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教養・雑学

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894記事

『「本をつくる」という仕事』 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『「本をつくる」という仕事』

自分で本を書くようになってから、1冊の本が世に出るまでには本当にたくさんの人のお世話になっていることがよく分かった。本書は、「書店は広大な読者の海と川とがつながる汽水域であり」、本づくりとは「源流の岩からしみ出た水が小さな流れとなって集まり、次第に1本の川に成長して海に流れ込む」ようなものだと考える著者が、8つの目的地を求めて川上へと遡っていく物語である。

『東大VS京大 入試文芸頂上決戦』国語の入試問題から、時代の流れが見えてくる 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『東大VS京大 入試文芸頂上決戦』国語の入試問題から、時代の流れが見えてくる

入試の季節が巡ってくるたびに高校時代を思い出す。もう少し努力していれば違う未来があり得たかもしれないあの時代。 もしタイムマシンであの頃に戻れたら、今より30キロ以上もスリムな自分に、成毛眞の『AI時代の人生戦略』でも渡して、「未来の合言葉はSTEAMだぜっ!」と全力でアドバイスを送ってやるのに……。女の子のことばかり考えているうちに(「つきあっているうちに

凡人、天才に学ぶ 『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』 書影

教養・雑学 / 世界史

凡人、天才に学ぶ 『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』

天才とは何だろう? 一般的には「とくに創造的活動において発揮される、すぐれた知的才能」と定義されている。『優生学』を打ち立てたフランシス・ゴルトンのように「世界中がその功績に対して大きな恩義を感じるような人物」としたほうがより実際的かもしれない。 ダーウィンのいとこであったゴルトンは「天才とは遺伝の産物」と考えていたが、はたしてそうだろうか。いみじくもそのゴ

南極で家を建てるには 『南極建築 1957-2016』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

南極で家を建てるには 『南極建築 1957-2016』

地球上で、家を建てるのが大変な場所はどこだろう? ジャングル? 砂漠? ツンドラ? 南極や北極? 極地観測のために建てられた南極基地の建築物を、写真と丹念な解説で見せてくれるこの一冊。昭和基地をはじめとする、極限環境での建築の数々は、こんな技術や人に支えられていた! こんなにすごいことをしていたなんて、知らなかった。 この本の感想はこの一言に尽きるかもしれな

20代の自分に読ませたい 『コンプリメントで不登校は治り、子育ての悩みは解決する』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

20代の自分に読ませたい 『コンプリメントで不登校は治り、子育ての悩みは解決する』

昔から、休み明けは学校に行きたくないもの、と相場は決まっていた。大人だって、きっと大して変わらないだろう。読みさしの本があれば最後まで読みたいし、クライマックスのゲームはさっさとクリアしてしまいたいものだ。でも「不登校」ときくと、途端にドキドキしてしまう。それが、悪いことだと教えこまされてきたからだ。 ここ数年、不登校は増加傾向にあると報道されている。議論百

『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』

本書『Heirs to Forgotten Kingdoms』は、アラビア語とペルシア語を流暢に操り、イギリスおよび国連の外交官を務めた経験をもつ著者ジェラード・ラッセルが、中東の宗教的少数派のコミュニティを訪ねて旅し、現地の言葉で丁寧に話を聞きとって、現代に生きるその姿をまとめあげたものである。 1997年、駆け出しの外交官だった著者は、エジプトに配属され

『京舞つれづれ』人間国宝の家元が綴る、男子禁制の舞、花街の宝 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『京舞つれづれ』人間国宝の家元が綴る、男子禁制の舞、花街の宝

著者は京舞井上流のお家元、五世 井上八千代さんだ。一昨年、歌舞伎俳優の十五代目 片岡仁左衛門さんらとともに、58歳の若さで人間国宝に認定された。 井上流とは上方舞の一流派なのだが、京都五花街の筆頭、祇園甲部の「御留流」である。祇園甲部では他流派の舞踊は許されず、また祇園甲部より外では井上流の教授は行われない。女性のみで男子禁制である。 花柳流が全国2万名を超

『コンピュータが小説を書く日  AI作家に「賞」は取れるか』書くことを通して人は「何か」を生み出す 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『コンピュータが小説を書く日  AI作家に「賞」は取れるか』書くことを通して人は「何か」を生み出す

日本は他国に比べ生産性が低いそうだ。最近は書店でも生産性の向上を唱える本をよくみかける。確かにわずかな努力で最大の成果を生み出せればこんなにいいことはない。生産性の向上、大賛成である。寝ながらにしてレビューが書ければ最高である。 ちょっと変わった味わいの短編の名手として知られるロアルド・ダールに、「偉大なる自動文章製造機」(『あなたに似た人Ⅱ』所収)という作

『使用人たちが見たホワイトハウス』秘密のベールに隠された、ホワイトハウスの日常とは? 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『使用人たちが見たホワイトハウス』秘密のベールに隠された、ホワイトハウスの日常とは?

