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625記事

『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由』

本文にも帯にも私が登場しているが、後輩的経営者の杉ちゃんの本。つい最近仕事でも絡むことになったのだけど、いつもは夜の街で会って遊ぶ関係だが、リーマン・ショックの煽りを食って上場していた彼の会社が潰れた時まではそんなに親しいわけでもなかった。 本文にもあるが、丁度同い年の経営者である野尻佳孝達と飲んでいた時に彼の会社が潰れたというニュースが流れてきた。酔った勢

【連載】『真相:マイク・タイソン自伝』 第2回 まさにリアル「あしたのジョー」! ボクシングとの運命的な出会い 書影

アート・スポーツ / HONZブックマーク

【連載】『真相:マイク・タイソン自伝』 第2回 まさにリアル「あしたのジョー」! ボクシングとの運命的な出会い

たび重なる悪行により、ついにタイソンは少年院送りとなる。そこでも問題児だった彼は、あるときボビー・スチュワートという教官にボクシングで打ちのめされる。それを機にボクシングに興味を抱いたタイソンは、トレーニングに熱中する。そして、人生の師との運命的な出会いが訪れた。 ※過去記事 第1回 それからほどなく、ボビーから提案があった。「お前を伝説のボクシング・トレー

『危険動物との戦い方マニュアル』オレはオニヒトデに勝てるのか 書影

生物・自然 / 教養・雑学

『危険動物との戦い方マニュアル』オレはオニヒトデに勝てるのか

夏休みに恋人や家族と出かけた先でクマに出くわしたら、どう対処するか。ヘビに遭遇したらどう振る舞うか。こうした、真木よう子にいきなり求愛されるくらい小さい確率を気にかけてしまう妄想力が逞しいあなたにおすすめなのが本書だ。いつもは家族の前では読めない本ばかり紹介している私だが、今回は世間が夏季休暇の直前と言うこともあり、家族と一緒に楽しめる一冊を紹介したい。 表

性格が戦略になる!? 『自分でつくるセーフティネット』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

性格が戦略になる!? 『自分でつくるセーフティネット』

先日、たまたま EXILEのドキュメント番組 を見ていたら、変化し続けるEXILEについて、秋元康が興味深い発言をしていた。 根っこがあってブレない部分を持っている人達だけが、変わることを許される。 この「変わることを許される」という発言に、思わず耳を奪われた。変わることが出来るかどうかというのは「意志」の問題ではなく、そのための素地が存在しうるかという「状

『東京大学の学術遺産 君拾帖』 幕末・明治・大正のスクラップ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『東京大学の学術遺産 君拾帖』 幕末・明治・大正のスクラップ

東京大学総合図書館にある、96冊の『君拾帖』。普段は地下書庫に仕舞われており「貴重書閲覧室」でしか見られないこのシリーズを、画文家のモリナガ・ヨウさんが写真とイラスト・文章で紹介したのが本書だ。「君拾」(実際は「君」の漢字に手偏がついている)なんて人生で初めて聞く単語であったが、集めて拾うという意味だということで、「君拾帖」とは、要はスクラップブックというこ

『Q』by 出口 治明 書影

小説 / HONZ客員レビュー

『Q』by 出口 治明

昨年は HHhH 、そして今年はQ。ローマ字をタイトルにした本には、このところ傑作が多い。16世紀のヨーロッパ。ローマ教会の腐敗に敢然とルターが立ち上がる。宗教改革という大きな振り子が振れ始めたのだ。しかし、振り子は行き着くところまで振れないと止まれない、という厄介な性格を持っている。ドイツでは、穏健なルターを早くも置き去りにして、農民の指導者トマス・ミュン

やめられない、止まらない『フードトラップ』その甘い罠 書影

社会 / ビジネス

やめられない、止まらない『フードトラップ』その甘い罠

18歳以上のアメリカ国民の33パーセントが、BMI 30以上の肥満体だという。本書によれば、陸軍幹部が公式発表で首都ワシントンの18歳以上の男女が太り過ぎで採用できないと表明。また、カリフォルニア州ロサンゼルスでは、太り過ぎのため帝王切開が困難になり死亡する産婦が増えているという。また痛風患者は全米で800万人にも達するという。 なぜアメリカはかくも肥満大国

