
『フラッシュ・ボーイズ』 ナノ秒速で100億ドル以上を稼ぐ男たち
ウォール街を震撼させたと言われる、マイケル・ルイス待望の新作。一読して心底驚いた。 その小説のような文体もあいまって、まるで架空の話のような印象も受ける。だが本書に出てくる、超高速取引(HFT)業者、フロントランニング、ダークプールといった単語を検索すると、全て実在の出来事である証拠が出てきて、現実に引き戻される。 そしてなによりも、投資するほどの資産を持ち
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ウォール街を震撼させたと言われる、マイケル・ルイス待望の新作。一読して心底驚いた。 その小説のような文体もあいまって、まるで架空の話のような印象も受ける。だが本書に出てくる、超高速取引(HFT)業者、フロントランニング、ダークプールといった単語を検索すると、全て実在の出来事である証拠が出てきて、現実に引き戻される。 そしてなによりも、投資するほどの資産を持ち

7つのゴールデングローブ賞、11のグラミー賞、そして27のアカデミー賞。1995年の『トイ・ストーリー』を皮切りに、ピクサーが生み出した14の長編映画は、数えきれないほどの賞を獲得し、世界中の観客の心を動かしてきた。芸術面での高評価にとどまらず、どの映画も多くの人々を映画館へと向かわせ、商業的にも大きな成功を収めている。水物と言われることもあるコンテンツビジ

1993年、僕たちふたりはチューリッヒの高速道路のすぐ脇に住む自転車乗り兼デザイナーでした。ある日、キッチンの窓から外を眺めていて、あの汚れた、10万マイル走るトラックのターポリン(防水シート)であつらえたメッセンジャー・バッグがあったらいい感じだろうとひらめきました。そのバッグは一点もので、リサイクル素材のみで作られており、丈夫で防水仕様。それは実現しまし

成功者が書いたビジネス本ほど、警戒して読まねばならぬものはない。それがHONZの基本スタンスであることは分かっているのだが、ものの数ページほどで陥落した。あまりに面白くて、もう10回以上は読んだと思う。 大学生くらいの時にこの本に出会っていたら、もっと違う人生があったのかもしれない。でも今だからこそ、この本に書かれていることを理解できるのかもしれない。そうい

時代とともに言葉の意味が変わるということはよくあることだし、そうあってしかるべきだとも思う。だが、最近の言葉における概念の変化はなかなか激しいものがあり、面食らうことも多い。 たとえば「キュレーション」という言葉。つい2、3年前までは特定の分野に精通する人たちが情報発信をする際の作法のようなものを指していたと思う。ところが最近ではニュース・キュレーションサー

帯にはLNG船の写真と「日の丸」のような赤丸。その赤丸の中には「HONZ成毛眞氏大興奮!」と白抜き文字。そりゃあ間違いなく面白そうだと、書店で慌てて買ってみた。 なんてことはなくて、きっちりとゲラを読みこんだ上で、帯文の一助としていただいた。まさにこれを読まずに日本の未来は語れないと考えたからだ。著者は三井物産でエネルギー関連事業に携わってきた岩瀬昇さんだ。

有事の時、正確な情報を知りたいと思ったら、あなたはどうしますか?私はテレビをつけてNHKにチャンネルを合わせます。見慣れた顔のアナウンサーが、美しい言葉使いで映像を交えながら伝えてくれるニュース。それは絶対的な安心感を与えてくれます。NHKのアナウンサーから感じ取ることができる、独特の信頼感。その秘密を余すことなく書いた一冊がこちら。 日本で最初に開局した放

こういう本を待っていた!読み終わったときに心からそう思った。私は時代を超越する普遍性を持った本を常に待ち望んでいる。保守的かもしれないが、私はビジネス書では、『道は開ける』や『人を動かす』といった古典が好きだ。 以前レビューをした『嫌われる勇気』 などにも通じるところがあり、10年後、20年後に読んでも古びることのない普遍性がこの本にはあると思う。自己啓発書

今や世界的な有名になった企業でも、立ちあげ時には苦境に喘ぎ、方向転換を余儀なくされたというケースが多々ある。YouTubeが、設立当初はデート相手を検索するためのデート・サイトに過ぎなかったことはよく知られているし、PayPalも当時人気があった特定デバイス間による送金可能なサービスから始まった。 このように、スタート時における事業や製品の根本的な仮説を見直

