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995記事

一人の学者裁判官が目撃した司法荒廃、崩壊の黙示録!『絶望の裁判所』著者・瀬木比呂志氏インタビュー 書影

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一人の学者裁判官が目撃した司法荒廃、崩壊の黙示録!『絶望の裁判所』著者・瀬木比呂志氏インタビュー

2月18日に講談社現代新書より、裁判官たちの精神の荒廃と堕落を描いた『 絶望の裁判所 』が刊行されます。著者の瀬木比呂志氏は、明治大学法科大学院専任教授で元裁判官。民事訴訟法のスペシャリストとして知られ、専門書のみならず、小説や芸術論の著作も多い。最高裁中枢を知るエリートでもあった瀬木氏はなぜ法服を脱ぎ、日本の司法に警鐘を鳴らす問題作を執筆したのか? 背景に

『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男 書影

社会 / 事件・事故

『教誨師』 死刑囚と向き合い続けた男

教誨師とは、拘置された死刑囚と唯一面接できる民間人である。面接を望む死刑囚と対話し、ときに悔悟を促し、教え導く役割を負う。そしてさらに、面接を続けた死刑囚の刑の執行にも立ち会うという、過酷な任務でもある。 無報酬の「仕事」であり、多くの場合、牧師や僧侶など宗教家が、その役割を担う。そんな過酷な仕事をタダで誰がやるのか、と疑問が起こるが、宗教家にとって「教誨師

『ヤンキー経済』六本木からも丸の内からも見えない世界 書影

社会 / ビジネス

『ヤンキー経済』六本木からも丸の内からも見えない世界

本書は業種や職種によっては、いますぐ役に立つビジネス書である。最終章のタイトルは「これからの消費の主役に何を売るべきか」。その最終章にはたった780円でこんなに教えてもらっていいのかというほどたっぷりと、具体的なビジネスのアイディアが満載なのだ。 たとえば、これからのビジネスとして、ネットでの有名ブランドの中古品販売は流行るはずだ。その場合はPCサイトではな

『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 この街には行くところがない 書影

社会 / 事件・事故

『誘蛾灯 鳥取連続不審死事件』 この街には行くところがない

2009年秋、2つの連続不審死事件が明るみに出た。いずれも30代の小柄の肥満体型の女性が幾人もの男性を虜にして多額の金を貢がせていた格好だったが、世間の反応は対照的だった。 首都圏でネットを通じて知り合った中高年の独身男から金をだまし取り「セレブ」な生活を送った木嶋佳苗。法廷での服装や突拍子のない発言まで詳細に報じられ、佳苗の裁判の「追っかけ」まで登場した。

『すばらしき特殊特許の世界』 書影

教養・雑学 / 社会

『すばらしき特殊特許の世界』

我ながら素晴らしいアイデアを思い付いたときに、「これ特許にしたら儲かるかな」などと想像した経験はないだろうか? 私はある。しかし、そのアイデアを具体的に特許にするやり方は、ほとんどの人が知らないはずである。 本書は一般的な特許出願方法から、常識では考えられないような特殊特許まで、笑えて学べる特許の入門書になっている。この本のポイントは「笑えて学べる」にある。

どうしてこんなに流行っているの?『「おネエことば」論』 書影

教養・雑学 / 社会

どうしてこんなに流行っているの?『「おネエことば」論』

いつのころからだろう、テレビのバラエティ番組に「おネエ」言葉が溢れるようになってきたのは。異形の麗人たちの姿に驚かなくなってしまったのは、なぜなんだろう。世間の御意見番のような立場に、彼(彼女)らはどうして使われているのだろう。 最近は不思議とも思わなくなっていた、そんな現象を外国人の言語学者が論じた一冊、それが『「おネエことば」論』である。 17歳で日本に

『それでも、私は憎まない』 人間は、みな同じだから 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『それでも、私は憎まない』 人間は、みな同じだから

