ノンフィクションはこれを読め!

2015年の記事

ARCHIVE

511記事

さらに積み上げよ!『サイエンス・ブック・トラベル: 世界を見晴らす100冊』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

さらに積み上げよ!『サイエンス・ブック・トラベル: 世界を見晴らす100冊』

HONZ読者の方々は、読みたい本がどんどん積み上がっていく毎日を送られているかもしれない。だが、それをさらに推し進めてくれるのが書評集である『サイエンス・ブック・トラベル』だ。もちろん、書評集なんてわざわざ読まなくたってこの世には読みたい本・読むべき本はたくさんある。油断をすると、ヤツラはいくらでも積み上がっていく。 『神話の力』という神話をめぐる本の中で、

今週のいただきもの(4月第1週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(4月第1週)

衝撃の留年から早一年、学生メンバー刀根明日香がこの春ついに卒業、就職しました。 私は刀根本人よりも母親のほうが歳が近いくらいなので、この一年は何かと心配していたわけですが、酔った私が無事帰れるよういつも電車やタクシーに乗るところまで見送っている刀根にしてみれば、私に心配されるなど心外でしょう。 何はともあれ、「私を採用してくれた会社に感謝している」といってい

『ナチスと精神分析官』ナチ気質という未解決問題 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『ナチスと精神分析官』ナチ気質という未解決問題

第二次世界大戦が終わってから70年近くが経つにもかかわらず、いまだナチスというのは悪のレベルを推し量る一つの「ものさし」である。狂信的な集団による凄惨な事件の話を見聞きする度に、ナチスと比べてどちらが非道なのか、そして双方に共通するものは何なのかという問いが頭をよぎる。しかし語り尽くされたであろうナチスにも、まだまだ掘り起こされていない歴史が存在した。 19

『人類五〇万年の闘い マラリア全史』 100万人の命を奪う殺し屋 書影

サイエンス / 医学・心理学

『人類五〇万年の闘い マラリア全史』 100万人の命を奪う殺し屋

地球上で最も危険な生物は? サメ?ヘビ?それとも人間? 2014年4月末にビル・ゲイツが 自身のブログ で投げかけたこの質問が大きな話題を呼び、多くの ニュースサイトでも報じられた のは、その答えがあまりにも意外だったからだろう。危険の尺度を「1年間に何人の人間が殺されているか」とすれば、最も危険な生物はサメでもヘビでも人間でもなく、蚊なのだという。ある推計

嵐の時代が生んだ、奇跡の人間賛歌『園芸家の一年』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

嵐の時代が生んだ、奇跡の人間賛歌『園芸家の一年』

園芸家は(花の芳香を)すでにあの厩肥の、湯気を立てる藁の山の中に感じている。その香りに酔いながらも注意して、この神の贈り物を庭一面にばらまく。それはまるで、ひと切れのパンにマーマレードを塗って自分の子供たちに与えているようだ。(中略)カツミレよ、なにも言わずに、この馬糞のごちそうを受け取ってくれ。 本書は熱に浮かされたようなその「病気」ぶりを、自身も園芸マニ

今週のいただきもの(3月第4週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(3月第4週)

先週末から今週半ばまで声の出ない日が続き、周りの人から風邪ではないかと心配されていましたが、実は先週のHONZ夜会四次会のカラオケが原因でした。5日間も声が出なくなるとは、恐るべし爆風スランプ、恐るべしTHE BLUE HEARTS(歳がバレる)。 この週末はお花見という方も多いことでしょう。カラオケにはくれぐれもお気をつけください。 それでは今週献本いただ

時代に相応しいやり方で、生活と思い出を守る『遺品整理士という仕事』 書影

社会 / ビジネス

時代に相応しいやり方で、生活と思い出を守る『遺品整理士という仕事』

私はきっと孤独死する。 書店に行って、経済や社会問題の棚へ向かう途中に、ふと目についた本があった。『遺品整理士という仕事』、と題された新書だ。その題名を見て、あ、そうだ、私はきっと孤独死する、そのことについて考えておかなくてはいけないではないか、と思った。 子どもたちが大学に行き、就職し、結婚するとしたら、子どもが生まれるとしたら、ないかもしれないけど、ある

