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496記事

半年ぶりに帰ってきた! 5月の今月読む本 Part.2 書影

今月読む本

半年ぶりに帰ってきた! 5月の今月読む本 Part.2

さて、前半が終わったところで内藤編集長から「このままでいくと200分かかっちゃいますよ~」と冷静な指摘をもらい、少しスピードアップを図る。しかし、まだまだ伏兵はいっぱい隠れていたのだ。 ◆何やら大きな封筒を出した 塩田春香 。期待どおりの本を出す。 悪魔の鳥、カッコー。この段階で仲野徹がすでに レビューを書いていた 。写真を検索していたら「え、英語でもカッコ

『直感力を高める 数学脳のつくりかた』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『直感力を高める 数学脳のつくりかた』

数学や科学に強くなるには、どのように取り組めばいいのだろうか。 巷にはいろいろな方法を謳った一般書が出回っているが、これといった効果を実感できなかったので、この本を手に取ってくれた人もいるかもしれない。そういう人の他にも、短期間で数学や科学をものにしたい人、問題解決のコツと学習法の要点などを知りたい人の要望に応えるのが本書である。原書A Mind for N

『古代東アジアの女帝』 書影

人物 / 世界史

『古代東アジアの女帝』

本書の冒頭で、80歳を超えた著者は、高らかにかつこの上なく明晰に述べる。「これまで女帝は中継ぎの存在にすぎない、あるいは巫女的な役割であったなどその存在を矮小化されてきた。しかし、それは古代社会を男性中心に考える歴史観の偏見にすぎないのではないだろうか。時系列に従って箇条書き的に事柄を並べる正史の底流を繋いでいくと、逆に、伝統に依存した男性支配の政治の停滞と

本から見えてくる、2016年新入社員たちのリアル 書影

ビジネス / 併せて読まれたこの一冊

本から見えてくる、2016年新入社員たちのリアル

4月は「新入社員に贈る本」「新入社員が読んでおくべき本」といったテーマの本が非常に多く店頭に並ぶ時期です。ビジネスHow to本であったり、人間関係の本であったり、様々な本が新入社員向けにお薦めされていますが、実態はどうなのでしょう?今回は本から見えてくる新入社員世代の姿に迫ってみようと思います。 このコーナーで利用している日販のWIN+データは、Honya

今週のいただきもの:2016年5月8日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年5月8日週

ゴールデンウィークが終わってしまいましたが、みなさまいかがお過ごしですか? 夏休みまでだいぶあるけれど、近場で何か楽しいことをしたい、そんな方に朗報です。 東京、品川駅から京浜急行で1時間半、終点の三崎口駅からバスで5分ほど。 神奈川県の三浦には数千もの蛍が見られる小網代の森があります。 蛍と言えば源氏蛍と平家蛍がいて、源平に由来するとはなんて日本的と思って

半年ぶりに帰ってきた! 5月の今月読む本 Part.1 書影

今月読む本

半年ぶりに帰ってきた! 5月の今月読む本 Part.1

気が付けばもう5月。薫風がそよぎ春の陽射しがさんさんと降り注ぐ、とても気持ちのいい季節である。ゴールデンウィークも過ぎた頃、HONZ代表の成毛眞から「そろそろ朝会をやらない?」とメールが入った。 前回はなんと11月。忘年会も新年会もせず、みんな淡々とレビューを投稿していたのだが、そろそろまた朝会を復活させようという話になった。さすがに毎月は無理だけど、年4回

悪魔が仕掛ける軍拡競争 『カッコウの托卵 進化論的だましのテクニック』 書影

サイエンス / 生物・自然

悪魔が仕掛ける軍拡競争 『カッコウの托卵 進化論的だましのテクニック』

カッコウ、である。見たことがあるような気もするが、記憶は定かでない。しかし、「♪静かな湖畔の森の陰からもう起きちゃいかが」と鳴くという童謡のおかげで、その名前はよく知られている。なんとなく爽やかだが、そんなイメージとは裏腹に、カッコウは『托卵』という眉をひそめたくなるような方法によって繁殖することで有名な鳥でもある。 托卵というのは「鳥が他種の鳥の巣に産卵し

