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496記事

『秘録 CIAの対テロ戦争 アルカイダからイスラム国まで』元CIA副長官の回想 書影

人物 / 事件・事故

『秘録 CIAの対テロ戦争 アルカイダからイスラム国まで』元CIA副長官の回想

本書はCIAの元副長官、長官代理を歴任したマイケル・モレルの回想録だ。ページ数はざっと300ページほどで軽いタッチで書かれた作品に思える。政府高官の回想録では日本の元外交官、 東郷和彦 が書いた『北方領土交渉秘録』や ライス元国務長官 の『ライス回想禄』などの方が重厚感がある。書かれていることが今一つ核心からそれているような、ぼやけた印象を受けるのだ。 しか

万の心を操る『シェイクスピア 人生劇場の達人』 書影

アート・スポーツ / 人物

万の心を操る『シェイクスピア 人生劇場の達人』

ウィリアム・シェイクスピア(1564~1616)は、おそらく世界で最も知名度のある詩人であり劇作家だろう。『マクベス』や『ハムレット』などの名作は世界各国でローカライズされ読み継がれ、今でも頻繁にオペラとなり舞台となり上演を続けている。 シェイクスピアの演目は20世紀後半まで英国ロイヤル・シェイクスピア劇団が最も権威ある公演と考えられてきた。しかし時代は変わ

『イスラム過激派二重スパイ』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『イスラム過激派二重スパイ』

本書を一読して、「何と波瀾万丈な!」という印象を受けた。 著者のストームは、デンマークの下位中産階級に生まれ、横暴な継父のもとで手のつけられない不良に成長し、学校をドロップアウトする。その傍らボクシングに打ち込み、才能を認められるも、腕っぷしの強さをもっぱらケンカに用いて、ギャングの世界に入る。ケンカや酒に明け暮れ、密輸を手伝い、ドラッグに手を出し、前科者に

『脳が壊れた』ルポライター41歳、脳梗塞になりました! 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『脳が壊れた』ルポライター41歳、脳梗塞になりました!

健康診断を怠っている。フリーランスになってからというもの、よっぽど具合が悪くなければ医者に行くということもない。しかし、自分の健康を過信しているわけでもない。物忘れがひどければ「若年性の認知症?」と怯えるし、動悸が激しければ「心筋梗塞?」と脈を計る。手足が痺れると「脳梗塞」を疑い、しばらく様子を見たりする。 一般的には60歳以上に多いという脳梗塞。しかし鈴木

史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

史上最強のナード──『最初のRPGを作った男ゲイリー・ガイギャックス〜想像力の帝国〜』

君は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(Dungeons & Dragons :以下D&D)を知っているか。 D&Dは紙と鉛筆とサイコロ、世界観や数値が記載されたルールブック、それに自身の想像力/対話を駆使して複数人で行うテーブルトークアールピージー(以下TRPG)である。1974年に発売された本作は世界中で流行し、プレイヤーが冒険者になりきってファンタジー世界を

『脳はいかに治癒をもたらすか 神経可塑性研究の最前線』驚きの治療法と回復事例 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『脳はいかに治癒をもたらすか 神経可塑性研究の最前線』驚きの治療法と回復事例

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 澤畑 塁は某大学出版会に勤める、爽やかな営業マンである。HONZメンバーの誰よりもHONZらしい選書と、驚きのスピードでレビューを量産していくことだろう。今後の彼の活躍にどうぞご期待ください!(HONZ編集部) 人間の脳は宇宙のなかで最も複雑かつ精巧であるとよく言われる。そして、それほど複雑かつ精巧であるゆえ、一見

『レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』敵は我にあり 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』敵は我にあり

今、多くのビジネスマンは、二つの戦いに追われているかもしれない。一つは勝手知ったるライバル企業との戦い、そしてもう一つは今はまだ視界に入ってきた程度だが、次世代において大きな脅威になりうる新たなライバルとの戦い。現在と未来、二つの時間軸での戦いを同時並行に行わなければならないのは、変化の速い現代社会の宿命である。 もちろん数字的なインパクトが大きいのは前者の

今週のいただきもの:2016年6月26日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年6月26日週

7月に入った途端に空気が夏の匂いですね。夏と言えばかき氷。 子どもの頃、学校帰りに駄菓子屋で今日は何味にしようかと楽しみにしていました。 定番のシロップはイチゴ、レモン、メロンですが、実はこの3つ、味付けは全て同じで違いは着色料と香料だけなんだとか(※あるメーカー製造のもの)。見た目と香りによって脳が錯覚を起こし、違う味に感じるそうです。少し騙された気分にな

『不自由な男たち』サラリーマンにならなきゃだめですか? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『不自由な男たち』サラリーマンにならなきゃだめですか?

