
社会 / HONZ客員レビュー
『連続講義・デフレと経済政策』by 出口 治明
久しぶりに、寝食を忘れて、一晩で読んでしまった。今、まさに知りたかったことに、真正面から答えてくれる本に出会ったからである。 巻頭に福沢諭吉の言葉が引かれている。 著者の問題意識が、この一文に見事に凝縮されている。そう、本書は一世を風靡しているかに見えるアベノミクスの上質で真っ当な経済分析なのだ。 本書は一問一答の形式で書かれており、文章も平易で論理的である
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社会 / HONZ客員レビュー
久しぶりに、寝食を忘れて、一晩で読んでしまった。今、まさに知りたかったことに、真正面から答えてくれる本に出会ったからである。 巻頭に福沢諭吉の言葉が引かれている。 著者の問題意識が、この一文に見事に凝縮されている。そう、本書は一世を風靡しているかに見えるアベノミクスの上質で真っ当な経済分析なのだ。 本書は一問一答の形式で書かれており、文章も平易で論理的である

もしあなたがTEDのステージに呼ばれたとしても、この本を読んでおけば大丈夫!あなたはサー・ケン・ロビンソンのような素晴らしいプレゼンをこなすことができるでしょう。えっ?TEDのステージに立つ機会なんて私にはないって?いやいや、そんなことはわかりませんよ。TEDのステージでプレゼンをする人には2種類のタイプがいるのですから。 第1のタイプは偉業を果たした人達、

はじめまして。トーハンの吉村と申します。私が働いているのは、書店ではなく取次です。でも実は13年間、オンライン書店e-honという「本屋さん」でお客様に本をオススメしてきました。方法はもっぱらメールでしたが、配信数は延べ1億通にものぼります。本を選び、ご案内する日々。最初の5年は、新刊全点を手にとって商品知識を養いました。現在は、全国の本屋さんに商品提案をさ

話には聞いていたこの豪華全集。えいやっとついに購入してみた。 ただし、10巻『黄金とわび』を、一冊だけまずはとりあえず。 直接申し込むと、特製のダンボールに入り、袋がついてきた。函入りの布張り、B4判で、月報(関連情報をまとめた別刷)も挟まれており、なんだかお得な気分になってくる。 企画自体は、小学館の創業90周年記念事業の一環だそう。 1966年に刊行され

ニコニコ生放送からも続々コメントが届く。一番人気は 刀根明日香 。彼女はとても可愛いんですが、意外にブラックで怖いもの知らず。世代間ギャップから麻木を激怒させることもある。それがまた楽しい。 この日、残念ながら欠席したメンバーのオススメ本はこちら。 仲野徹 少子化をめぐるいろいろな問題を多角的にとらえた本。ここまでいってしまってるのかと驚愕。フィクションであ

『ゆるキャラ』や『マイブーム』という、いまや一般名詞と認知されるようになった言葉が、みうらじゅんの造語であるというから、そのセンスは尋常ではない。もうひとつ、いまいちひろまっていないが、もらっても少しもうれしくない観光地の土産物をさす『いやげもの』という言葉も、みうらの手によるものである。 今春は大阪で『 国宝みうらじゅんのいやげもの展 』というのが開催され

物心がついた頃、「将来は何になりたいの?」と訊かれる度に、「ロケット学者」、「フォン・ブラウン博士(この本では、あまり高く評価されてはいないが)のようになって、月や火星に行くんだ」と答えた自分を思い出してしまった。 そういえば、本に親しんだきっかけは、「太陽はとても重そうなのに、何故落ちてこないの?」としつこく尋ねる僕に閉口した両親が、「なぜだろう なぜかし

これは、紛れもなく格闘技である。一読して、そう思った。 22冊の本が取り上げられて、一見、書評という体裁をとってはいるが、立ち現われてくるのは、楠木 建という個性豊かな研究者が、体臭をムンムン発散させて、広いリングを縦横に動き回り、汗だくになりながら、相手(読者を含む)に的確なストレートパンチを浴びせ続けている姿である。まことに小気味が良い。江戸っ子の面目躍

今週水曜日は公開朝会でした。恒例の 今月読む本 紹介のほか、スペシャルゲスト堀江貴文さんのオススメ本紹介やHONZ新企画案も飛び出す充実の2時間でした。ご参加くださったみなさま、ありがとうございました! ちなみに私も初めて事務担当として参加したのですが、裏方というのに前日から早くも極度の緊張状態に。見かねた心優しき編集長土屋敦、「明日ビール用意しておこうか?