最強!福祉最前線『実録!熱血ケースワーカー物語』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

最強!福祉最前線『実録!熱血ケースワーカー物語』

首筋めがけてナイフを突き立てられそうになる。脱糞したアルコール依存症者を泥だらけになりながら背負って運ぶ。身元不明の遺体が出たと呼び出されることはしょっちゅう、ゴミ屋敷の清掃に6時間従事したりもする。 さて、こんなことをする仕事は何でしょう。答えは公務員です。 本書『実録!熱血ケースワーカー物語』は、関西の福祉事務所に勤務した元・ケースワーカーが記す、衝撃の

【連載】『真相:マイク・タイソン自伝』 第1回 不良少年の覚醒──マイク・タイソンが初めて力に目覚めたとき 書影

アート・スポーツ / HONZブックマーク

【連載】『真相:マイク・タイソン自伝』 第1回 不良少年の覚醒──マイク・タイソンが初めて力に目覚めたとき

史上最強かつ最凶の男マイク・タイソンが自らの半生を赤裸々に綴った『真相──マイク・タイソン自伝』。刊行以来、全米を騒然とさせた本書から、特にハイライトとなる場面を全3回に渡って紹介していきます。 タイソンはニューヨーク州ブルックリンのスラム街の貧困家庭に育った。子供の頃のタイソンは体も小さく臆病でいじめられっ子だった。小学校1年生のときいじめっ子に大事な眼鏡

7月のこれから売る本-ジュンク堂書店大阪本店 持田碧 書影

書店員のこれから売る本

7月のこれから売る本-ジュンク堂書店大阪本店 持田碧

「面陳」と言って、本の表紙を見せて棚に並べる展開方法があります。面陳はお客様に手に取って頂きたい新刊や話題書が中心です。しかしジュンク堂書店では、棚での回転率は悪くとも(すなわち、飛ぶようには売れなくとも)、個性的な本、マニアックな本を「これはウチ向きの本」「ジュンク向き」などと言って、売れ筋や定番の隣りに堂々と面陳することがしばしばあります。今月は、そんな

今週のいただきもの(7月第4週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(7月第4週)

先日栗下直也と飲んだとき、珍しくまじめな話になりました。 テーマはずばり、「ワーク・ライフ・バランス」。サラリーマンにとって重要な問題です。 私たちにとって「ライフ」とは、すなわち「飲酒」。 そこで、その日のワークタイム(労働)とライフタイム(飲酒)を比較してみたところ、なんとライフタイム(飲酒)のほうが長かったことが発覚……。 どうやら二人とも、ワーク・ラ

『呪いの時代』文庫解説 by 森田真生 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『呪いの時代』文庫解説 by 森田真生

内田樹さんの著書の解説を執筆するという大仕事を前にして、僕はいま、些かの ためらい を感じている。書こうと思うことは確かにあるが、いざ書きだそうとすると、同じことが〝内田樹の文体〟で、もっとはるかに明晰に、理路整然とした言葉で語られるのが、どこからともなく聴こえてきてしまうのだ。それでなかなか、書き出せない。 内田さんの言葉は、いつでも身体を目がけて語られる

『総力戦 (現代の起点 第一次世界大戦 第2巻)』by 出口 治明 書影

世界史 / HONZ客員レビュー

『総力戦 (現代の起点 第一次世界大戦 第2巻)』by 出口 治明

このほど、岩波の「現代の起点 第一次世界大戦」全4巻が完結した。第1巻は世界戦争、2巻は総力戦、3巻は精神の変容、4巻は遺産、と名付けられ、夫々約10編の論文から構成されている。今年はサラエボの銃声からちょうど100年、いかにも岩波らしいオーソドックスな取組である。各巻ともとても面白く、改めて大変勉強になったが、ここでは主に「第2巻総力戦」を取り上げたい。