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 首藤 淳哉はラジオ局で朝の番組を担当する、敏腕プロデューサーだ。ラジオ業界きっての読書家で、 「嫁に隠れて本を買う」と題したブログ は業界の内外を問わずファンが多い。一週間前に面接したばかりなのに、既にレビューを2本も送ってくるアウトプットの速さは、マスコミ人として培われたフットワークの賜物なのか? それとも…。今

『本当に住んで幸せな街』官能的な街をはかる 書影

教養・雑学 / 社会

『本当に住んで幸せな街』官能的な街をはかる

「結局私たちは、どんなまちに住むのが幸せなのか」 センシャス・シティである。これが、本書の結論だ。 センシャスは日本語にすると「官能」、センシャス・シティは「官能都市」、艶やかな響きである。官能という言葉から、反射的にポルノチックなニュアンスが思い浮かんでしまう。しかし、官能の本来持つ意味を調べると、「感覚器官の動き」である。まず、センシャス・シティが夜遊び

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』

本書は、2014年にRandom House Books より刊行されたSo, Anyway... の全訳である。 ご存じの読者も多いと思うが、著者のジョン・クリーズは世界的に有名なコメディアンであり、彼の属していた〈モンティ・パイソン〉というグループが登場したのは1969年、《モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス》という英BBCのコメディ番組でのこと

『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』

著者のマリー・カーペンターは米国でも環境や食の安全に対して住民意識が高い先進地域に在住するジャーナリストで、ダムを取り壊した川にサケが還ってきた事例など、環境問題に関する報道も多く手掛けている。 本書ではまず、もともとは呪術者や王侯貴族専用の「魔法の薬物」だったチョコレートやコーヒー、お茶など、カフェインの入った飲食物が一般大衆にも嗜好品として普及するように

『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで

『ブルマーの謎』は、最近ではすっかり見ることもなくなった女子体操服の「ぴったりブルマー(密着型ブルマー)」をテーマにした一冊である。長年研究を続けた社会学者が手掛けており、ブルマー研究の決定版とも言える内容だ。しかしこの画期的な研究が始まったのも、ゼミ生たちとの苦し紛れのやり取りから生まれた「偶然の産物」であったという。当時、山本ゼミに所属していた小松聰子さ

『毎日こなべ』食材の味を吟味しながら、少しずつ頂く 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『毎日こなべ』食材の味を吟味しながら、少しずつ頂く

麻木久仁子さんがHONZでグラフィック社の『 一汁一菜でよいという提案 』(土井善晴著)の書評を書き、自身でもfacebook に「本日の一汁一菜」の写真をアップしているのを見て、これ美味しそうだな・・・HONZでこういうのもありなんだな・・・と思っていたら、ちょうどダイヤモンド社から『まいにち小鍋』(小田真規子著)が出版された。 ダイヤモンド社が料理本を出

えっ!ウチと違う!? 『お雑煮マニアックス』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

えっ!ウチと違う!? 『お雑煮マニアックス』

日本初のお雑煮のムックである。著者の粕谷浩子さんは、お雑煮が好きすぎて、各地の食べ比べレトルトパックの会社を立ち上げた情熱の人だ。その道のりは我々が想像するより、ずっと険しいものだった。お雑煮はレストランなどに無いため、粕谷さんは「地元の人と銭湯で仲良くなる作戦」などを駆使して、奥深いお雑煮の世界を丹念に調べていくしかなかったのだ。47都道府県のお雑煮を一挙

『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND』

日本はもちろん世界各国でベストセラーとなった、マインドフルネスとEQのバイブル的書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』。そのベースとなった同名の研修プログラムはグーグル社内で最も人気となり、社外でも展開され15か国以上で1万人を超える人が受講し、その開発者で同書の著者であるチャディー・メン・タンはグーグルの重役からマイ

