ノンフィクションはこれを読め!

新刊超速レビュー

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292記事

山の本にはずれなし!『アルピニズムと死』 書影

人物 / 新刊超速レビュー

山の本にはずれなし!『アルピニズムと死』

HONZでは、鳥本にはずれなし、という格言(?)がある。鳥をあつかったノンフィクションは間違いなくおもしろいというのだ。異を唱えるものではないが、山本(やまもと、じゃなくて、山の本)にこそはずれがない、というのが持論だ。これまで読んだなかで、一冊たりとも、つまらなかった山の本などない。 ヤマケイ、山に関係ない人にとっては何かわからないかもしれないが、登山雑誌

『世界一の紙芝居屋 ヤッサンの教え』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『世界一の紙芝居屋 ヤッサンの教え』新刊超速レビュー

紙芝居が、KAMISHIBAIとして、最近、海外で評価されつつある。紙芝居はアニメやマンガとの類似性も多く、日本独自のメディアアートである紙芝居に注目が集まっているそうだ。日本初のマンガ博物館、京都国際マンガミュージアムでは、紙芝居をアニメやマンガの源流と位置づけ、同館内に常設の紙芝居小屋を開設している。そこでは毎日紙芝居一座による口演会が行われ、ミュージア

『異常気象が変えた人類の歴史』新刊超速レビュー 書影

世界史 / 新刊超速レビュー

『異常気象が変えた人類の歴史』新刊超速レビュー

歴史をどう捉えるか。専門家の間でも長年にわたって議論されてきた話だが、私を含め、門外漢からするとどうしても個人の行動を中心に読み解きがちだ。 だが、考えてみれば至極当然だが、我々の生活を形作ったのは、遠い昔の誰かであるケースは非常に少ない。長期の気候変動が食文化や生き方を変えてきたのが人間の歴史である。短期的、局地的に見ても歴史の転換点となる戦争の趨勢に気候

まだ死ねない『一生に一度だけの旅 極上の世界旅行』 書影

生物・自然 / 民俗・風俗

まだ死ねない『一生に一度だけの旅 極上の世界旅行』

ふだんから活字を読みすぎている方に、ここでちょっと一息。 本書は生涯忘れられない「一生に一度の極上の旅」を体験するために、今行くべき魅惑的な大都市や美しく雄大な大自然の数々を紹介している。ということは、残りの人生でどれだけの海外旅行にいけるか逆算できるガイド本でもある。 ナショナルジオグラフィックが誇る旅の達人とカメラマン達がつくるだけあって、世界400箇所

『ベスト珍書』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『ベスト珍書』新刊超速レビュー

珍書プロデューサー、ハマザキカク人生初の書き下ろしだ。彼の公式役職名は珍書編集者ではなく、珍書プロデューサーだ。なにしろ、たったひとりで著者を発掘し、原稿を整理し、校閲し、DTPで組版し、表紙をデザインし、書店営業し、イベントを企画しているのだ。普通の編集者は自分では校閲などしない。そもそも、それを校閲とは言わない。などというツッコミは野暮である。普通の編集

『大富豪破天荒伝説 Best100』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 人物

『大富豪破天荒伝説 Best100』新刊超速レビュー

巨額の資産を持つ人のことを人々は大富豪と呼ぶ。大富豪は金の力で歴史をも動かす。秦の始皇帝が中国統一を成し遂げられたのも、宗教革命が起きたのも、スエズ運河が開通したのも、元を正せば大富豪の行動に端を発している。 また大富豪には破天荒なお金の使い方をする人も多い。ありあまる富の力によって成し遂げられた歴史に残る大事業もあれば、「なんでこんなことにお金を?」と思う

『断言しよう、人生は変えられるのだ。』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『断言しよう、人生は変えられるのだ。』新刊超速レビュー

