
『サイボーグ化する動物たち』 生命の操作は人類に何をもたらすか?
科学の進歩は、地球に生命が誕生して以来の数十億年どこにも見られなかった奇妙な生き物を生み出している。バイオテクノロジーによる遺伝子操作だけでなく、電子工学とコンピューター技術の進歩も生命に新たなカタチを与え始めているのだ。キラキラと光る魚、薬の入ったミルクを出すヤギ、遠隔操作が可能なロボット昆虫。SFの世界でしか見られいと思ってい生き物は、既にこの世に存在し
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科学の進歩は、地球に生命が誕生して以来の数十億年どこにも見られなかった奇妙な生き物を生み出している。バイオテクノロジーによる遺伝子操作だけでなく、電子工学とコンピューター技術の進歩も生命に新たなカタチを与え始めているのだ。キラキラと光る魚、薬の入ったミルクを出すヤギ、遠隔操作が可能なロボット昆虫。SFの世界でしか見られいと思ってい生き物は、既にこの世に存在し

科学技術の進歩はめざましい。日ごろの暮らしではあまり気にとめていなくても、何かの出来事やニュースがきっかけで、世の中はここまで進んでいるのかと驚かされた経験をもつ人も多いのではないだろうか。 バイオテクノロジーの進歩も例外ではなく、人間が生命を自由に操れる時代が着実に近づいている。本書では新進気鋭の科学ジャーナリスト、エミリー・アンテスが、さまざまな技術を駆

昆虫は最強の生物である──と断言されると、人類じゃなくて? と疑問が湧いてくるが、まあ「最強」の定義次第といったところだろう。たとえば、人類はこの地球上に種そのものを脅かす天敵はいないわけで、その観点からいえば「人類は地球最強の生物」といってもいいだろう。 しかし、別の観点からすると、これまでに発見され、命名された昆虫は100万種、名前もついていないものも含

北海道むかわ町穂別で日本古生物学史上最大級の発見があったのは2003年4月。それから10年以上が経過した2013年7月17日、日本初の恐竜全身骨格発見が北海道大学のプレスリリースで世間に伝えられた。誰がどのようにしてこの化石を発見したのか、公表までの10年間研究者たちは何をしていたのか、このハドロサウルス科の新種と思われる恐竜は7000万年以上前どのように日

現代生態学の核心的なテーマを扱う不思議な本が登場した、というと、意外に思われるかもしれない。扱われているのは、自然回復論。外来種をどう理解し、評価するか、未来の自然保護をどのようなビジョンで考えるか、そんな話題ではないか。そのどこが現代生態学の基礎テーマにからんでいるというのだろう。 現代生態学の基礎テーマというと、まっさきに、ドーキ

本書は The Brain’s Way of Healing: Remarkable Discoveries and Recoveries from the Frontiers of Neuroplasticity (Viking, 2015)の全訳である。19か国で翻訳され、累計100万部以上を売った前作『脳は奇跡を起こす』(竹迫仁子訳、講談社インターナシ

本書は発売(6/16)とほぼ同日に重力波2度目の観測成功が発表され、即日で重版が決まったというあまりにも出来過ぎな1冊だ。とはいえ単なる偶然と片付けるのも味気ない。これは、人類がこれまで観測できなかった「音」が宇宙に満ちている1つの「確証」であるのかもしれない。 もう少し具体的に紹介すると本書『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』は重

2016年2月11日、重力波研究をかねてから支援していたアメリカの国立科学財団(NSF)のお膝元、首都ワシントンで記者会見が開かれ、前年の九月一四日に同国の重力波観測施設LIGOで重力波が検出されていたことが発表された。その存在が間接的にしか証明されていなかった重力波が直接観測され、一般相対性理論の正しさがまたも実証されたのだ。翌日には一般紙の一面を飾ったこ

サイエンスの面白さが存分に味わえる一冊だ。 タイトルに惹かれてつい手にとった一冊だったが、ホタルを題材にここまで科学の不思議さと面白さを紹介できるポピュラーサイエンス本の作者がいるとは想像だにしなかった。流麗で平易なことばで科学の謎を解き明かす著者の文章力は、『ワンダフル・ライフ』の著者でポピュラーサイエンスの巨匠スティーブン・グールドを彷彿とさせる。 白亜