かわいいあいつも、食べるとおいしい。『世界のへんな肉』アルパカもビーバーも、肉。 書影

生物・自然 / 教養・雑学

かわいいあいつも、食べるとおいしい。『世界のへんな肉』アルパカもビーバーも、肉。

肉。ああ、なんて魅惑的な響き! 焼きたての熱々をほおばれば、じゅわっと脂がとろけて、たちまち脳内はあふれ出る幸せホルモンの大洪水や~!! じるるっ。 おっと、よだれが。失礼しました。日本人がこういうときに想像するのは、やっぱり牛肉? 北海道の人ならヒツジかな? でも、世界では「まさかのあんな動物」や「かわいいこんな動物」も、肉です。食材なのです。 本書は3年

ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』

はばかりと呼ばれることがあるほどに、口にすることが憚られがちなトイレである。毎日必ずお世話になるにもかかわらず失礼なことだ。そのトイレを巡っての、うんこ話じゃなくてうんちく話が、うんこ盛りじゃなくててんこ盛りの一冊だ。編著者は『屎尿・下水研究会』である。会員は20名ほどだが、その職種が便器の設計者や紙の研究家、屎尿処理行政担当者など多岐にわたっているだけあっ

『ききりんご紀行』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

教養・雑学 / 編集者の自腹ワンコイン広告

『ききりんご紀行』-編集者の自腹ワンコイン広告

突然ですが、りんごの種類、いくつ言えますか? ぶどうなら、巨峰・デラウェア・シャインマスカット……3つくらいすぐ出てきて見分けもつくのに、りんごとなると、黄色いのは王林、赤いのはふじ、つがる……名前は知っているけれど、区別がつかない。たいていの人は(青森や長野出身の人はのぞいて)そんな感じではないでしょうか。 りんごはスーパーでほぼ1年中手に入るし、「わーい

『礼服(らいふく) ―天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い―』 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

『礼服(らいふく) ―天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い―』

日本における最高の正装をご存知だろうか? タイトルでもある礼服(らいふく)とは、「大宝律令」および、これを改定した「養老律令」の衣服令において、皇太子以下五位以上の貴族の正装と規定されており、わが国で最も格式の高い服である。元日に行われる朝賀の他、大祀や大嘗という特別な祭祀にも用いられており、国家的に最も重要な儀礼に使用された装束といえる。 といっても明治天

『非モテの品格 男にとって弱さとは何か』ルサンチマンを超えた先にあるもの 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『非モテの品格 男にとって弱さとは何か』ルサンチマンを超えた先にあるもの

タイトルを見て思わず手に取った。面白そうだと思ったのではない。憤慨したのだ。 はっきり言って私はモテない。メディアに出れば、ネットの掲示板には「ブス」という心無い言葉が流れる。だから、モテないことには一家言もっている。 だが、このタイトルには全く同調できなかった。 男はたとえ生まれ持った容姿に恵まれなくとも、筋肉をつけ、身なりに気を使い、学歴や財力、権力、そ

『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』リアルな昭和ヤクザの「証言者」 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』リアルな昭和ヤクザの「証言者」

あの人は、ヤクザの組長の娘だ――そう言われた場合、読者の皆さんは、どのようなイメージを持たれるだろうか。 ヤクザといっても、地域性も組の規模もシノギもさまざまであり、子分が何千人でも、あるいは数人でも、「組長」は「組長」である。 だから、その「娘」の人生も、千差万別である。父親の属する組織とそこでのポジション、あるいは家族への態度などに左右されるからだ。 本

『限りなく完璧に近い人々』北欧の人って本当に幸せなの? 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『限りなく完璧に近い人々』北欧の人って本当に幸せなの?

北欧諸国といえば、税金は高いが充実した福祉が存在し、経済は概ね堅調でしかも労働時間が短く、民主的で腐敗の少ない政府を持ち、そのうえ、シンプルでオシャレな家具が溢れる地上の楽園というようなイメージ゙があるのかもしれない。実際に英国にあるレスター大学の心理学部の「人生の幸福度指数」という調査では、デンマーク人が人類でもっとも幸福な国民に選ばれている。2011年に

『Dining Out in Boston(洋書)』レストラン、その知られざる役割について 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『Dining Out in Boston(洋書)』レストラン、その知られざる役割について

レストランというのは、単に外で美味しい物を食べる場所だとだけ理解している人がいるかも知れないが、この本を読むとそれはレストランの役割のほんの一部に過ぎないことに気付かされる。レストランというのは、地域の食文化を形作り、それを人々のアイデンティティにまで昇華させていく強い力を持っているのである。 自分が料理好きだということと、その昔、ボストンに住んでいたことか

『英語の帝国』普及の決め手は親の不安と期待 書影

教養・雑学 / 世界史

『英語の帝国』普及の決め手は親の不安と期待

英語教育の早期化が加速している。次期学習指導要領からは、小学校5年生から英語は正式科目となり、小学校3年生から英語に親しむ授業がはじまる。そして、歩調を合わせるように、親の英語熱が加速している。 小学校の英語必修化について、2006年には52%の親が反対だったが、2013年には賛成が59%というアンケート結果が出ている。また、大学入試でも「読む・書く・聞く・

『一汁一菜でよいという提案』 家庭の料理を初期化しよう! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『一汁一菜でよいという提案』 家庭の料理を初期化しよう!

