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サイエンス

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741記事

『素数の音楽』文庫解説 by 小川洋子 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『素数の音楽』文庫解説 by 小川洋子

学生の頃、素因数分解が苦手だった。 15=3×5 136=2 3 ×17 143=11×13 などと整数を素数の積で表す、というアレである。大体の見当をつけて割り算や掛け算を試してみるのだが、その見当のつけ方がどうもぴたっと決まらない。もたもたしているうちに試験の持ち時間はどんどん過ぎてゆく。 一方優秀な人は、ほとんど考えもせず、一目見ただけで正しく分解し、

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サイエンス / 社会

HONZ活動記-JAMSTEC見学訪問③

興奮と充実感に包まれたまま会議室に戻ると、次はなんと海洋工学センター観測技術担当役・土屋利雄さんが直々にJAMSTEC技術開発の歴史をお話しくださるという。なんなんだ!贅沢すぎるじゃないですか!土屋利雄さんは、主に水中音響工学を研究なさっていて、科学技術長官賞にも輝いた実績を持つ海洋工学のエキスパートだ。JAMSTECでは探査技術開発に広く深く長く関わってこ

黒い情念がゴッゴッゴッ! 『クマムシ博士の「最強生物」学』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

黒い情念がゴッゴッゴッ! 『クマムシ博士の「最強生物」学』

HONZの皆が大好きで、 ついにHONZのメンバーで「社会科見学」にまで行ってしまった 海洋研究開発機構(JAMSTEC)に在籍するスーパー研究者・高井研氏の著書 『微生物ハンター、深海を行く』 に印象的な下りがある。 そう。高井氏は、自身の研究する極限環境微生物こそが地球最強の生き物であると信じているのだが、そう主張すると必ずと言っていいほど「地球最強はク

HONZ活動記-JAMSTEC見学訪問② 書影

サイエンス / 生物・自然

HONZ活動記-JAMSTEC見学訪問②

吉梅さんは、渋い作業服姿で登場。報道室・長谷部さんが、吉梅は制服でご案内する、と一言。テンションが上がる。別に、制服萌えの趣味はない。けれども臨場感が違う。ほんまに来ちゃってるんだな、JAMSTECに! まずは海洋工学実験場内の高圧実験棟へ。タンクの中で圧力をかけ、物質がどのように変化するのかを実験する。海の中へ潜るということは、つまり水圧を受けるということ

HONZ活動記-JAMSTEC見学訪問① 書影

サイエンス / 生物・自然

HONZ活動記-JAMSTEC見学訪問①

9月5日、夜行バスを降りると、弱い雨が降っていた。新宿中央公園から都庁の脇を抜け、JR新宿駅を目指す。前日、慌てて終わらせてきた本業の仕事の仕上がりが気にかかる。頭の中で修正点をいくつか挙げながら、手はスマートフォンを弄りGoogleマップで現在位置を確認。よし、今日は迷ってない。無事新宿駅から品川を目指す。 品川から京急に乗り換え、JAMSTEC横須賀本部

9月のこれから売る本-紀伊國屋書店富山店 野坂美帆 書影

サイエンス / 生物・自然

9月のこれから売る本-紀伊國屋書店富山店 野坂美帆

HONZをご覧の皆様、こんにちは。すっかり秋めいてまいりましたね。いかがお過ごしでしょうか。富山では夜は長袖でないと寒く感じられるほどです。こちらには梨の産地がございまして、おいしいシーズンでございます。 さて今月は、ちょっと生物の棚へ戻って、進化に関連した書籍をご紹介いたします。 まずは『進化する魚型ロボットが僕らに教えてくれること』。最初に申し上げたいの

『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』 分類学の進化 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『自然を名づける―なぜ生物分類では直感と科学が衝突するのか』 分類学の進化

世界は名前であふれている。 街ゆく若者が凝視する手のひらサイズの四角い機械には「スマートフォン」、鋭い目つきでゴミをあさる黒い鳥には「カラス」、体毛がほとんどなく出歯のネズミには見たままの「 ハダカデバネズミ 」という名前がある。これらの名前はもちろん、自然に授けられたものではなく、ヒトによってつけられたものである。名前のないものを見つけることが難しいほどに

『宇宙探査機』 新刊超速レビュー 大型本フェア第3弾! 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『宇宙探査機』 新刊超速レビュー 大型本フェア第3弾!

