
大型犬ラブラドール・レトリバーと暮らす幸せ『犬(きみ)がいるから』
琵琶湖の畔に住む翻訳家の村井理子さんの家に、生後3か月の雄の黒いラブラドール・レトリバーがやってきたのは2017年の春のこと。1年前に長年連れ添った愛犬を亡くし、ペットを失う強烈な悲しみに再び耐えることはできないと思っていたのに、突然の出会いはやってきた。 ハリーと名付けられた子犬は、食いしん坊でやんちゃ。小学5年になる双子の息子たちとじゃれあううちに、あっ
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琵琶湖の畔に住む翻訳家の村井理子さんの家に、生後3か月の雄の黒いラブラドール・レトリバーがやってきたのは2017年の春のこと。1年前に長年連れ添った愛犬を亡くし、ペットを失う強烈な悲しみに再び耐えることはできないと思っていたのに、突然の出会いはやってきた。 ハリーと名付けられた子犬は、食いしん坊でやんちゃ。小学5年になる双子の息子たちとじゃれあううちに、あっ

放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『 全国アホ・バカ分布考 』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第5回は「男根語の試行錯誤」について。「男根」もまた、京を中心にきれいな多重の円を描いていることが明かされる!(HONZ編集部) 第1回 、 第2回 、 第3回 、 第4回 次に「男根(陰

放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『 全国アホ・バカ分布考 』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第4回は「女陰名+「する」だけが「性交する」ではない」ことについて。『女陰語』+『する』の歴史は、実はけっこう浅かった!?(HONZ編集部) 第1回 、 第2回 、 第3回 歌島では、女陰

わたしが作家・小松左京の名前を知ったのは、1964年のことである。 京都大学人文科学研究所(人文研)の助手として10年がすぎ、前年から1年間、アメリカのアイオワ州グリネル大学で交換教授として教え、帰国したばかりのころであった。アメリカ生活は3度目であったが、まるまる一年も日本を離れたのは初めてで、帰国したときには一種の精神の空白状態。それを埋めるべく、誰かれ

放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『 全国アホ・バカ分布考 』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第3回は「かわいくて優雅な「オマンコ」」について。なぜ日本人はいたいけない女陰に、最大限のいとおしさの込もった名を付けたのか? (HONZ編集部) 第1回 、 第2回 奈良時代の貴族であり

放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『 全国アホ・バカ分布考 』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第2回は「「女陰」方言のきれいな円」について。「女陰」の表現は、京を中心にきれいな多重の円を描いていることが明かされる!(HONZ編集部) 第1回は こちら この「女陰」「男根」言葉は、「

放送禁止用語に阻まれた『探偵! ナイトスクープ』の幻の企画が、ついに書籍で実現。かつて『 全国アホ・バカ分布考 』で世間を騒がせた著者が、今度は女陰・男根の境界線に挑む! 第1回は「京都の若い女性からの切実な願い」について。はたしてこの企画は、どのように誕生したのか?(HONZ編集部) 1995年5月初旬のことです。ユニークな内容が書かれた一通の手書きの依頼

芸術的な一冊だ。 私達は、さまざまな問題を解決しようとするとき、ついつい今ある意見をまとめがちになる。ただその意見自体が的を得ているのかどうか気づかない場合、粘り強く思考し続けて解決に導くプロセスが、哲学と芸術で非常に似ている。 ドイツの現代アーティスト、ヨーゼフ・ボイスは思想・政治・教育に精通し、政治経済と環境問題の常識を問い直しつづけた。彼の表現自体、フ

知る人ぞ知るノンフィクション作家・宮田珠己は『 日本列島津々うりゃうりゃ 』(幻冬舎)を旅する、もしかすると当代随一の紀行文作家である。ただし、その目的は『 いい感じの石ころを拾いに 』(河出書房新社)とか、『 晴れた日は巨大仏を見に 』(幻冬舎)とかなので、ちょっと変わっている。 あまりの緩さに心を入れ替えて、お遍路に出たと思ったら『 だいたい四国八十八カ

2018年8月24日、台風20号の進路次第では中止も検討されたが、幸いにも通り過ぎて『夢の猫本屋ができるまで』のトークショウ@本屋B&B(下北沢)が無事開催された。登壇したのは、夢の猫本屋 「キャッツミャウブックス」 」店主・安村正也さん、本書の著者でノンフィクション作家の井上理津子さん、司会として私、HONZの東えりかの3人。 金曜日の夜8時という遅い時間