主夫になりたいと思ったことがある。2日ほどひとりで育児を朝から晩までして、断念した。育児の不条理さの前に呆然と立ちすくし、思いつきで指示されたり、理不尽に切れたりする職場の上司の方が子どもよりもよほど御しやすいと逃げ出したわけだ。 そうした過去もあり、主夫には敬意を払うが、世間の主夫への視線は厳しい。本書でも女子学生の主夫に対する「向上心がなさそう」という感

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ 』 書影

日本史 / 「解説」から読む本

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ 』

加藤陽子さんの『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』は、2010年度の第九回小林秀雄賞の受賞作です。その時に選考委員だった私は、半ば強引にこの作品を推しました。それをしたのは、もちろん、多くの人にこの本を読んでもらいたいと思ったからですが、もう一つ、「中学高校生を相手にして講義をする」という形のこの本が、叙述の形としては画期的に新しいと思ったからです。 5章

『ORIGINALS』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『ORIGINALS』新刊超速レビュー

営業先の書店でみかけて、中身も見ずに衝動買いした本が今年のベスト級によい本だったので紹介したい。(今年のベストは 以前レビューした『サーチ・インサイド・ユアセルフ』 で決まりなので、それに次ぐ素晴らしい本である。)この本のテーマは「ORIGINAL」である。オリジナルとは * orig・i・nal(形容詞) 何かが生じたり、進展したり、派生したりする、発端や

『ジュエリーの世界史』宝石商という商売 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『ジュエリーの世界史』宝石商という商売

宝石が嫌いな女性はいないが、宝石が好きな男性もほとんどいない。これが宝石商にとっては頭痛の種だ。私事になるが、私も宝石商を50年以上やっている。仕事上の、あるいは私的な友人でも、話が彼等の夫人や令嬢に及びはじめると、どうも私のひがみかもしれないが、彼等が思わず身構えるのが、ピンとくる。女房子供に宝石屋を近づけると、ろくなことがない。どうもあいつらは、わけの分

賢人か俗物か『セネカ 哲学する政治家 ネロ帝宮廷の日々』二つの顔を持つ男 書影

人物 / 世界史

賢人か俗物か『セネカ 哲学する政治家 ネロ帝宮廷の日々』二つの顔を持つ男

『怒りについて』や『生の短さについて』などを著した古代ローマの哲学者 セネカ は二つの顔を持っていたという。 ストア派 に属し簡素な生き方と節度、理性を求める哲学者の顔。もうひとつは皇帝 ネロ に仕えた政治家としての顔。著作の中で簡素な生き方を推奨しながら、一方で現実のセネカはローマでも一、二を争う資産家であり、植民地に高利で金を貸し、暴利を貪る金貸しでもあ

埋もれた歴史の謎を解く『漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う』 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

埋もれた歴史の謎を解く『漂流の島 江戸時代の鳥島漂流民たちを追う』

ロビンソン・クルーソーのモデル、スコットランドの船乗りアレクサンダー・セルカーク。南太平洋の無人島に漂着した彼は、4年4か月を1人きりで生き延びた。彼が漂着した島はチリにあり、現在ではロビンソン・クルーソー島と名付けられている。著者・高橋大輔氏は、広告代理店の職を辞してセルカーク住居跡の発掘プロジェクトを推し進め、13年かけて遂にそれを発見した。そんな高橋氏

『アフガン・対テロ戦争の研究―タリバンはなぜ復活したのか』 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『アフガン・対テロ戦争の研究―タリバンはなぜ復活したのか』

今日の世界は相次ぐ国際テロに見舞われているが、元をたどれば9.11(米国同時多発テロ事件)の復讐戦として始まったアメリカのアフガン・対テロ戦争に行き着く。アメリカは2001年以来、1兆ドルを超える巨費を投じ、アフガンで14年間にもわたる史上最長の戦争を戦い、2356人の米兵が死亡した(英兵453人、その他の諸国の677人の兵士が死亡)。 その結果どうなったか

『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『死すべき定め 死にゆく人に何ができるか』

死は生の対極ではなく、まぎれもなく生に内包された概念である。それでも我々は、豊かに生きることに精いっぱいで、「豊かに死ぬ」ために必要なことを、あまりにも知らない。かつてないほど長生きをするようになった現代社会だからこそ、見落としてしまうことの数々。現役外科医にして「ニューヨーカー」誌のライターでもある著者ガワンデが、「生と死の狭間」の意味を痛切に問いかける。

