遊んでば

『The Future of Humanity(洋書)』人類が生き延びるためには何が必要で、今の科学技術でどこまで実現できるのか? 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『The Future of Humanity(洋書)』人類が生き延びるためには何が必要で、今の科学技術でどこまで実現できるのか?

去る3月14日、著名な宇宙物理学者のスティーヴン・ホーキング教授が亡くなった。ブラックホールや宇宙の始まりについての研究で、数多くの功績を残した巨星の逝去に大変ショックを受けた。平易な文章で、一般読者にも分かりやすく宇宙を語ってくれた『ホーキング 宇宙を語る ビッグバンからブラックホールまで』を始めとした多くの著書を、興奮しながら読んだものだ。 個人的に宇宙

『思想的リーダーが世論を動かす』アイデアはこうして創られる 書影

教養・雑学 / 社会

『思想的リーダーが世論を動かす』アイデアはこうして創られる

世界はアイデアに溢れている。限られた時間で優れたアイデアを伝える TEDの動画 を検索すれば、優れたプレゼンテーションを大量に見つけることができる。そのどれもが、世界を良い方向に変える力を持つかにみえる。象牙の塔に閉じこもっていた学者がビジュアルイメージを巧みに使いこなし、利益の追求に血眼になっていた起業家が平和への道を語る。TEDだけではない。 ダボス会議

『ピラミッド 最新科学で古代遺跡の謎を解く』ピラミッドを作った人々のリアリティ 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『ピラミッド 最新科学で古代遺跡の謎を解く』ピラミッドを作った人々のリアリティ

古代エジプト、あるいはピラミッドという語句に接して、胸をときめかせずにいられる日本人は、そう多くはあるまい。だが時間的にも空間的にも遠く隔たった魅惑的な異世界に、私たちは勝手な幻想——時に超古代文明から宇宙人まで登場する——を投影してもきた。確かに古代エジプト、そしてピラミッドに謎は存在する。この謎に営々と立ち向かってきた、考古学者たちによる研究の歩みを明ら

おやつを用意して読みたい『歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

おやつを用意して読みたい『歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』

表紙のアップルパイに惹かれて、本書に手を伸ばした。甘く煮付けた熱々のりんごと、サクサクのパイ生地が美味しそうだ。洋菓子は、生きていく上で米や塩のように必須ではないが、私たちの生活に彩りをもたらしてくれる。 洋菓子の歴史は記憶によって語り継がれるため、伝説や珍説が生まれやすい。その全てを真に受けないためにも、洋菓子の背景にある文化史を理解することは重要だ。 著

今週のいただきもの:2018年3月25日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年3月25日週

明日はエイプリルフールですね。4月1日をフランスでは「ポワソン・ダヴリル(Poisson d’avril) 4月の魚」と言います。紙に描いた魚の絵を、仲間の背中に気づかれないように貼り、後ろからみんなで「ポワソン・ダヴリル!」とはやし立てる風習があるんです。また、パティスリーのショーウィンドウも魚のチョコレートやタルトで満ち溢れます。 由来は諸説あるのですが

死者と共にあること『私の夢まで、会いに来てくれた――3.11 亡き人とのそれから』 書影

社会 / 事件・事故

死者と共にあること『私の夢まで、会いに来てくれた――3.11 亡き人とのそれから』

人は亡くなれば、会えなくなる。話しかけても応えてはくれないし、手を触れることもできなくなる。喪失が突然であればなおのこと、現実を受け入れるのは難しい。私自身、交通事故や突然の病で親しい友人を亡くしたが、10年以上経った今でも、背格好の似た人を見かければ無意識に目で追ってしまう。きっとこの痛みは私が死ぬまで続くのだろうが、それでいいと思っている。 2011年の

話下手でもあきらめるな。We Shall Never Surrender『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』 書影

人物 / ビジネス

話下手でもあきらめるな。We Shall Never Surrender『リンカーンのように立ち、チャーチルのように語れ』

「礼儀正しい始まりは、愚かしい始まりである」 これはチャ-チルの言葉だ。スピーチやプレゼンにおいて、一番大事なのは第一声である。それなのに「みなさまの前でお話しできることを嬉しく思います。」というような、ありきたりで退屈な言葉で話しをだす人がいかに多いことか……。 「Boring boring」退屈で、くだらない!そういった社交辞令をスピーチにいれたければ話

暗闇という根源的未知に命を懸けた大探検記『極夜行』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

暗闇という根源的未知に命を懸けた大探検記『極夜行』

探検家・角幡唯介が、「そのときまでに得られた思考や認識をすべて注ぎ込み、それまでの自分自身を旅というかたちで問う」た大探検記である。 準備に四年をかけ、四ヶ月以上の間、真冬の北極圏を一人で歩く探検。それは極夜の暗闇の中である。極夜、聞き慣れない言葉であるが、白夜の逆といえばわかりやすい。太陽が顔を出さない暗闇の中を行こうというのである。 地味といえば地味であ

「図書館の隠れたポテンシャル」を引き出す4冊 書影

おすすめ本レビュー

「図書館の隠れたポテンシャル」を引き出す4冊

机は勉強する大学生や高校生に占領され、読みたい本はだいたい貸出中、音を立てれば「シーッ!」と怖い目で睨むメガネをかけた図書館員、映画で登場する図書館の典型である。 インターネットで検索すれば欲しい情報がすぐに手に入ってしまう時代に、日本を含む世界各国の図書館は生き残りをかけて、古いイメージから脱却しようと挑戦している。本の虫だけを相手にしたサービスでなく、幅