『電車道』by 出口 治明 書影

小説 / HONZ客員レビュー

『電車道』by 出口 治明

人はなぜ本を読むのか。それは、何よりも先ず面白いからだと、僕は思う。とりわけ小説を読むときはそうだ。頁をめくるのがもどかしいくらいに、急かされる時が最高だ。「電車道」はそんな小説である。一気に読み終えたのは去年の「水声」以来のことではないか。 ところで、「水声」の端正で古典的な佇まいに比べれば、「電車道」はむしろ読みにくい部類の小説だ。第一、章立てがない。文

エイズ治療研究の最前線--『完治』への道 書影

医学・心理学 / 青木薫のサイエンス通信

エイズ治療研究の最前線--『完治』への道

「青木薫のサイエンス通信」番外編の更新です。今回取り上げたのは、 仲野徹とのクロスレビュー になる『完治 - HIVに勝利した二人のベルリン患者の物語』。なぜHIVを克服するのが難しいのか?そこを深く理解することで、患者を「完治」へと導いた主治医の「着眼」が見えてきます。 (※本稿は、青木さんご自身のFacebookに書かれていた感想を、そのまま掲載させてい

『マーケティングの嘘』大票田を個で理解する 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『マーケティングの嘘』大票田を個で理解する

副題にある「団塊シニアと子育てママ」は、ご存知の通り、消費の大票田である。その実態を見誤ってしまったら、ビジネスの成功などおぼつかない。定量的マーケティングで一般的にいわれている「若い母親(ヤンママ)の料理は手抜きだらけ」とか、「シニア層の散歩は健康目的」という情報を鵜呑みにしていないだろうか。本書は、その嘘を明らかにしながら、たった一人のサンプル調査で絶大

『臓器移植の人類学』生死の境界線は変わっていくか 書影

医学・心理学 / 社会

『臓器移植の人類学』生死の境界線は変わっていくか

私たちの価値観はマクロな世論や制度設計、人々の具体的な実践や意識から影響を受け、知ってか知らずでか変化している。ひときわ新しい技術の導入は、私たちの価値観に不可逆な影響を与える。2つの異なる身体間での臓器の取引を可能にした臓器移植医療もその一つである。 著者は臓器移植医療における一番の当事者であるドナーとその家族、レシピエントから生の声を得ると同時に、歴史、

次の世界を知るために『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

次の世界を知るために『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』

ディープラーニング、機械学習、人工知能……正確な未来予測は無理でも、だいたいの方向性において人類は「技術的な進歩」を重ねてきたし、これからも重ねていくだろうということは予測できる。そしてその技術的な進歩が今後必ず起こるのがAI分野だ。本書はそのAI分野の「過去」から「現在」そして「未来」までを見通してみせるきっちりとした仕上がりの良書だ。 特に昨今ではディー

息もつかせぬ極秘作戦。「世紀のドル確認作業」で沖縄を救え!『沖縄返還と通貨パニック』 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

息もつかせぬ極秘作戦。「世紀のドル確認作業」で沖縄を救え!『沖縄返還と通貨パニック』

1972年5月15日の沖縄返還に先立つ、1971年8月15日。アメリカ合衆国大統領ニクソンは、ドルと金の交換停止を発表する。ニクソン・ショックである。 敗戦から急速に立ち直り未来へと時計の針を進めていく本土をよそに、なおも四半世紀にわたるアメリカの支配に耐え、ようやく返還の日を迎えようとしていた沖縄の人々の生活は、危機に瀕する。沖縄返還にともないドルから円へ

熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 書影

サイエンス / 小説

熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』

著者の岩田先生は、不思議な本を書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根本的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な本」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的

『天才を生んだ孤独な少年期』つながりの過剰は愚民社会の到来を招くか? 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『天才を生んだ孤独な少年期』つながりの過剰は愚民社会の到来を招くか?