音による宇宙史の記録──『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

音による宇宙史の記録──『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』

本書は発売(6/16)とほぼ同日に重力波2度目の観測成功が発表され、即日で重版が決まったというあまりにも出来過ぎな1冊だ。とはいえ単なる偶然と片付けるのも味気ない。これは、人類がこれまで観測できなかった「音」が宇宙に満ちている1つの「確証」であるのかもしれない。 もう少し具体的に紹介すると本書『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』は重

今週のいただきもの:2016年6月19日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年6月19日週

昨日のイギリスのEU離脱決定は衝撃的でしたね。仕事や旅行で海外に行く方だけではなく、身近なところでは輸入品の値段が影響を受けるのではないでしょうか。 イギリスから影響を受けたと言えば、日本の車の左側通行ですね。イギリスの植民地を除く国々では右側通行が一般的なのに、なぜ日本は左側なのかというと文明開化の際に機械工学はイギリスをまねようという方針があったから。(

『がん 4000年の歴史』大いなる未完 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『がん 4000年の歴史』大いなる未完

その存在は古代エジプトの世から知られていた。存在が知られる前からも、多くの人の命がそれによって奪われていたはずだ。ずっと名前はなかったが、ギリシア時代になってようやく、あの医聖ヒポクラテスによってつけられた。しかし、人々はその本質を見誤っていた。ありもしない『体液』の異常によるものであると思い込まされていたのだ。その実体が、細胞の異常な増殖による、と正しく理

『まちで闘う方法論 自己成長なくして、地域再生なし』 活性化とは「稼ぐこと」 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『まちで闘う方法論 自己成長なくして、地域再生なし』 活性化とは「稼ぐこと」

著者の木下斉さんは「まちビジネス事業家」であり「地域経済評論家」である。16歳の若さで早稲田の商店会活性化に取り組んだのを皮切りに、以来18年、日本各地で地域活性化事業に取り組んできた。 木下さんが携わった事業のなかでも知られているのが、岩手県紫波町のオガールプロジェクトである。図書館など公共の施設を集客装置と位置づけ、それに民間の施設をドッキングさせ、民間

『未来国家ブータン』 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『未来国家ブータン』

高野秀行といえば、押しも押されもせぬ未確認動物探索家である。まぁ、そのような探索家をまともに名乗る人はそうそういないので、名乗ったが勝ちという気がしないでもないが、なにしろ第一人者である。『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をはじめ、それに関する書物も出版しているので、決して「自称」ではなく、れっきとした未確認動物探索家なのである。 この『未来国家ブータン』

『昭和芸人 七人の最期』舞台が終わっても、人生は続く 書影

人物 / 新刊超速レビュー

『昭和芸人 七人の最期』舞台が終わっても、人生は続く

登った山が高ければ高いほど、下るのは大変だ。一世を風靡した芸人たちにとっても、栄光が去った後の人生は長い。 喜劇王として歴史に名を残したエノケンこと榎本健一。人気に陰りが出た頃、病気で片足を失い、芸風であった軽やかな動きが舞台では見られなくなる。「同情されたらおしまい」とぼやき続けた彼だが、晩年のエノケンに向けられたのは笑いでなく憐憫だった。 エノケンをライ

残酷なほどに売れている!? 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』 書影

教養・雑学 / 併せて読まれたこの一冊

残酷なほどに売れている!? 『言ってはいけない 残酷すぎる真実』

新潮新書の『言ってはいけない』が売れに売れています。その昔「10万超えると業界人なら知っている本。周囲に購入者が多くなると50万越え、喫茶店で隣に座った人が読んでいるようになったら100万部」なんてな指標を勝手に作って愉しんでいた時期がありましたが、これは冗談にしても周辺で「買った」「読んだ」という声が聞かれるようになってきました。(※HONZのレビューは

『レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う』

なぜ名だたる有名企業が、次々と世間を騒がすような事件を起こしていくのか? その問題の根底には、「宿題は自分で採点できない」という、あらゆる組織に共通する原則がある。この組織的なバイアスを回避するために生まれたのが「レッドチーム」という考え方だ。本書は、今や欧米の民間企業でも広く運用されるようになったこの手法を、幅広い分野の実例とともに、内側から明らかにした一

