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625記事

『ヴィクラム・ラルの狭間の世界』by 出口 治明 書影

小説 / HONZ客員レビュー

『ヴィクラム・ラルの狭間の世界』by 出口 治明

重くて悲しい、それでいてみずみずしい物語が、抑制された美しい格調のある文体で淡々と綴られる。多用される現地語も彩りを添える。そして、構成も完璧だ。植民地時代のケニアを中心とする東アフリカ。支配者の英国人にとって、インド人は便利で使い勝手のいい中間層だった。過激なアフリカ人マウマウは凄惨なテロで対抗する。独立を果たした後、ヨーロッパ人は去り、インド人は残った。

『マツ☆キヨ 「ヘンな人」で生きる技術』解説 by 澤口俊之 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『マツ☆キヨ 「ヘンな人」で生きる技術』解説 by 澤口俊之

著者お二人のキャラクターを踏まえれば当然だが、非常に面白い(食事しながら読んでいた時は、思わず食べ物を何度も噴き出したほどだ――誇張ではなく)。 私事で恐縮だが、私は本を最近はほとんど読まない(読むのは、科学論文くらいである)。つまらないからである。分かりきった話や意味不明な話、あるいは冗長な話が多くて、読むのが苦痛、というか、それこそ面倒くさい。主要新聞の

Survive first! (まずは生き残れ!)『犬と、走る』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

Survive first! (まずは生き残れ!)『犬と、走る』

犬ぞりと聞いて思い出すのは「タロとジロ」の物語だ。第一次南極観測隊に同行した犬ぞり用の15頭は、帰還の際、天候の悪化のため現地に取り残された。しかし1年後、第3次越冬隊が2頭を発見した。『南極物語』として映画にもなり、今でもジロのはく製を国立科学博物館で見ることができる。 もともと、極地や寒冷な高緯度地域で車輪が使えず、馬なども耐えられないために使役として犬

『スノーデンファイル』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『スノーデンファイル』-編集者の自腹ワンコイン広告

エドワード・スノーデンは、歴史上類を見ない内部告発者です。世界最強の情報組織NSA(米国国家安全保障局)からトップシークレットを大量に持ち出し、『ガーディアン』紙や『ワシントン・ポスト』紙などのメディアを通じて世界に公表しました。 『スノーデンファイル』は、『ガーディアン』紙がスノーデンと接触し、スクープ報道に至った舞台裏を、メディアの視点から描いたものです

『テキヤはどこからやってくるのか?』知的好奇心を満たしてくれる一冊 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『テキヤはどこからやってくるのか?』知的好奇心を満たしてくれる一冊

浮かれた雰囲気の場所にはかならずといっていいほど露店が立ち並んでおり、焼きそばを焼くソースの匂いや派手な色彩の店構えがその場の雰囲気を盛りあげている。特に縁日や祭りにとって露店は欠かせない存在であり、露店の賑やかな存在が私たちにハレの気分を味あわせてくれている。 東京下町では、これら伝統的な露天商のことを「テキヤさん」と親しみを込めて呼んでいるが、一般的には

『僕は9歳のときから死と向きあってきた』文庫解説 by 徳永進 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『僕は9歳のときから死と向きあってきた』文庫解説 by 徳永進

ぼくが医学部を卒業したのは、1974年(昭和49年)、もう40年前のことになる。40年の間に医療の現場も大きく変った。画像機器の進歩、内視鏡を使った検査や手術、特殊な放射線治療法、いくつかの有効な薬の登場。科学技術の進歩は医療の現場でも、栄光に満ちた姿として登場している。でも医療現場全体が、40年前に比べて、比べものにならないくらい良きもの、良き場になったか

”こんな面白いもんがあったんか” 『文楽へようこそ』 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

”こんな面白いもんがあったんか” 『文楽へようこそ』

文楽、である。人形浄瑠璃ともいう。300年もの歴史を誇る日本の伝統芸能であり、世界文化遺産にも登録されている。しかし、はたしてどれくらいの人が鑑賞したことがあるのだろう。えらそうなことはいえない、私だって4~5年前から見始めたところである。 しかし最近はかなりはまっていて、義太夫教室に通い出したりしている。その関係で、この4月には、大阪にある落語の定席・ 天

5月のこれから売る本-大垣書店烏丸三条店 吉川敦子 書影

書店員のこれから売る本

5月のこれから売る本-大垣書店烏丸三条店 吉川敦子

HONZをご覧の皆様こんにちは。GWいかがお過ごしでしたでしょうか?盆暮れ正月、GWやらクリスマスなどなど、人が休んでいるときこそ稼ぎ時で休めないのが接客業の寂しさであり……。ご他聞に漏れずわたくしも期間中のお休みは1日でした……。まとまった休みも欲しいけれども、それ以上に今私がイチバン欲しいのは……。センスです!!センスがいい人って言われたい!!そんな思い