こういう本を待っていた!読み終わったときに心からそう思った。私は時代を超越する普遍性を持った本を常に待ち望んでいる。保守的かもしれないが、私はビジネス書では、『道は開ける』や『人を動かす』といった古典が好きだ。 以前レビューをした『嫌われる勇気』 などにも通じるところがあり、10年後、20年後に読んでも古びることのない普遍性がこの本にはあると思う。自己啓発書

『辻静雄』を知っていますか? 新刊超速レビュー 書影

人物 / 新刊超速レビュー

『辻静雄』を知っていますか? 新刊超速レビュー

二昔以上も前に世話になったおじさんに逢った。このムックを書店で見かけた時、そんな気がした。いまは亡き 辻静雄 の名前、どれくらいの人が知っているのだろう。『 辻調理師学校 (現・辻調理師専門学校) 』の創始者、といっても、地元大阪ではいざしらず、全国的にはどんなものなんだろう。 グルメという言葉が根付いた頃、後に直木賞を受賞する 海老沢泰久 が書いた『美味礼

『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』新刊超速レビュー

昨年、地元の駅が改装されて、その中に成城石井ができた。それからというもの輸入菓子や、ワインなどをよくそこで購入するようになった。輸入菓子はちょっと高いけれども、成城石井じゃないと売ってないものも多くとても重宝している。 ワインを買うときはつまみになるチーズやオリーブも一緒に買いたいとおもっているのだけど、あまりに種類が多すぎて、いつもどれを買ったらいいのかわ

『日本の蹴鞠』サッカーを語るために! 書影

アート・スポーツ / 新刊超速レビュー

『日本の蹴鞠』サッカーを語るために!

今回のブラジル・ワールドカップで、日本のテレビ局に提示された放送権料は400億円。NHKはその7割を負担しているといわれている。現在、受信料を支払っている世帯数は3500万弱だから、1世帯あたりの負担は800円となる。この負担額が高いか安いかについては、これから議論になるかもしれない。 ともかく、この巨額の放送権料の支払いを正当化するため、NHKを含む在京キ

そこまできてる『1000ドルゲノム』の時代に備えよ! 新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 医学・心理学

そこまできてる『1000ドルゲノム』の時代に備えよ! 新刊超速レビュー

分厚い本である。内容もやさしくはない。しかし、10年後には、自分の健康が気になるすべての人が理解しなければならない本だ。千ドルゲノム、我々の細胞がもっているゲノム情報。すなわち、DNAの四つの文字ACGT、その60億塩基対にもおよぶ並び方をわずか千ドルで調べることができる時代がそこまできているのだ。 内容は大きく三つに分かれている。一つは、千ドルゲノムを可能

『文楽へようこそ』 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『文楽へようこそ』

ゴールデンウィーク前、締め切りが立て込んでいる中、大阪の文楽の観劇を強行した。人間国宝、竹本住大夫引退興行の第1弾であり、めったに掛からない「菅原伝授手習鑑」の通し舞台だったからだ。ちょうど直前に菅原道真と藤原時平の小説の文庫解説を書いたばかりで、筋書きが頭に入った状態で改めて通して観てみたかったのだ。理不尽だと思っていた「寺子屋の段」が理解できて、初めて松

『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』新刊超速レビュ- 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『99%の絶望の中に「1%のチャンス」は実る』新刊超速レビュ-

東日本大震災の津波により、すべてが流されてしまった宮城県山本町。そこではいま、最先端の技術を用いたイチゴ農場が運営されている。iPadやMac Book Airで水や温度の管理をし、働く人はセグウェイで移動し収穫をしている。そんな最新鋭のIT技術と、ベテランのイチゴ農家の知恵が融合してできたイチゴは、伊勢丹新宿店においてなんと1粒1000円!で売られていると

『アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉』新刊超速レビュ- 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『アルフレッド・アドラー人生に革命が起きる100の言葉』新刊超速レビュ-

人間は人生を描く画家である。 あなたを作ったのはあなた。 これからの人生を決めるのものあなた。 これはアドラーの言葉である。この言葉が深く胸に突き刺さってぬけないでいる。私はいままでどんな自分をつくってきたのだろうか?そしてこれからどんな人生を描いていくのだろう?この本を読んでからついそんなことを考えてしまう自分がいる。 先月レビューをした 『嫌われる勇気』

