
『京都ぎらい』を読んでいるのは、どんな人なのか?
桜開花のニュースを見ると、なぜだかソワソワし無性にどこかに出かけたくなります。書店の店頭も多くのレジャー誌、旅行ガイドブックで賑わっていますが、行き先別に見ると常に人気があるのが京都。この3月の売行きを見ても、20代~30代の若年世代ではUSJやディズニーリゾート関連書に負けるものの、60代以上ではダントツ1番人気となっていました。(WIN+調べ) そんな中
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桜開花のニュースを見ると、なぜだかソワソワし無性にどこかに出かけたくなります。書店の店頭も多くのレジャー誌、旅行ガイドブックで賑わっていますが、行き先別に見ると常に人気があるのが京都。この3月の売行きを見ても、20代~30代の若年世代ではUSJやディズニーリゾート関連書に負けるものの、60代以上ではダントツ1番人気となっていました。(WIN+調べ) そんな中

先月2月20日、南太平洋に浮かぶ島嶼国フィジーに、史上最大規模のサイクロンが上陸し、大きな被害をもたらした。それから間もない、復興に向けて大変な時期に、SNSに現れたフィジーの人たちの写真がこちら。 溢れんばかりの満面の笑み。見ているこちらのほうが元気をもらえそうだ。 世界各国で様々な天災・人災が起きているが、その直後で、これだけ明るい現地の人の表情を見たの

日本に暮らす人々は、日本における「原発の歴史」をほとんど知らなかった。 原発とは何で、いかに導入されて、いかなる社会的な位置づけをなされてきて、いかなる課題と可能性を抱えながらいまに至っているのか。 それは「不勉強のせい」だけではない。そもそも、福島第一原発事故以前、「原発の歴史」を一般向けかつ体系的、あるいは通史的に整理した人文社会科学系の研究・書物がほと

本書は Howard W. French, China’s Second Continent: How a Million Migrants Are Building a New Empire in Africa(Alfred A. Knopf, 2014)の全訳である。 わたしがいまアフリカで目にしているのは、中国が猛烈な勢いでつくってきたつぎ

世界中に存在する本の内容を読み取ってデータ化し、さまざまな形で利用できることを意図したグーグル・ブックス・プロジェクトが立ち上げられた時、そんなことができるのか(分量的な意味でも権利的な意味でも)と疑問に思ったものだ。それが今では、著作権侵害などさまざまな課題を残しつつも事業は継続し、検索した時にお世話になることも増えてきた。3000万冊以上の本をすでにデジ

2001年9月の同時多発テロは世界を変えた。少なくとも同テロ以降、アメリカはテロとの戦いに突入し、それは現在も続いている。そしてこのテロとの戦いの最前線に立つのが、国防総省(ペンタゴン)を中心とする米軍と中央情報庁(CIA)なのである。本書は主にCIAに焦点を当て、2001年以降、CIAがテロとの戦いと銘打って世界各国で何を行ってきたのかを、膨大

こんな話が出てくる。インドネシア・パプアで換金作物としてカカオを栽培している女性が、かなり広いはずのカカオ畑からほんの少し、重さにして3キロほどのカカオしか収穫してこなかった。なっている実を全部収穫すれば数十キロあるはずなのに、である。どうやら、食用油が切れたから、買い足すための現金を得られる分だけもいできたらしい。 本書は、市場経済中心のグローバル化の波に

数百万冊におよぶ書籍の単語を、ビッグデータと捉えたら何が見えてくるのか? Google がスキャンした大量の書籍で使われている単語・フレーズの使用頻度を年ごとにプロットするシステム「グーグル・N グラム・ビューワー」。本書はこのビューワー自身の開発者によって、「カルチャロミクス」と名付けられた全く新しい人文学研究を紹介した一冊である。本稿では、この研究の背景

国際政治経済のゲームのルールが変わりつつある。シェール革命により自国でエネルギーをまかなえるようになったアメリカは、中東の石油に依存する必要がなくなり、不安定化する中東情勢に介入しなくなった。 かつての世界の警察官が興味を失い、ますます混迷を極める現在の中東。一方で、資源の乏しい日本は そんな不安定な地域に エネルギーの大部分を依存しつづけている。アメリカに

2007年4月、ワシントン・ポスト紙の元記者でピュリツァー賞受賞者デイヴィッド・フィンケルは、バグダッド東部にあるラスタミヤという、だれも行きたがらないアメリカ軍前線基地に赴いた。そこは、「すべてが土色で、悪臭に覆われ」、「風が東から吹けば汚水の臭いがし、西から吹けばゴミを焼く臭いがし」、「外に出るとたちまち頭からブーツまで埃まみれになる」場所だった。 20

