ノンフィクションはこれを読め!

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643記事

『輸血医ドニの人体実験』 - サイエンスをめぐるサスペンス 書影

サイエンス / 社会

『輸血医ドニの人体実験』 - サイエンスをめぐるサスペンス

今となっては笑い話のようにも聞こえるが、太古から現代まで、数多くの迷信が科学的知識として信じられてきた。何でも金に変えられるという賢者の石を探し求めた錬金術師たち、不老不死を願って水銀を飲み続けた人たち、地球平面説や地球空洞説を信じていた人たち。 古代ギリシア時代から19世紀半ばまで信じられていた「四体液説」も、その一つと言えるだろう。これは人体が血液、粘液

『ランドセル俳人の五・七・五』いじめと才能 書影

人物 / 社会

『ランドセル俳人の五・七・五』いじめと才能

この本は俳句集であり、いじめを受けている子どもを持つ家族の手記である。まさしく文芸書だ。HONZが得意とするノンフィクションではない。しかし、この本がより多くの人に読まれるよう、僅かばかりでも役に立たなければ、書評を書くものとしての矜持が保てないのだ。すこしだけお付き合い願いたい。いや、無理やりにでももう少しだけ読んでもらいたいのだ。 著者の凛くんはこの6月

今週のいただきもの(5月第3週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(5月第3週)

屋外で体を動かすのが気持ちのよい季節となりました。当事務局向かいの小学校は来週末が運動会だそうで、最近毎日予行演習をしています。音楽に合わせて飛び跳ねる紅白の帽子を眺めながら、一瞬「いいな、子供は」と思いましたが、よく考えたら私は運動会も体育の授業も大の苦手で「早く大人になりたい」と思っていたのでした。 とにかくどんクサく、ブランコから飛び降りれば戻ってきた

超現実主義『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

超現実主義『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』

近年、どうも「シュール」という言葉自体がひとり歩きしている。 日本語でシュールと聞くと、多くの人が「虚しい」とか「説明し難い」とか「空しい」という感想を持つ。それに伴い、シュルレアリスムは超現実主義などと訳されるので、よけい小難しいものに感じてしまう。 本書では、シュルレアリスムにおける本来の意味を代表的な作品とともに理解できる。登場作家はシュルレアリスムを

『わが盲想』 新刊超速レビュー 書影

新刊超速レビュー

『わが盲想』 新刊超速レビュー

彼の名は、モハメド・オマル・アブディンという。今年で35歳のスーダン人だ。19歳の時に来日し、福井県立盲学校で点字や鍼灸を学ぶ。 そう、彼は盲目である。 スーダンは内戦中だった。政治も治安も最悪の中、アブディンはハルツーム大学法学部に在籍する大学生。しかし大学は4か月も閉鎖され、高校までは教科書を読んでくれた友達もいない。このままでは卒業さえ難しい。友人は政

『新宿歌舞伎町滅亡記』人の海で溺れて。 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『新宿歌舞伎町滅亡記』人の海で溺れて。

夜の帳が下りるころ、この街には欲望が渦巻く。新宿歌舞伎町のコマ劇場。その前にあるコマ広場を定点観測地として著者は取材を始める。取材は1999年からスタートする。1999年といえば、私はまだ不良の世界に片足を突っ込んでいた時期だ。場所は違えども、ここに登場する若者たちが無軌道に漂流する姿は決して他人事で済まされる話ではないのである。 この街には様々な若者が集う

『「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命』―編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『「アラブの春」の正体―欧米とメディアに踊らされた民主化革命』―編集者の自腹ワンコイン広告

重信(しげのぶ)メイさんは締切に結構ルーズな人である。そもそもレバノンにいる時もあって、時差の関係上、「日本時間で何時までにお願いします」というのもわかりにくいのかもしれない。本書も編集作業という点においては、非常に短い時間で作り上げた。なかなかに「編集者泣かせ」な人であり、書籍だった――。 こう書くと、皆さんには著者の悪口に読めるかもしれない。 でも、と思

『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア 書影

教養・雑学 / 人物

『そのとき、本が生まれた』本の都、ヴェネツィア

アルド・マヌーツィオ。出版界が生んだ天才で、革命家、そして本の歴史を変えた男である。彼の存在なくして、出版界は今日ほど大きな発展を遂げることはなかっただろう。 いつも鞄に本を一冊忍ばせている人は多いはず。私もそんな一人で、電車やトイレの中など少しでも時間が出来れば、鞄から文庫本を取り出す。私にとってはとても日常的な動作であるが、こんなことができるのも500年

