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『炎と怒り トランプ政権の内幕』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

社会 / 併せて読まれたこの一冊

『炎と怒り トランプ政権の内幕』を買ったのは、どういう人たちなのか?

年明けに飛び込んできた米国での『Fire and Fury』出版のニュースは、日本の出版業界をも大きく揺さぶりました。本国では大ベストセラー、瞬時に売り切れたというニュースに…「じゃあ日本ではいつ出る?」「どこが出す?」「そもそも売れるのか?」等々、業界関係者の話題は一時期そのテーマで持ちきりでした。 で、結局今ノリに乗っている早川書房が版権を獲得。旬を逃し

今週のいただきもの:2018年3月18日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年3月18日週

今年の桜は今週末が見頃でしょうか。桜といえば、桜餅。関東と関西ではずいぶんと違うものですね。関東風の桜餅は、徳川吉宗の公園政策によって生まれたんです。吉宗は景色が寂しかった、向島界隈の隅田川堤に、桜の木を植えるよう命じました。これにより、桜の季節にはたくさんの人が、花見に訪れるようになったそうです。 そんな折、向島長命寺の門番をしていた人物が、この桜の葉を塩

『今の科学でここまでわかった 世界の謎99』古代文明から超常現象、宇宙、生命まで 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『今の科学でここまでわかった 世界の謎99』古代文明から超常現象、宇宙、生命まで

本書は、ナショナルジオグラフィックの人気シリーズ、「絶対に行けない 世界の非公開区域99」「絶対に見られない 世界の秘宝99」「絶対に明かされない 世界の未解決ファイル99」に続く、「世界の謎99」シリーズの第4弾である。 古代文明から超常現象、宇宙、生命までも含む未解明ミステリーのうち、世界の謎を99個を集めて、現代科学で何がどこまで分かっているのかを、写

遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

遺伝子の差はどれだけの不平等を産んでいるのか『ゲノムで社会の謎を解く――教育・所得格差から人種問題、国家の盛衰まで』

双子研究を筆頭に、遺伝子が我々の身体的特徴だけではなくIQや統合失調症などの病気といった数々の要因に深く関連していることがわかってきている。が、そうであるならば遺伝子についての知見を深めることによって政策レベルで活かす──介入したほうがいい人間には介入し、そうでない人間には介入しない──というような形の、オーダーメイド政策はありえるのか。 たとえば、受け継が

『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 鳥を知れば人間の本質が見えてくる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『鳥! 驚異の知能 道具をつくり、心を読み、確率を理解する』 鳥を知れば人間の本質が見えてくる

21世紀の今、人類は世界のあらゆる場所にまで生息範囲を広げ、多くの生物を絶滅に追いやり、地球環境そのものを変えるほどの力を持つにいたった。どのような能力が、人類をこれほど繁栄させたのか。持続的な二足直立歩行も人類の特徴ではあるが、何よりその知能が私たちを特別な存在としたことは間違いない。意図的な核融合、宇宙への旅行、地球の裏側との瞬時のコミュニケーションを可

『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』変わろう、動こう。 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。』変わろう、動こう。

昨年末にアップされた、サイボウズの青野慶久社長のこのツイートを読んで衝撃を受けた若者も多いのではないだろうか。 本書はこの文章から始まる、これからのあるべき働き方の指針となる啓蒙書である。ここに書いてあることはほぼ正しい。そして、それは心ある人なら誰でも薄々分かっていることである。我々は皆、もう旧来の日本型会社システムがワークしなくなっていることに気づいてい

『県都物語』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『県都物語』新刊超速レビュー

駅前、繁華街などのエリア単位、あるいは個別の建物やお店といった単位の個性ならば目につきやすい。一方でもっと大きなレベル、都市のデザインの個性となると、なんとなく歩くだけでは見えてこないもの。仕事で月に1、2回国内出張に出かけるが、オフィスの密集する中核都市のようなところほどかえって特徴が掴みづらく、一見すると新鮮さに欠ける感じがする。 本書は都市計画の第一人

『アーカイブズが社会を変える 公文書管理と情報革命』事実の積み重ねが未来をつくる 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『アーカイブズが社会を変える 公文書管理と情報革命』事実の積み重ねが未来をつくる

財務省の文書改竄問題をめぐってSNS上で繰り広げられている議論の応酬を見ていて残念に思うのは、現政権への好き嫌いの感情をベースに語られた言葉が実に多いこと。そしてやり取りがヒートアップすればするほど、問題の本質からはどんどん遠ざかってしまっていることだ。 今回の一件は、内閣が責任をとって総辞職すればそれですむような話ではない。またリベラルや保守といった政治的

