ノンフィクションはこれを読め!

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74記事

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HONZ活動記

HONZ卒業旅行&忘年会 in 伊豆・番外編「今、読んでいる本」

我々が峠恵子さんをお招きしたのは、彼女の歌が聞きたいという思いがあったからでもある。そのため2次会はカラオケルームを確保していた。ほどなくして峠恵子リサイタルが始まるかと思いきや、いきなり本の話へと大きく舵が切られる。峠恵子の歌声と折り重なるように本の紹介が始まり、「あ〜、あれね!」と懐かしい掛け声が飛び交った。往年の名曲たちと最新のノンフィクション本に、時

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HONZ活動記

HONZ卒業旅行&忘年会 in 伊豆②

HONZ活動記 in 伊豆① は こちら HONZ活動期 in 伊豆・番外編は こちら 海底温泉でウミガメやサメを堪能していたらあっという間に18時になった。さぁ、宴会の時間だ! 一同、宴会場「金波」に集合する。舞台、金屏風、スタンドマイクと会場は整った。皆、浴衣に着替えたかーい? 「昭和の社員旅行」というコンセプトの通り、形式をきちんと守ろう。まず、代表を

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HONZ活動記

HONZ卒業旅行&忘年会 in 伊豆①

2024年7月15日、13年間続いたHONZは遂に幕を閉じた。初期メンバーはたった10人のキュレーター勉強会から始まり、その後メンバーが入れ替わり立ち替わり、24年7月には総勢24人という大所帯にもなったが、「もう、やり切ったかな」というテンションで呆気なく終わった。 「せっかくだから卒業旅行をしよう」成毛眞の呼びかけにより、師走の忙しい時期にもかかわらず2

『あなたがあの曲を好きなわけ 「音楽の好み」がわかる七つの要素』「好みの違い」はこわくない 書影

おすすめ本レビュー / アート・スポーツ

『あなたがあの曲を好きなわけ 「音楽の好み」がわかる七つの要素』「好みの違い」はこわくない

音楽は好きでも、音楽の話をするのはわりと苦手だったりする。 自分が微妙だと思うアーティストを好きと言われたら返答に困るし、一見好みが近いように見えても実は「良い」と感じているポイントが全然違って噛み合わないこともある。 同じ曲を聴いても、人によってなぜこれほど感じ方が異なるのか。自分が大好きな曲があの人の琴線には触れず、あの人が最高だと言う曲はなんだかピンと

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サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

山本義隆著『ボーアとアインシュタインに量子を読む』を読む

山本義隆さんといえば、毎日出版文化賞と大仏次郎賞をダブル受賞した『磁力と重力の発見』をはじめ、『十六世紀文化革命』や『世界の見方の転換』など、浩瀚な科学史の著作がまず頭に浮かぶ。だから、このたびの『ボーアとアインシュタインに量子を読む』も、量子物理学の歴史の本なのだろうと予想して手に取った。 ところがページを開くなり、その予想はハズレたことを知った。山本さん

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おすすめ本レビュー

『日本最後のシャーマンたち』/霊魂との対話

本書はベルギー生まれの日本学者、ミュリエル・ジョリヴェが著した一冊だ。フランス語圏の読者に向けて出版したものを、逆輸入で日本語に翻訳し発刊された。日本の伝統的なシャーマニズムに焦点をあてており、現代社会においてシャーマンと呼ばれる存在がどのように変遷してきたかを説明している。 タイトルに「最後の」とあるのは、実際に彼女達(ほぼ女性)が生きている世代が今で最後

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おすすめ本レビュー

『死の貝――日本住血吸虫症との闘い』奇病撲滅に挑んだ人々の生きた証と、罪なき貝の悲劇

天正10年(1582年)、甲斐の名門戦国大名・武田家が織田信長の軍に攻められ、今まさに滅亡しようとしていた。追い詰められた武田勝頼に、律義にも暇乞いに来た足軽大将がいた。 最後まで殿の供をするのが武士の務めではあるが、もはや歩けない。勝頼は豊後の姿を見て、その気持ちだけで十分であるぞ、と涙を流していたわった。これが水腫脹満を記録した最古の文献と考えられている