『暴露 スノーデンが私に託したファイル』世界24カ国同時発売−世界最速レビュー 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『暴露 スノーデンが私に託したファイル』世界24カ国同時発売−世界最速レビュー

【本書は世界24カ国同時発売である。日本では本日朝から書店店頭に並べられている。ということはこのレビューが世界最速になるかもしれない】 このレビューを書くため、「スノーデン」や「NSA」などのキーワードを20回以上Googleで検索し、何件かの事実確認をするためにMicrosoft Office 365を経由してメールを送受した。すでにこれらの通信は北米大陸

5月の今月読む本 その2 書影

今月読む本

5月の今月読む本 その2

何かのきっかけで過去の記事が改めて注目されることがある。ここ数日RTされているのは、青木薫のサイエンス通信 『無能な研究者のずさんな仕事……なのか?除草剤アトラジン問題のゆくえ』 。毎回、「ニューヨーカー」から刺激的な話題をピックアップして紹介してくれているが、理研問題やノバルティス社のデータ改ざん問題など、身近に似たニュースが多いせいか、関心度が高い。 ノ

『年収は「住むところ」で決まる』 プログラマーが多い街にはヨガ教室が多い 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『年収は「住むところ」で決まる』 プログラマーが多い街にはヨガ教室が多い

中国から“ものづくり”を取り戻せ。こんなスローガンが聞かれるのは、かつてのものづくり大国・日本だけではない。リーバイスのようなアメリカン・スピリッツを象徴する企業までもが製造拠点の全てを海外に移し、失業率が高止まりするアメリカでも“製造業保護活動家”たちが製造業の復権を強く訴えているようだ。しかし、カリフォルニア大学バークレー校教授で経済学者の著者エンリコ・

『カウンセラーは何を見ているか』 - 常套句の罠、共感という欺瞞 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『カウンセラーは何を見ているか』 - 常套句の罠、共感という欺瞞

いわゆる業界ものというジャンルは古くから存在するわけだが、まさに玉石混交の世界である。業界内の人間から見ると、どこか通り一辺倒な言及に留まっていたり、業界外の人間から見るとチンプンカンプンだったり。また、あるあるネタとして笑い飛ばして終わりなものもあれば、業界との決別を覚悟して”立つ鳥後を濁しまくり”なものまでと幅広い。 ところが昨今、その業界に蔓延する問題

5月のこれから売る本-トーハン 吉村博光 書影

書店員のこれから売る本

5月のこれから売る本-トーハン 吉村博光

14年前、 オンライン書店e-hon の商材担当になり、毎日100冊を超える新刊を1点1点、手にとって吟味するようになりました。30代始めの5年間。とても貴重な経験でした。そこから、自分のキャリアは始まったようなもの。当時の上司には、心から感謝しています。以来、本と読み手の幸せな出会いを生み出すため、仕事を続けてきました。 人前に出て恥ずかしくない知識は蓄積

『物数寄考 骨董と葛藤』by 出口 治明 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『物数寄考 骨董と葛藤』by 出口 治明

向こうから僕の眼の中に「読んでください」と飛び込んでくる本がたまにある。この本もそうだった。不思議な形の志野の装幀に加え、骨董と葛藤という副題を垣間見た瞬間、これはもう読むしかないと観念してしまった。 本書は「古物を愛し、古物に憑かれ、古物に翻弄された6人の『物数寄』たちをめぐる物語である。」つまりフェティシズムを扱った本である。僕は、昔は、本に対してフェテ

今週のいただきもの(5月第2週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(5月第2週)

昨夜、紀伊國屋書店新宿本店にて代表・成毛眞の「面白い書評」講座が開催されました。 ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました。 満員御礼の中、ご担当者さまを拝み倒して席をご用意いただき、HONZからは麻木久仁子と私が参加いたしました。 ……それにしても、麻木久仁子はなぜ今更書評の書き方など勉強しようと思ったのでしょうか。ひょっとして、HONZ編集

『海洋堂創世記』 きらめくモノ作り生活 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『海洋堂創世記』 きらめくモノ作り生活