天才とは何たるかがよく分かる一冊。が、それゆえに自分が天才でないことにも気付いてしまうという残酷な一面を持つ。 本書に登場するのは、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、トーマス・エジソン、夏目漱石、アルベルト・アインシュタイン、そしてスティーブ・ジョブズ。時代も分野も異なる、これらの天才たちには、ある共通点があった。 それは、いずれも孤独な少年

今週のいただきもの(3月第3週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(3月第3週)

昨日は久しぶりのHONZ夜会でした。3ヶ月ぶりということで大変に盛り上がり、今朝5時過ぎまで延々10時間半ひたすら飲み続けました。 そして先ほど昼過ぎ、ようやく起きて「今週のいただきもの」をアップしようとしたところ、家族が無線LAN機器を持って外出してしまいネット環境がないことに気づき呆然。 一気に眠気が覚めた私は二日酔いで割れそうな頭をかかえ、泣きながら内

『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『老人たちの裏社会』生き地獄化する余生

65歳以上の高齢者の万引きの増加が話題になったのは20年ほど前だったか。当時は全体に占める割合が1割に達したことで注目を集めていた。 本書によると警察庁発表の犯罪統計では高齢者による万引きは2011年には未成年者の検挙数を追い抜き、直近の公表値である13年は32.7%を占め過去最高を記録したという。万引き犯の3人にひとりが65歳以上という状況だ。人口全体が高

『日本の反知性主義』編著者まえがき by 内田 樹 書影

教養・雑学 / 社会

『日本の反知性主義』編著者まえがき by 内田 樹

みなさん、こんにちは。内田樹です。 本書、『日本の反知性主義』は昨年の『街場の憂国会議』に続いて、私がその見識を高く評価する書き手の方々に寄稿を依頼して編んだアンソロジーです。本書の企図が何であるかは昨夏に発送した寄稿依頼の書面に明らかにされております。それを再掲して、本書編纂の意図を示しておきたいと思います。まずそれをお読みください。 私たちは先に晶文社か

いずれは我が身か? 『本で床は抜けるのか』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

いずれは我が身か? 『本で床は抜けるのか』

木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて本で埋まってしまった。 この一文から本書は始まる。移した蔵書の数は「少なくとも1000冊以上、2000冊以下」とのこと。ちなみに築年数は50年で、下見の段階で押し入れの床からはメリメリと板が裂ける音が。引っ越し終了後、自宅へ帰るバンの中で「もっと慎重に物件を選べば良かった」と後悔す

『たった一人の熱狂』トークライブアプリ「755」から生まれた幻冬舎社長、見城徹「魂の言葉」集 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『たった一人の熱狂』トークライブアプリ「755」から生まれた幻冬舎社長、見城徹「魂の言葉」集

私とサイバーエージェントの藤田社長でスタートした 755 という公開トークライブアプリ・サービス。まさか幻冬舎の社長である見城さんが始めてくれるとは思いもよらなかった。実はそれには伏線があった。 LINE社長の森川さんが見城さんに自ら3時間かけてLINEの使用方法をレクチャーしてくれたおかげで、未だにガラケーユーザーだと思い込んでいた見城さんはLINEのヘビ

『切り裂きジャック 127年目の真実』DNA鑑定を駆使して伝説のシリアルキラーを追え! 書影

事件・事故 / 世界史

『切り裂きジャック 127年目の真実』DNA鑑定を駆使して伝説のシリアルキラーを追え!

切り裂きジャック という シリアルキラー が存在した。127年前のイギリスに。この殺人犯の呼び名は映画や文学作品といった大衆娯楽の中にたびたび登場する。世界的に最も有名な殺人犯と言っても過言ではないだろう。しかし、自らの記憶を手繰り寄せてみると、この殺人犯が127年前にどのような殺人事件を起こしたか、明確に説明できるような知識が何一つ無いことに気づく。私に限

『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』 世界に君臨する成功者たちの金言集 書影

教養・雑学 / 社会

『巨大な夢をかなえる方法 世界を変えた12人の卒業式スピーチ』 世界に君臨する成功者たちの金言集

―(生島ヒロシさん)おはようございます。今日のオススメ書籍コーナーは一日に2万アクセスそ誇るインターネット書評サイトHONZ副代表の東えりかさんに紹介していただきます。今日の本は何ですか? 卒業式のシーズンですね。華やかな袴姿の女子学生を見ると、自分が卒業した当時のことを思い出します。もう遠い昔になりました。卒業して新たに社会に羽ばたく人たちへはなむけの言葉

奇跡の伝説から物語へ 『完治 - HIVに勝利した二人のベルリン患者の物語』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

奇跡の伝説から物語へ 『完治 - HIVに勝利した二人のベルリン患者の物語』

医学の歴史は、数多くの物語で彩られている。この本は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染を「完治」した二人の『ベルリン患者』に始まる物語だ。偶然にもたらされたといっていいような伝説的な「完治」をヒントに、新しい治療法の開発がおこなわれた。そしてその結末は… HIV感染症といってもピンとこない人が多いかもしれない。HIVとはAIDS(後天性免疫不全症候群)の原因

