
『京都ぎらい』を読んでいるのは、どんな人なのか?
桜開花のニュースを見ると、なぜだかソワソワし無性にどこかに出かけたくなります。書店の店頭も多くのレジャー誌、旅行ガイドブックで賑わっていますが、行き先別に見ると常に人気があるのが京都。この3月の売行きを見ても、20代~30代の若年世代ではUSJやディズニーリゾート関連書に負けるものの、60代以上ではダントツ1番人気となっていました。(WIN+調べ) そんな中
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桜開花のニュースを見ると、なぜだかソワソワし無性にどこかに出かけたくなります。書店の店頭も多くのレジャー誌、旅行ガイドブックで賑わっていますが、行き先別に見ると常に人気があるのが京都。この3月の売行きを見ても、20代~30代の若年世代ではUSJやディズニーリゾート関連書に負けるものの、60代以上ではダントツ1番人気となっていました。(WIN+調べ) そんな中

あらためて進化というのは面白いものだと感動した。なにをいまさらではあるが、百聞は一見にしかず。巨大生物の解剖と生理を目の当たりにすると、誰もがそう思わずにいられないだろう。 動物の大型化には、たとえば、キリンの首が長くなるとより多くの餌を食べることができるようになるというように、メリットがあるはずだ。しかし、大型化にはメリットだけではなく、何らかの不都合が生

映画になりそうな犯罪ノンフィクションはいかが? 主人公は一癖もふた癖もある本泥棒とガッツのある図書館司書たち。あの手この手の知恵をしぼる泥棒組織と、それに対して、「図書館特別捜査員」として奮闘する司書。「稀覯本」をめぐる攻防の舞台はニューヨーク! アメリカ経済が上り調子となった1920年代、1929年の大恐慌を経てしばらくの間1930年代まで、図書館史上最悪

先月2月20日、南太平洋に浮かぶ島嶼国フィジーに、史上最大規模のサイクロンが上陸し、大きな被害をもたらした。それから間もない、復興に向けて大変な時期に、SNSに現れたフィジーの人たちの写真がこちら。 溢れんばかりの満面の笑み。見ているこちらのほうが元気をもらえそうだ。 世界各国で様々な天災・人災が起きているが、その直後で、これだけ明るい現地の人の表情を見たの

今年は就活の説明会解禁日が3/1ということで、街中でリクルートスーツ姿の人を見かけることが多いですね。 日本でリクルートスーツというと黒一色のイメージですが、欧米では黒いスーツは葬式や夜のパーティー用という意識があるそうです。また、日本でも20年ほど前は紺が主流。 女性は明るいグレーやパステルカラーのワンピースを着てたりして、時代によってずいぶん事情が異なる

尼崎事件は兵庫県尼崎市を中心に複数の家族が監禁・虐待され、死へ追いやられた連続殺人事件である。首謀者の角田美代子は、長年に渡り、様々な家族を乗っ取り、金を脅し取ったうえで、崩壊させていった。その過程では、少なくとも9人が死へ追いやられており、しかも角田美代子が直接手を下すのではなく、取り込んだ家族を意のままに操り、家族同士で暴力を振るわせ壊滅させたことが特徴

ある朝、著者は携帯メールの着信音に起こされる。 2011年3月11日――。 彼女はアメリカ人だが母親は日本人、子どもの頃からしばしば母に連れられて日本を旅してまわった。福島県いわき市で禅寺を営む親族もいる。 メールはアメリカにいる著者に、日本での地震を伝える友人からのものだった。幸運にも、いわき市の親族は無事だった。だがそれがわかるまでの間、不安にかられてイ

本書は、アメリカのジャーナリスト、マッケンジー・ファンクが6年の月日をかけ、24か国とアメリカの十数州を回って書きあげた力作ルポルタージュ、『Windfall』の全訳だ。 巻頭のカラー写真を見るだけでも、著者の取材がいかに多岐広範に及ぶかがうかがわれよう。本書は気候変動(地球温暖化)を取りあげるが、それ自体が主役ではない。気候変動が起こっているという確信が深

第1章「マッカ」では、愛妻ハディージャと穏やかに暮らしていたムハンマドに、610年の運命の夜、神の啓示が下りるまでが描かれる。ムハンマドとハディージャの相互の深い信頼と愛情が平明な言葉で綴られる。何と温かな思いやりに満ちたカップルだろう。ハディージャがいたからこそ、ムハンマドは怯むことなくアッラー(神)と対峙できたのである。 第2章「ジャーヒリーヤ」(無明時

