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民俗・風俗

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310記事

『人類学とは何か』分けられない人間性に取組む学問として 書影

サイエンス / 教養・雑学

『人類学とは何か』分けられない人間性に取組む学問として

人類学者が各々のフィールドで獲得した情報を綴った本は不思議と驚きの源泉である。世界にはまだまだ知らないことがあることに喜びを感じることができ、人類が辿ってきた進化の道筋への想像力を豊かにする。暗黙の前提を明るみにし、常識だと信じていた基礎をぐらつかせる。 人類学者がいなければ、聞かれることもなく、知られることもなかったフィールドの人々の知恵を集めてきた。フィ

『性転師』知られざる性転換ビジネスの裏方 「アテンド業」の実態に迫る 書影

社会 / 民俗・風俗

『性転師』知られざる性転換ビジネスの裏方 「アテンド業」の実態に迫る

「性転師」とは、性別適合手術を受けるために海外に渡航する人を手助けする「アテンド業」に携わる人々を指す。もちろん正式な職業名ではない。本書の造語である。 「師」という字は、詐欺師や地面師といったなにやら怪しげな仕事を連想させるが、著者はこの言葉に、医療従事者でもないのにリスクを伴う手術に一民間人が関わらざるを得ない状況を込めたという。グレーな領域に関わる仕事

「おもてなし」の職人さん『配膳さんという仕事』 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

「おもてなし」の職人さん『配膳さんという仕事』

陽ざしの強い京都、すだれ、浴衣、冷やしきゅうり……。今年の夏は京都旅行も難しいかな、と残念に思っていたが、本書を読むと京都の街並みが鮮やかに浮かび上がってきた。本書では、今から30年ほど前にタイムスリップ。祗園祭や茶会、料亭、花街などいたるところで活躍するのは「配膳さん」と呼ばれる職業人である。配膳さんはまるで「おもてなし」の職人のようだ。 著者は配膳さんを

超常現象も秘密結社も超古代文明もすべてあります! 創刊40年の歩みを詰め込んだ『ムー ビジュアル&アート集』 書影

アート・スポーツ / 民俗・風俗

超常現象も秘密結社も超古代文明もすべてあります! 創刊40年の歩みを詰め込んだ『ムー ビジュアル&アート集』

本書を見つけた時、テンションが上がりすぎて鼻血を出しそうになってしまった。営業再開を待ち望んでいた紀伊国屋書店新宿本店の店頭だったことも、興奮に拍車をかけたかもしれない。 本書はあの!月刊『ムー』のビジュアル&アート集である。説明するまでもないが、『ムー』は昨年創刊40周年を迎えた日本屈指のミステリーマガジン。本書では1979年の創刊から2019年12月号ま

『旅の効用 人はなぜ移動するのか』STAY HOMEのGWは本を読んで、メンタルタイムトラベルする 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『旅の効用 人はなぜ移動するのか』STAY HOMEのGWは本を読んで、メンタルタイムトラベルする

2015年には全世界でのべ12億人が外国旅行をしたが、これは1950年の48倍に相当する数である。過去に3度の経済危機で海外旅行者は減ったことはあったが、今回のコロナ禍は、歴史に残る減少幅になるだろう。 多くの旅好きと同じように、このゴールデンウィークは旅行をする予定だった。柄でもなく、半年前もからどこに行こうか、思い巡らせていた。が、もちろん、すべて中止で

『最期の言葉の村へ──消滅危機言語タヤップを話す人々との30年』 言語とともに消え去っていくものたち 書影

民俗・風俗 / 世界史

『最期の言葉の村へ──消滅危機言語タヤップを話す人々との30年』 言語とともに消え去っていくものたち

タヤップ語。それは、パプアニューギニアの熱帯雨林の奥深くにある小さな村で話されている言語である。そして、その言語はいままさにこの世界から消え去ろうとしている。 「言語はなぜ消滅してしまうのか」。1980年代、当時大学院生だった本書の著者は、その謎を明らかにしたいと切望し、単身で熱帯雨林の奥地に潜り込む。当時、どんな地図にも載っておらず、そこを訪れた白人もほと

東京が生んだ奇跡、代官山『HILLSIDE TERRACE 1969-2019』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

東京が生んだ奇跡、代官山『HILLSIDE TERRACE 1969-2019』

東京屈指の人気の街、代官山。おしゃれなイメージを持っている人も多いだろう。実はこの街は、丹念に手入れされ、長年の努力の積み重ねでできあがっている。重要文化財指定の和風建造物があり、街自体が建築の有名な賞を受賞した、と聞けばどうだろう。その歴史と成り立ちは、都会に生まれた奇跡かも――街の秘密をとじこめた一冊を、今回はご紹介したい。 本の監修者は「ヒルサイドテラ

『パワースポットはここですね』あなたにもきっと「ここ」と思える場所がある! 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『パワースポットはここですね』あなたにもきっと「ここ」と思える場所がある!