まずはカナダ国民に感謝しなければならない。本書は大型本フルカラー390ページ(索引含め)のいわゆる豪華本なのだが定価は4000円。同種の大型本に比べれば圧倒的に安いのだ。それもそのはず、本書の制作にあたってはカナダ政府から助成金が出ているというのだ。何のためにカナダ政府が助成したのさっぱりわからないし、どの程度の金額だったかもわからないが、ありがたいことであ

JAMSTEC(海洋研究開発機構)を楽しむ8冊+α 書影

サイエンス / 生物・自然

JAMSTEC(海洋研究開発機構)を楽しむ8冊+α

♪じゃあむすてっく、じゃむすてっく、じゃむじゃむじゃむじゃむじゃーむすてーーっくっ♪ 自作のJAMSTECのテーマが頭のなかを流れ続けている。暑さでおかしくなったのではない(たぶん)。もうすぐ、HONZでは「大人の社会科見学」としてJAMSTECの横須賀本部に行くのである。これが浮かれずにいられようか。 JAMSTECって何? と思った方。そういう方のために

混迷するライム病論争 書影

サイエンス / 医学・心理学

混迷するライム病論争

近年、日本でもマダニ媒介感染症が急速に認知されるようになってきました。たとえば、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年にウィルスが特定された病気ですが、今年1月に、日本国内で初めて患者が確認された後、これまでに患者三十九人見つかり、そのうち十六人が死亡しています。現在、マダニがこのウイルス(SFTSウイルス)を持っているかどうかが実地調査されてお

生命を生物学から解き放つ - 『流れとかたち』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

生命を生物学から解き放つ - 『流れとかたち』

デザインという言葉が、これほど広い意味で使われるようになったのはいつ頃からだろうか。僕が広告業界に足を踏み入れた時にはまだ、デザインとは特定の職群の人たちの美的関心事を指していたように思う。だが同じ頃、営業の仕事とは「絵を描くことである」と教わった記憶も残っているから、既に現在使われているような広義の意味は含まれていたのかもしれない。 この言葉がこれほど頻繁

ピューリッツァー賞受賞作『病の皇帝「がん」に挑む』 本邦サイエンスノンフィクションの興廃この一冊にあり 書影

サイエンス / 医学・心理学

ピューリッツァー賞受賞作『病の皇帝「がん」に挑む』 本邦サイエンスノンフィクションの興廃この一冊にあり

その存在は古代エジプトの世から知られていた。存在が知られる前からも、多くの人の命がそれによって奪われていたはずだ。ずっと名前はなかったが、ギリシア時代になってようやく、あの医聖ヒポクラテスによってつけられた。しかし、人々はその本質を見誤っていた。ありもしない『体液』の異常によるものであると思い込まされていたのだ。その実体が、細胞の異常な増殖による、と正しく理

とりこになっちゃえ!『寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 生物・自然

とりこになっちゃえ!『寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』新刊超速レビュー

土屋さぁーーーん!!!大変ですぅ!!私、とんでもない素敵本を手に入れちゃいましたっ!! あ、いけない。 『ミクロの森』 、 『わたしたちの体は寄生虫を欲している』 とクールにレビューを書いてきたのに、つい素に戻ってしまった。むしわけない、じゃない。もうしわけない。いや、素で打ち間違えてしまった。わざとじゃないのです。これが 8月の朝会で噂のモザイクの向こう側

『サイクル・サイエンス』で『ツール・ド・フランス』を十倍楽しむ 書影

サイエンス / アート・スポーツ

『サイクル・サイエンス』で『ツール・ド・フランス』を十倍楽しむ

今年、 第100回 を無事に終了したツール・ド・フランス。フランス全土、およそ3600キロを23日間(うち2日間は休息日)かけて自転車でかけめぐるレースである。ピレネーやアルプスといった山岳レースも含まれており、連日マラソンを走るほどの過酷さといわれている。そのツール・ド・フランスの歴史、ルール、しきたり、から、名勝負、そして日本人選手まで、すべてがわかるコ

『太陽 大異変』地球への影響 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『太陽 大異変』地球への影響

1989年3月13日、カナダのケベック州で大停電が起こった。変電所や発電所が突如破壊され、9時間も停電続いたのだ。被害に遭ったのは、およそ600万人、経済的な損害は100億円を超えた。そして不気味にも同時に全米一帯を覆い尽くすようにオーロラが発生したのである。 当時、冷戦の真っ只中であったため、多くの人々は核攻撃が始まったと心配したそうだ。しかし、この大停電

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サイエンス / 人物

HONZプレミアム登場! 堀越二郎の『零戦』

とざい、と~ざい。本日はぁ、HONZはじめてのだしものぉ、HONZプレミアム。レビューしまするは、なかのとぉ~るぅ。(知ってる人は、文楽の口上風に声を出してよんでみてください。) ということで、HONZプレミアム、記念すべき第一回である。日本のノンフィクションを盛り上げようという崇高な使命をもったレビュー軍団HONZには、いくつかのルールがある。その一つは、