今週のいただきもの(3月第2週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(3月第2週)

昨年末の公開夜会から早三か月、「久しぶりに夜会やろうぜ!」という話になり、人一番張り切っている私。頼まれもしないのに勝手に幹事に名乗りを上げ、目下店選びに奔走しています。 今回は東えりかより、「できれば個室ね」との注文がつきました。きっと声がデカくていつもお店の人や成毛眞に叱られている私への温かい配慮でしょう。さすがは副代表です。これで心置きなく騒げます。と

『石の物語』by 出口 治明 書影

教養・雑学 / 小説

『石の物語』by 出口 治明

タイトルを一瞥しただけで、もうこれは読むしかないと観念させられるタイプの本がある。本書のサブタイトルに紅楼夢の文字を見出した瞬間に、紅迷の僕は観念した。本書は、中国の石伝説と、冒頭がいずれも石から始まる「紅楼夢(石頭記=石の物語)」「水滸伝」「西遊記」を論じたものである。 本書は6章からなる。第1章は「テクスト相関性と解釈」。先ず「他のテクストから完全に自由

『原爆を盗め!』 天才科学者・ソ連のスパイ・決死の秘密作戦 書影

社会 / 事件・事故

『原爆を盗め!』 天才科学者・ソ連のスパイ・決死の秘密作戦

失敗は絶対に許されない。1943年のノルウェーで行われたガンナーサイド作戦は、そういう作戦だった。だからこそ、クヌート・ハリケードは命に替えてもこの作戦を成功させると決意し、その口中に青酸カリ入りのカプセルを仕込んでいた。ハリケードはこの作戦の成否が世界の行末を左右すると信じていたのだ。 ノルウェーにあるヴェルモク水力発電所の破壊を目的としたガンナーサイド作

『境界の民』 難民、遺民、抵抗者。彼らには”近代”が訪れなかった 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『境界の民』 難民、遺民、抵抗者。彼らには”近代”が訪れなかった

今、世界のルールは動揺している。ここ数ヶ月だけを見ても、フランスの同化主義に相容れない移民二世によるシャルリー・エブド襲撃テロ事件が起き、「イスラム国」は国民国家体制をあざ笑うかのようにイラクからシリアにまたがって台頭してきている。昨年にまで遡れば、スコットランドでイギリスからの独立の是非が問われたり、ウクライナで内戦が勃発したのも記憶に新しいことだろう。

『広辞苑の中の掘り出し日本語』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『広辞苑の中の掘り出し日本語』新刊超速レビュー

「送別会で『へへやか』に生きて、『ほたえじにたい』と挨拶したら、一同『だあ』って感じでしたよ」 日本で生まれ育ち30年以上経つが、「へへやか」など使ったことがない。へへやかは「のんびりと時日をすごすさま」、「ほたえじに」とは「遊び暮らして死ぬこと。酔生夢死すること」。「だあ」は「あきれたりして二の句が継げないこと」や「死ぬときの叫び声。また死ぬこと」である。

『美貌格差』ブサイクは救われないのか? 書影

社会 / ビジネス

『美貌格差』ブサイクは救われないのか?

「やさしそう」 この5文字がどれだけの男女を傷つけてきただろうか。 初対面なのに、値踏みされ、コメントに窮した相手に、ひねりだされるこの5文字。 私自身の人生を振り返っても、小さい頃は親の知人、最近になっても彼女や妻の知人に言われ続けてきた。 そもそも、やさしくないしと言う言葉を飲み込み、愛想笑いでかわし続け、愛想笑いがこびり付いて35年。そんな非イケメン、

犯罪者を特定する因子は存在するのか? 『暴力の解剖学 神経犯罪学への招待』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

犯罪者を特定する因子は存在するのか? 『暴力の解剖学 神経犯罪学への招待』

HONZが送り出す期待の新メンバー・冬木 糸一。若干26歳にして恐るべき読書量を誇り、彼の個人ブログ「 基本読書 」では注目のノンフィクションが続々と、HONZに先んじる形で取り上げられていった。こんな危険な輩を外で野放しにしておくわけにもいかないので秘密裏に交渉し、メンバー入りへと至った次第。今後の彼の活躍に、どうぞご期待ください!(HONZ編集部) 日本