「気のおけないつながりは150人まで」というダンバー数などでおなじみ、 ロビン・ダンバー氏待望の新刊が今月下旬に発売される。前著『 友達の数は何人? 』から実に5年ぶりとなる本作は、人類進化の謎を「社会脳」と「時間収支」から解き明かす一冊。その読みどころを一足早く、版元の編集部に解説いただきました。(HONZ編集部) 人類進化の道筋は、穴ぼこや断層だらけだ。

レオナルド・ダ・ヴィンチの名で何を思い浮かべるだろう。スフマート技法による『モナ・リザ』の作品だろうか、またはキリスト教の聖書に登場する『最後の晩餐』の画家としてだろうか?周知の通り、彼は絵画のほか彫刻・建築・科学・数学・工学・解剖学・地学・植物学など、極めて広い分野に精通していた。各分野における天才だということは確かだとしても、どのような環境で育ち、複雑な

ロボットはすでにわたしたちの生活に欠かせないものとなっている。工場で人間の代わりに不眠不休で働くばかりでなく、 エンターテインメント や ホテル受付 のようなサービス領域にもその活躍の場を広げつつある。マクドナルドの前CEOは「フライドポテトを袋に詰めるだけで時給15ドルも払わなくてはならない労働者を雇うより、3万5,000ドルのロボットアームを買う方が安い

ラジオ番組の取材で地下の下水道に入ったら、不思議な音響に遭遇した。それがきっかけで、本書の著者トレヴァー・コックスは”音の驚異”のコレクターとなった。マンチェスターのソルフォード大学に勤務するコックス教授は、本来は室内音響学を専門としている。インドア派かと思いきや、世界各地から音に関する情報が寄せられると、自ら体験するために機材を抱えてフットワークも軽やかに

『フェルマーの最終定理』で、数学3世紀の謎に挑む数学者たちの姿を感動的に描いて世界を驚かせたサイモン・シンは、その後も暗号の歴史をドラマチックに描いたり、宇宙論をテーマに科学とは何かを考えさせたりと、納得の意欲作を世に送り出してきました。とくに前作の『代替医療解剖』は、それまでのアカデミックなテーマから、「科学ジャーナリズム」の課題へと踏み出し、新たな地平を

前作『代替医療解剖』の発表から実に8年。人気サイエンスライター、サイモン・シンの最新作の翻訳版がついに完成しました。テーマはズバリ『ザ・シンプソンズ』。1989年の初放映からすでに600話超! 今も続くアメリカの大人気アニメーションです。黄色い肌に、大きなギョロ目、極端にデフォルメされた姿はきっと多くの人がご覧になっているはず。社会風刺のたっぷりきいたドタバ

著者であるマイケル・S・ガザニガは書名にも入っているように認知神経科学を創りあげた(名付けた)人間である。てんかん発作を抑えるため当時まれに行われていた右半球と左半球をつなぐ脳梁を切断した患者を対象にした実験で、右脳と左脳がそれぞれ役割を分担しながら別個に働く現象を観察し、以後分離脳研究を中心として驚くべき実験成果を次々と生み出してきた。 本書はそんな輝かし

本書は、物理学者スティーヴン・ワインバーグがテキサス大学で行ってきた科学史の講義に基づいた著書の邦訳である。『科学の発見』というタイトルが示すように、個々の科学的事実の発見の歴史ではなく、科学の方法それ自身の発見に重点を置いていることが特徴だ。ワインバーグは、「現代科学の実践を見たことがない人にとって、その方法は何一つとして明らかではないのである」と語り、人

「家なき子」のウイルス。生物の細胞という部屋に入って、細胞膜という「壁」に囲まれ、リボソームという細胞内でタンパク質を作る役割を持つ言わば3Dプリンターを自由自在に操り、自身のDNAをたくさんコピーする。部屋が自分のコピーでいっぱいになったら、隣の部屋へと出て行く顛末となる。一見立派な策略を持っていそうなウイルスだが、純化するとただのタンパク質と核酸という分

科学はどのように進歩するのか? 多くの人はおそらく次のようなイメージを持っていると思う。我々凡人からはかけ離れたすさまじい洞察力を持つ希代の大天才が、誰の助けも借りずにたった一人で自然界の秘密の一端を完璧な形で看破し、一瞬にして人類の知識を飛躍させる、と。さらに、科学研究は我々からは遠い世界で進められていて、我々とはまったく無縁の営みだと考えている人も多いだ