失った。本書の著者、パレスチナ人医師のイゼルディン・アブエライシュは、あまりに多くを失ってしまった。それは彼が、妻を急性白血病で亡くしてしまったものの、8人の子供たちと前向きに生きていこうと決意した矢先の出来事だった。2009年1月、3人の娘と1人の姪は、二度と抱きしめることができないほどに遠くへと旅立ってしまった。奪われた、という表現の方が適切かもしれない

『政治の起源 下』 法の支配と政府の説明責任 書影

社会 / 世界史

『政治の起源 下』 法の支配と政府の説明責任

先史時代にまでさかのぼり、多くの国・地域を比較することで、政治制度の起源に迫っていく本書は、2013年出版本でおすすめNo.1だ。著者フランシス・フクヤマによる起源をめぐる探求は広く、深い。上下巻合わせて700ページ超という大著でありながら、複雑に絡み合った歴史の流れが明快な論理に則って展開されるため、最後までまったく飽きさせない。ページをめくるたびに、1行

『司法権力の内幕』-絶望的な、あまりに絶望的な実態 書影

社会 / 事件・事故

『司法権力の内幕』-絶望的な、あまりに絶望的な実態

裁判官たちは何を考えて裁いているのか。我々素人は「法と証拠」と答えるかもしれない。だが、冤罪は後を絶たないし、冤罪の疑いが強まっても耳を傾けない司法の姿が浮かぶ。著者は裁判官の頭には裁判の公正や司法の正義の概念はないと説く。司法権力という見えない組織にがんじがらめにされ、根拠を深く考えずに自動機械的に事案を処理する「司法囚人」の姿こそが裁判官の実像だと本書全

著者インタビュー『殺人犯はそこにいる』清水潔氏 書影

社会 / 事件・事故

著者インタビュー『殺人犯はそこにいる』清水潔氏

79-96年に北関東で5人の少女が殺害、行方不明になった事件。この5つの事件に連続性を見出し、真犯人に迫ったのが本書だ。5件の事件のひとつが「足利事件」。著者はDNA型鑑定に着目した調査報道で、服役していた菅家利和さんの冤罪の立証を支えた。一方、DNA型鑑定に注目したことで、九州で2人の女児が殺害された飯塚事件の判決にも疑問を持ち、取材に乗り出すが、そのこと

『殺人犯はそこにいる』 - 真犯人への挑戦状 書影

社会 / 事件・事故

『殺人犯はそこにいる』 - 真犯人への挑戦状

ただならぬタイトルの裏側には、ただならぬ闇が潜んでいた。地を這うような調査によって、ドミノ倒しのように明かされていく衝撃の事実。報道という武器を駆使して次々に繰り出される手技。それでも事態は動かない。「真実」への道のりは、ここまで遠いものか。そして「当たり前」のことを当たり前のように行うのは、ここまで難しいものか。 北関東連続幼女殺人事件は、栃木県足利市、群

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社会 / HONZ客員レビュー

『ビスマルク』 by 出口 治明

明治維新の後、新しい国創りのモデルを求めて欧米諸国に歴訪した岩倉使節団が最も感銘を受けたのは、ドイツ帝国宰相ビスマルクとの会見だったと言われている。明治日本のグランドデザイナー大久保利通や、その衣鉢を受け継いだ伊藤博文は、常に日本のビスマルクたらんと心がけた。こうして、ビスマルクの領導したプロイセンが、明治日本のモデルとなったのである。 本書は、そのビスマル

なぜ殺した。ゆかりちゃんは今どこにいる。『殺人犯はそこにいる』新刊超速レビュー 書影

社会 / 事件・事故

なぜ殺した。ゆかりちゃんは今どこにいる。『殺人犯はそこにいる』新刊超速レビュー

「進んでしまった時計の針を戻すことは出来ない。あの日、事件は起こってしまった。」著者、清水氏は思う。「だが、なぜだったのか?」普通のどこにでもいるような女子大生がストーカー被害の末殺害された、「桶川ストーカー殺人事件」。当時、雑誌「FOCUS」編集部に在籍した清水氏は、独自取材の末殺人犯を探し当て、埼玉県警上尾署の不祥事を暴いた。その一連の取材過程を記した前