どうやら今の日本はパワー不足のようだ。元気のない状態が常態になりつつある。高度成長期のイケイケを知っている世代は若者に「覇気がない」だの「やる気がない」だのうだうだいうが、先行きに希望が見えないのなら、元気など出しようがないではないか。 せめてパワーをもらおうと「パワースポット」に向かうのは、何か縁(よすが)を得ようともがいてのことだと思うのだ。 もともと高

『マゾヒストたち 究極の変態18人の肖像』 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『マゾヒストたち 究極の変態18人の肖像』

「S&Mスナイパー」から派生したM男向け季刊誌「スナイパーEVE」が本年2019年5月発行の72号で終了した。発刊号(2001年7月発行)から私は女王様インタビュー「ミストレスの肖像」とM男性インタビュー「当世マゾヒスト列伝」を担当していた。「ミストレスの肖像」は最終号まで続き、「当世マゾヒスト列伝」は誌面刷新により、24号(2007年4月発行)で終了。 連

『亜細亜熱帯怪談』前代未聞の新ジャンル!現代アジア怪談ルポルタージュの誕生 書影

事件・事故 / 民俗・風俗

『亜細亜熱帯怪談』前代未聞の新ジャンル!現代アジア怪談ルポルタージュの誕生

見慣れた世界地図を、ちょっと視点を変えて色分けしてみると、思いも寄らない姿が浮かび上がってくることがある。たとえば「民主化」の度合いや「女性の社会進出」の進み具合で色分けすれば、欧米を中心にした国々を濃く塗りつぶすことになるだろうし、「政治的自由」の制限などを切り口にすれば、また違った国がクローズアップされるだろう。 では「霊」はどうだろうか? いや、唐突か

ヒョウ柄に金箔押しのド派手カバー『仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう』は”真の大阪”を知るためのバイブルだ! 書影

教養・雑学 / 社会

ヒョウ柄に金箔押しのド派手カバー『仲野教授の そろそろ大阪の話をしよう』は”真の大阪”を知るためのバイブルだ!

大阪という町、世間ではどんなイメージで見られてるんでしょう?「お笑い」、「こなもん」、「ヒョウ柄のおばちゃん」、「えげつない」、「ガラ悪い」、とかでしょうか。 たしかにテレビでは吉本の芸人さん達が大阪弁で笑いをとりまくってます。それに、どうしてかわかりませんが、と~きょ~もんであっても、アホなことを言うたり、エロいことを言うたり、あるいは、ケチ臭いことを言う

『アインシュタインの旅行日記: 日本・パレスチナ・スペイン』天才物理学者の日記にある日本の"今"と"昔" 書影

サイエンス / 教養・雑学

『アインシュタインの旅行日記: 日本・パレスチナ・スペイン』天才物理学者の日記にある日本の"今"と"昔"

1922年(大正11年)11月17日アインシュタインは神戸港に到着した。この日は京都の都ホテルに宿泊。日記には「下の町はまるで光の海。強烈な印象」「日本人は簡素で上品、とても好ましい」と綴っている。 アインシュタインが特殊相対性理論と光量子仮説を発表したのは1905年。26歳のときだった。自身のノーベル物理学賞受賞を知ったのは日本への船上だった。さぞかし楽し

『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』バカ売れのヒントは経営学ではなく民俗学? 書影

民俗・風俗 / ビジネス

『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』バカ売れのヒントは経営学ではなく民俗学?

霞ヶ浦のレンコン農家に生まれ、社会学で博士号を取得し、民俗学の研究者となり、二刀流ではじめた超高級レンコンの商品開発に成功したアラフォーの物語だ。いまではニューヨークやパリのレストランでも使われているという。 しかし、けっして頭脳明晰な新世代農業経営者の成功物語ではない。研究者として民族学会に出席していた著者は、先輩研究者から「中国行ってレンコン1本1万円で

『「盛り」の誕生』世界に広がる女の子発のカルチャー 書影

サイエンス / 社会

『「盛り」の誕生』世界に広がる女の子発のカルチャー

まず本の表紙をよーく見ていただきたい。 きれいな女性だが、どこか人工的な印象を抱かないだろうか? 肌の質感はなんだかプラスチックを思わせるし、髪も地毛だけじゃなさそうだ。なによりも「目」が明らかにナチュラルではない。こんなに目の大きい人物がいるだろうか。しかも黒目にも細工が施されているみたいだ…… あなたが抱いた印象は間違いではない。この女性の顔は加工されて

『人喰い ロックフェラー失踪事件』マイケルはなぜ喰われたのか? 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『人喰い ロックフェラー失踪事件』マイケルはなぜ喰われたのか?