本文にも帯にも私が登場しているが、後輩的経営者の杉ちゃんの本。つい最近仕事でも絡むことになったのだけど、いつもは夜の街で会って遊ぶ関係だが、リーマン・ショックの煽りを食って上場していた彼の会社が潰れた時まではそんなに親しいわけでもなかった。 本文にもあるが、丁度同い年の経営者である野尻佳孝達と飲んでいた時に彼の会社が潰れたというニュースが流れてきた。酔った勢

18歳以上のアメリカ国民の33パーセントが、BMI 30以上の肥満体だという。本書によれば、陸軍幹部が公式発表で首都ワシントンの18歳以上の男女が太り過ぎで採用できないと表明。また、カリフォルニア州ロサンゼルスでは、太り過ぎのため帝王切開が困難になり死亡する産婦が増えているという。また痛風患者は全米で800万人にも達するという。 なぜアメリカはかくも肥満大国

アマゾンが 電子書籍読み放題サービスに参入するというニュース がある 。これは月額9.99ドルの契約を交わすと、約60万タイトルの電子書籍が読み放題になるというサービスだ。日本ではいまひとつ普及していない印象が拭えない電子書籍だが、アメリカでは事情が異なるようだ。本書の記載によると、アメリカの出版業界の市場調査を専門とした機関の報告で、2012年までに成人の

昨年、地元の駅が改装されて、その中に成城石井ができた。それからというもの輸入菓子や、ワインなどをよくそこで購入するようになった。輸入菓子はちょっと高いけれども、成城石井じゃないと売ってないものも多くとても重宝している。 ワインを買うときはつまみになるチーズやオリーブも一緒に買いたいとおもっているのだけど、あまりに種類が多すぎて、いつもどれを買ったらいいのかわ


この本はいまごろ、書店のどのあたりに置かれているのだろう。コア・コンピタンス、バランススコアカード、プロセス・リエンジニアリングなどという、カタカナ用語に埋め尽くされたビジネス戦略書コーナーの一角であろうか。それとも立派なビジネス書の売上に悪影響があるからと、占いのコーナーにでも追いやられているのだろうか。 ビジネス戦略書コーナーにあって、本書の日本語だけの

3月、4月と、気がつけば2ヶ月もこのコーナーをお休みしてしまいました。その間にもたくさんおもしろそうな本が出ているので、今月売りたい本を紹介する前に、まずはその間に発売された本で注目のものを紹介していきたいと思います。 いま一番勢いがあるのがこの2冊です。去年あたりから、“外資系”や“世界のエリート”というような言葉がタイトルに入っている本がよく売れています

ビズ・ストーンは、 200万ドル以上の価値をもつグーグルのストックオプションをあっさりと放棄した。貧しい家庭に育ったビズの貯金はゼロだったが、迷いなどなかった。この2005年時点で既に巨大企業となっていたグーグルで、これ以上ビジネスライクな人間と堅苦しいルールに縛られて生きていくことなど、ビズにはとても耐えられなかったのだ。グーグルを去ったビズは、憧れの人で

2008年7月、iPhoneが発売された。その時から凋落の一途を辿っていったのが、Nokiaの携帯電話事業である。2007年に最高益を達成した後は、「第3・4世代(3・4G)移動通信システムvsスマホ」におけるイノベーター・アップルの前にひれ伏すこととなる。そして、2012年には14年間に渡った販売数トップの座をサムスンに明け渡し、 昨日 、携帯電話事業をマ

東京大学で知の最前線に挑み続ける6人の研究者へのインタビュー集である。インタビュイーの顔ぶれは、以下の通り。 ・素粒子物理学:村山斉 ・植物病理学:難波成任 ・イスラム政治思想:池内恵 ・情報通信工学:江崎浩 ・西洋経済史:小野塚知二 ・有機合成化学:井上将行 これほど幅広い分野の一流研究者の研究エッセンスを引き出すことは容易ではない。しかし、本書では元マッ