『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙はなぜこのような宇宙なのか』

著者はHONZに「青木薫のサイエンス通信」を寄稿いただいている翻訳家の青木薫さんだ。英文雑誌「THE NEW YORKER」からサイエンスの話題を拾うこのエッセイだけを読みにくるという熱烈なファンもいるようだ。今月は 「アルツハイマー先制治療――あなたならどうする」 だ。一般向けの科学書作家として、現代最高峰のサイモン・シンの日本語訳はすべて青木さんの手のよ

アルツハイマー先制治療――あなたならどうする。 書影

サイエンス / 医学・心理学

アルツハイマー先制治療――あなたならどうする。

『ニューヨーカー』誌で、メディカル&生物学分野のスタッフライターを務めている、ハーバード大学医学部教授のジェローム・グループマンが、アルツハイマー治療の最前線について読みごたえのあるレポートを書いていましたので、ざっくりかいつまんでご紹介いたします。 アルツハイマー病をめぐる状況を考える上で押さえておくべきは、今後、アルツハイマーの人たちのケアが、大きな社会

『野性の知能』 知能を脳から解き放て! 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『野性の知能』 知能を脳から解き放て!

あなたが見ている空の青さと、わたしが見ている空の青さが同じとは限らない。同じ波長の光が網膜に届いているとしても、その刺激が他人の中でどのような知覚をつくりだしているかを正確に知る術はなく、今あなたの目の前に広がる世界は、あなただけの世界かもしれない。 ヒトはどのように世界を見ているのか。 ヒトはどのように世界と繋がっているのか。 本書はこの捉えどころのない問

『人体探求の歴史』スーパー人体エッセイ!(永久保存版) 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『人体探求の歴史』スーパー人体エッセイ!(永久保存版)

人体を目、耳、心臓、骨、消化管、血液など15のパーツにわけ、それぞれについてじっくりと語った本である。全320ページにわたって「とても 美しい」のような、装飾的な副詞や形容詞がほとんど使われていない稀有な本でもある。一文一語たりとも無駄はなく、したがって重複もないので、逐語的に理解しながら読み進める必要がある。結果的に収容されている薀蓄は膨大だが、文体は簡明

ヤマネコとイエネコのあいだ――ネコ・ゲノム計画 書影

サイエンス / 生物・自然

ヤマネコとイエネコのあいだ――ネコ・ゲノム計画

みなさま、ご存知でしょうか? 猫を愛する人間の中には、心中、ワイルドな猫(ヤマネコやネコ科大型獣)に憧れている者がいるということを。 そういう人たちは、ワイルドライフのドキュメンタリー番組で、草食動物がネコ科大型獣に追いかけられている映像を見て、手に汗を握ってネコ科大型獣を応援してしまうのです。何を隠そう、実はわたしがそれなのです。 ある有名人が(誰だったか

『ミクロの森 1㎡の原生林が語る生命・進化・地球』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 生物・自然

『ミクロの森 1㎡の原生林が語る生命・進化・地球』新刊超速レビュー

生き生きと輝く地衣類。コイル状のハリガネムシ。本書はそんな冬の日の観察から始まる。アメリカ、テネシー州の原生林に小さな拠点を設け、生態観察し続けた一年をつづるノンフィクションだ。 生物学教授である著者・ハスケルは地面に腹這いになりながら、ある時はルーペを使って極小の世界に寄り添い、ある時は地中の様子を目に見える地表の生物から想像し、ある時は残された痕跡から時

『宇宙旅行はエレベーターで』 - 地上33,333,333階への架け橋 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙旅行はエレベーターで』 - 地上33,333,333階への架け橋

本書のテーマとなっている宇宙エレベーターについては、SFの世界で長らく定番ネタとして扱われてきたものである。宇宙から地球に向かってケーブルを垂らし、そのケーブルを伝ってゴンドラのような乗り物が、摩擦を利用して昇っていく。ケーブルの全長は約10万km。仮に1フロアの高さを3mと仮定すると、地上33,333,333階建ての高層ビルに匹敵するスケールを持っている。

『世界の技術を支配する ベル研究所の興亡』世紀のアイディア工場 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『世界の技術を支配する ベル研究所の興亡』世紀のアイディア工場

iPhoneやグーグル検索、フェイスブックは果たしてイノベーションと言えるのであろうか。もしそれらが情報時代に不可欠ではあるが、単なる優れたツールでしかなかったとしたら、本物のイノベーションとはなんなのだろうか。そしてイノベーションを意図的に生み出すための条件や方法論とは一体どんなものなのだろう。 本書はこれら問題に真正面から問いかけをしながら、イノベーショ