律令制の時代から昭和初期にかけて、市場経済が形成され、洗練されていくプロセスが書かれた1冊だ。要所を辿りながら、1200年以上の時間を一気に駆け抜ける。まんべんなく触れるのは難しいので、時代を絞って紹介していきたい。 著者によれば、戦国時代は日本経済史のなかでも特殊な局面であるという。全国レベルで資源配分を管理する存在もいなければ、全国一律の基準で市場経済を

2016年の日本経済は欧州金融機関の混乱、中国経済の減速、また日本銀行のマイナス金利政策により波乱含みの年になりそうだ。それでも欧米主体の現代アート業界は不思議なもので、クーンズやハーストなどアーティストであれば安定した優良株のように、供給するたびに買い手がつくほどの市場が形成されている。 牛の輪切りをホルマリン漬けにした作品で知られるダミアン・ハーストはニ

小学生の頃、同じマンションに住むピアノの先生の家に週に一回、通っていた。自分の家にピアノがないのに習うというのは、今考えるとかなり無謀な挑戦だった。練習に使用したのは、赤い表紙のバイエル教則本。正直、つまらなかった。赤を終えると黄色になったが、依然としてつまらなかった。同じことの繰り返しで飽き飽きした。 少し楽しくなってきたのは、父親が電気オルガンを買ってく

東日本大震災から5年。この「5年」というのは一つの区切りの意味を持つようで、関連図書の出版が相次いでいる。その中でも注目の本が東北学院大学、金菱清ゼミナールが行った「震災の記録プロジェクト」をまとめた本書である。このゼミの学生と指導教官である金菱清が、被災地における問題が生存(survive)から、生活(life)にシフトしようとしている2013年から始めた

日本に暮らす人々は、日本における「原発の歴史」をほとんど知らなかった。 原発とは何で、いかに導入されて、いかなる社会的な位置づけをなされてきて、いかなる課題と可能性を抱えながらいまに至っているのか。 それは「不勉強のせい」だけではない。そもそも、福島第一原発事故以前、「原発の歴史」を一般向けかつ体系的、あるいは通史的に整理した人文社会科学系の研究・書物がほと

本日は ブルーノ・タウト が「泣きたくなるほど美しい」と評した京都の 桂離宮 に来ています! 江戸時代に皇族の八条宮の別邸として創設されました。 参観の際には事前予約が必要で、一般的には下記の3通りが知られています。 1.ハガキ(希望日の一ヶ月前までの消印が必要)、2.宮内庁京都事務所参観係窓口で直接申込(希望日の前日まで)、3.インターネット(希望日の4日

一晩で一気に読み終えたのだが、背中からは嫌な汗が流れていた。とても、他人事ではいられない。こんなことが起こりうるなら、普通に暮らしている人がある日突然、殺人犯に仕立てられても、全然不思議ではないだろう。自分の中で想定していた、世の中に対する前提条件が、もろくも崩れ去っていくような印象すら受けた。 「丸子実業高校バレーボール部員自殺事件」は、2005年にバレー

本書は Howard W. French, China’s Second Continent: How a Million Migrants Are Building a New Empire in Africa(Alfred A. Knopf, 2014)の全訳である。 わたしがいまアフリカで目にしているのは、中国が猛烈な勢いでつくってきたつぎ

本書は、シーボルトが長崎滞在の土産として持ち帰り、今やヨーロッパなどで侵略植物の代名詞となっている「イタドリ」という日本の在来植物の数奇で皮肉な運命を、10年の歳月をかけてまとめた異色の写真集である。この本を手にとるまで私は、この植物の存在も、それが世界に広がった経緯も、その忌まわしい現状も知らなかった。イタドリ。どこにでもある雑草である。表紙のハート型の葉

タイトルの『1493』とは、コロンブスが新大陸から黄金の装身具やカラフルな鳥、先住民捕虜を携えてスペインへ帰国した年である。この年を境に、超大陸パンゲアが分裂してから2億年以上もの長きにわたって独自の生態系を育んだきた各大陸が、人類の手を介して再び出会うことになったのだ。コロンブス以前には、どのような生物にも大陸間を結びつけることは不可能であり、それぞれの大