『日本プロ野球改造論』業界再編のケーススタディ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『日本プロ野球改造論』業界再編のケーススタディ

日本のプロ野球を題材にした現在進行形の秀逸なビジネス・ケーススタディだ。身近なプロ野球を題材に小難しくなく、まとめられており、目からウロコがぽろぽろと出てくる。 「日本プロ野球は、日本産業の縮図である」とサブタイトルで銘打っており、ビジネスとして頭打ちになっている日本のプロ野球を改革するだけでなく、そこから日本の産業再生の道まで見出そうとする、かなり大胆な狙

奇妙な「言語」の謎を解く 『白と黒のとびら』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

奇妙な「言語」の謎を解く 『白と黒のとびら』

16歳の少年ガレットは、高名な魔術師に弟子入りし、古代ルル語を学んでいる。あるとき、とある村の長老から、人喰い岩と呼ばれる奇妙な古代遺跡を調べてほしいと頼まれ、ガレットは現地に向かう。その遺跡の中に入った者の多くが姿を消し、無事に生還できたのは、長老とその兄だけだったのだ。 ファンタジー? RPG? なぜそんな本がHONZに? そう思うのも無理もないが、もう

『羽―進化が生みだした自然の奇跡』 羽は謎に満ちている 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『羽―進化が生みだした自然の奇跡』 羽は謎に満ちている

鳥を知らない人に、鳥がどんな生き物であるかを簡潔に伝えるには、どうすればよいだろう? 「卵を産む動物」では、カエルやワニも鳥の仲間になってしまう。「クチバシを持つ動物」はいい所を突いているが、イカにもクチバシはある。当然、「空を飛ぶ動物」でもうまくはいかない。コウモリや蚊だって、空を飛べるのだから。 答えは、本書のタイトルでもある「羽」にある。羽こそ、鳥だけ

5月の今月読む本 その2 書影

今月読む本

5月の今月読む本 その2

『今月読む本』は、あくまで読むつもりで買ってきた本である。本当なら、ここに紹介された本は、みんなレビューされなくてはおかしいのだが、登場しない本にはわけがある。もちろん、思ったような本でなかった場合が多いのだが、なかには「面白いけど、これはとても紹介できないよ」という類や「レビューするには難しすぎる」というもの、中には朝会で紹介するだけで概ねわかっちゃうよね

『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』 新刊超速レビュー 書影

事件・事故 / 日本史

『毒婦伝説 高橋お伝とエリート軍医たち』 新刊超速レビュー

あの珍書プロデューサー・ ハマザキカク をして、 とまで言わしめた本書は、まさに珍書の中の珍書である。 タイトルだけを見た時は、やれ木嶋 佳苗が◯◯だの、林 真須美が××だの、その類いかと思ったのだが、中身は全然違った。主人公は明治時代に実在した一人の女性、高橋 お伝。その数奇な運命がヤバい、ヤバい、ヤバい。とにかく奇妙な出来事の連続なのである。 事の発端は

今週のいただきもの(5月第2週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(5月第2週)

事務担当となって早2ヶ月、今週遂に朝会潜入に成功しました。 本業のOL生活では書記参加している取締役会でたびたび眠りこけ、閉会後役員に議事を訊いて回っている私。果たして朝会で起きていられるのか、不安でしたが……。 午前7時、ゴングと共に試合開始。次々と披露される本、本、また本。持参した本が殆ど他者と重複し、この世の終わりのように嘆く敗者、掘り出し物に集まる皆

『指揮権発動』検察の正義は失われたのか? 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『指揮権発動』検察の正義は失われたのか?

「指揮権」。政治経済の教科書に出てくる「あれ」である。検察は独立性を保障されているが、法務大臣は個々の事案では検事総長を指揮できると検察庁法14条は規定している。過去に発動されたのは戦後一度のみ。1954年、世に言う「造船疑獄事件」で後の首相である佐藤栄作氏に対する逮捕状請求を当時の法務大臣が無期限に延期するように指揮した。その指揮権が実は50年以上の時を経

『羽生善治論』という名の加藤一二三論 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『羽生善治論』という名の加藤一二三論