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』スタンダードの求心力と辺境の遠心力 書影

教養・雑学 / 世界史

『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』スタンダードの求心力と辺境の遠心力

読書会のやり方は人によって様々だと思うが、面白く実施するためにはいくつかの条件がある。たしかに同じような読書量のメンバーが集まり、本をネタに好き勝手言い合うだけでも、それなりの楽しさはあるだろう。 しかしそれを継続的に習慣化していくためには、少なからず妄想のような会話にリアリティが伴ってくる必要がある。HONZの例で言えば、サイエンス本の話に触れながら、ふと

今週のいただきもの:2018年3月11日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年3月11日週

今週献本いただいた『絶景本棚』は、本読みたちの書斎の写真集です。登場する34人の書斎主は趣味も専門もバラバラで、本棚への本の納め方にも個性が出ています。すっきり整然と納めている人もいれば、床積みしていたり、魔窟と化している人も…。ちなみに、代表成毛眞の本棚も掲載されています。 実は以前、HONZのメンバーと飲んでいる時に、各自本棚の写真を撮り、「これは誰の本

となりの奇人からシリアルキラーまで『サイコパス解剖学』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

となりの奇人からシリアルキラーまで『サイコパス解剖学』

「サイコパス」という言葉をよく聞くようになったのは映画 『羊たちの沈黙』 がヒットした後だと思う。アンソニー・ホプキンスが演じた頭脳明晰な殺人犯、ハンニバル・レクター博士のような人、それをサイコパスと呼んでいた。 狂気を孕んだ天才は魅力的だ。そういう人間すべてがサイコパスというわけではないが、昨今では 脳科学者が著した本がベストセラー にもなっている。 本書

『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な"現場" 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な"現場"

新国立競技場の建設が佳境に入った。2月からは屋根工事もはじまり、20基もの大型クレーンが同時に動き回る様子は壮観だ。敷地面積11万3000平米、総工費1500億円を超える巨大現場である。完成すると6万8000人の観客を飲み込むという。 いっぽう、福島県双葉町・大熊町ではそれをはるかに凌ぐ規模の工事が進んでいる。敷地面積は30倍の350万平米、総工費は50倍の

ぜひハーバードのテキストに! 『蘇るサバ缶』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ぜひハーバードのテキストに! 『蘇るサバ缶』

泥まみれのサバ缶を石巻から東京の経堂という街に運び、洗って売った、復興支援活動をご存知だろうか。メディアでもたくさん取り上げられたので、ご存知の方も多いだろう。でも、この活動が3月から年末までの長きに渡り、22万缶にのぼったことはあまり知られてない。エピソード自体が美しすぎて、そこに流された「膨大な汗」を私たちはつい見逃してしまう。 本書を手に取ったとき、私

古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

古典的名著の再編集『コーヒーのすべて』

「自家焙煎はやっぱり違う」「豆はエチオピアでね……」なんぞと最近、コーヒーをめぐる話は細かいことになっている。そもそも「こんなに苦いものをなぜ?」と最初に飲んだ時に思った人も多いのではなかろうか。コーヒーがこれほど愛されるようになった背景を知りたい――そんな人は、この文庫から入ると良いかもしれない。アメリカで1935年に出版された『All About Cof

このカップルが大好き…『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』 書影

医学・心理学 / 人物

このカップルが大好き…『されど愛しきお妻様 「大人の発達障害」の妻と「脳が壊れた」僕の18年間』

著者は『最貧困女子』や『老人喰い』などのルポ作品で、犯罪現場の貧困問題をえぐり出してきた気鋭のノンフィクション作家だ。 働き盛りの44歳。作家稼業だけでは食えなくなってきた出版界にあって、社会派マンガの原作もこなしながら、いささか問題のある奥さまと、なんとか暮らしてきた。奥さまの問題とは、重度の発達障害を抱えたまま大人になっただけでなく、リストカットを繰り返

『教養としてのテクノロジー』でテクノロジーを駆動する哲学を知る 書影

サイエンス / 教養・雑学

『教養としてのテクノロジー』でテクノロジーを駆動する哲学を知る

ほんの十数年前に登場したばかりのスマートフォンがそうしたように、新たなテクノロジーは私たちの生活を一変させる。AI、仮想通貨、ブロックチェーンのような新たなテクノロジーが誕生する速度は加速度的に増し、1つのテクノロジーが与える影響もより大きなものとなっている。グローバル化の進展によって小さくなった世界では、破壊的テクノロジーの影響は一瞬にして世界中を駆け巡り