『美貌格差』生まれつき不平等の経済学 書影

アート・スポーツ / ビジネス

『美貌格差』生まれつき不平等の経済学

現代社会において、親の年収、生まれ持っての美貌、また育つ環境など本人の努力では埋められない格差は確実に存在する。 それでも生き方の自由は保持されており、美貌を持つ人がさらに戦略を持って生きるのも自由だし、反対に美貌を持たざる人が徒手空拳的に人生に臨もうが、生き方自体は(程度によるが)否定はされず自由に選択できるといえる。 よく「ブサイクは意外と性格が悪いよ」

今週のいただきもの(3月第1週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(3月第1週)

ここ数日は寒の戻りで寒い日が続き……と書こうとして、ふと気になって調べたところ「寒の戻り」は晩春に使うことばなのですね。あぶない、あぶない。 とにかく昨夜も大変寒かったわけですが、そんな寒空の下、部屋着にサンダル履きで近所にビールを買いに行ったところ、カギを忘れオートロックに締め出されてしまい大騒ぎでした。 ビールひとつ買うのも一苦労、生きづらい世の中になっ

『フランソワ一世』by 出口 治明 書影

世界史 / HONZ客員レビュー

『フランソワ一世』by 出口 治明

大航海時代(もっとも鄭和艦隊に比べれば小航海に過ぎない)が、実質的に始まった16世紀前半のヨーロッパには、個性豊かな君主たちがひしめきあっていた。ヘンリー8世、カール5世、フランソワ1世の三つ巴の争い、それにスレイマン大帝やマルティン・ルター、メディチ家のレオ10世が絡むのだ。役者を一瞥しただけでも面白くないわけがない。ところが、この豪華絢爛たる顔ぶれの中で

新進の宗教学者が解き明かすパワースポットの作り方『聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

新進の宗教学者が解き明かすパワースポットの作り方『聖地巡礼 世界遺産からアニメの舞台まで』

今回ご紹介するのは、新進の宗教学者による「聖地巡礼」についての新書です。聖地巡礼と言われて、読者の皆さんは何を想像されるでしょうか。本書で扱っているのは、ある種の自分探しやパワースポット巡り、そしてサブタイトルにも触れられているアニメ作品に触発された「聖地巡礼」ムーブメントなどを含む、とても広い範囲の現象です。 著者は本書の中で、「宗教が変質してきている」と

戦時の嘘 『戦争プロパガンダ10の法則』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

戦時の嘘 『戦争プロパガンダ10の法則』

最近、戦争を身近に感じる出来事が続いている。本書は、国家が“国民を戦争にかりたてるために”どんな嘘をついてきたかを、歴史上の事実を列挙してつまびらかにした本だ。ベースにあるのは、1928年にロンドンで出版された名著『戦時の嘘』。この比較的薄い文庫本は、私たち日本人が今まさに見つめ直すべきテーマについて、考えを深める契機をたくさん与えてくれる。ぜひ、ともに過ご

「逆張りの思考」拡大版 週刊新潮2015年3月5日号掲載 書影

ビジネス / HONZブックマーク

「逆張りの思考」拡大版 週刊新潮2015年3月5日号掲載

週刊新潮で好評連載中の成毛眞「逆張りの思考」、2015年3月5日号(2月26日売り)は特別拡大版。今回は『メガ! 巨大技術の現場へ、ゴー』の発売を記念し、特別にHONZ上にて全文を掲載いたします。北は苫小牧から南は長崎まで、さらにはフランスとスイスの国境にまで。現場へ足を運んだからこそ見えてきた、桁違いを見ることの意義とは何だったのか? 本屋巡りをしていると

『地方消滅』を読んでいるのは地方の人か?都市部の人か? 書影

社会 / 併せて読まれたこの一冊

『地方消滅』を読んでいるのは地方の人か?都市部の人か?

昨年の後半から、地方について論じる本が売れています。このブームの火付け役になったのが中公新書の『地方消滅』。発売以降順調に売れ続けていますが、今年に入ってからまた売上が加速し、関連書の発売も続いています。 以前『ヤンキー経済学』を分析した際 、『ヤンキー経済学』はマイルドヤンキーには読まれていない、という結果が出てきました(想像通りではありましたが)。以降、