ノンフィクションはこれを読め!

社会

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995記事

『謎の独立国家ソマリランド』by 角幡唯介 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『謎の独立国家ソマリランド』by 角幡唯介

高野秀行さんといえば東南アジアの西南シルクロード踏破やケシの栽培地域への潜入といった破天荒な探検でしられる作家だ。私の大学の探検部の先輩でもある。今度の旅の舞台はアフリカの一角に存在する小国ソマリランド。無法と暴力が蔓延るソマリア国内において、どういうわけか民主主義と治安を回復し、独立を謳った「謎の国家」だという。 ソマリランドは国際的には国家として認められ

『少女の私を愛したあなた 秘密と沈黙15年間の手記』 成就できない愛、そして執着 書影

医学・心理学 / 社会

『少女の私を愛したあなた 秘密と沈黙15年間の手記』 成就できない愛、そして執着

この話が小説ならよかったのに。小説なら、おぞましいながらも美しい悲劇として描けるものを。 7歳の夏、著者のマーゴ・フラゴソは彼女が育ったニュージャージー州ユニオンシティのプールで51歳のピーター・カランに出会う。精神の病を抱える母と、その母と娘を養うために働く父、ルイ。しかし口を開けば罵倒しかできない父親から逃れるため、母娘は逃避先を探していた。偶然出会った

疎外と孤独。『少女の私を愛したあなた』 書影

人物 / 社会

疎外と孤独。『少女の私を愛したあなた』

ペドファイル(児童性愛者)という言葉で私の頭の中で真っ先に思い浮ぶのは宮崎勤だ。しかし、Wikipediaによると彼は本質的な児童性愛者ではなく、成人女性と上手く関係を結べない為に、少女たちを代替物としていた。という精神鑑定が出ているそうだ。では、本来的な児童性愛者とはどのような人たちなのだろうか?本書の著者でもあるマーゴに性的な行為を行っていたピーターが本

好蟻性生物に萌える! 『アリの巣の生きもの図鑑』 書影

生物・自然 / 社会

好蟻性生物に萌える! 『アリの巣の生きもの図鑑』

本書は、アリの巣に住み、アリと共生する昆虫(好蟻性昆虫)やその他の節足動物(クモやダニなど)に関する図鑑である。なんというか、読者対象狭すぎな本だが、好蟻性昆虫マニアやヘンな虫好きにとっては、よくぞ出してくれた! と狂喜乱舞するような、奇跡的な一冊なのだ。 著者は、HONZでも話題になった 『ツノゼミ ありえない虫』 や、好蟻性昆虫の魅力とその研究の苦労を活

『ノマドと社畜』ノマド的な社畜であれ! 書影

社会 / ビジネス

『ノマドと社畜』ノマド的な社畜であれ!

自由に働くノマドと、奴隷のように働く社畜。これだけを聞くと、社畜よりもノマドのほうが魅力的に見えるのは間違いない。しかしノマドは収入面や福利厚生といったことで社畜に劣る。こういったことを考えずに安易にノマドになろうという人が増えている。本著では安直にノマドになろうとする人に警鐘を促し、ノマドの実態を紹介している。 ノマドは2011年の後半からブームの兆しをみ

核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』 書影

サイエンス / 社会

核兵器もコンピュータも、ここから生まれた - 『チューリングの大聖堂』

期せずして、同じ時、同じ場所に、同じレベルの才を持つ者が集まると、想像を絶する出来事が起こることもある。 1953年、3つの技術革命が始まった。熱核兵器、プログラム内蔵型コンピュータ、そして、生命体が自らの命令をDNAの鎖にどのように保存するかの解明である。これら3つの革命は相互に絡み合い、その後の世界を大きく変えることとなった。 とりわけそれ以前から密接に