文学の棚なのか、紀行エッセイの棚なのか、地図の棚なのか、書店が置き場に悩むような本である。できるならどこにも置いてほしい。けれど孤島のロマンティシズムにあふれたエッセイ、きれいな地図のついた秘境ガイドだと思って手にとると、ちょっと拍子抜けするかもしれない。未知の土地への憧れをかきたてるような旅の本とはいくぶん趣向がちがうのだ。原著タイトルは、『孤島の地図──

ニューオーリンズの日刊紙『ザ・タイムズ・ピカユーン』に勤務していた1997年に地球規模の魚類供給危機に関する記事を書いてピューリッツァー賞を受賞した著者は、2006年に独立し、夕食の支度を担当するようになった。そのとき苦労したのが、家族全員を満足させる献立。息子は辛い物が好きでファストフードは食べない。娘は平板な味の白っぽい食べ物一辺倒。同じ親から生まれたの

ムハンマド、あまりに人間らしさにあふれているではないか。といえば、不謹慎になるのだろうか。抜群に面白い伝記であった。イスラームの開祖、より正しくは、アラブにおける唯一神アッラーの言葉をつたえた預言者ムハンマドの伝記である。その啓示は、クルアーン(コーラン)としてムハンマドの死後20年たって公式に編纂され、聖典となった。いかにたくさんの人が、クルアーンの朗読に

ជម្រាបសួរ។(カンボジア語でこんにちは) さて、上記の文は正しく表示されているのでしょうか? 携帯からですと文字化けしていると思います。 先日、アンコールワットを観にカンボジアへ行ってきました。 カンボジアというとポルポトや地雷、途上国などのイメージを持っていましたが、シェムリアップはインフラが整っていて快適に過ごせました。 アンコールワットの入場券

「HONZはあまりビジネス書は紹介しないのだけれど、この本は別格といっていいだろう。ボクにとっても、つまりHONZにとっても有用だと思われる示唆が満載なのだ。」ーーHONZ代表・成毛眞が激オシする本書は、21世紀のAIDMA理論とでも言うべき内容であり、しかも今すぐ役立つマーケティングの教科書だ。今回は特別に、巻末に掲載されている小林弘人氏の日本語版解説を掲

世界初の人工雪の製作に成功し、低温科学の分野で大きな業績を残した中谷宇吉郎は、物理学者寺田寅彦の弟子であり、研究でも随筆においても強く影響を受けた。本書は著者の科学エッセイ14篇を収録しており、どの文章にも詩的な表現とユーモアがふんだんに散りばめられ、純粋な科学のおもしろさがじわじわと伝わってくる。 冷えきったガラス板を天にかざし、降り落ちる雪を受け取っては

本書は摑みどころがない。何が新しいか、面白いのかと問われたときに、答えに窮する漠然とした本だ。スペキュラティヴという言葉にヒントがあるだろうかと辞書を引けば、思索的、思弁的、投機的といった意味がある。しかし、どの言葉を当てはめてもしっくりとは来ない。しかし、それでも不思議と紹介したくなる魅力を持っている。スペキュラティヴ・デザインという聞き慣れない言葉の捉え

世界中に存在する本の内容を読み取ってデータ化し、さまざまな形で利用できることを意図したグーグル・ブックス・プロジェクトが立ち上げられた時、そんなことができるのか(分量的な意味でも権利的な意味でも)と疑問に思ったものだ。それが今では、著作権侵害などさまざまな課題を残しつつも事業は継続し、検索した時にお世話になることも増えてきた。3000万冊以上の本をすでにデジ

ビジネスのことであれ、社会全体のことであれ、誰だって正しい方向へ努力したいと思っているはずだ。だがその努力は果たして全体最適へと向かっているのか、それとも部分最適に過ぎないのか。分からぬところに問題がある。 判別を難しくさせているのは、多くの人がいとも簡単に専門領域にとらわれ、視野の狭い状態へ陥ってしまうためだ。先の金融危機など、その顕著な例と言えるだろう。

2001年9月の同時多発テロは世界を変えた。少なくとも同テロ以降、アメリカはテロとの戦いに突入し、それは現在も続いている。そしてこのテロとの戦いの最前線に立つのが、国防総省(ペンタゴン)を中心とする米軍と中央情報庁(CIA)なのである。本書は主にCIAに焦点を当て、2001年以降、CIAがテロとの戦いと銘打って世界各国で何を行ってきたのかを、膨大

かつてよく「インタネット空間では多くの人々が発言の機会を得、メッセージを発信できる。言論の幅が広がるだろう」と聞いたものだ。時がたち、なるほど確かにスマホなどが行き渡ったこともあり、多くの人々が様々なメッセージを発するようになった。 が、発信される情報の量は、必ずしも豊かで健やかな言論空間を補償しない。見渡せば中傷、人格攻撃、炎上…。傍目八目、人の争いだと「