あなたは、 ジャミラ を知っていますか? 人間の心を失いかけた可哀想なウルトラ怪獣。 あの頃、どれほど多くの少年がTシャツをかぶり「じゃーみーらーだーぞー。じゃーみーらー」と言ったことか。みんなやったさ僕もやった。そして樫原さんは、ジャミラの模型をつくった。 僕は二十歳になるかならないかという年頃で、大学生だった。 時は1980年代、「ガレージキット」が世の

出版社「共和国」-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

出版社「共和国」-編集者の自腹ワンコイン広告

見渡せばデジタルが華々しくわが世の春を謳歌しているこの4月2日付で、旧態依然の紙の出版社、「株式会社 共和国」を樹立しました。いわゆる「ひとり出版社」なのに共和国、独立国を宣言したのに日本国に国税を徴収されてしまう矛盾だらけの出版社ですが、どうぞよろしくお願いいたします。 その共和国の口火を切る第一弾は、6月中旬に全国の書店にならべていただく予定です。2点同

『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」前代未聞のビジネス書! 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」前代未聞のビジネス書!

この本はいまごろ、書店のどのあたりに置かれているのだろう。コア・コンピタンス、バランススコアカード、プロセス・リエンジニアリングなどという、カタカナ用語に埋め尽くされたビジネス戦略書コーナーの一角であろうか。それとも立派なビジネス書の売上に悪影響があるからと、占いのコーナーにでも追いやられているのだろうか。 ビジネス戦略書コーナーにあって、本書の日本語だけの

5月のこれから売る本-東京某書店 田中大輔 書影

ビジネス / 書店員のこれから売る本

5月のこれから売る本-東京某書店 田中大輔

3月、4月と、気がつけば2ヶ月もこのコーナーをお休みしてしまいました。その間にもたくさんおもしろそうな本が出ているので、今月売りたい本を紹介する前に、まずはその間に発売された本で注目のものを紹介していきたいと思います。 いま一番勢いがあるのがこの2冊です。去年あたりから、“外資系”や“世界のエリート”というような言葉がタイトルに入っている本がよく売れています

5月の今月読む本 その1 書影

今月読む本

5月の今月読む本 その1

ゴールデンウィーク明けの初日、ぼんやりする頭を抱え早朝の道を駅へ急ぐ。最初は足取りが重かったが、さわやかな春の風と満開のつつじの鮮やかさ、新緑が目にまぶしくて少し気分がよくなってくる。いまだ連休中のメンバーや、すでに海外出張に出かけたビジネスマンメンバーもいて、今回も出席者は少なめだ。 早めに出社しなければならない人からスタート!今回はかなり強力な面白(そう

『かくして「源氏物語」が誕生する』by 出口 治明 書影

民俗・風俗 / HONZ客員レビュー

『かくして「源氏物語」が誕生する』by 出口 治明

僕は、確か小学生の頃、平家物語を読んで感動し、同じ感動を味わおうと思って源氏物語に取り組んだ。田舎の少年は、源氏物語は武家としての源氏の盛衰を描いたものに違いないと勝手に決め込んでいたのである。読み始めて、おそろしく拍子抜けしたことが記憶に残っている。途中で投げ出した源氏物語に、再び取り組んだのは高校生の頃ではなかったか。その時は漱石よりもむしろ惹かれるもの

『文楽へようこそ』 書影

教養・雑学 / 新刊超速レビュー

『文楽へようこそ』

ゴールデンウィーク前、締め切りが立て込んでいる中、大阪の文楽の観劇を強行した。人間国宝、竹本住大夫引退興行の第1弾であり、めったに掛からない「菅原伝授手習鑑」の通し舞台だったからだ。ちょうど直前に菅原道真と藤原時平の小説の文庫解説を書いたばかりで、筋書きが頭に入った状態で改めて通して観てみたかったのだ。理不尽だと思っていた「寺子屋の段」が理解できて、初めて松

わからないけど、わかりたい 『ブラ男の気持ちがわかるかい?』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

わからないけど、わかりたい 『ブラ男の気持ちがわかるかい?』

完全なタイトル買いである。書店で震えてしまったのは私だけではあるまい。 「ブラ男」。表紙からもわかるようにブラジャーをつけた男のことである。男にとってブラジャーほど謎な存在で、生まれもった身体の違いから不可侵な領域はないはずだ。男にも固有のものが付いている。ただ、男性もののボクサーパンツを女性が穿いても絵になるが、男がブラジャーを付ける姿は間抜けである。絶対

天才数学者の青春 『定理が生まれる 天才数学者の思索と生活』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