『ピア ネットワークの縁から未来をデザインする方法』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『ピア ネットワークの縁から未来をデザインする方法』-編集者の自腹ワンコイン広告

先頃、こんな事件があった。ご近所に住んでいる仕事仲間の女性宅(マンション1F)に、深夜、見知らぬ男が窓から入りこんだ。寝ていた当人が早めに気づいて大声を上げたため、男はあわてて出て行き、難を逃れたという・・・。すぐさま警察に連絡したところ、近辺で同じような届け出がすでにあったとのこと。我が家から歩いて10分もかからない距離なのに、こんな事件があったなんて初耳

『日本の聖域 アンタッチャブル』文庫解説 by 田原総一朗 書影

事件・事故 / 「解説」から読む本

『日本の聖域 アンタッチャブル』文庫解説 by 田原総一朗

私は、毎月「選択」が届くのを待ちかねる思いで、袋の封をあけるとまっさきに読むのが「日本のサンクチュアリ」である。新聞や他の雑誌では触れていない〝日本の聖域〟の実態にメスを入れ、いわば闇の構造を暴きつづけている。 その〝サンクチュアリ〟シリーズが、『日本の聖域 アンタッチャブル』というタイトルで文庫本になった。本書に収められた記事の中から特に興味を引かれたもの

『無業社会 働くことができない若者たちの未来』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『無業社会 働くことができない若者たちの未来』

いつのまにか浮き世はギスギスし、何かと言えば自己責任、である。お互い様とかお陰様という「生温い」言葉は流行らないらしい。「努力するものが報われる社会を」というスローガンもよく聞いたものだが、その意も「報われない者は努力が足りないのである(だから自己責任ね)」とすり替わりつつあるようだ。そして「こんな時代に負け組になったりしたら大変だ」という恐れの気持ちは、「

カカポ奇跡の復活! 『ねずみに支配された島』のもうひとつのメインストーリー 書影

サイエンス / 生物・自然

カカポ奇跡の復活! 『ねずみに支配された島』のもうひとつのメインストーリー

ニュージーランド原産のオウムであるカカポは、体重は3〜4キロとオウムのなかでもっとも大きく、そして飛ばない。 哺乳類のいない世界で進化した彼らの敵は、上空から襲いかかる猛禽類だけだった。その攻撃を避けるためにカカポは夜間に活動し、危機に直面した際には、茂みのなかでじっと動かず、その美しい緑色の体を草木に紛らせて敵をやりすごす。 しかし、ネコ、イヌ、イタチなど

『エピジェネティクス』 現象論を超えたサイエンスの面白さ 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『エピジェネティクス』 現象論を超えたサイエンスの面白さ

あちこちを飛び回って花粉や蜜を集める働きバチと、じっと巣の中で卵を生み続ける女王バチ。同じ両親から生まれていながらも、全く異なる生涯を過ごすこととなるハチたちの運命を分けたものは何なのか。遺伝だろうか、それとも、与えられる栄養や環境の違いが彼らの運命を違えているのだろうか。 この謎を明らかにする鍵は、エピジェネティクスにある。著者は、エピジェネティクスは、ゲ

実録が現実を喰う!『映画の奈落』 北陸代理戦争の仁義なき場外戦 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

実録が現実を喰う!『映画の奈落』 北陸代理戦争の仁義なき場外戦

やくざ映画にドンパチはつきものである。だが、映画と全く同じシチュエーションで実際にモデルとなった組長が殺害されるーーそんなミステリーさながらの事件を引き起こした、前代未聞のやくざ映画があった。 映画『北陸代理戦争』は、”北陸の帝王”と呼ばれた福井川内組組長、川内弘をモデルにした「東映実録やくざ映画」である。映画と現実が連動し、シナリオが進行中のやくざの抗争に