新しい環境保全の教科書『「奇跡の自然」の守りかた』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

新しい環境保全の教科書『「奇跡の自然」の守りかた』

東京、品川駅から電車で1時間半、終点の三崎口駅から歩いて30分。小網代は、都心からおよそ60キロの三浦半島にある自然の楽園だ。コンクリートで固められていく首都圏にありながら自然がまるごと残っており、しかも、誰でも歩ける身近な場所として大人気だ。なぜそんな「奇跡」が起きているのだろう? 「奇跡の森」。首都圏でも可能な環境保全の好例として、そう評される小網代の森

『心臓の科学史 古代の「発見」から現代の最新医療まで』 心臓の謎に挑み続けた人類の物語 書影

サイエンス / 医学・心理学

『心臓の科学史 古代の「発見」から現代の最新医療まで』 心臓の謎に挑み続けた人類の物語

われわれはたった今医学の歴史を作った ルネ・ファバローロが世界で初めて心臓のバイパス手術を成功させたとき、ファバローロの仲間は高らかにそう宣言した。この宣言は決して大げさなものではない。なにしろ、ファバローロらによる バイパス手術 の手法が確立するまで、冠動脈の塞栓が原因となるありふれた疾患を含む多くの心臓病に直接的な治療の手段は存在しなかったのだ。 ファバ

『中国メディア戦争 ネット・中産階級・巨大企業』 親指は自由になりたがる 書影

社会 / ビジネス

『中国メディア戦争 ネット・中産階級・巨大企業』 親指は自由になりたがる

中国の報道はプロパガンダ一色だから、人々は真実を知らないーーそう思われている方も多いかもしれない。だがそれは、ある意味では正しく、ある意味では間違っている。 微博(weibo) で活躍する知識人たちが当局から狙い撃ちされ、新聞記事は編集部も知らぬ間に校了後に差し替えられる。そんな締め付けが露骨に行われる一方で、高速鉄道事故の様子が微博で生中継され、テンセント

『アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理』 書影

社会 / HONZブックマーク

『アリエリー教授の人生相談室 行動経済学で解決する100の不合理』

私の人生を合理的に解釈すると、こんなふうに説明できるかもしれない。私が人間の性質を観察し、省みることができるようになったのは、あのやけどと、今も続く後遺症のおかげなんだと。 私は体表の7割にIII度熱傷を負ったせいで、3年ほどの入院生活を強いられ、ティーンエイジャーらしい生活を奪われ、日々強烈な痛みに苛まれ、医療システムの機能不全にくり返

『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』恋も仕事も、わがまま上等 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』恋も仕事も、わがまま上等

アナキスト大杉栄のパートナーで、関東大震災後に大杉とともに虐殺された伊藤野枝の評伝だ。 過激なタイトルだが、ページをめくって腰を抜かす。いきなり「あの淫乱女!淫乱女!」と太字で書いてある。岩波書店が心配になるほど、冒頭から衝撃的だ。 野枝は福岡県の地元ではいまだに逆賊扱いで、十数年前にテレビ局の取材を案内した人によると、同年代の存命のおばあさんが「地元の恥を

パソコンより患者の顔 『がん哲学外来へようこそ』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

パソコンより患者の顔 『がん哲学外来へようこそ』

「がん哲学外来」という言葉をきいたことがあるだろうか。本書は、その創始者である著者が、医療現場と患者の隙間を埋める一助となることを願ってまとめた本である。 当初は病院長から「冗談でもやめてほしい」といわれた、この無料外来が始まって10年。これまでに面談者数は延べ3000人にも及び、全国約80箇所で行われるほどに広がっているという。なぜそこまで浸透したのか。本

