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事件・事故

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289記事

『特殊清掃』死体と向き合った男の20年の記録 書影

教養・雑学 / 事件・事故

『特殊清掃』死体と向き合った男の20年の記録

「特殊清掃 戦う男たち」というブログをご存じだろうか。特殊清掃(以下:特掃)の世界に20年以上も身を置くある男性が、「特掃隊長」というペンネームで特掃の仕事について綴ったもので、2年ほど前に5年分の記事を一部抜粋してまとめた単行本が刊行された。 一部でとても話題になったこともあり、ご存じの方もいるかもしれないが、1か月ほど前に新書サイズの携書版が発売されたと

緊急復刊『ホット・ゾーン』でエボラを知る 書影

サイエンス / 医学・心理学

緊急復刊『ホット・ゾーン』でエボラを知る

西アフリカでエボラが猛威を振るっている。WHOの発表によると、今回のアウトブレイクは、ギニア、リベリア、シエラレオネ3カ国での感染者が6553名、死者は3083名という史上最大の規模に発展している(2014年9月26日時点)。そしてついに、アメリカ本土での感染者も現れてしまった。アメリカ疾病対策センター(CDC)の想定では、このままの状況が続くと2015年1

『石の虚塔 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち』 - 神の領域は無法地帯なのか? 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『石の虚塔 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち』 - 神の領域は無法地帯なのか?

「魔がさした」ーー世間を震撼させるほどの大事件を起こした人物が、このようにコメントしたことを聞けば「何を寝ぼけたことを」と思うのが普通だろう。だが、昨今のように専門や嗜好といった圏域が高度に細分化した世の中において、同質の集団による無菌状態、あるいは無法地帯を作り上げることなど容易なことである。たとえそのような状況下にあったとしても、人は清廉潔白で居続けられ

『日本の聖域 アンタッチャブル』文庫解説 by 田原総一朗 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『日本の聖域 アンタッチャブル』文庫解説 by 田原総一朗

私は、毎月「選択」が届くのを待ちかねる思いで、袋の封をあけるとまっさきに読むのが「日本のサンクチュアリ」である。新聞や他の雑誌では触れていない〝日本の聖域〟の実態にメスを入れ、いわば闇の構造を暴きつづけている。 その〝サンクチュアリ〟シリーズが、『日本の聖域 アンタッチャブル』というタイトルで文庫本になった。本書に収められた記事の中から特に興味を引かれたもの

実録が現実を喰う!『映画の奈落』 北陸代理戦争の仁義なき場外戦 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

実録が現実を喰う!『映画の奈落』 北陸代理戦争の仁義なき場外戦

やくざ映画にドンパチはつきものである。だが、映画と全く同じシチュエーションで実際にモデルとなった組長が殺害されるーーそんなミステリーさながらの事件を引き起こした、前代未聞のやくざ映画があった。 映画『北陸代理戦争』は、”北陸の帝王”と呼ばれた福井川内組組長、川内弘をモデルにした「東映実録やくざ映画」である。映画と現実が連動し、シナリオが進行中のやくざの抗争に

大切な人を、理不尽に喪ったことはありますか?『喪の途上にて――大事故遺族の悲哀の研究』 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

大切な人を、理不尽に喪ったことはありますか?『喪の途上にて――大事故遺族の悲哀の研究』

現実として受け容れ難いほどの大惨事は、誰の身にも起こりうる。東日本大震災、阪神淡路大震災、JR福知山線脱線事故――。しかし、突然の喪失にどう向き合えばよいのか、どうすれば悲嘆の渦中にいる人たちに寄り添うことができるのか?多くの人はあらかじめ、答えを持たない。 その時の道標として読んでおきたい本に出会ったので、紹介したい。1992年に単行本として出版され、この

『謝るなら、いつでもおいで』佐世保小6同級生殺害事件から10年… 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『謝るなら、いつでもおいで』佐世保小6同級生殺害事件から10年…

学校の中の事件は、なぜかいつも心が痛くなる。小学生のころ、今のイジメのようなものではなかったが、つまはじきにされた記憶が蘇るからだろう。原因はわからず、誰にも相談できず、私は悩んだ末、親玉になっている子に直談判に出かけた。私が何かしたのか、という問いの答えがあまりにも的外れで、簡単に誤解が解けたことでこの事件は集結した。半世紀近い昔のことなのに、心臓が破裂し

捏造を知るにはこれを読め! 『背信の科学者たち』の緊急再版を訴える⇒再販が決定しました! 書影

サイエンス / 事件・事故

捏造を知るにはこれを読め! 『背信の科学者たち』の緊急再版を訴える⇒再販が決定しました!