『兵士は起つ』新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

『兵士は起つ』新刊超速レビュー

陸海空の自衛官を描いた『兵士に聞け』から足掛け18年、本作で5作目となる兵士シリーズの最新刊である。自衛隊は国と国民と守ることを義務付けられた巨大組織であるにも関わらず、その発足から長い間「日陰者」として扱われ、顧みられることはなかった。杉山隆男はイデオロギーや観念論から決別し、ひとりひとりの自衛官に密着することで、自衛隊とは何者かを探り出そうとする現場の人

『兵士は起つ』自分は自衛官なのだから。 書影

社会 / 事件・事故

『兵士は起つ』自分は自衛官なのだから。

シリーズが進むにつれ、当初は日陰者であったはずの自衛隊がまるで硝煙に導かれるがごとく、より先鋭化していくようすがわかる。シリーズ第4弾『兵士に告ぐ』では数度の海外派遣などを経験し、さらに米軍と協力し高い戦闘力を身につけながら実戦的な軍事組織へと、本格的に舵を切り始めた自衛隊の姿がをうかがうことができる。 この「兵士シリーズ」は5作目の『「兵士」になれなかった

『なめらかな社会とその敵』生命の起源から、300年後の未来を構想する 書影

サイエンス / 社会

『なめらかな社会とその敵』生命の起源から、300年後の未来を構想する

夢を語ればその動機を問われ、信念を論ずればその根拠を訊ねられる。病があれば病因を探りはじめ、事故があれば責任の所在が追及される。とかくに人の世は、結果と原因の究明に忙しい。 しかし世界は、原因と結果の連なりに回収できるほど単純にはできていない。いかにもはっきりとした原因と結果の連鎖も、それは辿っていくうちに、複雑に絡みあう世界のネットワークの中に消散してしま

『おどろきの中国』 世界の中心のDNA 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『おどろきの中国』 世界の中心のDNA

私たちはどう付き合ってゆけばいいのか? オビに書かれた言葉と、毛沢東が掲げられている天安門広場の写真。これらが、本の内容を端的に表している。 本書は、2012年の新書大賞に輝いた『ふしぎなキリスト教』で大いに議論を巻き起こした橋爪さん・大澤さんコンビに大学時代からの友人の宮台さんが加わり、中国に関して対談した本だ。橋爪教授は中国研究のスペシャリストであり、ま

アフリカを「援助」する時代は終わった 『経済大陸アフリカ』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

アフリカを「援助」する時代は終わった 『経済大陸アフリカ』

資源、食糧問題、企業の成長戦略、いずれもグローバルの政治経済を語る上での最重要課題である。アフリカは、そうした21世紀の国際政治経済の縮図そのものである。 本書のアプローチは特徴的だ。アフリカを語るのにアフリカ自体から説き起こすのではなく、外から視線を注いでその輪郭を描いていく。読者は現在のグローバルイッシューである資源、食糧問題、国際開発といった多角的な切

『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』 書影

教養・雑学 / 社会

『どうしてボクはいるの?―息子とパパの哲学対話』

著者の息子オスカーの質問だ。子供は本物の哲学者だとよくいわれる。こんなことを実際に聞かれたら思考が一瞬、停止してしまうかもしれない。 本書は魅力的な哲学の本だ。哲学といっても、まったく固くならずに読める内容である。著者はドイツ人作家で哲学者のリヒャルト・ダーフィト・プレヒト。 原書 はドイツ語版『Warum gibt es alles und nicht n

めざせ世界遺産! 『素晴らしきラジオ体操』 書影

教養・雑学 / 社会

めざせ世界遺産! 『素晴らしきラジオ体操』

高橋秀実ははいくつもの意味で天才だと思う。 ん? だれも気づかないかとは思うが、高野秀行の 『謎ソマ』レビュー と同じような書き出しである。まず、天才エンタメノンフ作家と推定される高野秀行と名前が二文字しか違わないところが天才的である。かな? そして学歴がすごい。モンゴル語学科なのである。モンゴル語学科といえば、誰がなんと言おうと、司馬遼太郎なのである。これ

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社会 / HONZ活動記

レトロ印刷、行ってきました(後編)