『仁義なきキリスト教史』 新刊超速レビュー 書影

世界史 / 新刊超速レビュー

『仁義なきキリスト教史』 新刊超速レビュー

昨夜、 Facebook上でお騒がせいたしました 注目の新刊はこれでございます。間違いなくHONZメンバーが先制攻撃をしてくると思われるため、決死の「新刊超速レビュー」で紹介することにいたしました。 なにしろ本書は全編にわたった広島弁・やくざ弁で構成されるという奇跡のキリスト教史。東映のヤクザ映画を見ていた年代の人々にも、そうでない人々にも驚愕の一冊でありま

『決定版 道は開ける』2014年のベストビジネス書はこれで決まり? 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『決定版 道は開ける』2014年のベストビジネス書はこれで決まり?

2 014年もまだ10か月残っているけれど、はやくも今年のベストと思われるビジネス書と出会ってしまった。『決定版カーネギー 道は開ける』だ。この本が1冊あれば他の自己啓発書はいっさい必要ない。そう断言してもいいと思える1冊である。この本には世界の真理が書かれている。自己啓発書は湯水のように毎年たくさん発売されているが、そういった本をたくさん読むよりも、この本

『すばらしき特殊特許の世界』 書影

教養・雑学 / 社会

『すばらしき特殊特許の世界』

我ながら素晴らしいアイデアを思い付いたときに、「これ特許にしたら儲かるかな」などと想像した経験はないだろうか? 私はある。しかし、そのアイデアを具体的に特許にするやり方は、ほとんどの人が知らないはずである。 本書は一般的な特許出願方法から、常識では考えられないような特殊特許まで、笑えて学べる特許の入門書になっている。この本のポイントは「笑えて学べる」にある。

『WILDER MANN』ヨーロッパの獣人たち 書影

民俗・風俗 / 新刊超速レビュー

『WILDER MANN』ヨーロッパの獣人たち

ヨーロッパ19カ国で現在も行われている冬から春にかけての祭りに登場する「ワイルドマン」たちを撮影した写真集である。それにしてもじつに不思議だ。「なまはげ」も含め、なぜ北国の冬はこのような存在を必要とするのだろうか。 160点の写真に収められている衣装をそれぞれじつに個性的だが、全体を見渡すとどこか同じ匂いがする。毛皮、つの、仮面、ベル、麦わら、袋。使われてい

『ナチュラル・ファッション』自然を纏うアートな人々 書影

民俗・風俗 / 新刊超速レビュー

『ナチュラル・ファッション』自然を纏うアートな人々

華道草月流をご存知だろうか。華道といえば、15世紀京都六角堂の僧侶池坊専慶を祖とする池坊(いけのぼう)が一般に有名だが、草月流は20世紀に入って勅使河原蒼風によって創設された新しい華道である。勅使河原蒼風は「花のピカソ」とも呼ばれ、サルバドール・ダリなどとも親交があった。本拠地は赤坂の草月会館だが、設計は丹下健三、石庭はイサム・ノグチの作品だ。草月流は自由に

なぜ殺した。ゆかりちゃんは今どこにいる。『殺人犯はそこにいる』新刊超速レビュー 書影

社会 / 事件・事故

なぜ殺した。ゆかりちゃんは今どこにいる。『殺人犯はそこにいる』新刊超速レビュー

「進んでしまった時計の針を戻すことは出来ない。あの日、事件は起こってしまった。」著者、清水氏は思う。「だが、なぜだったのか?」普通のどこにでもいるような女子大生がストーカー被害の末殺害された、「桶川ストーカー殺人事件」。当時、雑誌「FOCUS」編集部に在籍した清水氏は、独自取材の末殺人犯を探し当て、埼玉県警上尾署の不祥事を暴いた。その一連の取材過程を記した前