本書で取り上げられる発達障害は、教育現場でその問題が指摘される自閉症スペクトラム障害や ディスレクシア などから、遺伝子疾患による ウィリアムズ症候群 まで幅広い。発達障害そのものではなく、「乳幼児の心と脳の発達」を研究の重心としてきた心理学者である著者は、従来は社会性の障害であるといわれていた発達障害に、視覚情報処理とその発達という科学的知見から新しい光を

僕が歴史を好きになったのは、間違いなく中央公論社の「世界の歴史(旧版、16巻+別巻)」を読んだことがきっかけだった。世界最古の文明、シュメールから始まる悠久の物語に中学生の胸が高鳴ったことをよく覚えている。本書は、農産物こそ豊富だったが木材、石材、金属などの必要物資に欠けていたメソポタミアになぜ世界最古の文明が誕生したのか、その秘密を交易ネットワークから解き

こんな話が出てくる。インドネシア・パプアで換金作物としてカカオを栽培している女性が、かなり広いはずのカカオ畑からほんの少し、重さにして3キロほどのカカオしか収穫してこなかった。なっている実を全部収穫すれば数十キロあるはずなのに、である。どうやら、食用油が切れたから、買い足すための現金を得られる分だけもいできたらしい。 本書は、市場経済中心のグローバル化の波に

獺祭魚(かわうそうおをまつる)、お酒好きな私は日本酒のことかと思ってしまいましたが、 中国の七十二候です。春になり、漁を始めたかわうそが捕らえた魚を川岸に並べる頃です。 晩唐の政治家で詩人でもある 李商隠 が詩作の際に多くの書物を周囲に並べるように置いたことから、自らを「獺祭魚」と号し、それ以降その様を指して使われるれるようにもなりました。 自分のことをカワ

物理学というのは難しいと思う。 いや、物理学なんて簡単だという人だっているかもしれないし、難しいと感じる人のあいだでも、難解に感じる点は人それぞれ違うだろう。私が感じる難しさは、物理学で取り扱われている力やエネルギーといったさまざまな要素が「目に見えない」点だ。 もちろん、物理学的な現象は目に見える。放り投げたボールが放物線を描いて飛んでいく、照明のスイッチ

著者の矢作理絵さんが患った病気は、100万人に5人の確率でなる「特発性再生不良性貧血」という厚生労働省指定の血液難病だ。本書では、著者曰く「汚くて、ダサくて、弱くて、もがきあがく、かなりかっこ悪い」闘病生活を追っていくのだが、その語り口が内容に似合わずとてもチャーミング。読み終わったあとには、元気と勇気で心が満たされる、そんな一冊です。 矢作さんは当時33歳

数百万冊におよぶ書籍の単語を、ビッグデータと捉えたら何が見えてくるのか? Google がスキャンした大量の書籍で使われている単語・フレーズの使用頻度を年ごとにプロットするシステム「グーグル・N グラム・ビューワー」。本書はこのビューワー自身の開発者によって、「カルチャロミクス」と名付けられた全く新しい人文学研究を紹介した一冊である。本稿では、この研究の背景

人間と他の動物とを分けるものとは何か?この問いに対する最大の答えは「文字」ではないだろうか。文字を生み出したことにより、人は人という種がどの様な過去を築いて現代にいたっているかを知ることができる。本書は文字が発明された5000年前から現代までに焦点を絞り、その歴史を「人類5000年史」と定義して一気に読み進めようという冒険的な作品である。 なんといっても50

『でっちあげ』というノンフィクションを知っているだろうか。詳しくは 私のレビュー をお読みいただきたいが「モンスターペアレント」という言葉ができたのはこの事件からだった。学校に対して理不尽な無理難題を突き付け、わが子可愛さに教師ばかりか教育委員会、果ては市や県にまでクレームをつけ、裁判にまで持ち込む。それが正当なものならわかるが、嘘八百を並べ立てていた事件で

2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。ひとりの教師が担任の児童を執拗に苛め続けて、「早く死ね、自分で死ね」自殺を強要し、その子供はPTSDによる長期入院に追い込まれてしまった……。 この報道がなされると、雑誌やテレビでは鬼か悪魔かというくらいの勢いで「殺人教師」について大きく特集を割いた。両親、特に母親からの訴えは、