前作である『サピエンス全史』で著者ユヴァル・ノア・ハラリは、認知革命により、自らが生み出した虚構と共同主観を信じる能力を手にした、私たちホモ・サピエンスが、いかにして農業革命、科学革命を成し遂げ、現代に至ったかを、様々な哲学、宗教、そして最新の科学研究を駆使して論じ、さらに幸福という基準を軸にサピエンスの歴史を包括的に描き出した。 ハラリは『サピエンス全史』

端正な本だ。内容に不釣合いなカバーと帯を取りはずすと、表紙には原寸大に近い一面の硯が刷られている。装丁だけでなく、紙質や印刷も素晴らしい。ゆっくりと味わうように読んだ。 著者は書道道具店の四代目。浅草の店では定番の筆や墨なども取り扱っているが、高級な硯は代々の店主がみずから原石を内外で買い付け、手作りで調製したものだ。文化財レベルの硯の修理なども手がけており

「1日1ページ」「読むだけで身につく」…というのに続くのが「世界の教養」。HONZメンバーとしては看過しちゃっていいのか悪いのか、なんかもっと教養ってじっくり身につけるべきものの気もするし…といった思いを抱えながら、うっすら横目で見ていた本が、現在ベストセラー街道をひた走っています。 どのくらい売れているかというと、この影響でビジネス書ジャンルが(そもそもこ

本書はニューヨークで英語やジャーナリズムを教える高校教師が、成績を用いず、生徒を評価する挑戦を行った記録である。通知表を捨て、成績をつけないクラスの実験を5年ほど前にはじめた。 淡々とコンパクトに実践の記録をまとめているが、時折顔をのぞかせる著者の成績に対する意見は核心を射抜いている。 成績は、生徒を動機づけたり、罰したりするのに使われます。生徒がしたくない

かわいくてたまらん出版賞受賞決定! と勝手に叫びたくなる「かわいい」のオンパレード。七五三のあの初々しさ、節句の飾りの華やかさ、と日本の子どもの可愛らしさが凝縮されている、昔ながらの子ども着物。年中行事や年齢に応じた装い、文様、結び方など「日本子ども衣服史」にもなっている。B5判に写真等400点が満載で、「やっぱりかわいい」と後で読み返して頷くこと必至だ。今

明日は汽車の中で眠りたくない、と何度も思ったものだ。地図を見て、時刻表をめくりながら、旅を組み立てていく時間は、至福の時間である。この至福の時間があるからこそ旅に出たくなるのだ、とも思える。 実際に旅に出て列車に何十時間も揺られることもある。自分が計画したのだから、予期したとおりのことだ。しかし「至福の時間」には忘れていた倦怠感が身体を蝕み、心地よいはずのジ

あなたは神を信じますか?こう訊ねられたらどう答えるだろう。日本だと、神様は存在しないと思うけど神頼みはする、というのが多数派だろうか。この本で問われるのは、我々が普段思い浮かべるようないたるところにいる神様ではない。キリスト教の神、創造主としての神である。 科学者のスタンスはどうだろう。『利己的な遺伝子』のリチャード・ドーキンスは『神は妄想である』という著書

長く叫ばれている出版不況とはうらはらに、個性的な本屋さんの出店が相次いでいる。HONZでもお世話になった下北沢の 「本屋B&B」 や荻窪の 「6次元」 、本の校閲を行う会社「鴎来堂」がてがける 「かもめブックス」 や中野ブロードウェイにあるサブカルの聖地 「TACO che(タコシェ)」 などこだわりの本屋は盛況だ。開店のためのセミナーもあり、体験談の本も様

原書のタイトルを直訳すると「過去を抜栓する」。酒と人類の壮大な物語を描いた本だから、いかにも香り立つようでおしゃれだ。翻訳タイトルは『酒の起源』。もちろん『種の起源』のオマージュだ。こちらも素敵。 版元の白楊社は2016年に『酒の科学』という本を出版していた。こちらの原書タイトルは「プルーフ」。プルーフにはアルコール度数だけでなく、印刷前のゲラという意味もあ

・内臓を食べながら成長し、内部から首を切り落とす ・子どもを誘拐し、奴隷として育てる ・泳げない生物の行動を操り、川に飛び込ませる 身の毛もよだつ所業の数々――。 「おそろしい……」「許せない!」 そう思われても仕方ない書き方をしてしまいましたが、これらはすべて実在する「寄生生物」の生き方なのです。 寄生生物は、決して怖いだけではありません。他の生物からおこ