『おじさん追跡日記』-新刊超速レビュー 書影

新刊超速レビュー

『おじさん追跡日記』-新刊超速レビュー

12月の22時以降の山手線の中での「おじさん」の存在感はすごい。つり革を命綱に周りの人にぶつかりまくる泥酔おじさんや、飲んだ帰りなのだろうが何故か同僚にひたすらケンカを売りまくるおじさん。おまえの頭は何トンあるんじゃと突っ込みたくなるほど座席で隣のオネーさんに頭を預けるおじさんなどがいる。格好も千差万別で見ていて飽きない。ただ、私がこうした肯定的な気持ちを抱

「夢の病院をつくろう」新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

「夢の病院をつくろう」新刊超速レビュー

チャイルド・ケモ・ハウスという医療施設をご存じだろうか。小児がんに関する研究事業、啓発事業を行っている NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス が設立した日本初の小児がん専門の治療施設である。この施設は「夢の病院」であるという。夢?いったいどういうことだろう。高度な先端治療を受けられる施設なのか。ファンタジー世界を現実化したような施設なのか。誰にとっての、どんな

『あなたはボノボ、それともチンパンジー? 』 新刊超速レビュー 書影

生物・自然 / 新刊超速レビュー

『あなたはボノボ、それともチンパンジー? 』 新刊超速レビュー

あなたはボノボ、それともチンパンジー? 答えに困る質問である。もちろん、私たち人間はそのどちらでもない。しかし、彼らはもっともヒトに近い類人猿だ。ヒトがチンパンジーとボノボの祖先と分岐してから、わずか100万年しか経過していないという。大人になっても遊びをやめないボノボ、集団同士で激しく殺しあうチンパンジーの特徴を本書で知れば知るほど、ヒトと彼らの類似性に驚

『柴犬マイちゃんへの手紙』 新刊超速レビュー 書影

事件・事故 / 新刊超速レビュー

『柴犬マイちゃんへの手紙』 新刊超速レビュー

昨年春に起こった 「亀岡市登校中児童ら交通事故死事件」 を始めとして、今年9月に起こった 「京都・八幡の登校中の小学生の列に車で突っ込み5人重軽傷を出した18歳少年の事件」 など無謀運転で犠牲者が出るたびに大きな憤りを感じる。免許を取って30年以上、事故ったことが無いわけではないが、遊び半分に暴走したことなど一度もない。若さはバカさであるけれど、取り返しのつ

『ココロの盲点』新刊超速レビュー 書影

医学・心理学 / 新刊超速レビュー

『ココロの盲点』新刊超速レビュー

認知心理学や行動経済学といったジャンルの本が好きで、書店でみかけるとつい買ってしまう。『経済は感情で動く』、『世界は感情で動く』、『予想通りに不合理』、『ずる』(村上のレビューは こちら )、『ファスト&スロー』(山本のレビューは こちら )、『ダニエル・カーネマン心理と経済を語る』、『ヤル気の科学』。ぱっと思いつくだけでも、これだけの本を過去に購入している

『ルポ虐待―大阪二児置き去り死事件』新刊超速レビュー 書影

社会 / 事件・事故

『ルポ虐待―大阪二児置き去り死事件』新刊超速レビュー

虐待。この言葉が、当たり前のようにニュースに流れるようになったのは、いつぐらいからだっただろうか。自分の保護下にある人や物に対して日常的に危害を加えたり、危害の脅威を感じさせたりすることを指している。 子どもに対する虐待は、児童虐待と呼ばれる。児童虐待の防止等に関する法律では、その定義を以下のようにしている。 ( 厚生労働省HP より) 一 児童の身体に外傷