日本一小さな大学院、慶應SDM(システムデザイン・マネジメント研究科)のPR本である。しかし、PR本でありながら、とても面白いし、またストンと腹落ちするのだ。これから社会に巣立とうとしている若い皆さんはもちろん、社会人にも本書の一読をお薦めしたい。この本には、明日の仕事にすぐにでも役立つ考えるヒントがたくさん散りばめられているのだから。 システムデザインとは

グーグル会長・エリック・シュミット氏初の著書として全米ベストセラーとなった書籍『 第五の権力―Googleには見えている未来 』。最終回である第5回は、著者たちが思い描く未来について。 グーグル、フェイスブック、アマゾン、アップルなどの最先端の技術プラットフォームは、世の中の人たちが思っている以上に強力だということ、またこれらプラットフォームがさまざまな社会

グーグル会長・エリック・シュミット氏初の著書として全米ベストセラーとなった書籍『 第五の権力―Googleには見えている未来 』。第4回はデジタル新時代の戦争や復興、そしてテクノロジーが果たす役割について、著者が現地に赴き、肌で感じたこと。 私たち2人が初めて会ったのは、2009年の秋のことだった。 バグダッドにいた私たちは、 テクノロジーを社会の復興に役立

グーグル会長・エリック・シュミット氏初の著書として全米ベストセラーとなった書籍『 第五の権力―Googleには見えている未来 』。第3回のテーマは、デジタル新時代に起こる「パワーシフト」について。 国際社会に目を向ければ、情報通信技術の普及が及ぼす最も重大な変化は、 国家や機関に集中していた権力が分散して、個人の手に渡ること である。 歴史を振り返ると、これ

これまでさまざまな学者や評論家がリーマンショックについて解説しており、「住宅ローン基準の緩和に伴うサブプライムローンが、、、」といった抽象論は耳にたこができるほど聞かされている人は少なくないだろう。 私自身そんな大勢の一人で、今更リーマンショックの顛末にあまり興味はなく、本書を手にとったのは、「フィナンシャル・タイムズ」「エコノミスト」両紙の2009年ベスト

グーグル会長・エリック・シュミット氏初の著書として全米ベストセラーとなった書籍『 第五の権力―Googleには見えている未来 』。昨日に引き続き、第2回をお送りいたします。テーマは「コネクティビティ(ネットワークへの接続性)」が私たちにもたらすものについて。 テクノロジー業界の経験則であるムーアの法則によれば、プロセッサチップ(あらゆる電子機器の根幹をなす小

グーグル会長・エリック・シュミット氏初の著書として全米ベストセラーとなった書籍『 第五の権力―Googleには見えている未来 』。HONZでも2度にわたりレビューが出たこの書籍の序章を、今日から5回にわたって掲載していきます。 2025年、世界人口80億人のほとんどが、オンラインでつながる「デジタル新時代」において、私たちの暮らし、仕事、社会、政治、国家はど

東日本大震災の津波により、すべてが流されてしまった宮城県山本町。そこではいま、最先端の技術を用いたイチゴ農場が運営されている。iPadやMac Book Airで水や温度の管理をし、働く人はセグウェイで移動し収穫をしている。そんな最新鋭のIT技術と、ベテランのイチゴ農家の知恵が融合してできたイチゴは、伊勢丹新宿店においてなんと1粒1000円!で売られていると


人間は人生を描く画家である。 あなたを作ったのはあなた。 これからの人生を決めるのものあなた。 これはアドラーの言葉である。この言葉が深く胸に突き刺さってぬけないでいる。私はいままでどんな自分をつくってきたのだろうか?そしてこれからどんな人生を描いていくのだろう?この本を読んでからついそんなことを考えてしまう自分がいる。 先月レビューをした 『嫌われる勇気』

グーグルほどに興味をそそる企業は他にない。僕は、Gmailの大の愛好者だ。そのグーグルの総師シュミットが、初めて本を書いたという。これはもう読むしか他にないではないか。本書は7章から成っている。「未来の私たち」「アイデンティティ、報道、プライバシーの未来」「国家の未来」「革命の未来」「テロリズムの未来」「紛争と戦争の未来」「復興の未来」。では、グーグルには見