あなたが見ている空の青さと、わたしが見ている空の青さが同じとは限らない。同じ波長の光が網膜に届いているとしても、その刺激が他人の中でどのような知覚をつくりだしているかを正確に知る術はなく、今あなたの目の前に広がる世界は、あなただけの世界かもしれない。 ヒトはどのように世界を見ているのか。 ヒトはどのように世界と繋がっているのか。 本書はこの捉えどころのない問

アメリカにルーツを持つ超国籍企業が世界中を席巻しているということは、改めて強調するような話でもないだろう。Apple、マクドナルド、Google、ハリウッド映画… 時代はまさに勝者総取りといった様相を呈している。しかしグローバル化の波が、製品やサービスのみならず、「心の在りよう」という不可視なフィールドにおいても猛威を振るっているとは思いもよらなかった。 ア

人体を目、耳、心臓、骨、消化管、血液など15のパーツにわけ、それぞれについてじっくりと語った本である。全320ページにわたって「とても 美しい」のような、装飾的な副詞や形容詞がほとんど使われていない稀有な本でもある。一文一語たりとも無駄はなく、したがって重複もないので、逐語的に理解しながら読み進める必要がある。結果的に収容されている薀蓄は膨大だが、文体は簡明

本書は1964年の東京オリンピックの東洋の魔女から、昨年銅メダルを獲得したロンドン五輪まで、全日本女子バレーボールチームの半世紀を追ったスポーツ・ノンフィクション。著者の吉井妙子さんが20年にわたって続けてきた取材のもと、新たに全面書き下ろしで構成した渾身の一冊だ。 具体的なエピソードを紹介すると、ロンドン五輪で28年ぶりのメダル獲得に貢献した、セッターの竹

「おはようございます、みなさん、ようこそ」という成毛代表の言葉で幕が開いた、4か月ぶりの公開朝会。前回が吹雪だったことを考えると、この猛暑も許せるような気がするから不思議だ。用意した椅子は70席。そこが全部埋まった。ありがたいと思う反面、なんて粋狂な!と驚くワタシは今日ははじっこ。 今回のゲストは、なんと堀江貴文さん。そのうえ、初の ネット中継 も行いました

納谷宣雄と聞いても「えっ、誰?」という反応が大半なはずだ。カズこと三浦知良氏の父親である。名字が違うのは納谷氏とカズの実母が離婚しているからであるが、「えっ、カズの父親の本?サッカー興味ないからなー」と思う人も多いだろう。確かに今回紹介する本はカズの父親である納谷宣雄氏の半生を描いているが、カズをどう育てたとか、サッカー論とかそういうものには満ちあふれていな

例えば、ひと昔前の「紙の」稟議書がデジタル化されて、会社からも消えつつある現在、本書は書かれるべくして書かれた書物であると言えよう。デジタル化の波がひたひたと押し寄せつつある中で、紙という媒体が歴史の中で果たしてきた役割を振り返ってみることは、心躍る知的冒険に他ならない。 メディアとしての紙と言えば、我々は反射的に新聞や書物を連想してしまう。しかし、著者は「

『あなたの夫は、息子は、親友は、”ホームレス”ではありませんか?』 僕が考えた、この本のPOPのフレーズだ。 2009年北九州市で、39歳の男性が餓死した。その事件が、本書の取材の端緒となった。39歳の男性が、何故“餓死”したのか。男性は亡くなった時点で、所持金がたったの9円しかなかったという。しかし周囲の誰にも、一切自らの窮状を伝えなかった。 今の三十代は

みなさま、ご存知でしょうか? 猫を愛する人間の中には、心中、ワイルドな猫(ヤマネコやネコ科大型獣)に憧れている者がいるということを。 そういう人たちは、ワイルドライフのドキュメンタリー番組で、草食動物がネコ科大型獣に追いかけられている映像を見て、手に汗を握ってネコ科大型獣を応援してしまうのです。何を隠そう、実はわたしがそれなのです。 ある有名人が(誰だったか

ファイナンスに関してはビジネススクールでいろいろ聞いたはずなのだけれど、私にとって「お金」は今でもお茶やお菓子を買うためのもので、世の中に存在している不思議な存在のままだ。まあ、生きていければ良い。しかし、本書を読んで改めてわかったのは、お金の話が予想以上におもしろい、ということだった。歴史オンチの私は、円とウォンと元と米ドルが、国際通貨だったメキシコ・ドル
明日7月10日(水)に代官山蔦屋書店で行わなれるHONZ公開朝会に、急遽堀江貴文氏がゲスト参加することが決まりました。 代官山蔦屋書店への電話予約も可能です。詳細は下記をご覧ください。