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おすすめ本レビュー

『アトムの心臓「ディア・ファミリー」23年間の記録』余命10年、娘を救う人工心臓の開発に挑んだ町工場の矜持

新型コロナパンデミックのころ、通常では救命困難な重症呼吸不全患者のためECMO(体外式膜型人工肺)を装着した姿がニューズ映像となった。あんなにも大規模な装置でなれば救命できないのか、と驚かされた人も多いだろう。命を助ける装置の開発は困難を極める、ということは想像に難くない。 本書は先天的な心臓の難病を抱えて生まれた娘を持つ、本来医療とは無縁の町工場の社長と家

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おすすめ本レビュー

先月出た本 2024年6月

文庫化されたら世界が滅びる、とまで言われていた『百年の孤独』の文庫版発売に世が沸き返っています。この大作が話題になったことで、読書案内や読書術の本にも注目が集まっているようです。ではノンフィクションジャンルの6月はどうだったのでしょう。まず押さえておきたいのがジャック・アタリの新作 もともと種の保存のために行われた「知識の受け渡し」。歴史の中では、一神教によ

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おすすめ本レビュー

無限大のドルを求めた果てに逮捕された男の転落記──『1兆円を盗んだ男』

この『1兆円を盗んだ男』は、『マネー・ボール』や『最悪の予感』などで知られるマイケル・ルイスの最新作。今回彼がテーマに選んだ人物は暗号資産取引所FTXを立ち上げ莫大な富を築き上げた後、2022年に逮捕されてしまった男サム・バンクマン=フリードだ。 マイケル・ルイスといえば複雑な題材であっても見事な一本筋の通ったストーリーに仕立て上げるノンフィクションの名手だ

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おすすめ本レビュー

『絶海 英国船ウェイジャー号の地獄』上半期もっとも興奮したノンフィクション。

1793年にグレートブリテン王国(イギリス)とスペインとの間に「ジェンキンスの耳戦争」という海上の覇権を争う戦争が勃発した。ローバート・ジェンキンスという商船の船長がスペイン当局に拿捕され耳を切り落とされるという事件への報復という名目で、イギリス側が宣戦布告したためにこのような名前で呼ばれるようになった戦争だ。 この戦争はやがてオーストリア継承戦争にまで拡大

『定年後に読む不滅の名著200選』読書三昧の定年後はステキだぞ! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『定年後に読む不滅の名著200選』読書三昧の定年後はステキだぞ!

本読みは人がどんな本を読んでいるかを気にする。同様に本好きは、自分が読んでいない名著が気になって仕方がない。おそらくHONZの読者もそうだろうが、私はブックガイドと見れば直ちに購入してしまう。そして本書は「定年後に読む」と名打っているのだ。 「人生100年時代」と言われ始めて、寿命が100歳前後まで伸びる話が現実味を帯びてきた。人生を教育・仕事・老後の3ステ

『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く 書影

サイエンス / 医学・心理学

『死の貝 日本住血吸虫症との闘い』著者、小林照幸にあの頃のこと訊く

小林照幸『死の貝 日本住血吸虫症との闘い 』(新潮文庫)が注目されている。4月24日に上梓されて以来、現在4刷、累計2万6千冊のスマッシュヒットだ。26年前の1998年に出版された本が、なぜいまこんなに注目を浴びているのか。以前より小林照幸の本を”激推し”してきた東えりかと、医学者・仲野徹が話を聞いた 仲野 『死の貝』は昔読んだ記憶があったけれど、文庫化され

なぜ東洋医学はわかりにくいのか?『医学問答 西洋と東洋から考えるからだと病気と健康のこと』 書影

医学・心理学 / 著者自画自賛

なぜ東洋医学はわかりにくいのか?『医学問答 西洋と東洋から考えるからだと病気と健康のこと』

この本を読み終えたら、きっと「あぁ面白かった」と思われるはずです。「勝手なこと言うな、なんでそんなことがわかんねん!」とお叱りを受けるかもしれませんが、まずはその理由を。 この本の企画は出版元である左右社の編集者・梅原志歩さんからいただいた企画書に始まります。そこには、 「西洋医学と東洋医学の専門家が『不調と病気との付き合い方』について徹底問答! 西洋医学と