『TEAM OF TEAMS』 効率性から適応力へ、チェスプレーヤーから菜園主へ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『TEAM OF TEAMS』 効率性から適応力へ、チェスプレーヤーから菜園主へ

2003年のイラク、アメリカ軍は新たな敵との闘いに困惑していた。エリート中のエリートたる統合特殊作戦任務部隊(特任部隊)をもってしても、イラクの混乱状態を鎮静化できる道筋は見えなかった。地元の人間の寄せ集めで、旧式の武器しか持たないイラクのアルカイダ(AQI)は、徹底的に訓練され、ハイテク装備を身に着けた特任部隊を出し抜き、テロ活動を成功させ続けていたのだ。

『「こつ」と「スランプ」の研究』「体感」に「ことば」を、「ことば」に「体感」を 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『「こつ」と「スランプ」の研究』「体感」に「ことば」を、「ことば」に「体感」を

何やらそそられるタイトルだ。とらえどころのない「こつ」と「スランプ」の正体に、いかにして迫っていくのか。そもそも、それらは研究できるものなのか。期待と不安が入り混じるまま読み進めた先に待っていたのは、思わぬアプローチと意外な着地点だった。 実は、「こつ」や「スランプ」についての話は本書の一面に過ぎない。研究対象とされているのはより広い領域、「身体知」である。

『遺伝子組み換えのねじ曲げられた真実』日本の消費者はドルーカー氏の警鐘を どう受け止め、どう生かせばよいか 書影

社会 / 「解説」から読む本

『遺伝子組み換えのねじ曲げられた真実』日本の消費者はドルーカー氏の警鐘を どう受け止め、どう生かせばよいか

米国の著名な物理学者のR・P・ファインマン博士に、『科学は不確かだ!』という講演(大貫昌子訳、岩波現代文庫)がある。「科学者は自分の理論の誤りを、決して隠そうとはしません。それどころか彼の進歩と興奮は、実はまったくその逆のところ、つまり誤りを発見する過程にあるのです」。一方「人類が犯す唯一の過ちは、……答えがわかったと決め込んでしまうことです。……僕らはそん

『神経ハイジャック もしも「注意力」が奪われたら』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『神経ハイジャック もしも「注意力」が奪われたら』

運転中に携帯メールをしていた青年が悲惨な事故を起こしてしまう― それが本書成立の大きなモチーフになったできごとである。そして本書は、「悲惨な事故」のいきさつや顛末を追った人間ドラマであると同時に、その原因になった「運転中の携帯使用」に関する最新の研究や知見を追った科学ルポでもある。それらを支えるのは膨大な取材活動だ。 とまあ、簡単にまとめ

『一人の詩人と二人の画家 D・H・ロレンスとニューメキシコ』 書影

アート・スポーツ / HONZ客員レビュー

『一人の詩人と二人の画家 D・H・ロレンスとニューメキシコ』

僕は、大学では憲法ゼミに入った。テーマは表現の自由。チャタレー裁判や悪徳の栄え裁判を勉強しているうちにD・H・ロレンスに興味を惹かれて、一時期、愛妻フリーダの「私ではなく風が」を始めとした関係書を貪り読んだ記憶がある。それ以来ロレンスはずっと気になる存在で、ラヴェッロ(イタリア)を訪ねたのもロレンス繋がりだった。 本書は、ロレンス夫妻としばし生活を共にしたデ

今週のいただきもの:2016年6月12日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年6月12日週

オフィスが表参道にあるので渋谷から銀座線に乗ることが多いのですが、 銀座線の渋谷駅は3階(地上12m)と高い位置にあります。 半蔵門線渋谷駅は地下にあるのにどうしてでしょうか? それは渋谷が名前の通り「谷」にあるから。 銀座線建設当時(1927)の技術では全線を地下にすると急勾配を登れない可能性があったため、 地下にある隣の表参道駅とほぼ同じ高さの位置に駅を

『さいはて紀行』珍スポットのデスティニーズ・チャイルド 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『さいはて紀行』珍スポットのデスティニーズ・チャイルド

1990年代に『珍日本紀行』の取材で日本中を走り回っていたころから、もう20年が経つ。そのあいだに無くなってしまった場所も、新しく生まれた場所もたくさんある。「珍スポット」という言葉も一般的になって、テレビ番組まで出現した。あのころはインターネットすら一般的ではなかったから、旅行する前に各地の「珍スポ」をググる、なんて時代が来るとは想像

「深海生物テヅルモヅルの謎を追え!系統分類から進化を探る」 分類学に心酔した男の圧倒的成長に迫る 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