今週のいただきもの:2016年5月1日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年5月1日週

先日、初めて歌舞伎を観にいきました。日比谷線の東銀座駅3番出口は木挽町広場に接続していてその賑やかさはまるでお祭りのようでした。歌舞伎にまつわるお菓子や手拭い、扇子などのお土産が数多く売られています。 エスカレーターを上ると歌舞伎座の正面玄関はすぐそこにあります。建物の外観も立派ですが中に入り、花道を見た時は期待に胸が膨らみました。実際に上演中、役者が花道を

『若冲への招待』鶏すら鳳凰へ 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『若冲への招待』鶏すら鳳凰へ

2006年、東京国立博物館で開催されたプライスコレクションにて、初めて本物の紫陽花双鶏図を見たとき、全身に稲妻が走るような衝撃を受けた。尾長鶏はあまりに繊細かつ優美に描かれ、その崇高な姿はまるで鳳凰のようであり、口を開けて見入ってしまったのを覚えている。 本書は若冲の生誕300周年を記念し、初めての人にでも楽しく鑑賞できるポイントを紹介したフルカラー入門書だ

『牛を飼う球団』「高知ファイティングドッグス」が生んだ地域創生物語 書影

アート・スポーツ / 社会

『牛を飼う球団』「高知ファイティングドッグス」が生んだ地域創生物語

プロ野球にはNPB(日本野球機構)の12球団、いわゆるパリーグとセリーグのほかに、独立リーグという存在がある。2004年のプロ野球再編問題以降、地域密着型の野球チームが設立され、その中の一つ、四国アイランドリーグプラス〈四国IL〉のひとつ 「高知ファイティングドッグス」 が本書の舞台である。 四国アイランドリーグプラス は2005年に設立された。高知は、 香

お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

お金の何が、世界を"動かして"いるのだろう?──『貨幣の「新」世界史――ハンムラビ法典からビットコインまで』

貨幣の歴史について語った本は数多い。 それだけに「新」といえるほどの新機軸を打ち出せるものかと思っていたのだが、本書は貨幣の定義を通常よりも拡張し 『そこで私は、お金は価値のシンボルだという定義にたどり着いた。』 としてみせることで、より広い視点、それも生物学、宗教、脳科学と一見貨幣とはあまり関係なさそうな分野まで内包し、様々な角度から光を当てた貨幣史を語る

『ルポ 同性カップルの子どもたち アメリカ「ゲイビーブーム」を追う』 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『ルポ 同性カップルの子どもたち アメリカ「ゲイビーブーム」を追う』

性的マイノリティ(LGBT)の権利保障の動きが世界的に進んでいる。LGBTとは、Lesbian(レズビアン)、Gay(ゲイ)、Bisexual(バイ・セクシャル)、Transgender(トランスジェンダー)の頭文字をとった総称であり、2000年のネーデルランド(オランダ)を皮切りに、ベルギーやスペイン、カナダ、南アフリカと同性婚を認める国が次々と出てきた。

『自衛隊の闇 護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件の真実を追って』 書影

事件・事故 / HONZブックマーク

『自衛隊の闇 護衛艦「たちかぜ」いじめ自殺事件の真実を追って』

もしも、自らが所属する組織の不正を知ったら、あなたは、その不正を正す勇気を持てるだろうか? 幹部自衛官でありながら、自衛隊組織の不正を、正々堂々と通報した男がいる。彼の階級は、3等海佐(以下、3佐)。「自衛隊は噓をついている」と裁判所に訴えたのだ。 2014年4月23日、東京高等裁判所。21歳の自衛官・Tさんの”いじめ自殺”を巡る裁判の控訴審判決が下された。