90年代末以降、刑事司法の厳罰化が進んでいる。80年代からは量刑はざっと見て倍になり、00年の少年法改正を皮切りに法律改正のラッシュが続いた。10年には時効も廃止された。 犯罪が増加したわけでも、凶悪化したわけでもない。むしろ諸外国と比べても日本の犯罪率は低い。東日本大震災時に被災者が避難所で整然と行動していたことは海外メディアにも絶賛された。 治安の良さと

2004年に北海道警察の裏金問題で告発を行った中心人物である、原田宏二氏が警察捜査の実態を解説した1冊だ。捜査の根拠となる法律はどのようなものなのか、それらは実際どれほど機能しているのか、なぜ権力の濫用が起きてしまうのか。ノンキャリアとしては最高のポストまで登りつめて退官した経験をもとに、著者は取り締まる側の視点から語っていく。冤罪事件から身近な取り締まりに

福岡県福岡市、介護施設の発行する雑誌がある。タイトルは 『ヨレヨレ』 。発行以来、九州は元より、各媒体で紹介され、ひそかに名を広めてきた雑誌だ。編集方針は「読んで面白い雑誌」。介護に縁のない人たちが読んで、「腹を抱えてげらげら笑ってもらえたら最高」、その内容は介護施設で起こったエピソードが中心だ。 発行元は社会福祉法人福岡ひかり福祉会が運営する 「宅老所より

効果的な利他主義者は その問いを突き詰めて考え、仕事を選択する。寄付先の選択も同様で、たくさんのいいことができる寄付先を選ぶ。例えば、 ・ 犬が好きなので、地元の動物シェルターに寄付している ・ 日本人なので、なによりも日本の恵まれない人たちに寄付をする ・ 妻が乳がんで亡くなったので、乳がん研究に寄付している ということについて、彼らはどのように考えるだろ

ヴォネガット最後の著作となったエッセイ集『国のない男』が2007年に日本でも出版され、その当時すでに、ほとんどのエッセイが訳されていたことから「ああ、これがエッセイとしては最後かぁ……」と感慨深く読んだのを今でもよく覚えている。『スローター5』などに代表される厳しい現実や愚かな人間を直視しながらも「そういうものだ(So it goes)」と言ってのける彼の優

南シナ海を舞台とした事件を伝えるニュースは後を絶たないが、その全体像はなかなか見えてこない。なぜ東南アジア諸国はこの地で争い続けているのか、各国が求めているものは何なのか、それぞれの主張はどうしてこれほど食い違っているのか。複雑に絡み合った各々の思惑と過去の記憶が、解決への道はもちろん、状況を把握することすら困難なものにしている。 マスコミが繰り返し報じてい

女性の貧困がメディアを賑わして久しい。働く単身女性の3人にひとりが年収112万円以下との統計もある。こうした貧困女性の中でも福祉の網から漏れ落ちた人々のセーフティーネットとして機能してきたのが性産業だ。 性産業の現場で何が起きているのかに迫ったルポは少なくない。本書でも母乳を欲しがる男性向けの風俗店や30分3900円で違法行為ありの激安風俗店、熟女専門店、他

慌ただしい事から傷ましい事まで、年明け早々大きなニュースが次々舞い込んでくるが、中でも異質な恐ろしさを感じたのが、 香港・銅鑼湾書店の関係者が失踪した という報道だ。後に中国当局が 拘束の事実を認めた が、共産党や国家指導者にとって都合の悪い本を売る人々を香港の中から連れ去るというのは、圧力のかけ方が尋常ではない。「一国二制度」が掲げられてきた香港の「自由」

ドローンという兵器はアメリカ軍が行う対テロ戦争において、なくてはならない存在になりつつある。様々なメディアなどでこの無人兵器が取り上げられているが、その運用実態や、どのような人間が何を考え、この兵器を遠隔操作しているかということは、あまり知られていない。なぜなら、本書でも述べられているが、ピンポイントでテロ組織の幹部を抹殺する、この兵器を運用するには、高度な

サンマ、アジ、キンメダイ、伊勢エビ、ウニ。真夜中、港に水あげされた魚介類がトラック約8000台で運ばれてくる。 これまで約80年にわたって日本人の食を支えつづけた世界最大規模の魚市場、築地市場。その全貌を、本書は水彩のイラストとともに解説している。物品の搬入、競り、仲卸、マグロ卸などひとつひとつの流れが丁寧に説明されているので、自分たちの食卓に魚はこうして届