「深海生物テヅルモヅルの謎を追え!系統分類から進化を探る」 分類学に心酔した男の圧倒的成長に迫る

「テヅルモヅル」という生物をご存知だろうか。体の中心から五本の腕を伸ばし、その各々の腕を枝分かれさせ、まるで触手のようにうねうねと動かしながら海水中のプランクトンを捕獲し、それらを栄養源として生息している動物だ。腕を広げると、大きなものでは1メートルを超える圧倒的な存在感を持つモヅルもいるようだ.その様子にちなんで、一部の種は学名にギリシャ神話の「ゴルゴン」

『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』

2016年2月11日、重力波研究をかねてから支援していたアメリカの国立科学財団(NSF)のお膝元、首都ワシントンで記者会見が開かれ、前年の九月一四日に同国の重力波観測施設LIGOで重力波が検出されていたことが発表された。その存在が間接的にしか証明されていなかった重力波が直接観測され、一般相対性理論の正しさがまたも実証されたのだ。翌日には一般紙の一面を飾ったこ

あなたの知らない動物の生態 『ざんねんないきもの事典』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

あなたの知らない動物の生態 『ざんねんないきもの事典』

ざんねんないきものとは一生けんめいなのに、 どこかざんねんないきものたちのことである。 世の中にはものすごく不便そうな体を持っている生き物や、どうしてそんな大変そうな生き方をしているの?って思う生き物。またそんな能力を持っていてどうするの?と思ってしまうような生き物が多数存在している。進化というのは一方通行であるがゆえに進化の過程において、かつては必要だった

『恐竜はホタルを見たか』光る生物の進化の歴史 書影

サイエンス / 生物・自然

『恐竜はホタルを見たか』光る生物の進化の歴史

サイエンスの面白さが存分に味わえる一冊だ。 タイトルに惹かれてつい手にとった一冊だったが、ホタルを題材にここまで科学の不思議さと面白さを紹介できるポピュラーサイエンス本の作者がいるとは想像だにしなかった。流麗で平易なことばで科学の謎を解き明かす著者の文章力は、『ワンダフル・ライフ』の著者でポピュラーサイエンスの巨匠スティーブン・グールドを彷彿とさせる。 白亜

この現実を直視せよ 『万引き老人 「貧困」と「孤独」が支配する絶望社会』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

この現実を直視せよ 『万引き老人 「貧困」と「孤独」が支配する絶望社会』

老人の万引きが増加しているというのは聞いたことがあった。しかし、まさか、ここまでとは思っていなかった。驚いただけではなく哀しくなってしまったが、こういう現実を直視せずに現代社会を論じることはできないはずだ。 あちこちのスーパーに出向く保安員、現役の万引きGメンによって書かれた実録集である。20件あまりの事例が紹介されているが、それぞれに、あきれるような、腹立

読み終えるのが寂しかった 『さいはて紀行』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

読み終えるのが寂しかった 『さいはて紀行』

あの日あのときあの本屋で、この本に出会わなかったら〜♫ と思わず歌いたくなる面白さ。読んでいなかったら、今日という日は寂しいものになっていたでしょう。物好き(失礼!)な著者が、日本どころか海外までも珍スポットに出かける漫遊記。なんですがこれがもう…… この本を書いた、金原みわさんの紹介から始めよう。 「珍スポトラベラーとして、全国の珍しい人・物・場所を巡りレ

『うた合わせ 北村薫の百人一首』 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『うた合わせ 北村薫の百人一首』

子どもの頃のお正月は凧上げと百人一首。子ども心に好きだった遍昭の歌などは、そっと近くに寄せておいたものである。本書は、「隣の赤」など興趣をそそるタイトル50組のもとに其々2首の現代短歌を選び合わせて百人一首としたものである。定家が本書を手にしたら、定めし喜んだことだろう。 読み始めるとこれがまた無類に面白い。冒頭の「隣の赤」というタイトルの何とも言えない不気

今週のいただきもの:2016年6月5日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年6月5日週

旧暦で6月のことを水無月といいますね。 甘いモノ好きな私は水無月といえば三角形の外郎生地に小豆がのった和菓子が思い浮かびます。 水無月は1年のちょうど折り返しである6月30日にこの半年の罪や穢れを祓い、残り半年の無病息災を祈願して食べられるもの。 三角形は暑気を払う氷の破片をイメージし、小豆は悪魔払いの意味があるそうです。 月末はこんなことを考えながら水無月