食育では、一緒に食べることの大切さ、家族揃って食卓を囲むことの大切さが説かれます。けれど、商売をやっている家庭や、親が働いている家庭では、一緒に食卓を囲めないのは当然で、親が用意した汁を自分たちで温めて、子どもだけで食べる。そんな家庭はたくさんあると思います。それでも、大切なものはもうすでにもらっています。それが手作りの料理です、愛情そのものです。だから、別

『みうらじゅんと宮藤官九郎の世界全体会議』オマンが欲しければロマンをちょうだい 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『みうらじゅんと宮藤官九郎の世界全体会議』オマンが欲しければロマンをちょうだい

世界全体会議とのタイトルだが、本書には新興国の経済減速もトランプ現象も日銀の金融政策の枠組み変更も出てこない。 三部構成で第一部が「男と女について」、第二部「日本人について」、第三部「人生について」。計30のテーマについて、奥が深そうな議論が展開されていそうな見出しが並ぶが、話すのが脚本家の宮藤官九郎とみうらじゅんの二人。期待を裏切らない。 例えば、「男と女

『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』

天才たちはどこからやってくるのか。一説によると、たとえば3歳でヴァイオリンを弾きこなしていたというモーツァルトのように、天才は「生まれつく」。別の説によると、少なくとも一万時間の努力の結果として、天才は「つくられる」。たとえばトーマス・エジソンのように。だがじつは、天才は「(時代や土地に)育てられる」と、本書の著者エリック・ワイナーは考える

『ふわとろ』私たちはどこに「おいしさ」を感じているのか 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ふわとろ』私たちはどこに「おいしさ」を感じているのか

「シャキシャキ」 「ジューシー」 「もっちり」 「濃厚な」 「歯ごたえのある」 おいしい感覚を表す言葉の数々。「シズルワード」と呼ばれるこうした言葉たちを軸に、「おいしさ」とは何なのかを考えていく1冊だ。世の中に飛び交う食べ物の感想や宣伝の文句も、シズルワードに着目してみると、食べ物の何が「おいしい」とされているのかが見えてくる。 全体を通して底にあるのは、

今の日本を知るならこれ!『フランス文学は役に立つ!』 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

今の日本を知るならこれ!『フランス文学は役に立つ!』

別世界、別次元を楽しむための小説の一節に不意にドキッとさせられることがある。「これ今、私の目の前で起こっていることじゃん!?」「あの生意気小僧、この主人公にそっくりだな。」「あのおばさんも確かにこんな感じだった。」「これ今の日本の状況と同じだな。」 フランス文学の面白いところは100年以上前に他国で書かれたものなのに、現在の日本を正確に捉えていて、現実世界と

出会った、食べた、襲われた!『逃げろツチノコ』伝説の奇書、待望の復刊 書影

生物・自然 / 教養・雑学

出会った、食べた、襲われた!『逃げろツチノコ』伝説の奇書、待望の復刊

昭和34年8月、京都市北部の山中。かねてから催していた便意が高まり、山道を急ぐ男の姿があった。彼こそは本書の著者・山本素石(1919-1988年)。稀代の渓流釣り師として知られ、数多くのエッセイや紀行文を遺した。その素石のもう一つの功績は、ツチノコ探索隊ノータリンクラブの会長として世間にツチノコの存在を知らしめたことである。そのきっかけとなる瞬間が、今まさに

『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか? 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『いま世界の哲学者が考えていること』21世紀の哲学は、現実社会の問題に対してどう向き合って行くのか?

哲学の本を一冊ずつ読んでも、それが大きな哲学・思想の枠組みの中でどの部分に当たるのかが分からなければ、文字を目で追っているだけになってしまうし、哲学についての解説書を読んでも大抵の場合、21世紀に入ってからの最新の動向は書いていないし、おまけに議論と実社会での出来事との関連性が希薄なので、意識が朦朧としてきてしまう。そのような読者に福音をもたらしたのが本書で

売切御免! 『最後の秘境 東京藝大』が手に入らぬ人は、これを読みながら待つべし! 書影

教養・雑学 / 併せて読まれたこの一冊

売切御免! 『最後の秘境 東京藝大』が手に入らぬ人は、これを読みながら待つべし!