バージニア州にダレス国際空港 という名の大空港がある。この空港が ジョン・フォスター・ダレス元国務長官 の名前に由来していることを、知らない人もいるかもしれない。著者は本書冒頭でこの空港を訪れる。この空港のシンボルである、ダレス国務長官の胸像を見るために。しかし、どこを探しても見つからない。幾度も改築を重ねるうちに胸像はどこかへ運びさられたようだ。空港関係者

今年は、年末年始の書籍売上が前年を突破!というちょっと明るいニュースからスタートしました。この勢いで本がガンガン読まれる一年になる事を祈っています。さて、そんな中、 昨年のピケティブーム を思い出しました。本体価格5,500円という異例のベストセラーは年末年始の長い休みの重厚な読書にぴったりだと言われていました。あのピケティ読者たちはこの年末年始は何を読んで
![見えない場所で起こり続ける壮絶な攻防──『スパム[spam]:インターネットのダークサイド』 書影](/assets/recovered-covers/a48eb1be4adb4cd20eb08ee8bf768dc547ee1729f6c2da31a43768586aab4634.jpg)
LINEがあるのでキャリアメールを開くことはなくなってしまったが、たまに開くと山のようにスパムメールがたまっている。普段使いのGmailにもたまにスパムメールはきているようだが、自動判定され目に触れる前にほとんどの振り分けを行っていてくれる。 時にミスって重要なメールを迷惑メールフォルダに入れているのはご愛嬌だが、もちろん普段は助かっている。その振り分けを見

昨年の山口組分裂騒動を受け、多くのメディアを賑わせた極道の世界。その一方で、ヤクザの総数は今や全国で6万人を切ったとも言われる。もはや絶滅危惧種とも言われ、岐路に立たされるヤクザ達だが、その実態はどのようになっているのだろうか? 報道やフィクションでは目にすることの多いヤクザの世界を、地上波のドキュメンタリーという形で映し出したのが、本作『ヤクザと憲法』であ

本書は久しぶりに登場したアメリカ人の手になる本格的な「日本論」である。(原書は2014年12月に英オックスフォード大学出版局よりJapan and the Shackles of the Past のタイトルで出版された。)その最大のテーマは、日本人の精神や行動にとって今も足枷となっている「歴史の呪縛」の本質を明らかにすることだ。その過程で、著者のR・ターガ
![『スパム[spam] インターネットのダークサイド』 書影](/assets/recovered-covers/a48eb1be4adb4cd20eb08ee8bf768dc547ee1729f6c2da31a43768586aab4634.jpg)
本書『スパム[spam] インターネットのダークサイド』は、スパムという現象を切り口にして、インターネットの影の歴史を描いた「テクノロジーのドラマ」である。インターネットを利用する全ての人々にとって、スパムを目にしない日は存在しないはずだが、その全体像を体系的に理解する機会はあまり存在しなかったのではないだろうか。本書はスパムを正

本書はイラクで暗躍する民間軍事会社を扱ったルポタージュである。2009年に出版された同タイトルの文庫版であるため、扱われている事件やイラクの政治状況は少し古いものとなる。しかし今のイラク情勢に繋がるヒントの一端は読み解くことが出来る。 著者はワシントンポストの特派員としてイラク戦争を取材する。その活動により2006年にはピュリッツァー賞を受賞している。著者自

1970年代の日本では、中間層の膨張が誇張され、「一億総中流」という言葉がよく使われた。しかし、90年代初めのバブル崩壊後の長期不況の中で、年収300万円未満の所得階層が大幅に増加し、全体の過半数に達した。その一方で、300万円以上の所得階層が大幅に減少して、日本は「中流社会」から「格差社会」に移行したと言われるようになった。その格差社会への移行の本質は、雇

果たして、英雄に惹きつけられない人がいるだろうか? といえば、もちろんいるにはいるのだろうが、大抵の場合英雄とは憧れ、理想的な対象として存在している。神話におけるヘラクレス、あるいは仏教におけるブッダ、アーサー王にイエス・キリスト。神話クラスの人間でなくとも数十数百といった年数を語り継がれてきた民間伝承やお伽話には数限りなく人間の弱さを克服し前に進む英雄の姿

「おべんとう」と聞いて、あなたはどんなおべんとうを思い浮かべるだろう。手作り弁当、コンビニ弁当、駅弁、行楽弁当…。「おべんとう」と一口に言っても、その幅は広く、さらに「おべんとう」の “向こう側”に想いを馳せると、そこには果てしない世界が広がっている。 本書は、お弁当箱に詰め込まれた色とりどりのおかずを1つ1つ食べていくかのように、「おべんとう」に紐づく多種