天才数学者の青春 『定理が生まれる 天才数学者の思索と生活』

数学のノーベル賞と言われる「フィールズ賞」を受賞した天才数学者による、定理を証明するまでの舞台裏と日常――この本の内容を一言でいうと、そうなるだろう。ただ、ほとんどの人が、なんとも不思議で神秘的な瞳を持つ、本の帯の著者写真( こちら でどうぞ)に目を奪われるように思う。 写真では、肩まで下りるワンレングスの漆黒のストレートヘアと、細面の顔に浮かぶ深い黒の瞳が

今週のいただきもの(5月第1週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(5月第1週)

ゴールデンウィークもあと3日ですね。 私の勤め先は暦どおりの営業だったためゴールデン感など微塵もなく、むしろ普段より忙しいくらいでしたが、これは別に社長へのクレームではございません。念のため。 それでは、五月晴れの表参道を優雅に散策するセレブな人々を横目に、今週献本いただいた新刊本のご紹介です。版元のみなさま、毎度ありがとうございます!

新説!ストーンヘンジ――ランドスケープ考古学 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

新説!ストーンヘンジ――ランドスケープ考古学

みなさんはトマス・ハーディの『 テス 』を読まれたことがありますか? わたしは一応読んでいるのですが、もうずいぶん昔のことで、自分がそのときいったいどんな感想を持ったのかも、ほとんど思い出すことができません。しかし、この作品中にストーンヘンジが出てきたときに、一瞬、かすかな違和感を覚えたことはなんとなく記憶しています。 もちろん、イングランド南部を舞台とする

『ツイッター創業物語』 世界をつないだツイッターは、創業者たちの友情を引き裂いた 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ツイッター創業物語』 世界をつないだツイッターは、創業者たちの友情を引き裂いた

ビズ・ストーンは、 200万ドル以上の価値をもつグーグルのストックオプションをあっさりと放棄した。貧しい家庭に育ったビズの貯金はゼロだったが、迷いなどなかった。この2005年時点で既に巨大企業となっていたグーグルで、これ以上ビジネスライクな人間と堅苦しいルールに縛られて生きていくことなど、ビズにはとても耐えられなかったのだ。グーグルを去ったビズは、憧れの人で

映画「おとなのかがく」-映画監督の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

映画「おとなのかがく」-映画監督の自腹ワンコイン広告

『おとなのかがく』は、私が映画美学校に通っていた時に約半年間の取材期間を経て製作した、『 浜辺の巨大生命体へ―大人の科学の挑戦 』が原型となっています。 制作スタッフ3人で企画会議を繰り返し、候補に挙がってきたのが学研教育出版『 大人の科学マガジン 』の“ふろくが出来るまで”というテーマでした。わたしはそれまで『大人の科学マガジン』の存在を知らなかったのです

5月のこれから売る本-日販 古幡瑞穂 書影

書店員のこれから売る本

5月のこれから売る本-日販 古幡瑞穂

初めまして。 日販(日本出版販売) の古幡と申します。このコーナーでは先輩にあたるトーハンの吉村さんと同じく取次に勤務しております。今はマーケティング本部というところでスタッフ的な仕事をしておりますが、その前はMD担当として全国の書店さんに注目本のご案内をしておりました。さらに遡ると、産声をあげたばかりの楽天ブックスにいた時代もありまして、そこでは多くのお客

『社会はなぜ左と右にわかれるのか』 - 断層を乗り越えるための技法 書影

サイエンス / 社会

『社会はなぜ左と右にわかれるのか』 - 断層を乗り越えるための技法

保守とかリベラルとか、その手の話題とは願わくば一線を引きたいと思っていたし、あまり深入りせずに真ん中あたりをうろちょろしていると思われたいのが本音だ。だが、ここまで明確に人間社会における道徳の機能的価値を晒されると、むしろ知らないことの方が怖くなってくる。 道徳心理学という手法を活用した本書の明快すぎる論考には、いささか著者固有のバイアスもかかっていることだ

大人になること、それは合理化とうまくやっていくこと。『大人が作る秘密基地』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

大人になること、それは合理化とうまくやっていくこと。『大人が作る秘密基地』

本書は「秘密基地」をキーワードに18の事例を紹介する1冊。土地を購入してみずからコンクリートまで使って建てるものから、廃墟を再利用するもの、自宅のなかにつくるもの、果ては野外で行なうレイヴパーティまで、紹介される事例は多岐にわたります。 かつてマンガの神様こと手塚治虫は「合理化はゆとりや遊びの空間を消して」しまう、と語りました。成人することが合理化されること