インターネットを検索していたら、驚くべき事実を知ってしまった。と言っても、たいした話ではないのだが、昨年末あたりから、本書の著者で将棋棋士の加藤一二三九段がテレビによく出ているらしいのである。将棋番組かと思えば、マツコデラックスやビートたけしと共演しているというから腰を抜かした。70歳を超えたけど大丈夫かと思いながらも、youtubeで「加藤一二三 マツコ」

『シンディ・ローパー自伝』  And you will find you 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『シンディ・ローパー自伝』 And you will find you

シンディー・ローパーは、家族や、一緒にプレイするミュージシャンが、みんな魔法を持っていると言う。 そんな本人の魔法は、日本に渡って来て中学生の私にかかった。というか、みんなかかった。ヒットチャート1位だ。1980年代を代表するミュージシャンだ。夜中のMTVを見たり、ラジオを聞いたり、テープにとったりした。 本書の原題は "A Memoir"、シンプルに、「自

5月の今月読む本 その1 書影

今月読む本

5月の今月読む本 その1

連休明けである。当然のことながら、仕事が詰まっている人が多い。というわけで欠席者と早退者が多数の朝会。しかし、こういう時にこそ面白い裏話がさく裂するのである。今回、この春から事務方としてHONZのもろもろを担当し、献本を報告している 遠藤陽子 が、おそるおそる覗きに来たのだが、あまりのディープなオタクっぷりに驚愕、そして大笑いで帰っていった。潜入記も近々UP

より良き世界のために 『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下』 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

より良き世界のために 『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 1 二つの世界大戦と原爆投下』

『プラトーン』、『7月4日に生まれて』、『JFK』をはじめ数々の名作を世に送り出し、2度のアカデミー賞に輝いた巨匠オリバー・ストーンが、ドキュメンタリー制作を通じてアメリカの現代史を問い直した成果がここに結実した。本シリーズは、最新資料による裏づけをもってアメリカの黒歴史を暴いた歴史大作である。 人類の歴史を振り返ってみても、現在のアメリカの軍事力は圧倒的で

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d-laboにHONZで紹介された本が追加されています!

六本木ミッドタウン・タワー7Fのスルガ銀行d-laboにある「HONZの本棚」に、この半年の間にレビューで取り上げた本が、一気に63冊追加されています。この先も毎月20冊ほど、追加されていく予定です。 5月3日から6日まで休館だったd-laboも、本日5月7日からは通常通り営業しております。 ぜひ、本を読みにお立ち寄り下さい! もちろん入館は無料です。 ちな

ポジショントークを越えて。- 『日本の景気は賃金が決める』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

ポジショントークを越えて。- 『日本の景気は賃金が決める』

ポジショントークというものがある。 何かについて意見を言うときに、客観的な視点からみて正しいと思うことではなく、自分自身の所属する業界や組織、役職といったポジション(立ち位置)にとって有利な主張をするのがポジショントークで、ビジネスの世界は勿論のこと、日常の至るところに溢れ返っている。意見の対立というのは、主義・信条の対立もあれば、感情的な諍いも、明確な優劣

『戦闘技術の歴史 ナポレオンの時代編』 新刊超速レビュー 書影

世界史 / 新刊超速レビュー

『戦闘技術の歴史 ナポレオンの時代編』 新刊超速レビュー

創元社『戦闘技術の歴史』シリーズの第4巻である。第1巻は2008年8月に発行された『古代編』。2009年10月第2巻『中世編』、2010年10月『近世編』ときて、2013年4月に『ナポレオンの時代編』が出版された。このシリーズが完結する第5巻は『東洋編』で、この調子では来年か再来年であろう。 原書はThomas Dunne Booksから出版されている『Fi

正義の意味を問う。 - 『粉飾』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

正義の意味を問う。 - 『粉飾』

みずほ銀行出身の経営コンサルタントがいた。 そして、彼が顧問を務める中小企業は、粉飾決算によって銀行融資を受けていた。 もちろん、彼もその事実を知っており、ある意味では、粉飾決算に関与していた。 その結果、彼は東京地検特捜部に狙われ、2012年3月、懲役2年4ヶ月の実刑判決を宣告される。 すべて事実だ。飾らず淡々と書いてしまえば。しかし、幾つかの補助線を引い

今週のいただきもの(5月第1週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(5月第1週)