『 背信の科学者たち 』、この刺激的なタイトルの本が 化学同人から出版された のは四半世紀前。1988年のことである。かけだし研究者であったころにこの本を読んだ。驚いた。捏造をはじめとする論文不正を中心に、科学者のダークな事件をあらいだし、その欺瞞から科学をとらえなおそうという試みである。最初におことわりしておくが、この本、後に講談社ブルーバックスとして出版

『河北新報のいちばん長い日』 文庫解説 by 後藤 正治 書影

社会 / 事件・事故

『河北新報のいちばん長い日』 文庫解説 by 後藤 正治

二〇一一年三月十一日に勃発した東日本大震災にさいして、地元紙・河北新報が、震災にいかに対応し、何をどう伝えたか……を克明に記すドキュメントである。 河北新報は、宮城・仙台を本拠に、東北各県をエリアとするブロック紙である。震災で本社の建物は持ちこたえたが、沿岸部にある支局や販売店は軒並み被災した。販売店でいえば、店主が死亡した店が三店、全壊が十九店舗。配達員な

『リーマンショック・コンフィデンシャル』金融危機時の人間ドラマ 書影

人物 / 事件・事故

『リーマンショック・コンフィデンシャル』金融危機時の人間ドラマ

これまでさまざまな学者や評論家がリーマンショックについて解説しており、「住宅ローン基準の緩和に伴うサブプライムローンが、、、」といった抽象論は耳にたこができるほど聞かされている人は少なくないだろう。 私自身そんな大勢の一人で、今更リーマンショックの顛末にあまり興味はなく、本書を手にとったのは、「フィナンシャル・タイムズ」「エコノミスト」両紙の2009年ベスト

『メキシコ麻薬戦争』 ゴッドファーザーよりヤバイ現実 書影

社会 / 事件・事故

『メキシコ麻薬戦争』 ゴッドファーザーよりヤバイ現実

12万人。2006年から6年続いた カルデロン 政権下、メキシコ麻薬戦争によって失われた命の数である。異常なのは犠牲者の数だけではない。用いられる武器、残虐性も想像を超えている。けん銃やマシンガンは当たり前、手榴弾も決して珍しくはないという。メキシコが直面しているのは、マフィアたちの抗争や縄張り争いなどという言葉では片付けられない、“戦争”なのだ。 敵対集団

『原発敗戦 危機のリーダーシップとは』 リーダーには何が必要か 書影

社会 / 事件・事故

『原発敗戦 危機のリーダーシップとは』 リーダーには何が必要か

福島原発事故は「第二の敗戦」だった。 著者は、深い敗北感のただなかにいる。わたしたちは何も学んでいないのではないか、日本は70年前の敗戦から何も変わっていないのではないか。 民間事故調 のプログラム・ディレクターとして、ジャーナリストとして、つぶさに事故の経過を調査・検証してきた著者は、敗北感にとらわれながらも、日本再出発への道を模索する。 本書では事故を時

『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』上級ミステリー本 書影

教養・雑学 / 人物

『辞書になった男 ケンボー先生と山田先生』上級ミステリー本

本書は、国民的大ベストセラー辞典の「生みの親」に光をあて、これまで注目されてこなかった国語辞典の誕生秘話を解き明かす一冊だ。 合わせて累計4000万部に迫る驚異的な発行部数を記録する『新明解国語辞典』と『三省堂国語辞典』。辞書として最も有名な『広辞苑』の発行部数が1200万部であるから、これら二冊はそれ以上ないしは同等の部数を誇っていることになる。驚くのは、