温泉旅館のちょっとええ話、満載! 『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

温泉旅館のちょっとええ話、満載! 『宿帳が語る昭和100年 温泉で素顔を見せたあの人』

「宿帳」である。旅館やホテルでの宿泊では記入が義務づけられているとはいえ、最近はネットで予約しがちなので、印刷されたものにサインするだけのことが多い。昭和とはいえ、はて宿帳なんかが本になるのかと思って読み始めたが、宿帳そのものの本ではなかった。 全24話、そのほとんどが昭和の大スターと馴染みの旅館の関係についてのお話だ。当然のことながら、ああええなぁと思える

これから出る本 2024年7月 書影

併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2024年7月

最近の世の中は、なにかにつけ“○○パフォーマンス”と言われるようです。みんなそんなに急いで何になろうとしているのかしら…と思ったりしつつ、ぼーっとするのが何よりの楽しみです。出版業界においても「本の返品」という壮大なムダがあり、それを巡っていろいろな人が苦闘をしています。「ムダ」はこんなに嫌われるのに、どうして減っていかないのか。という悩みに答えてくれそうな

『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは? 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ 英国紳士がたしなむ幻の武術』その正体とは?

「明鏡止水 武のKAMIWAZA」というNHKの番組をご存知だろうか。格闘家でもある俳優の岡田准一が司会を務め、武道各流派を率いる一流の武術家たちが集結し、真髄を語り秘儀を披露していく。録画をして繰り返し観るほど私の好きな番組だ。 『シャーロック・ホームズの護身術バリツ:英国紳士がたしなむ幻の武術』には技の説明のため120点を超える写真が掲載され、中には袴を

『ライチョウ、翔んだ。』このままでは絶滅する…。難題を解決することはできるのか? 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『ライチョウ、翔んだ。』このままでは絶滅する…。難題を解決することはできるのか?

2015年8月、衝撃的な写真が新聞に掲載された。北アルプスのライチョウがニホンザルに捕食されている姿が初めて撮られたのだ。ライチョウの生息数は激減している。そこに新たな天敵としてサルが加わることは大きな脅威となる。 世界的なライチョウの研究者で信州大学名誉教授の中村浩志は緊急記者会見を開き、マスコミを使って警告した。このままでは絶滅すると。 信州大学農学部卒

ノンフィクションの舞台を訪ねて 陸前高田への旅 書影

人物 / 社会

ノンフィクションの舞台を訪ねて 陸前高田への旅

みぞれまじりの空の下、車窓から鉛色の海が見えた。いかにもリアス式海岸らしい入江になっていて、風があるのか波が高い。「この先、津波浸水区域」と書かれた道路標識を、私たちを乗せたバスは通り過ぎて行く。あれから13年。 「広田湾だ! 高田だー!!」山側の座席にいたはずの竹内さんが、海側の席に移ってきて、はしゃいでいる。彼女は何度も通った道だが、私が陸前高田を訪れる

先月出た本 2024年5月 書影

併せて読まれたこの一冊

先月出た本 2024年5月

今、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が話題になっています。確かに自分も…という心当たりのあるビジネスパーソンも多かったのでしょう。これが読まれたことで、読書量がどーんと増えたらものすごく嬉しい話です。で、話題沸騰中の著者、三宅 香帆さんが早くも新作を発売しました。それが『娘が母を殺すには?』です。 昨今大きなテーマとなっている母と娘の関係。それはフィ

『再生』加害者を赦せるか 書影

社会 / 事件・事故

『再生』加害者を赦せるか

読み終えたあとも、まだ消化できないものが残っている。こと読書では、これはマイナス評価ではない。たやすく消化できるものばかりが良い本とは限らないからだ。 この本の消化しづらい感じをどう説明すればいいだろう。とても大切なことが書かれているのに、それを著者と同じように理解するのは難しい、とでも言えばいいか。あるいはもっとわかりやすくするなら、次のような問いに言い換

『地球規模の気象学』 地球の巨大な循環システムが天気を決める! 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『地球規模の気象学』 地球の巨大な循環システムが天気を決める!