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アート・スポーツ / 社会

なにわの爆笑王に学ぶ『青春の上方落語』的修行論

あけましておめでとうございます。お正月の三箇日はいかがすごされましたでしょうか。私儀、元旦の朝から、大阪は天満天神繁昌亭へ行き、贔屓の 笑福亭福笑師匠 に大笑いさせてもらってきました。 そこから復興できたのは、後に四天王と呼ばれるようになる四人の落語家、 六代目笑福亭松鶴 、 桂米朝 、 三代目桂春団治 、桂小文枝(後の 五代目文枝 、いまの 文枝 =以前の

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サイエンス / 社会

『滅亡へのカウントダウン』 - 人口バランスのイノベーションを求めて

新年早々、なかなか刺激的なタイトルだが、陰謀論めいた話でもなければ、悲観論のみに終始した内容でもない。 新しい年を迎えると、人は「おめでとう」と言う。友人や知人に赤ちゃんが誕生しても「おめでとう」と言うだろう。だが、そんな身の回りの「おめでとう」の集積が、社会や世界全体で見た時にも、本当に「おめでたい」状況になっているのか。そこには、直視しなければならない現

『問答有用 ― 中国改革派19人に聞く』 by 出口 治明 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『問答有用 ― 中国改革派19人に聞く』 by 出口 治明

あなたが、隣人にどうしても馴染めないのなら、引越せばいい。しかし、昔の遊牧民ならいざ知らず、国は引越すことができない。どこかで、折り合いをつけるしかないのである。中国で過激な反日デモに遭遇した記者(著者)は問う。「日本のなかに根強くあった中国に対する『脅威論』と『崩壊論』に、無視を決め込む『消去論』までじわじわと広がる・・・『反日』のこぶしをふりあげて想像を

『ロングウォーク』狂気に満ちた怒り 書影

社会 / 事件・事故

『ロングウォーク』狂気に満ちた怒り

爆発物処理班(EOD)が爆弾の処理をする際、ロボットの故障や使用不可能な状況に陥るときがある。すると彼らは、ひとり 対爆スーツ を身に着け爆弾解除に向かう。そんな状況の事をEODの連中はロングウォークという。群衆が取り囲むなか、いつ爆発するわからない爆弾に30キロを超えるスーツを着込みひとり対峙する。死の影が常に足元からにじり寄り彼らの魂をつかみ去る瞬間を狙

『ホームレス歌人のいた冬』 解説 by 小倉 千加子 書影

社会 / 「解説」から読む本

『ホームレス歌人のいた冬』 解説 by 小倉 千加子

本書を私もまた、公田耕一の謎を解いてくれるものだと思い込んで、読み進めていたのは事実である。しかし、本書の読みどころはそこではなかった。著者は読者の期待を裏切ったのだろうか。 一面で「内閣支持急落22%」と麻生内閣の不人気を伝えた二〇〇八年十二月八日、「朝日歌壇」欄に公田耕一は彗星のように現れた。複数の選者に重複して評価された☆マークを三首で六つ獲得したので

「夢の病院をつくろう」新刊超速レビュー 書影

社会 / 新刊超速レビュー

「夢の病院をつくろう」新刊超速レビュー

チャイルド・ケモ・ハウスという医療施設をご存じだろうか。小児がんに関する研究事業、啓発事業を行っている NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス が設立した日本初の小児がん専門の治療施設である。この施設は「夢の病院」であるという。夢?いったいどういうことだろう。高度な先端治療を受けられる施設なのか。ファンタジー世界を現実化したような施設なのか。誰にとっての、どんな

つなげる、つながる京の小商い 『街を変える小さな店』 書影

社会 / 民俗・風俗

つなげる、つながる京の小商い 『街を変える小さな店』

ノンフィクションファンの人たちにとってHONZが恐ろしいのと同じ意味において、私は恵文社一乗寺店が怖い。 関西地区では、そのイメージキャラおねえさん『 おけいはん 』で知られる京阪電鉄。その終点の出町柳は、比叡山方面へ向かう叡山電鉄、いまだにICカードを導入していない奥ゆかしき小さな私鉄、の始発駅でもある。 ワンマン電車にとことこ揺られて三つ目の駅が一乗寺。