数学や科学に強くなるには、どのように取り組めばいいのだろうか。 巷にはいろいろな方法を謳った一般書が出回っているが、これといった効果を実感できなかったので、この本を手に取ってくれた人もいるかもしれない。そういう人の他にも、短期間で数学や科学をものにしたい人、問題解決のコツと学習法の要点などを知りたい人の要望に応えるのが本書である。原書A Mind for N

カッコウ、である。見たことがあるような気もするが、記憶は定かでない。しかし、「♪静かな湖畔の森の陰からもう起きちゃいかが」と鳴くという童謡のおかげで、その名前はよく知られている。なんとなく爽やかだが、そんなイメージとは裏腹に、カッコウは『托卵』という眉をひそめたくなるような方法によって繁殖することで有名な鳥でもある。 托卵というのは「鳥が他種の鳥の巣に産卵し

われわれはたった今医学の歴史を作った ルネ・ファバローロが世界で初めて心臓のバイパス手術を成功させたとき、ファバローロの仲間は高らかにそう宣言した。この宣言は決して大げさなものではない。なにしろ、ファバローロらによる バイパス手術 の手法が確立するまで、冠動脈の塞栓が原因となるありふれた疾患を含む多くの心臓病に直接的な治療の手段は存在しなかったのだ。 ファバ

「戦争にまつわる物理学の本を書いている」著者がこう話すと、周りからは「物理学が戦争と何の関わりがあるんだい?」という言葉が返ってきたという。続けて「ああそうか、原子爆弾のことだね」と言われたという。『戦争の物理学』という本書のタイトルを読んで同じように思った方も多いだろう。もちろん、本書では原爆の事も論じられている。しかし、それだけではない。人を殺傷する際の

第1部「宇宙の誕生」。宇宙は3種類しかない。僕たちの住む宇宙は「人間に都合よく調節された宇宙」だ。大部分は「調節されていない、人間のいない宇宙」だろう。「調整されているが人間はいない宇宙」もあるかもしれない。ビッグバンが138億年前に起こり太陽系が46億年前に形成された。 第2部「地球の形成」。地球が45.5億年前、月が45億年前、遅くとも38億年前までに海

書名に入っている「ダークマター」と「恐竜絶滅」、どちらもなんてことない単語であるが、かけ離れた関係性の単語なだけに、とてつもなくうさんくさい!「ダークマターとブッダ」ぐらいに意味がわからない! なんてうさんくさい本なんだ! と一目見た時につい思ってしまった。 とはいえ著者は『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』など数々の著書/実績に加え、ハーバード大学の教

ヒトにもっとも近縁な類人猿はチンパンジーだ、ヒトとネアンデルタール人は交配していた、ヒトが出アフリカを果たしたのは5万年前ではなく10万年前にもさかのぼる。最先端の分子生物学は、ヒトの起源について驚くほど多くのことを教えてくれる。「ゲノム時代」と呼ばれる現代では、新事実が発見されるスピードは加速度的に増している。つい先日も、「 ネアンデルタール人絶滅は人類の

「メカ屋のための」とあるように、本書はエンジニアに向けた脳科学本である。 「なぜわざわざ特別にエンジニア向けに脳科学入門が書かれなくてはならないのか? 一般人向けに書けばいいではないか」と疑問を抱くかもしれないが、なるほどもっともな話ではある。 それはまず第一に、著者が東京大学工学部の機械系、情報理工学研究科、工学研究科で講義を受け持っている、機械系かつ生物

知能は上げられない――それは生まれつきの能力であり、大きく伸ばすことは難しい。研究者も、多くのひとびとも、そう考えていた。ところが、近年、「知能は短期間で上げられる」という研究成果が続々と発表され、大きな注目を集めている。こうした成果に基づいた<頭をよくする>脳トレや認知能力を高めるメソッドもいろいろ開発されている。また、米国では政府系機関も関心を寄せ、積極

問題です。縦3ブロック、横4ブロックの板チョコがあります。このチョコレートを何回割れば12個の小さいブロックに分けることが出来るでしょうか。ただし、重ねて割ってはいけません。 ゲームです。 ① 1から9の数の中から1つの数を選んでください。 ② 選んだ数を2倍にしてください。 ③ その2倍した数に6を足してください。 ④ ③で出た数を2で割ってください。 ⑤

記憶と知識の違いは何か、そもそも幼児はどのようにして言葉を学びはじめるのか、覚えても使えない知識と新しいことを生み出すことができる知識は何が違うのか、凡人と一流、そして超一流の学び方の違いは何か。「学び」についての疑問は、人生のどの局面においても好奇心をそそられる。 しかし、何を「学び」と定義するかはひとりひとり違う考えを持っており、「よい学び」という価値判