昨年の夏は猛暑だったが、実は2023年は世界的にも気象観測史上で最も暑かったことがデータから裏付けられている。こうした現象を研究する学問は「気象学」と呼ばれており地球科学の一分野である。その対象は風や雲、雨や雪、台風や寒波など「大気の大循環」と呼ばれる地球規模の巨大な循環システムが司っている。 本書はその仕組みを高校生にもわかるように解説した啓発書で、著者は

『最強のコミュ力のつくりかた』コミュ力とは人としての魅力なのだ 書影

医学・心理学 / 教養・雑学

『最強のコミュ力のつくりかた』コミュ力とは人としての魅力なのだ

皆さんはコミュ力に自信がおありだろうか?もしそれほど自信がないのであれば、本書の冒頭に記されている言葉はかなり衝撃的なはずだ。本書はこのような書き出しから始まる。 あなたの言葉が伝わらないのは、あなたに人としての“魅力”が欠けているからである。 どうであろうか。バットか何かでぶん殴られたような衝撃を受けないだろうか?かく言う私もコミュ力が低いことを自認してい

芥川賞作家によるADHDをめぐる私ノンフィクション 『あらゆることは今起こる』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

芥川賞作家によるADHDをめぐる私ノンフィクション 『あらゆることは今起こる』

『あらゆることは今起こる』、芥川賞作家・柴崎友香さんの最新作である。いかにも小説っぽいタイトルだが、そうではない。柴崎さんが40代の後半でADHD(注意欠如・多動症)と診断を受けられ、治療薬のひとつであるコンサータを服用、いかに変わられたか。その自分の経験からADHDやASD(自閉スペクトラム症)といった発達障害について考えていかれるノンフィクションである。

『米特殊部隊CCT 史上最悪の撤退戦』これまであまり語られてこなかった戦闘管制員の物語 書影

教養・雑学 / 人物

『米特殊部隊CCT 史上最悪の撤退戦』これまであまり語られてこなかった戦闘管制員の物語

大英帝国の力がシーパワーに支えられていたとするならば、アメリカの覇権はそれに加えてエアパワーに支えられている。このエアパワーを支える存在のひとつが米空軍特殊部隊CCT(戦闘管制員)である。米軍の特殊部隊といえば陸軍のデルタフォースと海軍のネイビーシールズが特に有名であろう。これらの組織はハリウッド映画などを始め様々な娯楽作品にも登場している。しかし、本書の著

これから出る本 2024年6月 書影

併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2024年6月

先日このコーナーで取り上げたバーツラフ・シュミルの『Invention and Innovation』には大きな反響がありました。さすが人気作家!その熱もさめやらぬなか、6月末にはもう新刊の発売が予定されています。 テーマはサイズの科学、米国では昨年発表された本ですが、早くも邦訳が登場します!『Numbers Don't Lie』などと一緒に楽しむのが良さそ

『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』今も1万人の遺骨が見つからない。日本政府に遺骨収集への考え方を問う 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』今も1万人の遺骨が見つからない。日本政府に遺骨収集への考え方を問う

太平洋戦争末期、小笠原諸島の硫黄島でアメリカ軍と栗林忠道陸軍中将率いる日本軍の激戦があったことは、クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』で若い人にまで広く知られている。 日本軍兵士約2万3000人のうち戦死者は約2万2000人。だが1万人分の遺骨がいまもなお見つかっていないということを知っているだろうか。 著者の祖父は小笠原諸島父島の防衛に携

『首都直下 南海トラフ地震に備えよ』東日本大震災は「まだ終わっていない!」 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『首都直下 南海トラフ地震に備えよ』東日本大震災は「まだ終わっていない!」