『増補新版 「格差」の戦後史』 混乱・一億総中流・階級断絶 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『増補新版 「格差」の戦後史』 混乱・一億総中流・階級断絶

戦後日本は格差の少ない中流社会だった、小泉改革が格差を拡大させた、日本はいまだに苛烈な学歴社会だ。日本の「格差」を象徴するようなこれらの言説は、マスメディアでも繰り返し喧伝され、広く浸透してきた。しかし、「格差が少ない」とは具体的にどのような状態なのか、格差が拡大するとは何が大きくなることを意味するのか。そもそも、「格差」とは何で、どのように分析されるべきも

『現代中国悪女列伝』 女の武器を使って何が悪いのさ 書影

人物 / 社会

『現代中国悪女列伝』 女の武器を使って何が悪いのさ

人間の欲望が丸出しになる政治のゴシップは東西を問わず人を惹きつける。権力闘争、飛び交う札束、そして、男女関係。本書には、金欲と情欲が渦巻く世界を泳いだ現代中国を代表する10人の悪女が登場する。 元重慶市党委員会書記の薄熙来の妻で、夫の力を背景に蓄財をしながら、英国人の愛人を殺害した谷開来。枕営業で国民的人気歌手になりながら、政財界の秘密を知り過ぎてしまったか

『いまを生きるための政治学』 by 出口 治明 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『いまを生きるための政治学』 by 出口 治明

著者の主張には、正直言って、多少の違和感を覚える。例えば、著者は政治的な立ち位置を左のように図示する(p.89)が、私見では、むしろ下のように整理したいところだ。 何れにせよ、僕は、バークやトクヴィルに最も親近感を覚えるので、進歩的な著者とは違って、恐らく心性は「保守」的なのだろう。しかし、政治的立場の違いにもかかわらず、この本は、とりわけ若い世代には、ぜひ

『「流域地図」の作り方』 地球を活き活きとさせる方法 書影

生物・自然 / 社会

『「流域地図」の作り方』 地球を活き活きとさせる方法

この春、息子の通う学校の学習発表会で印象的な発表を見た。テーマは「日本列島」。子どもたちはまず、日本の形といくつかの脊梁山脈について説明し、そのあとこんなふう続けた。 「雨が降り、川となります。たくさんの川が張り巡らされ、それが日本列島を活き活きとさせています」 そして子どもたちの説明は、農耕や各地の習俗や文化の話へと続いていったのだが、それらは、凹凸で構成

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社会 / 世界史

『独裁者のためのハンドブック』 独裁者は援助がお好き?

これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが。 イギリス首相として、第二次世界大戦を勝利に導いた ウィンストン・チャーチルの言葉 だ。たしかに、民主的選挙で選ばれた日本の政治家の醜態を見るにつけ、民主主義は最悪の形態だと言いたくもなる。しかし、独裁政治体制下の貧困や拘禁の恐怖におびえる生活を想像すると、民主主義国家以外で暮らしたいと思

『そして最後にヒトが残った』 - ネアンデルタール人の憂鬱 書影

サイエンス / 社会

『そして最後にヒトが残った』 - ネアンデルタール人の憂鬱

最も強い者が生き残るのではない。最も賢い者が残るのでもない。 唯一生き残るのは変化する者である。 ビジネスの現場において、これまで何度この言葉を聞かされたことだろうか。人類の生存戦略を簡潔に表したこの言葉は、言わば企業の生き残りをかけて戦う姿勢を鼓舞するワードとして、数多の局面で使われてきた。 この言葉は裏を返せば、滅んだもの達は変化に適応できなかったと言う

『ルポ虐待―大阪二児置き去り死事件』新刊超速レビュー 書影

社会 / 事件・事故

『ルポ虐待―大阪二児置き去り死事件』新刊超速レビュー

虐待。この言葉が、当たり前のようにニュースに流れるようになったのは、いつぐらいからだっただろうか。自分の保護下にある人や物に対して日常的に危害を加えたり、危害の脅威を感じさせたりすることを指している。 子どもに対する虐待は、児童虐待と呼ばれる。児童虐待の防止等に関する法律では、その定義を以下のようにしている。 ( 厚生労働省HP より) 一 児童の身体に外傷