【NEWS&プレゼント企画】ビブリオバトル社会人大会決勝戦のお知らせ 書影

プレゼント企画

【NEWS&プレゼント企画】ビブリオバトル社会人大会決勝戦のお知らせ

第2回ビブリオバトル社会人大会決勝戦が2014年5月17日(土曜日)12時に台場の「東京カルチャーカルチャー」でいよいよ開催されます。 全国で話題沸騰中の知的書評合戦「ビブリオバトル」。2月から開催されてきた予選を勝ち抜いたツワモノ達が集結し、第1回戦は今年のチャンプを選ぶ決勝戦が行われます。 第2回戦は今回の勝者に加え、第1回のチャンプとゲストを招いてのス

『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』興奮!動物の生態研究最前線 書影

おすすめ本レビュー

『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』興奮!動物の生態研究最前線

マグロは時速100キロでは泳がない。マンボウとペンギンは同種の泳法を採っている。アホウドリは46日で世界一周するし、世界一のろい魚はサメである。 読み進めるうちにオロオロしてきてしまう。マグロといえば超高速で海の中を弾丸のように泳いでいくイメージがあったし、とぼけた顔のマンボウがまさか水族館のアイドル、ペンギンと同じ泳ぎ方をしているなんて想像できないし、地球

『宇宙論と神』by 出口 治明 書影

生物・自然 / HONZ客員レビュー

『宇宙論と神』by 出口 治明

人間はどこから来て、どこへ行くのか。間違いなく、これが、人間の永遠の問いの1つであろう。「僕たちの体は、星のかけらから出来ている」、そう教わった時の腹落ち感は半端なものではなかった。だからこそ、僕たちは宇宙論が大好きなのだろう。誰しも僕たちの体を形作っている物質がどこから来たのか、その始源の物語を突き詰めて聴いてみたいのだ。本書は碩学の手による理代宇宙論の優

4月のこれから売る本-山下書店南行徳店 髙橋佐和子 書影

書店員のこれから売る本

4月のこれから売る本-山下書店南行徳店 髙橋佐和子

HONZをご覧の皆さまBonjour!『万能鑑定士Qの事件簿シリーズ』映画公開に向けてミニフェアを作りダン・ブラウン著作を再度並べ、モナ・リザの笑顔を見つめている内にフランスへ旅立ちたい気持ちが高まっております。 マグダラのマリアが眠るとされている例の場所で祈りを捧げ、ベルサイユ宮殿で例の言葉を叫ぶ・・・夢です。そうそう、夢の国も忘れてはいけませんね。ディズ

今週のいただきもの(4月第4週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(4月第4週)

新緑が目に鮮やかな季節となりました。窓の外には風にそよぐ街路樹の葉と海パンが……って、誰ですか?!会社のベランダに海水パンツを干してるのは! オフィスの隣りにスポーツクラブがあり、最近、ウエスト回りが気になり始めた当社男性社員の間で通う人が増えています。しかし、なにも会社で海パンを干さなくても……。 それでは、ふわふわと風に揺れる海パンを眺めながら、今週献本

『サイレント・ニーズ』新しい見方というシンプルな武器 書影

社会 / ビジネス

『サイレント・ニーズ』新しい見方というシンプルな武器

2008年7月、iPhoneが発売された。その時から凋落の一途を辿っていったのが、Nokiaの携帯電話事業である。2007年に最高益を達成した後は、「第3・4世代(3・4G)移動通信システムvsスマホ」におけるイノベーター・アップルの前にひれ伏すこととなる。そして、2012年には14年間に渡った販売数トップの座をサムスンに明け渡し、 昨日 、携帯電話事業をマ

『女子が読む官能小説』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『女子が読む官能小説』-編集者の自腹ワンコイン広告

「女子だって官能小説を楽しもう!」「「官能」は、働く女性のサプリメント」。 「朝日新聞」3月4日付に「女性だって 見たい読みたい」と題して、「おしゃれも仕事も大切、エロスだって忘れない——頑張る女性のためのサプリメント」としての「官能」ジャンルを紹介していて、女性のための官能小説は新レーベルの創刊が相次いでいることもレポートしていた。 続いて4月20日付「東

『悪い奴ほど合理的』 世界を少しずつよくするために。 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『悪い奴ほど合理的』 世界を少しずつよくするために。

時代劇が好きで、よく観るのだが、『 神谷玄次郎捕物控 』(NHK BS時代劇金曜午後8時)を観ていたら「おっ?」と目を引くシーンがあった。 探索中の定廻り同心・神谷が、事件とは何の関わりもなさそうな某藩上屋敷に入っていくので何かなと思いきや。三宝に載った袱紗が出てきて、開けてみれば黄金色。それを神谷は悪びれもせずしれっと受け取って懐に入れる。江戸詰めの藩士が