気になる印刷会社、 レトロ印刷に乗り込んだHONZ 。 全国から注文が入ってくるという、その成功の秘密は紙にも? レ 印刷する紙を探すのがまた大変なんです。 H どうするんですか? レ 毎年紙を探しに何ヶ所かいろいろと回るんです。たとえば、愛媛県四国中央市(製紙工場が多い)で“発見”した紙。ギザギザの電球を包む工業用の紙で、印刷用ではもともとなく、「印刷する

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社会 / HONZ活動記

レトロ印刷、行ってきました(前編)

最近気になる印刷会社、ありますか? はい。ずばり、それはレトロ印刷です。 気のきいたカフェなんぞで見かけるイベントのチラシや、おしゃれな人からもらう名刺にいいなあと思うものがあり、「どこで印刷したの?」と聞くとそろって「レトロ印刷!」と嬉しそうに返事をされる。どうにもたまらなくなり、HONZの『ノンフィクションはこれを読め!』刊行記念パーティーの挨拶状作成の

『階級「断絶」社会アメリカ』 アメリカン・プロジェクトの終焉 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『階級「断絶」社会アメリカ』 アメリカン・プロジェクトの終焉

この本は、2012年1月に発売された『 Coming Apart 』の邦訳である。本書は、発売直後から ニューヨーク・タイムズ 、 ウォール・ストリートジャーナル などの高級紙に軒並み書評が掲載され、全米で大きな反響を集めた。ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンが ブログ で批判的コメントをする一方、『 マネーの進化史 』のニーアル・ファーガソンは肯定的意

『リカと3つのルール 自閉症の少女がことばを話すまで』 リカ、ご飯、食べたい。 書影

医学・心理学 / 社会

『リカと3つのルール 自閉症の少女がことばを話すまで』 リカ、ご飯、食べたい。

東条健一は子供のころ、守銭奴の父に苦労させられたが、大学卒業後はマスメディアでの金融情報の営業や大手報道機関の社会部記者を経てPRやブランディングの専門家となり、ビシネスの成功者となった。キャビン・アテンダントの妻との間に娘を授かり、子育てにも一所懸命。将来は順風満帆だと信じていたのだ。 しかし、その娘「リカ」に異変が見えたのは2歳を過ぎたころからだ。生まれ

読めばわかる!  『謎の独立国家ソマリランド』 書影

社会 / 民俗・風俗

読めばわかる! 『謎の独立国家ソマリランド』

高野秀行はいくつもの意味で天才だと思う。 アマゾンで 高野の作品 をみると、31商品ヒットし、そのほとんどが☆四つ以上、中には☆五つもある。そう、どの作品もおもしろいのである。親戚や親しい友人が20名くらいいて、星稼ぎしているという可能性は否定しきれないところではあるが、それはないということにしておこう。しかし、ご本人がおっしゃるところ、あまり売れてないらし

『機械との競争』テクノロジー失業の時代が迫っている 書影

社会 / ビジネス

『機械との競争』テクノロジー失業の時代が迫っている

2013年のベスト装丁賞はこの本で決まり!表紙やデザインも美しいけれど、この本は写真で見るよりも、実際に手にとってもらったほうが、より素晴らしさがわかるだろう。写真ではわからないと思うが、カバーと本体の両方に凹凸があるのだ。カバーの一部に凹凸がある本はよくみかける。しかしカバーを外したとき、本体にまで凹凸がある本はあまりみたことがない。 この本にいたっては、

『IDOL DANCE!!! 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい』 書影

アート・スポーツ / 社会

『IDOL DANCE!!! 歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい』

AKB48、ももいろクローバー、KARA、少女時代…2013年現時点でのエンタテイメント業界はその役者の揃いぶりからアイドル戦国時代とも呼ばれる。確かにPerfumeのライブは完成度も高く「アイドル=見習い」というイメージから逸脱している。単純に可愛く歌って踊るだけのプロトタイプのユニットは終焉し、これからは視覚的パフォーマンス、とりわけダンス部分がもっと重