最初に言っておく。この本は 「閲覧注意」 である。タイトルそのまま、本当にそのままなのだ。 1961年11月20日、マイケル・ロックフェラーはニューギニア南部で消息を絶った。 この地を訪れていた23歳の若者の父親は、ニューヨーク知事で後に副大統領となるの ネルソン・ロックフェラー 。地球で一番の金持ちで、スタンダード・オイルの創設者 ジョン・D・ロックフェラ

二度と帰らない 昭和ノスタルジー『夜間飛行』 書影

人物 / 民俗・風俗

二度と帰らない 昭和ノスタルジー『夜間飛行』

「夜間飛行」という言葉を目にした時、ある人はサン=テグジュペリの『夜間飛行』を、ある人はちあきなおみの「夜間飛行」を、そしてある人は街の一角に佇むバー「夜間飛行」を思い浮かべるかもしれない。本書のタイトルは、主人公がずっと身につけていたゲランの香水の名前からヒントを得たものだ。「女性らしさを失うことなく、男性中心の社会でも自分の立場を貫き、冒険的で志のある女

『東海道ふたり旅 道の文化史』エッセイの名手が読み解く知的でビジュアルな東海道五十三次 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『東海道ふたり旅 道の文化史』エッセイの名手が読み解く知的でビジュアルな東海道五十三次

久しぶりに出会った、上品にして趣深いエッセイとして読んでいる最中だ。読み終えるのがもったいないのだ。 全35章。3章ほどをゆっくりと読むために、わざと場所と時間を変えている。早朝のカフェでクロックムッシュと、午後はおにぎりをほおばりながら公園のベンチ、夜はウイスキー片手にベッドの中という具合だ。 広重の「東海道五十三次」をモチーフにしながら、おもに江戸の諸制

『陸軍と厠』もし、あなたが戦場で便意をもよおしたら 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『陸軍と厠』もし、あなたが戦場で便意をもよおしたら

戦場は危機に満ちている。いつ敵の襲撃があるかわからない。やるかやられるか。だが、危機は敵だけではない。過酷な環境下、自らの体調を崩すこともある。大病に至らないまでも張り詰めた空気の中、兵士だって行軍中に戦闘中にお腹がいたくなることもある。一体、彼らはどのように内なる危機と向き合っていたのだろうか。 明治以降の日本の公衆衛生を丹念に調べた本書は、誰もがふと気に

『美酒復権』NEXT5のその先へ 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『美酒復権』NEXT5のその先へ

「NEXT5」というグループをご存じだろうか?日本酒が好きな人ならきっと一度は耳にしたことがあるだろう。ゆきの美人の小林忠彦。白瀑(山本)の山本友文。福禄寿(一白水成)の渡邉康衛。新政の佐藤祐輔。春霞との栗林直章。秋田の蔵元5人が2010年に結成した蔵元集団である。共同で醸造酒をつくり、酒造りを研究し、技術と精神を切磋琢磨している醸造家集団だ。 2014年か

『青線』かつて存在した非合法売春地帯を歩く 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『青線』かつて存在した非合法売春地帯を歩く

最近、東京新宿のゴールデン街が外国人観光客に人気だ。狭小な建物が林立する飲み屋街は世界でも珍しいという。あのような安普請が立ち並んでいるのは、ゴールデン街がかつて非合法の売春地帯「青線」であったからだ。 色街の存在は街の活気の副産物であり、都市には濃淡はあっても、その痕跡が見え隠れする。スナックや小料理屋のような外観で売買春を行う「青線」の存在は都市の裾野の

それってホントに伝統?『歴史の「普通」ってなんですか?』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

それってホントに伝統?『歴史の「普通」ってなんですか?』

それってホントに伝統ですか? この本を読むとあなたの中で「伝統」という言葉の持つ意味が変わってくるかもしれません。結論から言ってしまうと、こういうことになります。 「歴史的に見れば、伝統とは、ちょっと長めの流行にすぎません。」 そもそも伝統という言葉は “tradition”の訳語として明治時代に作られた比較的新しい言葉だそうです。新聞などで伝統という言葉が