2024年の元日に能登半島地震が発生し、多くの犠牲者が出た。現在も復興作業が続けられている最中だが、その後も千葉県・房総半島沖で地震が頻発するなど、日本列島周辺の地盤変動が止まらない。 巨大地震と津波が東北・関東地方を襲った東日本大震災から13年が経ち、多くの人が「日本は地震国」であることに改めて気づかされた。それ以後も熊本地震や北海道胆振(いぶり)東部地震

『ヴィクトリア朝時代のインターネット』 書影

世界史 / 「解説」から読む本

『ヴィクトリア朝時代のインターネット』

インターネット30周年を祝うイベントが開かれていた1999年頃、ネット関連の会議などで頻繁に話題に上る本があった。それは、その前年に出版された本書『ヴィクトリア朝時代のインターネット(The Victorian Internet)』という不思議なタイトルの本だった。これを読んだ関係者が、「たかだか数十年の歴史しかないとされるインターネットだが、実はそのルーツ

ボクシングから駅伝までスポーツ三昧だ!(本の雑誌3月 春宵かくれんぼ号) 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

ボクシングから駅伝までスポーツ三昧だ!(本の雑誌3月 春宵かくれんぼ号)

ボクシング、駅伝、サッカー、ラグビー...。年末年始はスポーツ観戦三昧という人は多かっただろう。 森合正範『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ』(講談社)はスポーツノンフィクションとはこうでなくちゃという熱い作品だ。 言わずもがなだが、井上尚弥は日本が誇る天才プロボクサーで、2023年12月26日、主要四団体(WBA、WBC、IBF、WBO)のバンタ

先月出た本 2024年4月 書影

併せて読まれたこの一冊

先月出た本 2024年4月

コロナ禍が終わった初のGWの行楽地はどこも盛り上がりを見せているようです。そしてノンフィクション売場も盛り上がってきました。5月も大物が続々!という月になりそうですが、4月も豊作です。新しい期が始まる月ということもあってか、4月は面白い企業ものが目立ちました。 まずは『ゴールドマン・サックスに洗脳された私』 日本では三五館シンシャの日記シリーズでの様々な仕事

味の素営業マンの密着ルポ『地球行商人』がすごい!(本の雑誌2024年2月 綿入れ雪おろし号) 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

味の素営業マンの密着ルポ『地球行商人』がすごい!(本の雑誌2024年2月 綿入れ雪おろし号)

外国人が日本を観光したいという大きな目的のひとつが「食」だという。一昔前のようにスシ、テンプラの時代は過ぎ去り、ラーメンや牛丼など、ネットで紹介されたファーストフードにも人気が集まっている。確かに日本は何を食べても美味しい。 ならば世界に日本の食を紹介しようという大規模な試みをしているのが味の素食品である。 『地球行商人 味の素グリーンベレー』(中央公論新社

マレーシア出身医師の一代記『逆転力、激らせろ』が面白い!(本の雑誌2024年1月 鏡餅てんてこ舞い号) 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

マレーシア出身医師の一代記『逆転力、激らせろ』が面白い!(本の雑誌2024年1月 鏡餅てんてこ舞い号)

なんと16年ぶりにこのコーナーを担当させてもらうことになった。北上さんのいない本の雑誌にまだ違和感があるけれど、全力で面白いノンフィクションを紹介していくつもりだ。よろしくお願いします。 現在、巷のノンフィクション本で流行っているのは、 ウォルター・アイザックソン『イーロン・マスク』 (井口耕二訳/文藝春秋)と 黒柳徹子『続 窓ぎわのトットちゃん』 (講談社

『もしも世界からカラスが消えたら』『カワセミ都市トーキョー』”鳥ノンフィクションに外れなし!” 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『もしも世界からカラスが消えたら』『カワセミ都市トーキョー』”鳥ノンフィクションに外れなし!”