『アップル 驚異のエクスペリエンス』暮らしを豊かにする 書影

社会 / ビジネス

『アップル 驚異のエクスペリエンス』暮らしを豊かにする

アップルの新製品が発表されると、発売の何日も前からアップルストアに並ぶ人々がいる。新しいiPadが発表になったときは、銀座のアップルストアの前にこたつがあって笑ったのを覚えている。宗教的といってもいいような、熱狂的なファンが、アップルにはたくさんついている。スティーブ・ジョブズが亡くなったときには、アップルストアの前にたくさんの花が添えられた。 英国の神経科

『沖縄軍人妻の研究』 知られざる米軍兵士の憂鬱と自立する日本人妻 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『沖縄軍人妻の研究』 知られざる米軍兵士の憂鬱と自立する日本人妻

「沖縄軍人妻」。響きがたまらない。実は完全なタイトル買いだ。凛とした中に、日活ロマンポルノのタイトルにもなりそうな色香を感じられる。これほど魅惑的な5字の漢字があったのか。「沖縄軍人妻」。 版元は京都大学学術出版会。堅そうである。実際、本書は学術書だ。ポルノ云々言ったことを謝るべきだろうか。私の本棚では圧倒的な存在感を放ち、すでに浮いている。 とはいえ、本書

『インパラの朝』新刊超速レビュー 書影

社会 / 民俗・風俗

『インパラの朝』新刊超速レビュー

中国、ミャンマー、インド、パキスタンからイラン、シリア、イスラエルを抜け、ケニア、ウガンダからザンビア、ジンバブエへと下り、ニジェール、セネガル、西サハラと北上する。26歳の女性による、2年間、47ヶ国、予算180万円の旅。その記録が本書である。 単なるバックパッカーの旅行記ではない。それぞれの地域で彼女が体験した出来事を鋭く切り取り、彼女が関与した小さな世

複雑さとは脆弱さである。『Xイベント』 書影

社会 / 事件・事故

複雑さとは脆弱さである。『Xイベント』

突如として起こる、システムを崩壊させる極端な出来事。著者はこれを「Xイベント」と呼ぶ。そして世界が複雑化すればするほど、予測不能なXイベントは起こりやすくなる。すなわち、現在、人類はXイベントに対して極めて脆弱な状態にあるというのだ。 ハリケーン・カトリーナの被害、9.11テロ、サブプライム住宅ローン危機、2003年の東海岸大停電などが、著者が挙げるXイベン

死ぬまで「現役」が当たり前?『男の壁』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

死ぬまで「現役」が当たり前?『男の壁』

「欲しがりません、勃つまでは」。 新年早々、自らの人格を疑ってしまう書き出しだが、学生時代に読んだ夕刊紙だか実話系雑誌の性に関する特集でのフレーズを時々思い出す。「パートナーが不能になった場合、どうするか」。そんな質問に応じた女性が冒頭の台詞を述べていた。オッサンが好きそうな駄洒落だけにデスクか記者の妄想のような気もしなくもないが、納得したものだ。世の中、無

『完璧なイメージ』情報弱者、脱却の1歩目に 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『完璧なイメージ』情報弱者、脱却の1歩目に

『これからの正義の話をしよう』の著者マイケル・サンデルは前書きで、冗談かと思えるような一文を記している。正月早々、「スシ」はそこまでアメリカの日常に浸透しているのか!と笑い話のネタを仕入れることができた。それと同時に、「一足す一は?」「二(ni)」や、隣の韓国に倣って「キムチ(kimuchi)」など、イの母音で終える言葉で、カメラマンは意識的に被写体に笑顔の

『和僑』2ちゃんねらーは日本ではなく中国の農村を選んだ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『和僑』2ちゃんねらーは日本ではなく中国の農村を選んだ

インターネット上の巨大掲示板『2ちゃんねる』に投稿されたスレッドの転載記事を著者が目にしたのは2011年夏。タイトルは「中国の田舎に住んでるけど質問ある?」。投稿者は雲南省の少数民族の女性と結婚して相手の実家に同居して農業を手がける日本人。虚実が入り交じるネット掲示板であることを知りつつも、著者は書き込みの生々しい情報に惹かれる。村では人さらいが出没したり、