『大彗星、現る。』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『大彗星、現る。』 新刊超速レビュー

「大彗星」とは、昨年の9月12日に発見された「 アイソン彗星 」のことだ。今年の11月下旬に太陽に大接近し、最大でマイナス13等級という満月並みの明るさになると予想されている。これほど明るくなる彗星は数十年に一度しかないらしく、著者の一人は「この彗星を凌ぐ大彗星は、私が生きている間には、二度と現れないだろう」と予想する。私より年下の人だ。「神様がくれた最高の

『マヨラナ』天才が描く天才の物語 書影

サイエンス / 人物

『マヨラナ』天才が描く天才の物語

1938年、一人の天才物理学者が謎の失踪を遂げた。まだ31歳の若さながらすでに国際的に名の知れた優秀な核物理学者が、イタリア・シチリア島のパレルモからナポリ行きの船に乗り、それっきり消息を絶ったのだ。遺書らしきものは残されていたが、遺体は収容されなかったうえに、以後数十年にわたってあちこちから目撃証言が出続けており、その消息は未だ謎である。もし本当に生きてい

『なぜ理系に進む女性は少ないのか?』 遺伝?環境? 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『なぜ理系に進む女性は少ないのか?』 遺伝?環境?

世界中のサイエンス好きが注目するFacebookページがある。 2012年3月にスタートした I fucking love science というちょっと過激な名前のサイエンス情報ページだ。その人気ぶりは凄まじく、開設半年後には「いいね!」数が100万を突破し(2013年6月現在では560万以上)、Facebook上で最も人気のサイエンスページの1つとなった

モナリザの微笑のヒミツ 書影

サイエンス / 世界史

モナリザの微笑のヒミツ

「ニューヨーカー」誌の3月18日号に、厨房の文化史といえそうな記事がありました。古代ギリシャの饗宴やローマの宴会から、現代アメリカの主婦たちの料理観を変えたという、いわゆる「フープロでガー」革命(フードプロセッサでblitz everything!)に至るまで、厨房の技術と文化は、なんと長い道のりを歩んできたのだろう……と、感慨にふけりながら引き込まれるよう

『人体のしくみ図鑑』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 医学・心理学

『人体のしくみ図鑑』 新刊超速レビュー

『実に美しい』と、ガリレオの福山雅治のようにつぶやきたくなる写真集だ。人体のいろいろな細胞や組織の写真が300点以上。どのページを開いても、見事に美しいのだからたまらない。 電子顕微鏡は、可視光のかわりに電子線を使い、光学顕微鏡では見ることができないような小さなものまで見ることができる顕微鏡である。それには透過型と走査型があって、透過型は薄い標本を見るための

分子生物学者たちの壮絶な争い『ドキュメント遺伝子工学』 書影

サイエンス / 医学・心理学

分子生物学者たちの壮絶な争い『ドキュメント遺伝子工学』

1970年代後半、遺伝子工学という1つの巨大産業が生まれた。 本書はその誕生の場面を切り取った、良質なサイエンスドキュメント。そして、1つの産業をリードするベンチャーの誕生から成功を駆け抜けるストーリーでもある。 サイエンスとビジネス、叡智と欲望が交差する間で、2つの大学と資本金たった1,000ドルのベンチャーが、インスリンという1つの物質の生産を賭け、競い

科学者は自らの学説に殉じるべきか 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

科学者は自らの学説に殉じるべきか

来年はガリレオ・ガリレイの生誕450周年ということで、それに合わせていくつもの研究書が出版されているようです。そういう研究書の多くは、新たに公開されたバチカンの異端審問関連資料を使ったもの。 とはいえ、その資料から明らかになったのは、まあ、あの時代、あの状況で、ガリレオにああいう態度(ポリティカルにあまり賢明とは言えない態度)を取られたら、ローマ・カトリック

『オープンサイエンス革命』  優勝するチームのように 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『オープンサイエンス革命』 優勝するチームのように

「オープンテクノロジー」と言ったらやはり、 Linux に代表されるオープンソース・ソフトウェアが思い浮かぶ方が多いのではないだろうか。Google、Facebook、Twitter等の大規模サーバーからAndroidスマートフォンまで様々なレベルのシステムで採用され、本書においても誕生の経緯が描かれるLinuxは、「オープンであること」を条件にしてプログラ

『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『工学部ヒラノ教授のアメリカ武者修行』新刊超速レビュー