『殺人犯はそこにいる』この国の正義を問う 書影

社会 / 事件・事故

『殺人犯はそこにいる』この国の正義を問う

現在、HONZが怒涛のキャンペーンを張っている作品がある。それが本書、『殺人犯はそこにいる』だ。 野坂美帆 。 内藤順 。 仲野徹 。さらに、マンガHONZの山田義久もそれぞれの立場から本書をレビューしている。また、栗下直也が 著者インタビュー を行っている。 ここまでレビューされているのだから、もういいじゃないか?そんな思いも少しはある。しかし、本書にはそ

『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男 書影

社会 / 事件・事故

『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男

教誨師とは、拘置された死刑囚と唯一面接できる民間人である。面接を望む死刑囚と対話し、ときに悔悟を促し、教え導く役割を負う。そしてさらに、面接を続けた死刑囚の刑の執行にも立ち会うという、過酷な任務でもある。 無報酬の「仕事」であり、多くの場合、牧師や僧侶など宗教家が、その役割を担う。そんな過酷な仕事をタダで誰がやるのか、と疑問が起こるが、宗教家にとって「教誨師

『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 この街には行くところがない 書影

社会 / 事件・事故

『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 この街には行くところがない

2009年秋、2つの連続不審死事件が明るみに出た。いずれも30代の小柄の肥満体型の女性が幾人もの男性を虜にして多額の金を貢がせていた格好だったが、世間の反応は対照的だった。 首都圏でネットを通じて知り合った中高年の独身男から金をだまし取り「セレブ」な生活を送った木嶋佳苗。法廷での服装や突拍子のない発言まで詳細に報じられ、佳苗の裁判の「追っかけ」まで登場した。

DNAこそが知っている『殺人犯はそこにいる』ことを 書影

サイエンス / 事件・事故

DNAこそが知っている『殺人犯はそこにいる』ことを

出版されるやいなや、タイムラインには読み巧者たちによる絶賛の言葉がならんだ。しかし内容は重そうだ。まずはウォーミングアップにと、前作『 桶川ストーカー殺人事件-遺言 』を読んだ。そこには、桶川事件について抱いていた漠然としたイメージとはまったく違うドキュメントがあった。 そしてこの本。読み出すと文字通り止まらなかった。ここにもおぼろげに知っていると思っていた

『司法権力の内幕』-絶望的な、あまりに絶望的な実態 書影

社会 / 事件・事故

『司法権力の内幕』-絶望的な、あまりに絶望的な実態

裁判官たちは何を考えて裁いているのか。我々素人は「法と証拠」と答えるかもしれない。だが、冤罪は後を絶たないし、冤罪の疑いが強まっても耳を傾けない司法の姿が浮かぶ。著者は裁判官の頭には裁判の公正や司法の正義の概念はないと説く。司法権力という見えない組織にがんじがらめにされ、根拠を深く考えずに自動機械的に事案を処理する「司法囚人」の姿こそが裁判官の実像だと本書全

著者インタビュー『殺人犯はそこにいる』清水潔氏 書影

社会 / 事件・事故

著者インタビュー『殺人犯はそこにいる』清水潔氏

79-96年に北関東で5人の少女が殺害、行方不明になった事件。この5つの事件に連続性を見出し、真犯人に迫ったのが本書だ。5件の事件のひとつが「足利事件」。著者はDNA型鑑定に着目した調査報道で、服役していた菅家利和さんの冤罪の立証を支えた。一方、DNA型鑑定に注目したことで、九州で2人の女児が殺害された飯塚事件の判決にも疑問を持ち、取材に乗り出すが、そのこと

『殺人犯はそこにいる』 - 真犯人への挑戦状 書影

社会 / 事件・事故

『殺人犯はそこにいる』 - 真犯人への挑戦状

ただならぬタイトルの裏側には、ただならぬ闇が潜んでいた。地を這うような調査によって、ドミノ倒しのように明かされていく衝撃の事実。報道という武器を駆使して次々に繰り出される手技。それでも事態は動かない。「真実」への道のりは、ここまで遠いものか。そして「当たり前」のことを当たり前のように行うのは、ここまで難しいものか。 北関東連続幼女殺人事件は、栃木県足利市、群