『そして日本経済が世界の希望になる』新刊超速レビュー 書影

社会 / ビジネス

『そして日本経済が世界の希望になる』新刊超速レビュー

相変わらずのクルーグマン節炸裂の一冊だ。 クルーグマンと言えば、歯に衣着せぬ発言で知られるノーベル経済学者。時の権力者や著名経済学者をバッサリ切り捨てる容赦ない批判姿勢は、いつも賛否両論を呼んでおり、ファンもアンチも多い経済学者である。本書でも切れ味は抜群であり、米ハーバード大学のカーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ両教授をばっさり切り捨てている。 インタ

『病んだ部下とのつきあい方 精神科が教える上司の心得』 書影

医学・心理学 / ビジネス

『病んだ部下とのつきあい方 精神科が教える上司の心得』

先日、古い友人と食事をしていて仕事の話になった。彼女は、ある地方自治体で親子支援の関係部署で働いている。苦労の末に資格も取り、優しい物腰やきちんとした対応で、組織の中からも相談される父兄からも信頼され頼りにされている。 しかし、その日打ち明けられた部下との確執は深刻だった。自分勝手では片づけられない支援者への態度、情報を捻じ曲げて報告し現場を混乱させ、友人を

『糖尿病とウジ虫治療』 新刊超速レビュー 書影

医学・心理学 / 生物・自然

『糖尿病とウジ虫治療』 新刊超速レビュー

いまや国民の6人に1人がかかるとも、40代以上の3人に1人がかかるとも言われている糖尿病。この病気の恐ろしさは、それ自体というより、血管の内皮機能が障害されて起こるさまざまな合併症にある。足の傷から潰瘍になり、感染を起こして下肢切断を余儀なくされることも多いのだ。 今、それらの潰瘍を全く意外な切り口、かつ単純なやり方で治癒する方法に注目が集まっている。それは

『ルールを変える思考法』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『ルールを変える思考法』新刊超速レビュー

ソーシャル時代の新しい選書レーベル 角川EpuB選書 が本日創刊した。創刊のラインナップは角川歴彦(KADOKAWA社長)の『グーグル、アップルに負けない著作権法』、西村卓也(角川アスキー総合研究所客室研究員)の『HTML5で描く未来 クラウド2.0が社会を変える』、クリストファー・スタイナー(起業家・ジャーナリスト)の『アルゴリズムが世界を支配する』。そし

『料亭「吉兆」を一代で築き、日本料理と茶の湯に命を懸けた祖父・湯木貞一の背中を見て、孫の徳岡邦夫は何を学んだのか』新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 人物

『料亭「吉兆」を一代で築き、日本料理と茶の湯に命を懸けた祖父・湯木貞一の背中を見て、孫の徳岡邦夫は何を学んだのか』新刊超速レビュー

9月半ば、台風18号が本州を襲い、各地に大きな被害をもたらした。特に驚かされたのが京都の洪水だ。桂川が氾濫し、嵐山の渡月橋が今にも流されそうな映像に胸を痛めた人は多かっただろう。 嵐山の料亭といえば「吉兆」である。 ブログ に寄れば洪水は吉兆の門まで来たが、幸いにも庭の一部が浸水しただけで、建物自体に大きな被害はなかったそうだ。 この長い長いタイトルの新刊は

『関東連合』、『鎮魂』 新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

『関東連合』、『鎮魂』 新刊超速レビュー

昨年9月の六本木クラブ襲撃事件以降、新聞、雑誌をこの漢字四字はどれだけにぎわしただろうか。俗物の塊である私も雑誌を捲ったり、そういう筋を取材している知人に聞いたりもしたのだが、聞けば聞くほど、よくわからないのである。東京の夜の街を全て牛耳っているだの、山口組も戦闘力ではしのぐだの。メディアは実態が見えないからか、煽り続け、彼らの姿をひたすら肥大させた。こうし

『宇宙探査機』 新刊超速レビュー 大型本フェア第3弾! 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『宇宙探査機』 新刊超速レビュー 大型本フェア第3弾!