彼らの姿を私はじかに見たことはない。大理石のような白い肌と白髪に近い金髪、眉毛や体毛も金色か白だ。透き通るような瞳はブルーやグレー。色素が無い瞳は、個人差が大きいが大抵は弱視だ。そしてその白い肌は紫外線に弱い。「 アルビノ 」と呼ばれる遺伝性の疾患は様々な動物にも見られる。メラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により先天的にメラニンが欠乏する病気だ。日本語で

梅雨も明けて、日差しの眩しい季節がやって来ました。書店業界の夏といえば、文庫のフェアの季節です。 新潮文庫の100冊 や、ナツイチ、 発見!角川文庫 など、各出版社がやっている文庫のフェアが書店を彩ります。ノベルティグッズも充実していて、書店もなんだか華やかな雰囲気になりますよね。 昨年からは出版・書店業界の有志の人がはじめた文庫のフェア、 ナツヨム という

書店で目に付き「あ、この人好きなんだ」と購入。読み始めてから「読んだことがあるぞ」と気づくことは、いつも本を持っていないと落ち着かない活字中毒者によくある話である。大概が、単行本から文庫化するにあたって改題された本だ。そのガッカリ感というか残念な気持ちは何度味わっても嫌なものなのだが、他に本を持っていないので仕方なく惰性で読んでいると、もともと好きな作家だか

明日は七夕ですね。近所の商店街には、子どもたちが書いた短冊が飾りつけられた竹が立てられています。「 きょうりゅうじゃー になりたい」日曜7時半に起きてるとはエライね。お姉さんなんて土日は11時まで寝ているぞ。よい子のキミなら、きっとキョウリュウジャーになれる! 「かぞくみんながなかよくアイホンをかってくれますように」おいおい日本語がちょっとヘンだぞ。 「はや

これは、おもしろい。読み始めた瞬間に、そう思った。良書には、いくつかの必要条件があるが、中でも「おもしろいこと」は、とても大切な要件である。第一、おもしろくないものを、誰が好き好んで読むだろうか。 この本は、天児屋命(あめのこやねのみこと。春日権現。天孫降臨時に随伴)を祖先神(自称)とする京都の吉田山に鎮座する、吉田神社の400年の歴史を綴ったものである。し
カバーに描かれたダイオウイカが黄金に輝いている。幼い日から何度も見た、図鑑の中の「マッコウクジラ VS.ダイオウイカ(想像図)」ではこんな色ではなかった。本書がキラキラと輝いているのも、昨年、世界で初めて生きているダイオウイカの映像を捉えた著者の功績といえるだろう。 本書は児童書である。おそらくHONZで初めての児童書の書評だろう。たった64ページ。大人なら

明治37年(1904年)12月6日、株式会社三越呉服店が創業した。17日には1ページぶち抜きの新聞広告が踊る。 これが後世に残る日比翁助の「デパートメントストア宣言」である。三百年の歴史を持つ三井呉服店越後屋が生まれ変わった瞬間だ。百貨店という訳語さえないこの時期に、デパートメントという英語を使い「公衆の利益を最優先する」「フェアプライスを貫く」という経営理
月に一度朝7時から行われているHONZの朝会は、それぞれのレビュアーが選りすぐりの「これから読む本」を持ち寄り、ひたすら本について語る、まさに本好きじゃなければ、「いったい何が楽しいの?」という会です。 その朝会を今年の2月に続いて、代官山蔦屋書店1号館で公開いたします。題して「帰ってきた公開朝会@代官山」。朝っぱらから熱気に包まれた前回に続いて、今回はどん

生き生きと輝く地衣類。コイル状のハリガネムシ。本書はそんな冬の日の観察から始まる。アメリカ、テネシー州の原生林に小さな拠点を設け、生態観察し続けた一年をつづるノンフィクションだ。 生物学教授である著者・ハスケルは地面に腹這いになりながら、ある時はルーペを使って極小の世界に寄り添い、ある時は地中の様子を目に見える地表の生物から想像し、ある時は残された痕跡から時

一昨日、開催された『 グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミット 』に参加するため、シェリル・サンドバーグが来日していたようだ。グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミットとは、女性がいきいきと働くことで社会を活性化し、経済成長につなげるために、グループが総力を挙げてさまざまな活動を展開するプロジェクトだという。 まさに『 LEAN IN(リーン・イン) 』に