いま一度、戦慄せよ!『桶川ストーカー殺人事件-遺言』 書影

事件・事故 / プレミアム・レビュー

いま一度、戦慄せよ!『桶川ストーカー殺人事件-遺言』

年末『殺人犯はそこにいる』を読んで、足元からじわじわと滲み込んでくるような恐怖を感じた。もし、この本に書かれていることが本当なら、いや、本当にしか思えないのだが、幼女連続殺人犯は今ものうのうをと暮らしていることになる。日本の警察は世界一だ、と言われたのはいつの時代だっただろう。そしてマスコミは、事件記者は、いまどんな規範で動いているのだろう。 著者の清水潔の

なぜ殺した。ゆかりちゃんは今どこにいる。『殺人犯はそこにいる』新刊超速レビュー 書影

社会 / 事件・事故

なぜ殺した。ゆかりちゃんは今どこにいる。『殺人犯はそこにいる』新刊超速レビュー

「進んでしまった時計の針を戻すことは出来ない。あの日、事件は起こってしまった。」著者、清水氏は思う。「だが、なぜだったのか?」普通のどこにでもいるような女子大生がストーカー被害の末殺害された、「桶川ストーカー殺人事件」。当時、雑誌「FOCUS」編集部に在籍した清水氏は、独自取材の末殺人犯を探し当て、埼玉県警上尾署の不祥事を暴いた。その一連の取材過程を記した前

『ロングウォーク』狂気に満ちた怒り 書影

社会 / 事件・事故

『ロングウォーク』狂気に満ちた怒り

爆発物処理班(EOD)が爆弾の処理をする際、ロボットの故障や使用不可能な状況に陥るときがある。すると彼らは、ひとり 対爆スーツ を身に着け爆弾解除に向かう。そんな状況の事をEODの連中はロングウォークという。群衆が取り囲むなか、いつ爆発するわからない爆弾に30キロを超えるスーツを着込みひとり対峙する。死の影が常に足元からにじり寄り彼らの魂をつかみ去る瞬間を狙

『柴犬マイちゃんへの手紙』 新刊超速レビュー 書影

事件・事故 / 新刊超速レビュー

『柴犬マイちゃんへの手紙』 新刊超速レビュー

昨年春に起こった 「亀岡市登校中児童ら交通事故死事件」 を始めとして、今年9月に起こった 「京都・八幡の登校中の小学生の列に車で突っ込み5人重軽傷を出した18歳少年の事件」 など無謀運転で犠牲者が出るたびに大きな憤りを感じる。免許を取って30年以上、事故ったことが無いわけではないが、遊び半分に暴走したことなど一度もない。若さはバカさであるけれど、取り返しのつ

『スリランカの赤い雨』地球外生命の発見??? 書影

サイエンス / 事件・事故

『スリランカの赤い雨』地球外生命の発見???

わくわくサイエンス本だ。 2012年11月13日早朝、インド沖合のスリランカに突如として「赤い雨」が降り注いだ。砂漠の微粒子を含む「黄色い雨」や火山灰・石炭を含む「黒い雨」はよく確認されているが、「赤い雨」というのは神話などで紹介されているものの事例が少なく、本格的な科学的研究はあまり進んでいない未知の現象である。本書は久しぶりに確認された謎の「赤い雨」の正

『本を愛しすぎた男』 - 本の外側に書かれた不可視な物語 書影

教養・雑学 / 事件・事故

『本を愛しすぎた男』 - 本の外側に書かれた不可視な物語

一口に本好きと言っても、大きく分けると二つのタイプが存在する。それは本の中身にしか興味がないか、それとも外側にも興味を持つかということである。僕などは本好きを自称していても典型的な前者のタイプなので、フェティッシュに外側のことを熱く語られると、敵わんなという思いを常に抱いてしまう。 後者のタイプの際たるものが、稀覯(きこう)本と呼ばれるコレクターの世界である

『奴隷にされたソフィー』暴力、支配、売春。 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『奴隷にされたソフィー』暴力、支配、売春。