まずはカナダ国民に感謝しなければならない。本書は大型本フルカラー390ページ(索引含め)のいわゆる豪華本なのだが定価は4000円。同種の大型本に比べれば圧倒的に安いのだ。それもそのはず、本書の制作にあたってはカナダ政府から助成金が出ているというのだ。何のためにカナダ政府が助成したのさっぱりわからないし、どの程度の金額だったかもわからないが、ありがたいことであ

『写真家と名機たち』 新刊超速レビュー 大型本フェア第2弾! 書影

アート・スポーツ / 新刊超速レビュー

『写真家と名機たち』 新刊超速レビュー 大型本フェア第2弾!

悩みに悩んだあげく、ついにソニーのデジタルスチルカメラDSC-RX1Rを買ってしまった。なんと20万円超えのコンデジである。しかし、ここ数年間で買ったあらゆるものの中でもっとも満足度が高く、2日間続けて枕元において一緒に寝る始末。生まれて初めてライカを買った時よりも興奮するとは夢にも思わなかった。 簡単に撮った画像がスゴイのだ。肉眼では見えなかったものを写し

『英国流ホビー養蜂のすべて』 新刊超速レビュー 大型本フェア第1弾! 書影

生物・自然 / 新刊超速レビュー

『英国流ホビー養蜂のすべて』 新刊超速レビュー 大型本フェア第1弾!

大型本とはA4サイズより大きな紙を使った本のことである。多くの場合、文章だけでは説明しずらい物事や、写真やイラストが主役の本だ。本棚に置いては見栄えがするので、本マニアとしては内容や表紙もさることながら、背表紙の美しさが気になってしまう。本体はコート紙にグラビア印刷、表紙はハードカバーがほとんどだから重い本が多い。それでも大型にしなければいけない理由があるか

『プア充』新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

『プア充』新刊超速レビュー

「プア充」ってなに?とタイトルに惹かれて衝動買いして読んだ本が面白かったので紹介したい。プア充っていうのはプアなリア充(プアだけどリアルが充実している人)ってこと?と思ったら当たらずといえども遠からずという感じだった。本からプア充の定義を引用しよう。 ※ 少欲知足=世間の中で出世してお金を儲けるのではなく、欲望を抱かず満足して生きていくという考え方 そんなの

とりこになっちゃえ!『寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』新刊超速レビュー 書影

サイエンス / 生物・自然

とりこになっちゃえ!『寄生蟲図鑑 ふしぎな世界の住人たち』新刊超速レビュー

土屋さぁーーーん!!!大変ですぅ!!私、とんでもない素敵本を手に入れちゃいましたっ!! あ、いけない。 『ミクロの森』 、 『わたしたちの体は寄生虫を欲している』 とクールにレビューを書いてきたのに、つい素に戻ってしまった。むしわけない、じゃない。もうしわけない。いや、素で打ち間違えてしまった。わざとじゃないのです。これが 8月の朝会で噂のモザイクの向こう側

『東京スカイツリーを撮影している人を撮影した本』 新刊超速レビュー 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『東京スカイツリーを撮影している人を撮影した本』 新刊超速レビュー

東京スカイツリーをテーマにしているのだが、スカイツリー自体がどこにも出てこないという奇跡のような写真集。今やスカイツリーと同じくらい名物になっているのが、ツリーの全体像をカメラに収めようと格闘している人たちである。本書は、そんな人々による「決定的瞬間の決定的瞬間」ばかりを集めた一冊。 全132枚の写真とともに収められているのは、編集の妙である。各々の写真には

『わたしたちの体は寄生虫を欲している』新刊超速レビュー 書影

生物・自然 / 新刊超速レビュー

『わたしたちの体は寄生虫を欲している』新刊超速レビュー

プランター菜園のプチトマトを採り、Tシャツできゅきゅっと拭い口に運びかけて逡巡する。このトマト、というか、トマトについているかもしれない土に、寄生虫は潜んでいないだろうか。いや、むしろそれならば食べたほうがいいのだろうか。毎年花粉症に苦しむ身としては。 ほんの数十年前には、身の回りに寄生虫がうようよいた。しかし今では私たちはそれらを遠ざけることに成功している