7月のこれから売る本-トーハン 吉村博光 書影

書店員のこれから売る本

7月のこれから売る本-トーハン 吉村博光

若い頃は、正しさに近づきたいという想いが強く、何かを断定するような本が好きでした。でも年を重ね、より考えるようになったのは「正しさ」よりも目の前の「相手」のこと。最近、私が心を揺さぶられるのは、決まって、少し優しかったり曖昧だったりする本が多いです。「相手」が何を考え、何を求めているのかを本気で考えている本。今月は、そんな定義で私なりの「優しい本」をいくつか

『日本のヴァイオリン王』激動の時代を駆けた名職人 書影

人物 / 日本史

『日本のヴァイオリン王』激動の時代を駆けた名職人

ならば相対的に生活水準が低く、文化も未成熟だった100年前くらいの日本の場合は言わずもがな、と思うところだが、実は明治末期から大正、昭和初期にかけての日本では、ヴァイオリンが現代と比べて遥かに広く大衆に親しまれていた。しかもその多くはなんと国産品だったという。開国後、徐々に流入してきた西洋楽器は庶民の手にはなかなか届かない代物だったが、明治も終わりに近づくと

今週のいただきもの(7月第3週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(7月第3週)

最近友人から「1週間でマイナス10歳顔!」という、夢のような(たぶん夢だろう)顔ヨガを教わり、毎日朝晩せっせと励んでいます。このまま続ければ来月の朝会の頃には幼稚園児並み、もはや誰も私だと気づかないことでしょう。 それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介です。版元のみなさま、毎度ありがとうございます!

『宇宙を目指して海を渡る MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『宇宙を目指して海を渡る MITで得た学び、NASA転職を決めた理由』-編集者の自腹ワンコイン広告

アメリカの宇宙ファンたちの間で、若い日本人による、あるアイデアが、最近ちょっとずつ話題になっています。それが、「彗星ヒッチハイカー」、文字通り彗星の背中にヒッチハイクして太陽系を移動するというアイデアです。魚釣りの糸のように彗星にヒモをひっかけて宇宙船を引っ張ってもらう「タダ乗り」宇宙航行。カーボンナノチューブのヒモを使えば、冥王星まで5、6年で到着可能にな

『辻静雄』を知っていますか? 新刊超速レビュー 書影

人物 / 新刊超速レビュー

『辻静雄』を知っていますか? 新刊超速レビュー

二昔以上も前に世話になったおじさんに逢った。このムックを書店で見かけた時、そんな気がした。いまは亡き 辻静雄 の名前、どれくらいの人が知っているのだろう。『 辻調理師学校 (現・辻調理師専門学校) 』の創始者、といっても、地元大阪ではいざしらず、全国的にはどんなものなんだろう。 グルメという言葉が根付いた頃、後に直木賞を受賞する 海老沢泰久 が書いた『美味礼

『本は死なない』キンドル開発者、読書についてかく語りけり! 書影

社会 / ビジネス

『本は死なない』キンドル開発者、読書についてかく語りけり!

アマゾンが 電子書籍読み放題サービスに参入するというニュース がある 。これは月額9.99ドルの契約を交わすと、約60万タイトルの電子書籍が読み放題になるというサービスだ。日本ではいまひとつ普及していない印象が拭えない電子書籍だが、アメリカでは事情が異なるようだ。本書の記載によると、アメリカの出版業界の市場調査を専門とした機関の報告で、2012年までに成人の

最もセクシーでクールな『ロボコン』 書影

サイエンス / 教養・雑学

最もセクシーでクールな『ロボコン』

本書を読み始める前は、「よくある先生と生徒の感動物語かな」くらいに、軽く考えていた。しかし、そこで繰り広げられているロボット選手権があまりにもレベルが高く、ただの感動物語では済ませられない何かがあった。 高校生ロボット世界選手権「FIRST」(For Inspiration and Recognition of Science and Technology)

LGBT 自分らしくありのままで『夫夫円満』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

LGBT 自分らしくありのままで『夫夫円満』

はじまりはいつもこうだ。 米国総領事として, 夫のエマーソンと共に大阪や神戸、京都、広島など 各地で行事に参加していると、 社長、部長、課長クラスの年配の男性がやってきて、 「それで、どちらがご夫人ですか?」と尋ねられる。 「どちらが妻というわけではないんです… ゲイのカップルで…同性結婚ですから… 私が夫で、彼も夫。夫と…夫。夫がふたりなんです」 と答える