『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 豆から生まれたメンタリティ

ある時をきっかけに、食べ物のイメージがガラリと変わることがある。個人的に最も驚いたのは、はじめて四川料理の店で辛い麻婆豆腐を食べた時のことだ。俺は今まで何をやっていたのだろうかという激しい後悔と同時に、麻婆豆腐というものへの理解が革命的に変わっていくことを実感した。 高野秀行にとっては、それが納豆であったのだろう。ある時、ミャンマー北部のカチン州での取材中に

『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』 ペンタゴンのヨーダと呼ばれた男 書影

人物 / 世界史

『帝国の参謀 アンドリュー・マーシャルと米国の軍事戦略』 ペンタゴンのヨーダと呼ばれた男

常に裏舞台で働くことを好み、自己宣伝や世間からの注目を極端に嫌ったアンドリュー・マーシャルの名を知る者は少ない。しかし、「ペンタゴンのヨーダ」と呼ばれ40年以上にわたって政府高官としてアメリカの安全保障に貢献してきたこの男の明晰な頭脳から生み出せされた戦略からは、誰もが無縁ではいられない。マーシャルは、冷戦中のソ連がCIAの推計よりもずっと多くの軍事負担に苦

『闇の女たち 消えゆく日本人街娼の記録』 書影

民俗・風俗 / HONZブックマーク

『闇の女たち 消えゆく日本人街娼の記録』

やっと終わった。文庫の作業が終わったという意味だけではない。ふだんは見ないようにしていながらも、部屋の片隅にずっとうずくまっていた童子のような存在と向かい合い、やっとうちから出ていってもらうことができたような感覚に今私は浸っている。自分の仕事を褒めるのは抵抗があるが、いい内容だと思う。その満足感、責任を果たせたことの安心感に浸るとともに、童子がいなくなったこ

今週のいただきもの:2016年4月24日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年4月24日週

毎年4月に祇園で行われる都をどり。今年で144回目を迎えたそうです。華やかな舞は観ていると吸い込まれそうでした。 舞妓さんや芸妓さんが配る千社札(花名刺)はお財布に入れておくとお金が「舞いこむ」と言われています。芸妓さんは元舞妓ということで「もっと舞いこむ」なんて言うんだとか。 いずれにしろ素敵なデザインのものばかりで、いただいたら目立つ所に貼りたくなります

伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

伝えることで、世界は変わるのか『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』

「伝えることで、世界は変わるのか」 社会問題をテーマにしたドキュメンタリー映画の配給を生業にしていると、よくこの問いに直面する。映画は、問題について人に“伝える”ことはできるが、温室効果ガスを減らせるわけでも、戦争を止められるわけでも、貧困家庭を支えられるわけでもなく、直接的な“治療薬”にはならない。 この葛藤は、映画に限らず、写真や本でも、同じように“伝え

『言ってはいけない』不愉快な真実を直視せよ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『言ってはいけない』不愉快な真実を直視せよ

最初に断っておくが、これは不愉快な本だ。だから、気分よく一日を終わりたい人は読むのをやめたほうがいい。 表紙をめくるとこのような言葉が最初に目へ飛び込んでくる。そしてこう続く。 世界は本来残酷で理不尽なものだ。その理由を、いまではたった一行で説明できる。 人は幸福になるために生きているけれど、幸福になるようにデザインされているわけではない なんとも興味が惹か

『深読みシェイクスピア』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『深読みシェイクスピア』

シェイクスピアを翻訳する人には二つの大きな障壁があるだろうと私は思う。 一つはシェイクスピアの奥の深さ。およそ古典はシェイクスピアに限らず、ギリシャ悲劇でも「源氏物語」でも近松でも、時代により社会により人によってその解釈は多岐にわたる。その多様性に耐えて今日まで残ったのが真の古典なのであって、真の古典である限りその奥の深さはほとんど無限に近い。そこに正解など