彼女の運命はあまりにも過酷だ。いや、発展途上国などでは日常的に起きている出来事なのかもしれない。たとえそうであっても、それは彼女の身に起きたことへの慰めにはならないだろう。本書は著者自身が体験した悪夢のような出来事を綴ったノンフィクション作品である。先進国という環境で生きる私たちにとって、この出来事はあまりにも遠くの世界に感じる。むろんイギリスの中産階級とい

『ルポ虐待―大阪二児置き去り死事件』新刊超速レビュー 書影

社会 / 事件・事故

『ルポ虐待―大阪二児置き去り死事件』新刊超速レビュー

虐待。この言葉が、当たり前のようにニュースに流れるようになったのは、いつぐらいからだっただろうか。自分の保護下にある人や物に対して日常的に危害を加えたり、危害の脅威を感じさせたりすることを指している。 子どもに対する虐待は、児童虐待と呼ばれる。児童虐待の防止等に関する法律では、その定義を以下のようにしている。 ( 厚生労働省HP より) 一 児童の身体に外傷

『家族喰い』 尼崎連続変死事件の真相 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『家族喰い』 尼崎連続変死事件の真相

最近、NHKの経営委員に選ばれたことでも話題の売れっ子作家の百田尚樹が帯に言葉を寄せる。 「ホラー小説も逃げ出すくらいの気味の悪い本だった!」 尼崎連続殺人死体遺棄事件。兵庫県尼崎市、香川県、岡山県で次々と明るみになった犯罪史上稀に見る凶悪事件。複数の家族がバラバラにされ、分かっているだけでも死者行方不明者は10人以上とされる。首謀者とみなされた角田美代子の

『ブリングリング こうして僕たちはハリウッドセレブから300万ドルを盗んだ』セレブとヴァリーガール 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『ブリングリング こうして僕たちはハリウッドセレブから300万ドルを盗んだ』セレブとヴァリーガール

ソフィア・コッポラ監督の最新映画『ブリングリング』の原作が本書である。この映画はカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門のオープニングを飾り、話題を呼んだという。ちなみにソフィア・コッポラ監督は、映画『ゴッドファーザー』などの監督を務めたフランシス・フォード・コッポラの娘だ。映画『ブリングリング』は2013年12月に、日本でも公開予定である。本書は2008年から2

『テロリズムの歴史』テロとはメッセージである。 書影

社会 / 事件・事故

『テロリズムの歴史』テロとはメッセージである。

要人暗殺というテロ行為は歴史上、いく度も繰り返されてきた。時にそれは革命の大きなうねりとなり、多くの人々の血を飲み込みながら、国家や社会の形態を変化させることに成功した。または未曾有の戦争を引き起こし、民衆、権力者を問わず、その財産と生命と涙を喰らいつくした。ただ、多くの場合は、それほどの成果もないまま、いつ果てるともわからない、不安定な状況と小規模な流血が

『犯罪は予測できる』 防犯ブザーは役立たず 書影

社会 / 事件・事故

『犯罪は予測できる』 防犯ブザーは役立たず

書店でタイトルを眺めつつ、犯罪の予測といえば、フィリップ・K・ディックの「少数報告」だよな、などと思いながら手に取ると、まえがき1ページ目でそのことに触れており、一気に著者に対する親近感が増してそのまま購入してしまった。 もちろん、本書には予知能力者のプレコグたちを使った犯罪予知法が書かれているわけではない。著者は、日本人として初めて英ケンブリッジ大学で犯罪

『名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち』 書影

社会 / 事件・事故

『名誉の殺人 母、姉妹、娘を手にかけた男たち』

「名誉の殺人」とは、結婚前に肉体関係を持った女性などをその家族が殺し、一族の「名誉を回復する」こと。中東や南アジアなどで行われている。 こう書けば、 『生きながら火に焼かれて』 という本を思い出すHONZ読者も多いかもしれない。ヨルダン川西岸地区の若い女性が恋人と肉体関係を持ったため、義兄が彼女にガソリンをかけ、火をつけて殺そうとするが、なんとか助けだされた