人の命は何物にも代えがたい。何としても救うべきものだ。しかし、「人間はだれでもみな死ぬ」ことが厳然たる事実である以上、科学の力で命を繋ぎ止めても、それにはかならず代償がつきまとう。 本書は、蘇生術の歴史を丹念に説き明かすともに、蘇生科学の研究の最前線を追い、さらには、タブー視されがちな倫理の問題にまで踏み込んだ骨太な力作である。 「僕らは命を救っているという

著者リサ・ランドール博士は、世界的に著名な理論物理学者で、「ワープした余剰次元」という画期的な理論の提唱者の一人として知られている。日本へは、2005年に東京大学と京都大学で開催された国際会議に出席のため来訪、2007年と2014年にも東京大学で開催された講演会のために再訪している。 この本のテーマは、ダークマター(暗黒物質)、すなわち宇宙の2割以上を満たす

世界初の人工雪の製作に成功し、低温科学の分野で大きな業績を残した中谷宇吉郎は、物理学者寺田寅彦の弟子であり、研究でも随筆においても強く影響を受けた。本書は著者の科学エッセイ14篇を収録しており、どの文章にも詩的な表現とユーモアがふんだんに散りばめられ、純粋な科学のおもしろさがじわじわと伝わってくる。 冷えきったガラス板を天にかざし、降り落ちる雪を受け取っては

世界中に存在する本の内容を読み取ってデータ化し、さまざまな形で利用できることを意図したグーグル・ブックス・プロジェクトが立ち上げられた時、そんなことができるのか(分量的な意味でも権利的な意味でも)と疑問に思ったものだ。それが今では、著作権侵害などさまざまな課題を残しつつも事業は継続し、検索した時にお世話になることも増えてきた。3000万冊以上の本をすでにデジ

かつてよく「インタネット空間では多くの人々が発言の機会を得、メッセージを発信できる。言論の幅が広がるだろう」と聞いたものだ。時がたち、なるほど確かにスマホなどが行き渡ったこともあり、多くの人々が様々なメッセージを発するようになった。 が、発信される情報の量は、必ずしも豊かで健やかな言論空間を補償しない。見渡せば中傷、人格攻撃、炎上…。傍目八目、人の争いだと「

本書で取り上げられる発達障害は、教育現場でその問題が指摘される自閉症スペクトラム障害や ディスレクシア などから、遺伝子疾患による ウィリアムズ症候群 まで幅広い。発達障害そのものではなく、「乳幼児の心と脳の発達」を研究の重心としてきた心理学者である著者は、従来は社会性の障害であるといわれていた発達障害に、視覚情報処理とその発達という科学的知見から新しい光を

物理学というのは難しいと思う。 いや、物理学なんて簡単だという人だっているかもしれないし、難しいと感じる人のあいだでも、難解に感じる点は人それぞれ違うだろう。私が感じる難しさは、物理学で取り扱われている力やエネルギーといったさまざまな要素が「目に見えない」点だ。 もちろん、物理学的な現象は目に見える。放り投げたボールが放物線を描いて飛んでいく、照明のスイッチ

生命がどのようにして誕生し、進化してきたのか?だれもが興味をいだくテーマだ。完全にわかるということはありえない。しかし、あたらしい技術が開発され、あらたな発見がなされ、次第に議論が収斂してきている。全地球凍結=スノーボールアース仮説の提唱者である地質生物学者著者ジョセフ・カーシュヴィンクと古生物学者ピーター・ウォードによるこの本は、最新データを網羅してまとめ

ダーウィン進化論は、信じられないほど少ない仮定で、驚くほど多くのことを説明してしまう。なにしろ、100万種以上といわれるほど多様で、かつその1つ1つが複雑な機能を備えている生命が、どのように実現されているかを誰もが理解できるように示してみせたのだから、驚異という他ない。またダーウィン進化論は、DNAがどのように遺伝情報を継承しているかというミクロな視点から、

リョコウバト、ドードー、何より有名なマンモスなどこの世界では絶滅が後を絶たない。 人間による乱獲や森林の伐採などによる環境変動によってみすみすと絶滅させてしまった場合などは、人間の愚かさの象徴として語られることも多いが、そうはいっても気候の変動なり生態系の変化なりで絶滅というのはいつだって起こりえるものだ。であればこそ──一度絶滅したはずの生き物を現代に復活