鳥ノンフィクションに外れなし 長くノンフィクションを読んでいるからこそ、確信をもっていえる。私は鳥好きではないが、「鳥」が魅力的な生き物なのは認める。だがそれよりも鳥の研究者が熱意に満ちた変人、いや硬骨漢なのだと思う。 カラスの研究者である 松原始 もその一人。『もしも世界からカラスが消えたら』(エクスナレッジ)では、生物の進化史に、カラスという種がいなかっ

そうだ、インド・ネパール料理店へ行こう!『カレー難民の謎 日本を制覇するインネパ』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

そうだ、インド・ネパール料理店へ行こう!『カレー難民の謎 日本を制覇するインネパ』

不思議だと思っていた。にぎやかな下町に住んでいるとはいえ、徒歩圏内に「インド料理店」が五軒もある。うち一軒はビリヤニなどもメニューにあるホンモノのインド料理店だけれど、他の四軒は「インド・ネパール料理店」で、メニューも値段もえらく似通っている。 さらに不思議に思ったこともある。ちょうど5年前、トレッキングでネパールへ行った時にわかったのだが、カレーがほとんど

『絶海――英国船ウェイジャー号の地獄』訳者あとがき 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『絶海――英国船ウェイジャー号の地獄』訳者あとがき

本書『絶海――英国船ウェイジャー号の地獄』は、2023年にダブルデイ社から刊行されたデイヴィッド・グランのノンフィクション、The Wager: A Tale of Shipwreck, Mutiny, and Murder の翻訳である。 原書は、刊行された2023年4月からこれまで40週以上連続でニューヨーク・タイムズのベストセラーリストにランクインして

『津波―暴威の歴史と防災の科学』国際語「Tunami」の歴史と減災を知る好著! 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『津波―暴威の歴史と防災の科学』国際語「Tunami」の歴史と減災を知る好著!

「Tunami」は英語の辞書にも載っている数少ない日本語起源の国際語である。本書は津波に関する歴史的な逸話を、最先端の研究成果をもとに紹介した自然災害の啓発書である。 オックスフォード大学が一般市民向けに科学をわかりやすく説くシリーズの1冊で、津波はどのように起きるか、人間はどう対処してきたかについて分かりやすい図版を加えて丁寧に解説する。 著者はオーストラ

これから出る本 2024年5月 書影

併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2024年5月

今や世の中はフェイクニュースにまつわる話題が大盛り上がり。ニュースもそうですが、陰謀論の流布も大きな問題となっています。そんな中で注目しておきたいのが「科学否定論者」についての考察でしょう。荒唐無稽な物語を信じ、エビデンスから目を背ける人たちがなぜ出てくるのか、その否定論者に迫り謎を探っているのが、リー・マッキンタイア。4月、5月と連続して本が刊行されるので

『評伝クリスチャン・ラッセン』なぜ日本で人気なのか 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『評伝クリスチャン・ラッセン』なぜ日本で人気なのか

まだ学生だった頃の話である。その日、山手線のある駅で待ちぼうけを食っていた。ふと周りをみるとギャラリーがある。ガラス張りで見通しがきくし、これなら待ち人と行き違うこともなさそうだ。それに暇つぶしに絵画鑑賞なんてしゃれてるじゃないか。そう考えて足を踏み入れたのが間違いだった。 入ると、若い女性が満面の笑みで寄ってきて絵の説明をはじめた。熱心だなと好印象を抱いた

『異常殺人 科学捜査官が追い詰めたシリアルきらーたち』「黄金州の殺人鬼」を追い詰めたCSI捜査官の捜査記録 書影

社会 / 事件・事故

『異常殺人 科学捜査官が追い詰めたシリアルきらーたち』「黄金州の殺人鬼」を追い詰めたCSI捜査官の捜査記録

本書に記載されている調査によると、現在アメリカ国内で活動中の連続殺人犯の数は2000人ほどだという。その多くは孤立者でもなければ社会ののけ者でもない。彼らはごく普通の社会生活を営み、友好的な隣人として振る舞うすべを知っている。一方で自分の行動が倒錯したものであることは理解しており、しばらくの間は犯行を止めることができるのだが、やがて殺しの衝動が逮捕へ恐怖を凌