『全電源喪失の記憶 証言・福島第1原発 日本の命運を賭けた5日間』あのとき何があったのか 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『全電源喪失の記憶 証言・福島第1原発 日本の命運を賭けた5日間』あのとき何があったのか

あの日、自分はどこで何をしていたのか。みんなが語ることができる。それぞれの国の国民には、そんな共通の大事件や大ニュースがあるものです。 かつてアメリカでは、それはジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件でした。その後、2001年9月11日の同時多発テロになりました。 いま日本で共通の記憶は、2011年3月11日でしょう。東日本大震災の発生のとき、どこにいて、何をし

今週のいただきもの:2018年3月4日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年3月4日週

すっかり春らしい気候になりましたね。暦も啓蟄、桃始笑(ももはじめてさく)です。桃のつぼみが開き、花が咲き始める頃であり、昔は「咲く」という言葉を「笑う」と表現したそうです。今年の関東の桜の開花は3月20日頃と、例年よりも少し早いそうです。 お花見といえば今は桜ですが、かつては梅でした。梅は奈良時代に中国からもたらされ、日本の貴族たちが歌詠の会の際に観賞されて

営業トークは裏木戸から入れ 『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

営業トークは裏木戸から入れ 『TEN-DOKU クイズで読み解く天気図』

裏木戸に立てかけさせし衣食住。ビジネスマンなら、一度は聞いたことがあるだろう。初対面の人との話のキッカケにしやすい話題の頭文字である。「裏」は裏話、「木」は気候、「戸」は道楽・・・と続く。なかでも、天気の話題は鉄板だ。差しさわりがなく、相手も乗ってきやすい。でも、そこからどう会話を膨らせるかは、その人の腕次第である。 本書は、天気図を使ったクイズを30問収録

『日本画とは何だったのか』そして日本における近代性とは何だったのか? 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『日本画とは何だったのか』そして日本における近代性とは何だったのか?

「日本画とは何なのか?」、この問いに正面から答えられる人がどれだけいるだろうか。 日本画という芸術を成り立たせているのは、膠や墨や顔料などの日本画材(グルー・ペインティング Glue painting)なのか、日本画様式(ジャパニーズ・スタイル・ペインティング Japanese style painting)なのか、或いはその両方なのか、若しくはそれ以外のも

『隠れナチを探し出せ 忘却に抗ったナチ・ハンターたちの戦い』悪の凡庸と時間に挑み続ける者たち。 書影

人物 / 社会

『隠れナチを探し出せ 忘却に抗ったナチ・ハンターたちの戦い』悪の凡庸と時間に挑み続ける者たち。

1945年5月5日、アメリカ軍がオーストリアのマウトハウゼン強制収容所を解放したとき一人のユダヤ人男性の命が救われた。男の名はジーモン・ヴィーゼンタール。自信家で野心家。この男は、後に最も有名なナチ・ハンターとして頭角を現す。そして、最も、問題の多いナチ・ハンターとして数々の論争の的となっていく。 大戦中にドイツが占領した地域では、ドイツ軍及び現地の協力者に

『誰が音楽をタダにした?』ストリーミング・サービスがもたらした「音楽シーン」の変化と現状 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『誰が音楽をタダにした?』ストリーミング・サービスがもたらした「音楽シーン」の変化と現状

自分も含め、音楽ジャーナリストやライターがよく用いる便利で安易な言葉の一つに「音楽シーン」という言葉がある。同時代のミュージシャンや作品の傾向だったり、音楽業界やマーケットの動向だったりを表す言葉。実際のところ、そのうちのどれを指しているのかが 曖昧な言葉で、そこを曖昧にしたまま論を先に進める際に用いられがちな言葉だ。 スティーヴン・ウィットが本書で明らかに

『安楽死を遂げるまで』幸せのまま逝きたい 書影

医学・心理学 / 社会

『安楽死を遂げるまで』幸せのまま逝きたい

一昨年、父を亡くした。88歳という年齢に不足はなかったとはいえ、その日まで普通に暮らしていた人が倒れ、救急車で搬送されて一か月でなくなってしまうとは、本人も家族もまったく想像していなかった。ましてその間、苦しみ抜くなんて、なおさらだ。 それから私は安楽死について深く考えるようになった。今の日本では許されない、自分が死ぬ時期を決めるということ。苦痛に苛まれた末