『産後クライシス』夫への愛情なんかもうないよねー 書影

教養・雑学 / 社会

『産後クライシス』夫への愛情なんかもうないよねー

子どもが産まれたあと妻の態度が激変した ー そんな経験ある世の男性(夫)は多いのではないか。とある民間研究機関の調査によると、妊娠した段階では7割が相手に愛情を抱いているが、子どもが2歳になる頃には、女性の夫への愛情はなんと半数以下の3割にまで低下するという(男性も低下するが、女性の下げ幅の方が圧倒的)。「え、そんなに俺たち愛されてなかったの?」「やっぱりそ

人生に迷ったらバーテンダーに訊け 『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』 書影

教養・雑学 / 社会

人生に迷ったらバーテンダーに訊け 『バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?』

長らく思い込んでいたことが、記憶ちがいであったりする経験はないだろうか。タイトルに使った『人生に迷ったらバーテンダーに訊け』というのは、誰もが知る格言の一つだと思っていた。しかし、まわりに尋ねても知らない。『人生、バーテンダー、迷う』でググってもひっかからない。 自分で思いついたにしてはしぶすぎるフレーズだ。しかし、いつか人生に迷う時があったら相談してみたい

うちは絶対かつお出汁! 『かつお節と日本人』 書影

教養・雑学 / 社会

うちは絶対かつお出汁! 『かつお節と日本人』

みなさんのお宅には「かつお節削り器」はありますか? 木製の箱型で、蓋を開けると鉋の歯があり、削ったかつお節は下の引き出しに溜まるという、あれです。 わたしが子供の頃は、毎日のようにかつお節を削らされたものだ。どうも滑らかに削るには向きがあるらしく、粉々になってしまうのを何度も持ち替えてみたり、消しゴムくらいに小さくなったやつを削っていて、指まで削りそうになっ

『ハートフルなさき編み 東北の地から届いた』 書影

アート・スポーツ / 社会

『ハートフルなさき編み 東北の地から届いた』

最近、無心の力についてよく考える。人が没頭して作られた作品から、すごいエナジーを感じるようになったからだ。作品の完成度の解釈は人それぞれだが、私はその対象物にどれくらいのエネルギーと時間をかけ、没頭して創ったかによると考えている。無心状態で創られた作品は高い完成度に直結し、作品に対する思いは見る人へとダイレクトに伝わっていくだろう。 本書には宮城県の被災地、

科学予測なんてあたらない - 『21世紀への階段』 - 半世紀前の “あのころの未来” 書影

サイエンス / 社会

科学予測なんてあたらない - 『21世紀への階段』 - 半世紀前の “あのころの未来”

ここまであたらないものか。かつて、フランスのノーベル賞学者 フランソワ・ジャコブ はその著書『 ハエ、マウス、ヒト 』で、『予測不可能性は科学の性質に含まれている』と喝破した。もっとはっきり、科学予測は基本的に不可能である、と考えておいた方がよさそうだ。 1960年に出版された本の復刻版である。今はなき 科学技術庁 が『識者』に依頼し、来たるべき21世紀、4

『経済思想の巨人たち』解説 by 成毛眞 書影

社会 / 「解説」から読む本

『経済思想の巨人たち』解説 by 成毛眞

背伸びやジャンプを繰り返すことで、身長を伸ばすことができると信じている人は少なくない。実際バレーボールやバスケットボールのスター選手たちは見上げるほど高いし、ウェイトリフティングやマラソンなどのメダリストは小柄な人が多い。しかし、背伸びやジャンプの身長効果は、医学的にはまだ証明されていないらしい。オリンピックレベルの選手たちの身長の差は、それぞれのスポーツに