歳をとったと思うことがある。その最たるものは、老後をいかにして暮らすかを考えるようになったことだ。理想は 高峰秀子 と 熊谷守一 。すばらしいエッセイをたくさん残している高峰さんであるが、80歳を前にして筆を折り、以後はできるだけ家から出ず、人とも会わず、若いころから集められたいろいろな名品に囲まれて、読書に暮らされたという。いいではないか。 百歳近くまで生
HONZは毎週メールマガジンを発行しています。今週の記事一覧、これから読むカモ、編集者ワンコイン広告などを一足早く読むことができます。編集長は廻り番。今月は栗下直也が担当です。編集長になればこっちのもの。メルマガの巻頭言は好き放題。今月の第1回の巻頭言を貼り付けます。どうぞお楽しみを。 ====================================

このたぐいの本はあまり読まない。これまでにも何10冊も同じような本を手にとってきたし、もうそれほどの上昇志向も必要なく、つまり読まなくても良い年齢になっているからなのだが、本書は基調色が素晴らしいのでつい買ってしまった。じつはこの1分間シリーズはドラッカーからはじまり、スティーブ・ジョブズ、松下幸之助、バフェット、コトラーとつづいてきた。各巻ともデザインはま

なんといっても! 刊行前から、海外の面白い原著をいちはやく読むことができるーー それが翻訳ものの編集者の醍醐味でしょうか。とはいえ、この「刊行前」からというのがクセモノで、原稿がまだほとんど上がっていないうちから、早くも版権を売り出している場合もよくあり。こうした場合、刊行予定の本の要旨、見本の章などで判断するわけですが、最終的にどうなるかは予想するしかあり

世界で最も読まれている書物は何か。それは、聖書において、他にはない。中でも、アブラハムの物語、モーゼの出エジプトや十戒、ダヴィデ王やソロモン王の栄華等は、果たしてどこまでが伝説で、どこまでが史実なのか、判然としない向きも多いだろう。 本書は、現地調査に従事する新進気鋭の著者が、こうした疑問に真正面から取り組んだ力作である。「1章:聖書はなぜ書かれたか」では、

『書店員として、自分が出来ることは何だろう。もっと多くの方に本の力を伝えたい。そのためにはどうしたらいいのだろう』今回、HONZでのお話をいただけたとき、心から感謝しました。心の奥深くに諦めそうな私がいたからです。「まだやれることはある」と教えていただけた気がしました。精一杯伝えていきたいと思います。 時折、いつも同じ時間にいらしてくれるお客様の中には、『今

2013年6月26日、アメリカ連邦最高裁判所は2つの大きな決断を下した。1つは、「男女間の結婚に与えられる税制優遇などの権利を同性婚のカップルには与えない」とする連邦法( DOMA )は違憲であるとするもの。もう1つは、「同性婚を禁止する カリフォルニア州法 は違憲である」という地裁の意見を維持するとしたものである。 このニュースは全米で歓喜の声をもたらし、

本書のテーマとなっている宇宙エレベーターについては、SFの世界で長らく定番ネタとして扱われてきたものである。宇宙から地球に向かってケーブルを垂らし、そのケーブルを伝ってゴンドラのような乗り物が、摩擦を利用して昇っていく。ケーブルの全長は約10万km。仮に1フロアの高さを3mと仮定すると、地上33,333,333階建ての高層ビルに匹敵するスケールを持っている。
2011年7月、HONZという新刊ノンフィクション紹介サイトが立ち上がりました。代表の成毛眞以下10名のレビュアーが、毎日、新刊ノンフィクションを紹介するという画期的なサイトでした。あれから2年、今では月間のPVも60万を超える人気サイトとなりました。最初のころは知らないんだよなあ、って言う方、ぜひご覧ください。座談会はメンバーの性格がわかって面白いですよ。

社会 / HONZ客員レビュー
主要欧米先進諸国を「アングロサクソン型」「欧州大陸型(ドイツ、フランス、ベネルクス等)」「南欧型」「北欧型」の4つに分類して、2010年~12年の3年何の平均実質成長率を算定すると、北欧型が唯一2%を超え、最も高くなっている。加えて、財政も健全であり、かつ、出生率も高い。本書は、気鋭の4人の研究者が、その北欧モデルの「秘密」に迫った労作である。 一般に北欧と