『言葉の海へ』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『言葉の海へ』

本書は、国語辞典『言海』の編者である大槻文彦の生涯を描いた評伝である。国語辞典と言えば、2011年に、国語辞典の編集に携わる人々を描いた三浦しをんの小説「舟を編む」がヒットし、その後映画化・アニメ化もされた。また2018年には広辞苑第七版が刊行され、新語として取り込まれた項目や、語釈の誤りが報道やネットで取り沙汰されるなど、日本人にとって国語辞典は何かと関心

『経済史 いまを知り,未来を生きるために』人間の限りない欲望と弱い規範 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『経済史 いまを知り,未来を生きるために』人間の限りない欲望と弱い規範

本書は、東京大学で西洋経済史の教鞭をとり、東大EMP(エグゼクティブ・マネジメント・プログラム)の講師も務める小野塚知二教授のこれまでの研究活動の集大成であり、学生の教科書としても、研究者の参考書としても、社会人の教養書としても、様々な切り口で読み、使うことができる、経済史の決定版である。 本書において小野塚氏が最初に立てた仮説が、「人とは際限のない欲望を備

タイトルの割に中身は真摯『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

タイトルの割に中身は真摯『誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性』

2015年、米カリフォルニア州サンバーナーディーノで銃乱射事件が発生した。パキスタン系アメリカ人でありイスラム教徒だった犯人の名前が報じられるやいなや、ネット上はイスラム教徒を殺害せよという書き込みで溢れかえる。 事件の4日後、オバマ大統領(当時)は国民向け演説で「差別を拒むことは、宗派を問わずすべての米国人の責務」と語り、「自由は恐怖に勝ることを忘れないよ

今週のいただきもの:2018年2月25日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年2月25日週

今日は雛祭りですね。旧暦3月3日は上巳の節句といい、中国では桃酒を飲み、川辺で詩歌を詠む曲水宴を行っていました。これが日本に伝わり、平安時代には子供の無病息災を願い、紙で作った人形を川へ流す「流し雛」になったそうです。後に節句の儀式と女児の人形遊びが結びつき、現代の雛祭りの原型になったと言われています。 江戸時代初期の雛飾りは、内裏雛のみだったのですが、時代

『QBism 量子×ベイズ――量子情報時代の新解釈』 書影

サイエンス / 編集者の自腹ワンコイン広告

『QBism 量子×ベイズ――量子情報時代の新解釈』

量子力学との出会いは大学2年生の春。恐れ知らずにも物理学を専攻しはじめていた私は、この科目の講義を楽しみにしていた。「シュレーディンガーの猫」(…生きていて、なおかつ死んでいる猫?)や「トンネル効果」(…物体が壁をすり抜ける現象?)など何やらミステリアスな量子力学について、ついに理解するときがきた! しかし何度か講義に出たあたりから、期待は幻滅に変わっていく

『評価の経済学』まわりの評判が気になったときに手に取る本 書影

教養・雑学 / 社会

『評価の経済学』まわりの評判が気になったときに手に取る本

本書の主題は、レピュテーションである。原書のタイトルは「The Reputation Game The art of Changing How People See You」で、評判をゲームとしてモデル化し、そのゲームを勝ち抜くためのお作法をまとめている。流し読みするだけでも、周囲からの評価を得ようと躍起になり、他者からの評価に振り回される日常を冷静に俯瞰す

『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』人が想像できることは、すべて実現できる 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙に命はあるのか 人類が旅した一千億分の八』人が想像できることは、すべて実現できる

NASA JPL(ジェット推進研究所)で火星ローバーの自動運転プログラムの開発に携わる小野雅裕さんの最新作。宇宙を夢見た人々たちの想いと歴史をわかりやすく網羅し、最先端の宇宙開発状況から未来へと想いを馳せる。 現代の宇宙開発はあるSF作家のイマジネーションから全てが始まったことをご存知だろうか?1865年に発表されたジュールベルヌの『地球から月へ』というSF

『反共感論──社会はいかに判断を誤るか』 スポットライトに照らされる人たちとそうでない人たち 書影

医学・心理学 / 社会

『反共感論──社会はいかに判断を誤るか』 スポットライトに照らされる人たちとそうでない人たち

1987年、アメリカのテキサス州でわずか1歳半の女の子が井戸に落ちてしまった。女の子の名前はジェシカ・マクローア。ジェシカの体は井戸の枠に引っかかってしまい、大規模な救出活動が繰り広げられるものの、なかなか抜けない。ああ、可哀想なジェシカ。救出活動はテレビなどでも盛んに報道され、アメリカの多くの人たちがその動向に釘付けとなった。そして58時間後、ようやくジェ