わがままいっぱいの理想の家『小さくてかわいい家づくり』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

わがままいっぱいの理想の家『小さくてかわいい家づくり』

あなたはもうすぐ40歳。いわゆるアラフォーと言われる年頃である。独身で、当然仕事も持っている。趣味は北欧雑貨を集めること。少しずつ増えていく可愛い雑貨を見ていて、あなたはちょっとした決意をする。 そうだ、これを売ろう! しかし、今のままでは頭の上にほわんと浮かんだ夢に過ぎない。普通なら夢は夢のままで終わってしまうもの。しかし、父親の突然の死と、今まで住んでい

『「科学者の楽園」をつくった男』いま話題の理研の歴史 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『「科学者の楽園」をつくった男』いま話題の理研の歴史

現在のドタバタ劇をみるに信じられないことかもしれないが、理化学研究所は、1917年の創立以来、「日本の科学界を牽引したのは理研」といわれるほど、数々の著名な日本人研究者を輩出している日本屈指の研究所である。 これまで、世界初のビタミン発見者といわれる 鈴木梅太郎 をはじめ、 寺田寅彦 、 長岡半太郎 、 仁科芳雄 、 湯川秀樹 、 朝永振一郎 などというそう

『「枕草子」の歴史学 春は曙の謎を解く』by 出口 治明 書影

人物 / HONZ客員レビュー

『「枕草子」の歴史学 春は曙の謎を解く』by 出口 治明

本が本を呼ぶ、とでもいうのだろうか。 「源氏物語」 に引かれて、面白い「枕草子」に出会った。内大臣が当時としては貴重な紙を一条天皇と中宮(定子。以下、宮)に献上した。天皇は史記をその紙に書くという。そこで宮は清少納言(以下、少納言)に、こちらは何を書こうかと尋ねた。少納言はそれに応じて「四季」を枕にして書きましょう、と。こうして「春はあけぼの」が生まれた、と

いずれ劣らぬ地獄絵図 『捕食者なき世界』と『ねずみに支配された島』 書影

サイエンス / 生物・自然

いずれ劣らぬ地獄絵図 『捕食者なき世界』と『ねずみに支配された島』

5億4千万年前の カンブリア爆発 以来、地球上には『捕食者』がはびこっている。ある意味では我々人類が地球上最強の捕食者なのであるが、そのことは棚上げにして、捕食者というと、どう猛で恐ろしいいうイメージを抱きがちだ。 捕食者のいない世界というのを考えてみてほしい。なんとなく、平穏でのどか、緑ゆたかで桃源郷のような景色が思い浮かばないだろうか。『捕食者なき世界』

ようやるわ。でも、よくやった! 『東京大学の学術遺産 捃拾帖』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

ようやるわ。でも、よくやった! 『東京大学の学術遺産 捃拾帖』

ようやるわ。もうこの一言に尽きるでしょう、この本は。東京大学図書館の貴重書耐火地下倉庫に眠っていたお宝資料を、ひたすらめくり続け読み込んでのセレクト面白資料集。集めた方も集めた方なら、拾った方も拾った方。で、それがカラーの新書で読めるのです。 幕末から明治・大正時代にかけて、当代きっての「なんでも蒐集家」が集めたチラシ、領収書、お菓子の包み紙、あとほかなんで

今週のいただきもの(7月第2週) 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの(7月第2週)

昨夜お風呂につかりながら気持ちよく寝ていたところ、突然、浴室に高らかな笑い声が響き渡り、ビックリして飛び起きました。しかも自分の笑い声。 いったいどんな夢をみていたのでしょう……。 お風呂で本を読むのが大好きなのですが、ついウトウトしてしまうのが難点ですね。 それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介です。版元のみなさま、毎度ありがとうございます!