無名人の留学記である。そんなもん誰が読むねん、というのが、とりあえず大多数の人たちにとっての率直な感想だろう。ごもっともである。 それ以前に、留学記というものが読まれなくなってきているような気がする。かつては、小澤征爾の『ボクの音楽武者修行』や藤原正彦の『若き数学者のアメリカ』といった名作があって、いまも文庫におさめられている。もしかすると、情報が少なく、外

月に数回、私は本屋さんに足を運び、本を数冊買い、そこから一冊を選んでご紹介させていただいている。今回は『旅する江戸前鮨』である。どのように書けば、本書の良さを引き出すことができるのか。料理の仕方を様々に考えながら、鮨をにぎる。いや、文章を書く。何度も読み返しているうちに、本は手になじんでいく。 本書の定義によると、新鮮な魚を単に酢飯の上にのせて出すのが「海鮮

近くて遠い国ロシア。プーチンという独裁者によって支配されるこの国は、国際社会において特異な存在感を示してきた。だが、この国で起きていることを知るのは意外に難しい。特にマスメディアに関することになると、なおさらだ。本書はそんな状況下にあるロシアのテレビ局TNTでプロデューサーを勤めたロシア系イギリス人が、ドキュメンタリー番組制作のために取材した市井の人々を通し

今、映画を大ヒットさせられるかどうかは、公開前の段階で8割方勝負がついてしまう。数ヶ月前から情報を小出しにすることで期待値を高めていき、公開直後から期待に違わぬことを示すポジティブな口コミが広がっていけば、ヒットがヒットを生み出す自走状態に入っていける。 一方で、 インド映画『バーフバリ 王の凱旋 』。日本での上映前に今の状況を予想することが出来た人は少なか

本書はそのイタリアの織物のように軽やかで、味わい深く、時には風を通すような美しい本だ。紙質、装丁など、どこを見ても丁寧に作られた一級品だ。文章は清々しくも温かい。上質のツイードそのものなのだ。 それもそのはず、内田洋子はイタリアの時空を縱橫に飛びまわり、掌編小説のようにエッセイ仕立てのノンフィクションを書く名手だ。 あくまでも著者が見たまま、聞いたままを文章

『 サピエンス全史 』ユヴァル・ノア・ハラリ激賞! と興奮気味に記されている割に、赤い帯には冷徹なメッセージが書かれている。 著者らが正しければ、有権者や消費者により良い情報を与えることは無意味に等しい 本書の核となる主張を簡潔にまとめたコメントである。 そして、ユヴァル・ノア・ハラリが疑っているように、果たして、著者らの言い分は正しいのだろうか。 そんな著

NHKに「100分de名著」という長寿番組がある。「趣味は読書です」などというからには、古今東西の名著も一通り知っておかなくては格好がつかない。とはいえ名著、とくに古典などは10代にでも読んでおかないと、大人になってしまえばなかなか手を伸ばせないものだ。かくして心密かに「あれも、これも読んでいない」というちっぽけなコンプレックスを抱いたりして…と、そんな心の

本書の著者は『帝国を魅せる剣闘士』、『愛欲のローマ史』などの著作や漫画家ヤマザキマリがナビゲータを務めたBSフジの番組『ローマ街道物語』の監修などでも活躍した歴史学者、本村凌二だ。今回の新作は『教養としてのローマ史の読み方』。題名だけでは論点がいまひとつピンと来ないかもしれない。その点で少し損をしているように思うのだが、表紙に付いている帯で、佐藤優が本書の論

最も怖いジャパニーズホラー映画は何か。著者の沖田瑞穂がインターネット検索をした結果、総合、男性、女性すべてで『リング』シリーズ、『着信アリ』シリーズ、『呪怨』シリーズが上位3位を占めていたという(2007年オリコン調べ)。 このデータ後、2016年には映画『貞子vs伽椰子』が公開されたり、USJのホラーナイトに貞子が登場したり、『リング』のハリウッド版第3弾

女性業界において、下着のラインが「ひびく」ことは、大変に恥ずかしいとされています。その上下に肉がムリっとはみ出ることによってブラジャーの存在感がニットの上からでもありありとわかるのも恥ずかしいのですが、しかし「ひびく」ことが恥ずかしいのは、何といってもブラジャーよりもパンツの方。 尻を覆うたっぷりとした脂肪にパンツのゴムが食い込むことによってできるラインは、