『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』大川小学校の悲劇。あまりにも複層的な物語 書影

人物 / 社会

『津波の霊たち 3・11 死と生の物語』大川小学校の悲劇。あまりにも複層的な物語

リチャード・ロイド・パリーの新刊である。そう聞いただけでピンときた人はよほどのノンフィクション好きか、あるいはHONZファンであろうか。英《ザ・タイムズ》誌アジア編集長、東京支局長でもある著者は前作『黒い迷宮』で2000年におきた英国人女性ルーシー・ブラックマンさん殺害事件を追い、日本の歓楽街の闇の一面を見事に描き出した。HONZでも話題騒然となり内藤編集長

『マネーの代理人たち ウォール街から見た日本株』生活者としての金融プロフェッショナルたち 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『マネーの代理人たち ウォール街から見た日本株』生活者としての金融プロフェッショナルたち

「マネーの代理人」という言葉から何を連想するだろうか。恐らく、ウォール街を跋扈するハゲタカファンドのような肉食系の投資家を思い浮かべるのではないだろうか。 ところが、本書に映画の『ハゲタカ』や『ウォール街』に見られるような劇的なストーリーを期待すると、肩透かしをくらうことになる。本書は、巨大機関投資家の中で働くサラリーマンは、何を考え、どのような行動原理に従

なるほど!我が国はこういうふうにできているのか 『日本で1日に起きていることを調べてみた : 数字が明かす現代日本』 書影

教養・雑学 / 社会

なるほど!我が国はこういうふうにできているのか 『日本で1日に起きていることを調べてみた : 数字が明かす現代日本』

数字、ファクト、ロジック。立命館アジアパシフィック大学の学長にしてHONZ客員レビュアーでもある出口治明さんは、この三つで物事を決定するべきだと説かれている。これはサイエンスにおける研究の進め方でも同じである。なかでも最も重要なのは生の数字だ。相対値ではなくて、絶対的な数字。それがなければ話にならない。 日本国についてのそのような数字をこれでもかと惜しげもな

360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜

360年続く稀有で貴重な出版社に乗り込んだHONZ! 大火に見舞われながらも続いてきた版元、その名は「檜書店」。能の謡本を出し続けてきた。江戸時代の大、大、大ベストセラーとなった「謡本」とはどんなものなのか。檜書店の内部にさらに迫ってみよう。久しぶりの出版社訪問レビューは続く。(※前編は こちら ) ここで、実際に謡本を見せてもらうことにしよう。 檜 これで

今週のいただきもの:2018年2月18日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年2月18日週

春先は蛤が美味しい季節ですね。蛤は、雛祭りや結婚式には欠かせない縁起のよい貝です。二枚の貝殻は対のもの以外とは合わないことから夫婦和合の象徴とされ、祝事に用いられる食材となりました。 蛤の語源は、形が栗の実に似ていて、浜辺に生息していることから「浜栗」となったそうです。植物の栗も古代から重要な食糧であったため、「山の栗」に対して「海の栗」と考えたのでしょう。

360年続く出版社を訪ねて 〜前編〜 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

360年続く出版社を訪ねて 〜前編〜

日本の出版社の数は3370社もあるそうだ。数は最近減ってはいるものの、それでもまだまだ世界的に見れば、出版活動が盛んな国だと言えるだろう。そんな出版社の中で一番古いのはどこか? と言われれば諸説あるのだけれど、360年続くという出版社が東京にあり、しかも書店を開いている! と聞き及び、これは行かねばなるまいぞ。ということで、今回は久しぶりの出版社訪問レビュー

『物流は世界史をどう変えたのか』物流が国家や歴史を変えた? 書影

社会 / 世界史

『物流は世界史をどう変えたのか』物流が国家や歴史を変えた?

2017年3月、英エコノミスト誌は「脅威のアマゾン帝国」という特集を組んだ。その冒頭で、今後10年以内に売上高は50兆円に達するだろうと予測している。事実、17年の売上高は19兆円を超え、米国のEコマース市場の50%に迫る勢いだ。 アマゾンはこの巨大な売り上げを支えるための物流システム構築に余念がない。16年、海運ではNVOCC(船舶を持たない貨物運送事業者

『ルポ 川崎』リバーズエッジから見る日本の未来 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『ルポ 川崎』リバーズエッジから見る日本の未来

もしこの国の未来を知りたければ、とっておきの方法がある。川崎を訪れてみればいい。それだけ?そう、それだけ。ただしちょっとした条件付きだ。 いちどだけでなく、なんども通ってみること。そこで暮らす人々と言葉を交わし、できたら友だちになること。 そうすればこの街はかならずあなたに未来の姿を見せてくれるはずだ。 川崎市は人口約150万。東京都と横浜市に挟まれた位置に