『慶應小論文で鍛えるロジカルシンキング』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

編集者の自腹ワンコイン広告

『慶應小論文で鍛えるロジカルシンキング』-編集者の自腹ワンコイン広告

この本は、小論文試験の中でも最難関とされる慶應大学の経済学部・商学部の入試問題をベースに、ビジネスパーソンに必要な経済学的思考とロジカルシンキングを身に付けようというものです。実は、慶應大学の入試科目には「国語(現代文、古文、漢文)」はなく、多くの受験生は小論文入試を受けています。 小論文試験というのは、簡単にいうと現代文よりも長い課題文を読み、問われた内容

『テクニウム』 - 利己的なテクノロジー 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『テクニウム』 - 利己的なテクノロジー

もしも地団駄というものが踏めるものであるのなら、この一冊を読みながら踏んでみたいと思う。 原題は『 What Technology Wants 』=テクノロジーの望むもの。テクノロジーの歩みを『種の起源』のように捉え直すという束ね方に独創性があり、これまでに見聞きしてきた様々な知識が一本の線でつながるようなダイナミズムに満ち溢れている内容だ。おかげで、本が本

『異邦人』文庫解説 by 麻木 久仁子 書影

社会 / 「解説」から読む本

『異邦人』文庫解説 by 麻木 久仁子

上原さんは、いつも旅をしているひとなのだ。日本の路地を。世界の路地を。構えたところもなく、ありのままの心で。 なぜ旅をするのか、第一章にこうある。 〈この世の中で、父と母との喧嘩ほど醜いものはない。まだ幼かった私にとって、それ は修羅場であった。〉 〈両親の修羅場は、まさに幼かった私にとって「小さな戦争」であった。私は何もできずに戸惑う、

今こそ取り戻そう『男子の貞操』 書影

おすすめ本レビュー

今こそ取り戻そう『男子の貞操』

中身に触れる前に、まずタイトルが凄い。「貞操」である。平成の世に、21世紀の日本で「貞操」である。久しく耳にしてない言葉である。貞操を飾る言葉が、「男子の」。「女子の」ではなく、「男子の」。「女子の」ならば「週刊SPA風味の肉食女子についてですか」ってオチも透けて見えて泰然と構えられるが、残念ながら「男子の」。中身が全くわからない。ガチンコに貞操について語る

『愛を科学で測った男』 愛情と孤独のあいだ 書影

サイエンス / 人物

『愛を科学で測った男』 愛情と孤独のあいだ

本書は、サルによる実験を通じて「愛情」の研究を行ったハリー・ハーロウ教授の伝記である。 著者は、「霊長類を動物実験として用いることについての倫理問題」を論じた連載でピュリッツアー賞を受賞し、当初はハーロウ教授が行った実験について批判的であった人だ。しかし、その後、「育児放棄」の破壊的な影響について連載した際に考え直す。 結局のところ、これはハリー・ハーロウの

鼻孔をくすぐる悲しみ『世界はフラットにもの悲しくて』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

鼻孔をくすぐる悲しみ『世界はフラットにもの悲しくて』

洋書の写真集が好きな私は、大型書店を訪れた際には必ず洋書コーナーで様々な写真集を眺める。必ず手に取るのは、ファッション写真と報道写真だ。ファッション写真は人間の美しさを私に教えてくれる。そして報道写真は広い世界に渦巻く人間の業と悲しみを教えてくれる。同じ時代を生きつつ、決して出会う事の無い人々の悲しみや欲望や生のエネルギーを私に突きつける。 そのような写真を

孤高の理想家『僕はポロック』 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

孤高の理想家『僕はポロック』

芸術家にも色々なタイプがいて、ミケランジェロのようにルネサンスのギルドでその腕を発揮する人もいれば、ゴッホのように耳を裂き苦悩しながらも純朴に内面美を追求する人もいる。またピカソのように頭脳と腕を駆使し、王座に君臨する人間もいる。ジャクソン・ポロックはというと、若い頃は病的なまでのシャイであり、何よりも生涯アルコール依存症だった。 こちらはDVDでポロックの