著者インタビュー『父と息子のフィルム・クラブ』デヴィッド・ギルモア “映画は最高の先生だった”≪新潮45 2012 12月号掲載≫ 書影

アート・スポーツ / 社会

著者インタビュー『父と息子のフィルム・クラブ』デヴィッド・ギルモア “映画は最高の先生だった”≪新潮45 2012 12月号掲載≫

世界中が中二病に悩んでいる。思春期の少年を持て余し、どうしたらいいか途方に暮れている親御さんも多いだろう。同じ悩みを共有し、多くの同感を得て24か国語に翻訳された『父と息子のフィルム・クラブ』の著者にインタビューの機会をいただいた。HONZ 内藤順のレビュー とミステリマガジン12月号に書いた 私のレビュー を先に読んでいただくと解りやすいだろう。

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社会 / 新刊超速レビュー

『援デリの少女たち』新刊超速レビュー

援デリの少女たち 「援デリ」とは、組織的に運営される「援助交際デリバリー」の略である。援デリ業者は、出会い系サイトで集めた男性客のところへ少女を派遣して売春させ、少女が男から受けとった金額の一部、あるいは大部分、を徴収するのだ。これら違法な援デリ業者は、当然通常の性風俗業者のように営業届けを出していない。法の外側を自らの生息範囲に選んだ彼女たちには、様々な危

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社会 / おすすめ本レビュー

『アグルーカの行方』交錯する生死の狭間で

アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極 1845年、ジョン・フランクリン率いる北西航路探検隊は129人の隊員と3年分の食料を二隻の軍艦に乗せ、悠然とイギリスから出発する。フランクリンは以前の北極圏探検のときに食料不足におちいり、苔やブーツの皮を食べて飢えを凌ぎながら生還した経歴がある。そのため「ブーツを食べた男」と呼ばれ、当時のイギリス

著者インタビュー『第三次産業革命』ジェレミー・リフキン氏 書影

社会 / 著者インタビュー

著者インタビュー『第三次産業革命』ジェレミー・リフキン氏

世界を前に前に推し進めようと理想を掲げ、社会を煽動し、時代を先導しようと自ら行動する活動家、そんな印象をジェレミー・リフキン氏の これまでの著作 を眺めていると感じる。そして、今回はその集大成とも言えそうな『第三次産業革命』と銘打った書籍を出版、日本でもつい3ヶ月前に出版されました。 書評はこちらから 。 第三次産業革命は世界中に散在する課題を解決するために

収容所で生まれ、収容所で育った - 『北朝鮮14号管理所からの脱出』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

収容所で生まれ、収容所で育った - 『北朝鮮14号管理所からの脱出』

保衛員が数人がかりで中年女性を絞首台に引きずり出し、青年を柱に縛りつけた。それは彼の母親と一人っきりの兄だった。保衛員が母の首に回した縄の輪をきつく締める。母は彼の目をとらえようとしていた。だが、彼は視線をそらした。それどころか、悶え苦しむ母を見ながら、死んで当然と考えていたのだ…… 彼の名前はシン・ドンヒョク。北朝鮮の政治犯収容所で生まれながら、脱走を果た

僕ら若者は本当にカワイソウなのか?『決着版 雇用の常識 本当に見えるウソ』 書影

社会 / ビジネス

僕ら若者は本当にカワイソウなのか?『決着版 雇用の常識 本当に見えるウソ』

「就職氷河期」という言葉が定着するようになって久しい。一時は回復の兆しが見えそうな時期もあったがリーマンショックですべてが吹き飛んでしまった。雇用に関して僕ら若者は入口に立つことすら困難な時代になったと言っていい。「非正規雇用の増加」なんて言葉もしばし声高に叫ばれている。 それでは会社に入った後はどうだろう。すると「終身雇用の崩壊」「成果主義の徹底」なんて言