『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差 書影

事件・事故 / 日本史

『血盟団事件』 - 交わるはずのなかった二つの格差

アルバイト店員が内輪向けのネタ画像をアップして炎上するなどの騒ぎが相次いでいる。この問題における一つの論点となっているのが、学歴の格差というものだ。「低学歴の世界」というセンセーショナルなフレーズとともに、多くの言葉が交わされているが、一昔前によく見かけた、都市と地方の格差という議論にもよく似た印象を受ける。 格差、就職難、ワーキングプア、社会からの孤立。こ

『マヨラナ』天才が描く天才の物語 書影

サイエンス / 人物

『マヨラナ』天才が描く天才の物語

1938年、一人の天才物理学者が謎の失踪を遂げた。まだ31歳の若さながらすでに国際的に名の知れた優秀な核物理学者が、イタリア・シチリア島のパレルモからナポリ行きの船に乗り、それっきり消息を絶ったのだ。遺書らしきものは残されていたが、遺体は収容されなかったうえに、以後数十年にわたってあちこちから目撃証言が出続けており、その消息は未だ謎である。もし本当に生きてい

『死刑でいいです』モンスターと呼ばれて 書影

人物 / 社会

『死刑でいいです』モンスターと呼ばれて

エロとグロのレビュー担当者を自認しているとはいえ、朝から気味の悪い言葉を記してしまった。山地悠紀夫の言葉である。 2000年、16歳で実の母親を撲殺。少年院を出所後の05年に面識のない姉妹を刺殺。反省を一切見せずに死刑を自ら望み、09年7月28日に25歳で死刑に処せられた山地悠紀夫。本書は彼の人生に迫った一冊である。 親族、医師、同級生、担任教師、少年院仲間

『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』 新刊超速レビュー 書影

事件・事故 / 日本史

『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』 新刊超速レビュー

あの珍書プロデューサー・ ハマザキカク をして、 とまで言わしめた本書は、まさに珍書の中の珍書である。 タイトルだけを見た時は、やれ木嶋 佳苗が◯◯だの、林 真須美が××だの、その類いかと思ったのだが、中身は全然違った。主人公は明治時代に実在した一人の女性、高橋 お伝。その数奇な運命がヤバい、ヤバい、ヤバい。とにかく奇妙な出来事の連続なのである。 事の発端は

『指揮権発動』検察の正義は失われたのか? 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『指揮権発動』検察の正義は失われたのか?

「指揮権」。政治経済の教科書に出てくる「あれ」である。検察は独立性を保障されているが、法務大臣は個々の事案では検事総長を指揮できると検察庁法14条は規定している。過去に発動されたのは戦後一度のみ。1954年、世に言う「造船疑獄事件」で後の首相である佐藤栄作氏に対する逮捕状請求を当時の法務大臣が無期限に延期するように指揮した。その指揮権が実は50年以上の時を経

泥棒稼業も楽じゃない『空き巣なう』 書影

社会 / 事件・事故

泥棒稼業も楽じゃない『空き巣なう』

闇夜を駆け、密かに忍び、大金をせしめて逃げる。 普段、私達は空き巣の稼業など想像もしないだろう。タイトルがあまにりにポップなので侮っていたが、事実は小説よりも奇なり。本書は空き巣家業50年余の著者による体験録である。 著者が犯行におよんだ場所は、滋賀、奈良、三重など実際の現場が登場している。パトカーから逃走した国道42号線、ナンバーを控えられた津市など具体的

『兵士は起つ』自分は自衛官なのだから。 書影

社会 / 事件・事故

『兵士は起つ』自分は自衛官なのだから。

シリーズが進むにつれ、当初は日陰者であったはずの自衛隊がまるで硝煙に導かれるがごとく、より先鋭化していくようすがわかる。シリーズ第4弾『兵士に告ぐ』では数度の海外派遣などを経験し、さらに米軍と協力し高い戦闘力を身につけながら実戦的な軍事組織へと、本格的に舵を切り始めた自衛隊の姿がをうかがうことができる。 この「兵士シリーズ」は5作目の『「兵士」になれなかった