『戦争の物理学』戦史と物理学の歴史の見事な融合 書影

サイエンス / 世界史

『戦争の物理学』戦史と物理学の歴史の見事な融合

「戦争にまつわる物理学の本を書いている」著者がこう話すと、周りからは「物理学が戦争と何の関わりがあるんだい?」という言葉が返ってきたという。続けて「ああそうか、原子爆弾のことだね」と言われたという。『戦争の物理学』という本書のタイトルを読んで同じように思った方も多いだろう。もちろん、本書では原爆の事も論じられている。しかし、それだけではない。人を殺傷する際の

図鑑は「積ん読」でいい!?『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

図鑑は「積ん読」でいい!?『頭がいい子の家のリビングには必ず「辞書」「地図」「図鑑」がある』

本書は進学塾で講師として活躍した著者が、辞書、地図、図鑑を使って子どもの知的好奇心を刺激する、また知識を吸収し思考する力を育てる方法を指南した1冊である。リビングに辞書、地図、図鑑を置くことによって、すぐにその場で調べられる環境を整え、子どものアンテナが立った瞬間を逃さない。子どもの気が移ろわないうちに、世界との接点を強化し、またそこから話を広げることで知識

『宇宙からいかにヒトは生まれたか 偶然と必然の138億年史』 書影

サイエンス / 生物・自然

『宇宙からいかにヒトは生まれたか 偶然と必然の138億年史』

第1部「宇宙の誕生」。宇宙は3種類しかない。僕たちの住む宇宙は「人間に都合よく調節された宇宙」だ。大部分は「調節されていない、人間のいない宇宙」だろう。「調整されているが人間はいない宇宙」もあるかもしれない。ビッグバンが138億年前に起こり太陽系が46億年前に形成された。 第2部「地球の形成」。地球が45.5億年前、月が45億年前、遅くとも38億年前までに海

『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 ダイナミックな文化論を軽やかな足取りで 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆>』 ダイナミックな文化論を軽やかな足取りで

高野 秀行の最新刊は、固定観念の外側を探検する。テーマはずばり、納豆とは何か? ともすればアカデミックに着地してもおかしくないテーマを、おなじみ高野流の足取りで核心へと迫っていく。このアプローチをアカデミック界の鬼才は、どのように評したのか? 昨夏『 世界の辺境とハードボイルド室町時代 』で魔球対決を繰り広げた清水 克行氏に、本書のレビューを寄稿いただきまし

そもそもなぜ地球外天体は地球に到達するのか?──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

そもそもなぜ地球外天体は地球に到達するのか?──『ダークマターと恐竜絶滅―新理論で宇宙の謎に迫る』

書名に入っている「ダークマター」と「恐竜絶滅」、どちらもなんてことない単語であるが、かけ離れた関係性の単語なだけに、とてつもなくうさんくさい!「ダークマターとブッダ」ぐらいに意味がわからない! なんてうさんくさい本なんだ! と一目見た時につい思ってしまった。 とはいえ著者は『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』など数々の著書/実績に加え、ハーバード大学の教

『大学でまなぶ日本の歴史』そうだったのか!が次々に 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『大学でまなぶ日本の歴史』そうだったのか!が次々に

日本の歴史の基礎を一冊で総覧する本と言えば、高校の教科書がまず浮かぶ。高校時代は試験のために仕方なく開き、太文字を拾って闇雲に暗記するものの、短時間で詰め込んだものは短時間で記憶の彼方へ。教科書なんて無味乾燥、淡々とした記述の羅列…。子供たちはみんなそう思っている。 だが、大人になってみると分かってくる。実は、教科書ほど基本的な教養を網羅しているものはない。

『シェア [ペーパーバック版] <共有>からビジネスを生みだす新戦略』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『シェア [ペーパーバック版] <共有>からビジネスを生みだす新戦略』

2010年に本書の日本語版が発売された頃、「シェアリングサービス」における現在の状況を、ここまで明確にイメージできた人はどれくらいいたのだろうか? 「Airbnb」「Uber」といった昨今のサービスの躍進とともに、かつて本書で投げかけられたシェアの意義は、より現実的な課題としても捉えられつつある。このような状況から、本書は内容もそのままに再びペーパーバック版