素材はチョコレート、無塩バター、卵、グラニュー糖のみ。 これが最高級のガトーショコラ職人であり、またケンズカフェ東京のオーナーである著者が公開しているレシピである。 紆余曲折の末にたどり着いたレシピ、そして斬新な経営戦略を包み隠さず公開している潔さには感服するばかりだ。 デフレが長引く日本で、逆張りの発想で売上をひたすら伸ばすお店が、この「ケンズカフェ東京」

この地球上で、国家のリーダーとしての視点から”今”を語れる人というのは195人ーーすなわち世界の国の数と等しいだけの人数が、少なくとも存在する。それでも、その言説の多くは現実空間のものに限定されてしまうであろう。 これを仮想空間に置き換えて考えてみると、どうなるだろうか。国家規模の広い視点から”今”を語れる人というのは、世界に数人しか存在しないのかもしれない

2 014年もまだ10か月残っているけれど、はやくも今年のベストと思われるビジネス書と出会ってしまった。『決定版カーネギー 道は開ける』だ。この本が1冊あれば他の自己啓発書はいっさい必要ない。そう断言してもいいと思える1冊である。この本には世界の真理が書かれている。自己啓発書は湯水のように毎年たくさん発売されているが、そういった本をたくさん読むよりも、この本

本書は、中国とインドに出現しつつある巨大な消費者層についての本だ。個人的には「消費者」という単語に「働く人」の対極のような印象を持っていたが、今回改めて、夕飯の買出しに来た人は働いていないのか、などと考えていたら怪しくなった。「消費」という響きが私に与える楽しさ、これはいったい何だろう?「消費」を自己表現と考えれば、時には「生産」で発揮できない本人の意思だと

松下幸之助は、単なる日本の事業成功者ではない。彼は、日本のみならずアジアの人々から尊敬されており、事業家というよりも思想家のような存在にまで達している。 そのことを実感したのは、アジア取材でのことだ。マレーシアの首都クアラルンプールから西に20数キロ離れた港町クランにあるパナショップを見学した。主人は2代目だ。店にはパナソニック(旧松下電器)の製品が並ぶ。

本書は業種や職種によっては、いますぐ役に立つビジネス書である。最終章のタイトルは「これからの消費の主役に何を売るべきか」。その最終章にはたった780円でこんなに教えてもらっていいのかというほどたっぷりと、具体的なビジネスのアイディアが満載なのだ。 たとえば、これからのビジネスとして、ネットでの有名ブランドの中古品販売は流行るはずだ。その場合はPCサイトではな

みなさんはニッパチという言葉を知っていますか?小売業界でよく使われる言葉なのですが、2月、8月は消費が冷え込み、売上が落ちるという意味で使われている言葉です。売上が落ちるのは服飾業界で特に顕著なのですが、書店業界も2月、8月はなぜか売上が落ち込みます。それゆえ、出版社もこの時期にはあまり大きな新刊を仕込んでこない事が多いんですね。ただ今年は話題になりそうな大
我々が人類史上類をみない大変革の時に居合わせていることを気付かせてくれ、単調な毎日を過ごしがちな私たちをワクワクさせてくれる、そんな一冊だ。 日本ではまだ認知度が低いかもしれないが、今、世界中から「未来を変える天才経営者」として注目されている起業家がいる。1971年に南アフリカで産まれ、31歳の時アメリカで億万長者の仲間入りし、現在地球規模の壮大な挑戦をする

あけましておめでとうございます。2014年も書店員のこれから売る本をよろしくお願いします。1月はこれと思う新刊があまり多くありません。なので、今月は年末に発売されて、個人的に猛プッシュしている商品を中心に、今年ヒットしそうな本を、これから発売する本も交えて、いくつか紹介したいと思います。 まずは、つい先日発売になったばかりの新刊です。『 ストーリーとしての競

昨年くらいから急速に話題に上ることの多くなってきた「ウェアラブル」というテーマ。概念自体は、アニメやSFの世界を通して昔から見られたものの、グーグル・グラスやスマートウォッチなどの動きを通じて日を追うごとにリアリティを増してきた。 だが本書『ウェアラブルは何を変えるのか』は、リアリティ溢れるウェアラブルの「今」を描いたというよりは、現在表面化してきている出来