幅広い選書と奥深い視点で、早くも話題になっている『 辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦 』。先日、東京堂書店 神田神保町店で行われた刊行記念イベント「面白い本を読んだら誰かと話したい!」において、著者のお二人と一緒に登壇させていただきました。書き手としてよく知られるお二人は、読み手としてどのような一面を持つのか? そして本を語り合うことの面白さは

世界で一番読まれている本は、おそらく聖書だろう。本書は古代オリエント世界で栄えた都市を旅しながら、歴史が聖書にどのような影響を与えたかを記した一般向けの啓蒙書である。少しでも聖書に興味がある人には是非とも読んで欲しい1冊だ。 著者の旅は、フェニキア人の都市、ビュブロスから始まる。バイブルの語源となった町だ。次は、エルサレムの神殿建設を担った南方のティルス。ビ

歩くという行為に魅せられた冒険者は、世界の隅々まで足を運び、新たな発見を得る。それが未開の地であろうと、多くの人が足を運ぶ場所であろうと、日数をかけて歩くと、頭がスッキリして、自分の価値観が明白になる。本書の著者、小島聖は歩くことで何をみつけたのだろうか。 彼女が最初にトレッキングに魅せられたのは、初めて訪れたネパールでのこと。カトマンズ市内を観光し、ポカラ

最近でもクイズ番組などでよく見かける麻木久仁子。若々しい声の印象が強くて、50歳を超えていたとは思えないほどだ。 だが48歳で脳梗塞、50歳を目の前に乳がん、と大病を経験して、食生活を見直そうと「国際薬膳師」の資格を取ったという。高齢の母と一人娘との女だけの三人暮らし。生活の中で食が最も重要だ。だったら体に良くておいしいものを作りたい。人生のリセットを料理に

何というおどろおどろしいタイトルだろうか。普段お世話になっている旧知の著者からゲラが送られてきたので、少しは読まなければ申し訳ないと思って読み始めたら、これが面白くて読むのを止められない。 本書は2人の尖った個性がお互いに本を選んで3か月に1回、その本について縦横に語り合った対談集である。選ばれた本も秀逸で(知らない本が半分ほどあったが)、2人の対談も奔放の

私が東京放送のアナウンサーになったのは1967年の春だった。 新人の頃、アナウンサーとして読むべき何冊かの本を教えられた。そのひとつが「徳川夢声さんの話し方の本」だった。 正に今回文庫化されたこの『話術』なのだ。先輩から読めと言われていたのに、50年間手にすることがなかった本が手元にやってきた。襟を正して読み始めることにした。 思い返してみると、ただ遊んでば

世界はアイデアに溢れている。限られた時間で優れたアイデアを伝える TEDの動画 を検索すれば、優れたプレゼンテーションを大量に見つけることができる。そのどれもが、世界を良い方向に変える力を持つかにみえる。象牙の塔に閉じこもっていた学者がビジュアルイメージを巧みに使いこなし、利益の追求に血眼になっていた起業家が平和への道を語る。TEDだけではない。 ダボス会議

表紙のアップルパイに惹かれて、本書に手を伸ばした。甘く煮付けた熱々のりんごと、サクサクのパイ生地が美味しそうだ。洋菓子は、生きていく上で米や塩のように必須ではないが、私たちの生活に彩りをもたらしてくれる。 洋菓子の歴史は記憶によって語り継がれるため、伝説や珍説が生まれやすい。その全てを真に受けないためにも、洋菓子の背景にある文化史を理解することは重要だ。 著

駅前、繁華街などのエリア単位、あるいは個別の建物やお店といった単位の個性ならば目につきやすい。一方でもっと大きなレベル、都市のデザインの個性となると、なんとなく歩くだけでは見えてこないもの。仕事で月に1、2回国内出張に出かけるが、オフィスの密集する中核都市のようなところほどかえって特徴が掴みづらく、一見すると新鮮さに欠ける感じがする。 本書は都市計画の第一人

読書会のやり方は人によって様々だと思うが、面白く実施するためにはいくつかの条件がある。たしかに同じような読書量のメンバーが集まり、本をネタに好き勝手言い合うだけでも、それなりの楽しさはあるだろう。 しかしそれを継続的に習慣化していくためには、少なからず妄想のような会話にリアリティが伴ってくる必要がある。HONZの例で言えば、サイエンス本の話に触れながら、ふと