『フリー [ペーパーバック版] <無料>からお金を生みだす新戦略』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『フリー [ペーパーバック版] <無料>からお金を生みだす新戦略』

2009年に単行本として発売された『フリー』は、その後のWebサービスのあり方に大きな影響を与えた一冊である。その一方で、いまだフリーとの向き合い方を模索している最中のWebサービスも数多く見受けられるのが実情だ。このような混迷する状況を受け、本書は内容もそのままにペーパーバック版として再び刊行された。かつてビジョンを提示した一冊は、混迷を打開する一冊にもな

今週のいただきもの:2016年4月17日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年4月17日週

出版物の売上が好調で、再び印刷出版することを重版や増刷と言いますね。 しかし、重版と増刷の違いをご存知ですか? 重版とは版を改めて(修正を加えて)印刷すること。 増刷とは版はそのままさらに印刷すること。 …といった意味だったようですが、現在では修正の有無に関係なく、 どちらも使われているそうです。 「重版」といえば、HONZ代表の成毛眞の新刊 『これが「買い

『シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき』

本書は2005年にアメリカのViking社から刊行されたレイ・カーツワイルの大著"The Singularity Is Near: When Humans Transcend Biology"のエッセンス版であり、同書の邦訳『 ポスト・ヒューマン誕生 〜コンピュータが人類の知性を超えるとき 』(NHK出版刊)を親本として、その主要部分をコンパクトに再編集した

『プラハの墓地』 書影

世界史 / 小説

『プラハの墓地』

僕が初めてプラハのユダヤ人墓地を訪ねたのは晩秋で、ベルリンの壁が崩れるずっと以前のことだった。薄暗い墓地を巡ったあと、小さいゴーレム人形を記念に買ったのを覚えている。ナチのホロコーストに霊感を与えた史上最悪の反ユダヤ主義の偽書「シオン賢者の議定書」は、誰が何処でどのように捏造したのか、本書はその謎に挑む諧謔に満ちたピカレスク小説である。エーコの小説として翻訳

『貨幣の「新」世界史』ハンムラビ法典からビットコインまで 書影

社会 / 「解説」から読む本

『貨幣の「新」世界史』ハンムラビ法典からビットコインまで

学校の歴史の授業では、お金のはじまりは物々交換だったと教えられることが多いのではないでしょうか。大昔の人たちが、たとえば魚と肉を交換しているイラスト入りの教科書などもあるでしょう。 本書『貨幣の「新」世界史』(原題Coined: The Rich Life of Money and How Its History Has Shaped Us、2015年刊)は

『ゲノム革命 ヒト起源の真実』 ゲノムは口よりものを言う 書影

サイエンス / 生物・自然

『ゲノム革命 ヒト起源の真実』 ゲノムは口よりものを言う

ヒトにもっとも近縁な類人猿はチンパンジーだ、ヒトとネアンデルタール人は交配していた、ヒトが出アフリカを果たしたのは5万年前ではなく10万年前にもさかのぼる。最先端の分子生物学は、ヒトの起源について驚くほど多くのことを教えてくれる。「ゲノム時代」と呼ばれる現代では、新事実が発見されるスピードは加速度的に増している。つい先日も、「 ネアンデルタール人絶滅は人類の

『ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『ハーバードの人生が変わる東洋哲学──悩めるエリートを熱狂させた超人気講義』

今、ハーバード大学で絶大なる人気を誇るのが、マイケル・ピュエット教授による「中国哲学」の講座である。本書は、ピュエット教授による授業内容を熱気もそのままに、詰め込んだ一冊だ。なぜ、中国哲学と真摯に向き合うことが、多くの人の人生を変えるのか? 本書に寄せられた共著者(クリスティーン・グロス=ロー)の前文を掲載する。(HONZ編集部) 2013年のさわやかな秋晴