全く役に立たない。本当に役に立たない。これっぽっちも役に立たない。つまり、目的を持って読んではいけない本の典型的な例だ。 HONZ編集長・内藤順によるレビュー内 の一文に、心が揺さぶられました。 ためになることを追求し、人生のヒントを得られるのが本だ! そんな肩肘張った毎日を吹っ飛ばす一冊『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』が、今飛ぶように売れて

『メメントモリ・ジャーニー』アラサー女子、棺桶を買いにアフリカへ行く 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『メメントモリ・ジャーニー』アラサー女子、棺桶を買いにアフリカへ行く

「自分の棺桶がほしい!」 これが健康なアラサー女子の切なる願い……? だがどうやら本気なのだな、これが。だって、著者は理想の棺桶を求めて、アフリカはガーナへと旅立ってしまうのだから。 タイトルにある「メメントモリ」は、ラテン語で「死を想え」の意味。そして言わずもがな、「ジャーニー」は旅、つまり本書は一言で言えば「死と旅のエッセイ」である。 旅先で、すごく完璧

『Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography(洋書)』地理学が人類にとって如何に重要であるか 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography(洋書)』地理学が人類にとって如何に重要であるか

"Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography"は、「地理学」(geography )を変えた100の発見や発明や事柄を取り上げた、百科事典のような読み物である。 英語の本だし価格も1万円近くするので万人向けではないが、専門書にしては以外に平易な言葉で書かれているの

『お墓の大問題』入るだけでも、こんなに大変! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『お墓の大問題』入るだけでも、こんなに大変!

墓。それは、21歳の私には想像もつかないほど遠く感じるテーマである。しかし、墓は限りなく現実的なテーマだ。 義務教育さえ終わってしまえば、進学や就職をしない人生だってある。この先、結婚できる保証などないし、子供が生まれるかもわからない。仮に結婚できたとして、離婚だってありうる。しかし、どんな人にも必ず平等に訪れるイベント、それが死なのだ。 自分の死だけではな

『ジビエ教本 野生鳥獣の狩猟から精肉加工までの解説と調理技法』自分で獲って、自分で捌く 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ジビエ教本 野生鳥獣の狩猟から精肉加工までの解説と調理技法』自分で獲って、自分で捌く

ジビエレストラン「 LA CHASSE(ラシャッス) 」がどこにあるか直ぐに分かる人はかなりの通である。住所は港区六本木三丁目で、泉ガーデンの首都高環状線を挟んで向い側の、先日オープンしたばかりの六本木グランドタワー(六本木三丁目東地区計画)の直ぐそば、六本木通りから少し入った寄席坂の上の方にある。この都会の喧騒の中にポツリと佇む隠れ家レストランをわざわざ訪

『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』「知識」から「実践と存在意義」への大変革 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』「知識」から「実践と存在意義」への大変革

ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の日本リサーチセンターは、江川雅子前所長(現一橋大学大学院教授)の時代には丸の内にあったのだが、アカデミズムにおける場所の重要性という観点から、佐藤信雄現所長や竹内弘高教授の意向もあり、数年前に今の六本木ヒルズ49階のアカデミーヒルズ内に移転した。 当時、私はアカデミーヒルズの担当役員だったことから、ここに勤めていた山

謝罪道という様式美『謝罪大国ニッポン』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

謝罪道という様式美『謝罪大国ニッポン』

ベッキーや舛添要一前東京都知事をはじめ、謝罪のやり方を誤ったことで、奈落の底に追い込まれる例が後を絶たない。現代では謝罪の必要がないのに、第三者が謝罪を求め、そしてその人たちに向けて謝罪会見を開くというようなことが多くなっている。「世間をお騒がせして申し訳ございません」というのがその時に使われる常とう句であるが、世間は勝手に騒いでいるだけなのだから、それに対

『クラフツマン 作ることは考えることである』仕事への誇りを取り戻すための葛藤 書影

教養・雑学 / 社会

『クラフツマン 作ることは考えることである』仕事への誇りを取り戻すための葛藤

よい仕事とは何か、長らく考えられてきた問いである。本書ではクラフツマンとその精神性の歴史的背景を理解し、今の時代と文脈でどう再解釈できるかの議論を通じて、問いと対峙していく。シンプルな問いほど答えを出すのは難しい。本書も答えよりも、問いのまわりをクラフツマンの仕事と共に逡巡し続け、新たな問いを読者に投げかける。 近代の仕事は『絶望的に真面目』なのである。それ