『そして日本経済が世界の希望になる』新刊超速レビュー 書影

社会 / ビジネス

『そして日本経済が世界の希望になる』新刊超速レビュー

相変わらずのクルーグマン節炸裂の一冊だ。 クルーグマンと言えば、歯に衣着せぬ発言で知られるノーベル経済学者。時の権力者や著名経済学者をバッサリ切り捨てる容赦ない批判姿勢は、いつも賛否両論を呼んでおり、ファンもアンチも多い経済学者である。本書でも切れ味は抜群であり、米ハーバード大学のカーメン・ラインハート、ケネス・ロゴフ両教授をばっさり切り捨てている。 インタ

『脱北、逃避行』文庫解説 by 五味 洋治 書影

社会 / 「解説」から読む本

『脱北、逃避行』文庫解説 by 五味 洋治

今の世の中に、こんなに危険に満ちた旅があるだろうか。 本書に書かれている脱出劇は、二〇〇三年七月に始まった。食糧難などで中国に密かに越境した北朝鮮の人たちは、距離にすると三千キロ以上、ほぼ日本列島を縦断する長い距離を列車でひたすら南に向かっていく。途中で二回ベトナムとカンボジアの国境を越えなければいけないが、最大の難関は、中国国内を無事に通過することだ。 脱

『テロリズムの歴史』テロとはメッセージである。 書影

社会 / 事件・事故

『テロリズムの歴史』テロとはメッセージである。

要人暗殺というテロ行為は歴史上、いく度も繰り返されてきた。時にそれは革命の大きなうねりとなり、多くの人々の血を飲み込みながら、国家や社会の形態を変化させることに成功した。または未曾有の戦争を引き起こし、民衆、権力者を問わず、その財産と生命と涙を喰らいつくした。ただ、多くの場合は、それほどの成果もないまま、いつ果てるともわからない、不安定な状況と小規模な流血が

10月のこれから売る本-紀伊國屋書店富山店 野坂美帆 書影

教養・雑学 / 社会

10月のこれから売る本-紀伊國屋書店富山店 野坂美帆

紅葉の季節、いかがお過ごしでしょうか。今月はどーんと趣味に走り、建築棚からオススメしてまいります。どうしよう。土木もいいけど、都市計画も、家具の本も、あ、造園、家づくり、照明、なんて棚の前で唸ってしまったのですが、独断と偏見で無理やり4冊に抑えましてございます。ドヤ顔失礼いたします。 まずは一番高額な『誰も知らない「建築の見方」』。建築図鑑って、本当に色んな

文化財に異変!?出動!『草魚バスターズ』! 書影

生物・自然 / 社会

文化財に異変!?出動!『草魚バスターズ』!

京都。女友達と湯葉を食べに行ったことが1回、書店員仲間と抹茶パフェを食べに行ったことが1回。えーと、修学旅行で京都に行ったかもしれない。そんな近くて遠い古都は今頃紅葉見物の観光客で賑わっているのだろうか。嵐山、大覚寺に照るモミジを思う。キンモクセイの香りが漂う中を、散策できるように道がつけられているのだろう。夜は湖面に鮮やかな月が映り込んでいるのだろう。魚の

『夜の経済学』-数字が照らすアタリマエの裏側 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『夜の経済学』-数字が照らすアタリマエの裏側

著者の一人である明治大学准教授の飯田泰之氏は本書の刊行によって講演がキャンセルになったという。 「『夜の経済学』なんてタイトルの本を書く奴の話なんて聞く気にならない!」 といきなりのキャンセルを喰らったとか。講演の依頼先までは明らかにしてないが、確かに、眉をひそめてしまう人もいるかもしれない。帯には「セックスから政治まで」とあるが、タイトルからわかるように、

『レックス』人と犬の絆 書影

人物 / 社会

『レックス』人と犬の絆

以前に『世界の軍用犬の物語』という本の レビュー を書いた。この本を読んでいて気づいたのだが、現代の軍用犬は地雷探知犬や爆発物探知犬、または捜索犬などが中心であり、軍用犬と軍犬兵(ハンドラー)は軍隊という殺戮を主目的にした組織において、人命を救うことに主眼が置かれた兵科だということだ。特にイラク戦争のように無統制な武装勢力やテロリストが暗躍する戦場では、軍用