工学部ヒラノ教授シリーズの最新作だ。著者は筑波大助教授、東工大教授、中央大教授をへて、現在東工大名誉教授。御年72歳の今野浩氏である。オペレーションズリサーチの研究者、金融工学者として大きな実績を上げており、タイトルのヒラノ教授とは筒井康隆の『唯野教授』へのオマージュだろう。 ヒラノ教授シリーズは2011年に出版された『工学部ヒラノ教授』を皮切りに6冊目だが

『天然ゴムの歴史』をつくった異常冒険者ウィッカム 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『天然ゴムの歴史』をつくった異常冒険者ウィッカム

存在するかどうかも分からないお宝を求めて、未開のジャングルを突き進む。失敗に次ぐ失敗にも諦めることなく、新たな仲間と新たな航海へと旅立つ。本書で追い求められるお宝はゴムの樹であり、お宝の在り処はブラジルのジャングル奥深くである。携帯やGPSはもとより、正確な地図すらない19世紀の冒険が容易なはずがない。地球のあらゆる土地を調べつくし、宇宙や深海にまで行けるよ

『輸血医ドニの人体実験』 - サイエンスをめぐるサスペンス 書影

サイエンス / 社会

『輸血医ドニの人体実験』 - サイエンスをめぐるサスペンス

今となっては笑い話のようにも聞こえるが、太古から現代まで、数多くの迷信が科学的知識として信じられてきた。何でも金に変えられるという賢者の石を探し求めた錬金術師たち、不老不死を願って水銀を飲み続けた人たち、地球平面説や地球空洞説を信じていた人たち。 古代ギリシア時代から19世紀半ばまで信じられていた「四体液説」も、その一つと言えるだろう。これは人体が血液、粘液

奇妙な「言語」の謎を解く 『白と黒のとびら』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

奇妙な「言語」の謎を解く 『白と黒のとびら』

16歳の少年ガレットは、高名な魔術師に弟子入りし、古代ルル語を学んでいる。あるとき、とある村の長老から、人喰い岩と呼ばれる奇妙な古代遺跡を調べてほしいと頼まれ、ガレットは現地に向かう。その遺跡の中に入った者の多くが姿を消し、無事に生還できたのは、長老とその兄だけだったのだ。 ファンタジー? RPG? なぜそんな本がHONZに? そう思うのも無理もないが、もう

『おもしろ遺伝子の氏名と使命』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『おもしろ遺伝子の氏名と使命』 新刊超速レビュー

珍しい、面白い、役に立たない。三拍子揃った珠玉の一冊である。本屋で見つけて中身を数ページめくった後、思わずガッツポーズが出た。 DQNネーム、キラキラネームなど、ネーミングにまつわる問題が深刻化して久しい。その流れを受けたわけでもないのだろうが、アカデミックの世界でもネーミング周りが大変な状況になっているようだ。 本書で取り扱っているのは遺伝子の領域。地道な

『植物はそこまで知っている』 植物は考えない人間である 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『植物はそこまで知っている』 植物は考えない人間である

フランスの哲学者・自然科学者パスカルの有名な言葉である。人間が「考える」葦であるということは、葦は「考えない」ということなのだろう。確かに、脳を持たない植物である葦が、人間のような思考を持たないことは疑いの余地がない。 それでは、考えを持たない植物は、世界をどのように見て、感じているのだろうか。そもそも植物に視覚や嗅覚などの、ヒトの五感のような感覚は存在する

『量子革命』2013年2冊目のNo1でいいでしょ 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『量子革命』2013年2冊目のNo1でいいでしょ

4月13日、第2回将棋「 電王戦 」5番勝負の第4局が行われる。第3局までは4段・5段の棋士だったが、いよいよA級棋士の登場だ。A級棋士とは160名ほどのプロ棋士のうち1年間の順位戦を戦い、勝ち抜いてきたトップ10人のことをいう。対する電脳は第22回コンピュータ将棋選手権を勝ち抜いてきたプログラムたちだ。最終局に登場するのは東京大学にある800台近くのPCを

『脳のなかの天使』 シミュレーションし、越境するニューロン 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『脳のなかの天使』 シミュレーションし、越境するニューロン

切断手術を受けた後、失ったはずの腕を鮮明に感じ続ける人がいる。幻の腕が痛むこともある。 特定の数字に、特定の色がついて見える人がいる。例えば、「7」には赤い色がついている。 本書は、名著『脳の中の幽霊』から14年、あのラマチャンドラン博士の新刊である。カリフォルニア大学サンディエゴ校の脳認知センター長であり、上記の「幻肢」や「共感覚」のような脳疾患を研究し、