表紙とタイトルから想像できないが、 文体も内容も驚くほど硬派だ。 エロ本を論じているのに全くエロくない。 確かに小中学校のPTA会長のお母様が白目をむくような内容も含 まれるが、 XVIDEOSで毎日が絢爛豪華のエロのフルコース状態の21世紀 の男女には時代を切り取った、 ひとつの産業ノンフィクションとして楽しめるはずだ。 エロ本が存亡の危機に立たされて久し

世界最強国家アメリカで、最も影響力を持つのはどの一族だろう。20数年間で2人の大統領を輩出し、さらに3人目の大統領候補を送り出そうとしているブッシュ家だろうか。世界最大の石油企業スタンダード・オイルに始まり、金融や軍事関連企業を次々と傘下におさめ、政界にも強いコネクションを持つ ロックフェラー家 だろうか。 夫婦で大統領となる可能性の出てきたクリントン家や世

チャリティを、情緒でなく数字で考えたらこうなった! 本書『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと』は、ピーター・シンガーがシリコンバレーから広がる新たなライフスタイルの全貌を描き出した一冊。誰がために金を稼ぎ、何のために金を使うのか? そしてなぜ今「効果的な利他主義」なのか?(HONZ編集部) こんな場面を思い浮かべて下さい。あなたの目の前に、栄養

新聞社が社員を派遣しない危険地帯に潜り込むフリーランスの戦場カメラマン、横田徹氏の著書である。今年1月のISISによる邦人人質事件の際には、2週間で36本のテレビ番組に出演し、さらに新聞や雑誌の取材を10本受けていたというので、名前を知る人も少なくないだろう。 アフガニスタン、パキスタン、シリア、パレスチナ、リビア、ソマリア、カンボジア、コソボ……。著者が撮

藤井誠二が書いたのでなければ、私はこの本を手に取らなかっただろう。「少年A」というキーワードはこのところ食傷気味で、もういいかげんうんざりしていたのだ。 2015年の夏、突然出版された『絶歌』という手記も、ノンフィクションを主に書評している私は読まないわけにはいかなかったし、誰かに聞かれれば内容だけでなく、構成力や文章の巧拙についても語らなければならなかった

シリアルキラーと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。ヒッチコック監督の映画『 サイコ 』だろうか。それとも『 羊たちの沈黙 』に出てくるハンニバル・レクターを思い浮かべるだろうか。若い人ならアメリカのテレビドラマ『 クリミナル・マインド 』を連想する人もいるだろう。本書は実在のシリアルキラーたちをFBIが使用しているプロファイリングを基に分析、分類した

白馬に乗った王子様には掃除をすべき城がある 少子化や「女性の活躍」についてはたくさんの本が出ているが、本書は出だしにあるこのフレーズを見て続きを読まずにいられなくなった。 おとぎ話はたいてい、王子と姫が試練の末に結ばれ、その後ずっとお城で幸せに暮らしました、というところで終わる。物語としてはそれでいいのだが、本書はあえて王子と姫のその後を想像するところから始

この人を見よ。 縮みゆく出版市場、実家の倒産、東日本大震災…かずかずの苦難をへて、なお前進しつづけるそのバイタリティの秘密とは?地方で生きていくということ、そして本と人が出会うことの意味を問う、生ける伝説の書店員、初の著作! この本が入荷した日、東京、八重洲ブックセンター本店にはこんな文言のパネルが掲げられた。 この人を見よ。東京駅の前に位置する日本有数の有

科学者も法律家も仮説からスタートする。しかし、法廷と科学の世界はそれぞれがまったく異なった伝統を代表していて、科学による真実の追求と、正義に仕える法制度のあいだに衝突が起こるのはもはや避けられない、永遠の命題である。法律家と科学者はお互いのことを「誤りはそれが真理を含めば含むほど危険である」とかつて表現されたような、古くからいわれる知の罠の餌食として見ている

本書では北村孝紘、松永太、角田美代子など平成の凶悪殺人事件の主犯10人に迫っている。凶悪という言葉がかすむほど、彼らの犯行は理不尽で壮絶だ。 被告である家族4人全員に死刑判決が下った「大牟田4人殺害事件」。残虐性からマスコミが報道を自主規制した「北九州監禁殺人事件」。「大阪養子縁組連続殺人事件」は養子縁組や結婚、離婚を繰り返した保険詐欺グループの周りで交通事