ゴールデンウィークもあと3日。出国ラッシュや渋滞のニュースを尻目に都内に居座り続けた私は 連休明けの朝会に備え献本のレビュアー別仕分け、梱包、発送etc.と久しぶりに仕事らしい仕事をし、HONZ内に漂う「事務担当、仕事してない疑惑」を何とか晴らしたのでありました。ほっ。 それでは、今週献本いただいた新刊本のご紹介です。連休中にもかかわらずご送付くださった版元

『ホピ族の精霊 カチーナ人形』新刊超速レビュー 書影

民俗・風俗 / 新刊超速レビュー

『ホピ族の精霊 カチーナ人形』新刊超速レビュー

判型15センチX15センチ、100ページあまりの手のひらサイズの小さな写真集。写真で紹介されているカチーナ人形は28体。これで1500円なのだから、ある意味で超高額本だ。カチーナ人形とはアメリカ先住民のホピ族が作り出す木製人形。ホピ族は5万年前からアメリカ大陸で暮らしており、現在の居住地であるアリゾナ州北部の「コロラド・プラトー」と呼ばれる海抜1400−24

飲むなら読まねば 『実録!あるこーる白書』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

飲むなら読まねば 『実録!あるこーる白書』

タイトルにあるとおり、お酒の話である。西原理恵子と吾妻ひでおの本であるし、表紙も楽しそうだから、エンターテインメント系かと思って買ったのであるが、ちがった。もちろん両氏のことであるから、サービス精神満点にすごい経験談がどんどんと繰り出される。しかし、この本の目的はそこにはない。西原がいうように、アルコール依存を正しく理解してもらい、少しでも減らそうという崇高

『すごい人のすごい話』をすごい人が聴く 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『すごい人のすごい話』をすごい人が聴く

古書を購入するために1億円以上の借金を背負った。 出版社社屋で寝泊りしながら『 世界大博物図鑑 』を1人で書き上げた。 本の購入資金捻出のために、1日に1回しか食事せず、10年間同じスーツを着続けた。 愛書家 として上記のような 伝説 を多く持ち、「中学生のころから、読んで感激した本の著者に手紙を書いて、勝手に弟子入りを決め込」んでいたというアラマタさんが、

『不愉快なことには理由がある』―編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『不愉快なことには理由がある』―編集者の自腹ワンコイン広告

世の中には不愉快なことがゴマンとあります。 いきなりすみません。でも、政治家は信用ならないし、尖閣問題は解決しないし、格差社会だし、ダイエットがうまくいかないし、恋人や配偶者の言動も納得いかないし……。 これ、私の個人的な悩みではありません(一部はそうですが)。本書が取り扱うさまざまな「不愉快」の一例です。 本書をジャンルづけすれば“社会批評集”といったとこ

『Yコンビネーター』 - シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『Yコンビネーター』 - シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール

シリコンバレーにあるスタートアップ養成スクールの3ヶ月を、密着して追いかけたドキュメント。本書の面白さを知るためには、「はじめに」の章で書かれているわずか10ページほどの説明を読むだけで十分だ。 このスタートアップ養成スクールを運営しているのは、ベンチャーファンド「 Yコンビネーター(YC) 」。その中心人物が、元起業家でプログラマーのポール・グレアムだ。

『三十一文字で詠むゲーテ』 新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『三十一文字で詠むゲーテ』 新刊超速レビュー

昨年6月に発行された鹿島茂の『パスカル パンセ抄』がそろそろ文字通りクサくなってきた。1年近くも我が家のトイレの中にあったのだ。用をたすときにパッとどこかを開いて1ページだけ読むのには最適にして最高の本だ。雑誌の人生相談のようであっても鹿島文学になっているところがシブい。たとえば「精神の成長と差異の発見」という1ページ。 ううむ、なーるほどと、納得したりする

『ステーキを下町で』 あぐ、あぐ、ごく、ごく 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『ステーキを下町で』 あぐ、あぐ、ごく、ごく

ゴールデンウィーク(GW)に突入である。海に山に忙しい方も多いだろうが、HONZ読者ならば読書にも忙しいはずである。私もレビュー用にここぞとばかりに、アマゾンで『立身出世と下半身』という本をタイトル買いしたら、あらゆる意味で軽薄短小が売りのはずの私の元にタウンページのような厚みの本が届いたのが一週間ほど前。GWに入り、読み進めると、学生になぜセックスを推奨し

今週のいただきもの(4月第4週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(4月第4週)