コミュニティで創る子供たちの遊び場『KaBOOM!』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

コミュニティで創る子供たちの遊び場『KaBOOM!』

アメリカ最高のNPOがとうとうベールを脱いだ。 創業者ダレル・ハモンドは8人兄弟の下から2番目に生まれた。父親は生後1年9ヶ月でトラックの積荷を降ろしてくると出かけたきり失踪、帰ってくることはなかった。母親はいくつもの職を掛け持ちをして子どもたちを養おうとしたが、8人もの子供は負荷が大きすぎ、役所のソーシャルワーカーによって8人の子どもたちはムースハートとい

『第三次産業革命』を支える5つの柱 書影

社会 / ビジネス

『第三次産業革命』を支える5つの柱

本書の中身のすべてが肯んじられるものではないが、一読する価値は多いにある。 このまま気候変動の危機が続き、大量破壊兵器が拡散すれば、人類が完全に絶滅する可能性がある,という測り知れない地球と人類への危機感からスタートとしている。描かれている危機感もビジョンも日常生活から想像するには巨大すぎて、圧倒される。 そもそも何度目の革命だ、突っ込みを入れたくなる方もい

『アメリカは今日もステロイドを打つ』新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

『アメリカは今日もステロイドを打つ』新刊超速レビュー

本書は、現在休刊となっているスポーツ雑誌『Sportiva』に2001年から連載されていたコラムをまとめて2009年に発売された単行本を文庫化したものである。単行本発売後に雑誌に掲載されたコラム7本と巻末に大きなオマケが追加されているのに、たったの599円である。これは、単行本所有者にとっても買いの一冊だ。 副題に“USAスポーツ狂騒曲”とあるように、五輪で

『女性のいない世界』 消えた1億6300万人 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『女性のいない世界』 消えた1億6300万人

この数字は、100人の女子に対してどれだけの男子が生まれるかを表した出生性比と呼ばれる数値である。この数字が何を意味するかは、自然な状態での出生性比105と比べる必要がある。上記の中国の出生性比113と自然な出生性比の差はたった8であり、大きな問題ではないと思えるかもしれない。しかし、この比の差を具体的な人数に置き換えると問題の大きさが見えてくる。 本書で紹

DIYで政府を! -『独立国家のつくりかた』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

DIYで政府を! -『独立国家のつくりかた』

2011年5月10日、日本国内に「新政府」が誕生した。とは言っても、民主党の話でもなければ、虚構新聞のネタでもない。どこのニュースにも報道されることのなかった この「新政府」は、ある男が勝手に決意し、勝手に作った思考上のものである。しかし、この国は確かに実在するのだ。 首都は銀座4丁目のとある土地。首相官邸は熊本市内のゼロセンター。国会議事堂は東京ミッドタウ

『独裁者プーチン』新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

『独裁者プーチン』新刊超速レビュー

テレビ・スポーツ紙はとにかく選挙一色の一週間だった。国民的行事とばかりにあらゆる媒体で、選挙結果に涙する姿が大写しで報じられていた。全身全霊をかけた勝負が数字という言い訳のできない具体性を伴って示される選挙には、いつの時代も涙がつきもなのか。ネットの一部で“完璧超人”とまで呼ばれるこの男でさえ、選挙後の涙から逃れることはできなかった。 異例の涙が見られたのは

『それゆけ!! 珍バイク』 ロジスティクスのイノベーション(嘘) 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『それゆけ!! 珍バイク』 ロジスティクスのイノベーション(嘘)

明後日5月25日、Hondaはフルモデルチェンジしたスーパーカブ50を発売する。生産は、中国の新大洲本田摩托有限公司。メイド・イン・ジャパンではないが、値段が48000円程度も安くなり、110km/Lという燃費にも、グッと来る。しかし、個人的に注目すべきはやはり、なんといっても、次の点だ。以下のニュースリリースより引用する(太字は筆者)。 ・低・中回転域を重