今日からゴールデンウィーク。 「連休だ!」という方、遊んでいる場合ではありません。背後で積読タワーが倒れかかってますよ。「仕事だよ」という方、折角ですから普段より空いている通勤電車の中で、ゆったりと読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。 ちなみに私は、先週の宣言どおり連休中は英語の特訓です!(先週来、急に難解な英語仕事を依頼してくるようになった上司の○○さん

『歌舞伎のぐるりノート』 新刊超速レビュー 書影

アート・スポーツ / 民俗・風俗

『歌舞伎のぐるりノート』 新刊超速レビュー

歌舞伎専門月刊誌「演劇界」の2007年9月号から2012年3月号に連載されていた「歌舞伎、のようなもの」というエッセイを纏めた本だ。じつは年に4冊ほどしか「演劇界」を買わない。お気に入りの俳優が主役の時や、面白そうな特集号のみを買うからだ。(ただし表紙が菊之助だったら無条件で買う)そのため「歌舞伎、のようなもの」はお気に入りのエッセイだったのだが、立ち読みを

『中国という大難』− 文庫版解説 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『中国という大難』− 文庫版解説

富坂聰氏の『中国という大難』文庫版(2013年4月27日発売)の解説を書いたので、編集部の承諾を得て全文を掲載する。単行本の発売は2007年4月27日だが、本書で語られている中国問題はまったく古くなっていない。それどころかさらに深刻になっているように見える。ある意味で中国は先進諸国から半世紀遅れたテーマパークであり、最新ピカピカのお化け屋敷だ。こわごわと内実

『ガンダムがわかれば世界がわかる』ー編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『ガンダムがわかれば世界がわかる』ー編集者の自腹ワンコイン広告

HONZ読者の皆様、こんにちは。本書は、『機動戦士ガンダム』の研究本です。 といっても、よくあるモビルスーツのスペック羅列本ではありません(そうした本であれば、皆様にご案内することはなかったでしょう)。『ガンダム』が描かれたキャンパス=「宇宙世紀」はあくまで素材。それを法学・政治学・経済学――といった社会科学を切り口に読みなおしてみると、何が見えてくるのか、

『おもしろ遺伝子の氏名と使命』 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『おもしろ遺伝子の氏名と使命』 新刊超速レビュー

珍しい、面白い、役に立たない。三拍子揃った珠玉の一冊である。本屋で見つけて中身を数ページめくった後、思わずガッツポーズが出た。 DQNネーム、キラキラネームなど、ネーミングにまつわる問題が深刻化して久しい。その流れを受けたわけでもないのだろうが、アカデミックの世界でもネーミング周りが大変な状況になっているようだ。 本書で取り扱っているのは遺伝子の領域。地道な

人生は短いと言われるけれど『すべては「先送り」でうまくいく』 書影

医学・心理学 / ビジネス

人生は短いと言われるけれど『すべては「先送り」でうまくいく』

直感に反するタイトル、「先送り」という言葉に、よい印象はない。 TVでは、「いつやるか?今でしょ!」と連呼され、受験生でもないのに、その瞬間だけ、心が掻き立てられる。だけども、3秒後にはまるで、聞いていなかったかのように、コタツを出ることなく、TVの前に居座り続け、時間を貪り、ふと時計を見ると、罪悪感に襲われる。今年の流行語大賞で、アベノミクスとの一騎打ちと

未来を切り拓こうとするすべての人に。『ロジカルな田んぼ』 書影

生物・自然 / 社会

未来を切り拓こうとするすべての人に。『ロジカルな田んぼ』

またしても、素晴らしい本に出会ってしまった。このコメ作りをめぐるささやかな一冊が、まさかこんなにも生きるヒントに満ちているとは、ぼく自身、思いもしなかった。もし今、自己啓発書やスキルアップ系ビジネス書を読んでいる方がいたら、今すぐそれを閉じ、何よりまず、この本を読むべきである。 まず読者にお願いしたいのは、「なんだ農業の本か」、とこのレビューを読むのを止めな

『植物はそこまで知っている』 植物は考えない人間である 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『植物はそこまで知っている』 植物は考えない人間である

フランスの哲学者・自然科学者パスカルの有名な言葉である。人間が「考える」葦であるということは、葦は「考えない」ということなのだろう。確かに、脳を持たない植物である葦が、人間のような思考を持たないことは疑いの余地がない。 それでは、考えを持たない植物は、世界をどのように見て、感じているのだろうか。そもそも植物に視覚や嗅覚などの、ヒトの五感のような感覚は存在する