『京都、パリ ―この美しくもイケズな街』斯界の泰斗が語り合う二都にまつわる薀蓄 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『京都、パリ ―この美しくもイケズな街』斯界の泰斗が語り合う二都にまつわる薀蓄

辞書によると、「薀蓄」とは深く研究して身につけた知識のことである。しかし、小粋なバーの隣席に下手な薀蓄を傾ける御仁がいると、面倒くさいこと、この上ない。その話題が京都やパリであれば尚更だ。 老舗カバン店のお家騒動だの、ルーブル美術館のスマホアプリだの、煩わしいと思いながらも、つい聞き耳を立ててしまう。薀蓄とは高度な噂話でもある。 本書はまさにその二都の薀蓄だ

『硯の中の地球を歩く』1億年前の原石に命を吹き込む無名の名工の誇りと決意 書影

教養・雑学 / 人物

『硯の中の地球を歩く』1億年前の原石に命を吹き込む無名の名工の誇りと決意

端正な本だ。内容に不釣合いなカバーと帯を取りはずすと、表紙には原寸大に近い一面の硯が刷られている。装丁だけでなく、紙質や印刷も素晴らしい。ゆっくりと味わうように読んだ。 著者は書道道具店の四代目。浅草の店では定番の筆や墨なども取り扱っているが、高級な硯は代々の店主がみずから原石を内外で買い付け、手作りで調製したものだ。文化財レベルの硯の修理なども手がけており

『酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅』「食」から人類の歩みを知る 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅』「食」から人類の歩みを知る

原書のタイトルを直訳すると「過去を抜栓する」。酒と人類の壮大な物語を描いた本だから、いかにも香り立つようでおしゃれだ。翻訳タイトルは『酒の起源』。もちろん『種の起源』のオマージュだ。こちらも素敵。 版元の白楊社は2016年に『酒の科学』という本を出版していた。こちらの原書タイトルは「プルーフ」。プルーフにはアルコール度数だけでなく、印刷前のゲラという意味もあ

『ノモレ』アマゾンの先住民を描いたノンフィクション文学の金字塔 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『ノモレ』アマゾンの先住民を描いたノンフィクション文学の金字塔

一昨年夏に放送されたNHKスペシャル「大アマゾン 最後のイゾラド」の姉妹作品である。イゾラドとは、文明社会と接触したことのないアマゾン先住民。狩猟と採取だけで太古から生きてきた自給生活者であり、その姿はまさに裸族だ。現在でも少人数のグループに別れて暮らしているという。 数年前のある日、ペルーの奥地で突然イゾラドが出現し、村々が襲われ、弓矢で村人が殺傷された。

『ノモレ』映像あっての作品ではなく、この本自体がひとつの世界をもった小宇宙である 書影

民俗・風俗 / HONZ客員レビュー

『ノモレ』映像あっての作品ではなく、この本自体がひとつの世界をもった小宇宙である

これは素晴らしい本だ。 NHKディレクターの国分さんと最初に知り合ったのは、沢木耕太郎さんに紹介されてだった。アマゾンの未開部族についてのドキュメンタリーを本にする、とのことで、正直言うとその時「ああ、またテレビの人が本を書くのか」と、軽くみていた。後で送られてきた本『ヤノマミ』は、書き手である国分さんの視点から、文明と接触していない部族「ヤノマミ」が文明と

『ノモレ』未知の先住民イゾラドとの100年越しの再会 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『ノモレ』未知の先住民イゾラドとの100年越しの再会

知らないことを知りたい。見たことのないものを見たい。そういう好奇心がなくなったら、人生お終いだと思っている。しかし好奇心が生み出す無邪気さは、時に歓喜と絶望の両方を生み出す。そんなことを痛感させられる一冊だ。 かつてNHKスペシャルで放映された「最後のイゾラド 森の果て 未知の人々」を記憶されている方も多いことだろう。イゾラドとは、文明社会と未接触の先住民を

現在、過去、未来……『AV女優、のち』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

現在、過去、未来……『AV女優、のち』

晴れのち雨、雨のち晴れ。AV女優、のち――。AV女優の「のち」の後にはどんな言葉が似あうだろう?のちに続く言葉がポジティブなものであればいいなと、心から思う。この本はタイトルが秀逸だ。「その後」ではなく「のち」。「AV女優、のち」言葉の響きがとてもいい。このタイトルに惹かれて、私はこの本を手に取った。 「AV女優、のち」は、みひろ、笠木忍、麻美ゆま、愛奏(元

『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000㎞歩いた男との冒険 リアルRPG譚』 絶倫ロバと歩いた3カ月 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000㎞歩いた男との冒険 リアルRPG譚』 絶倫ロバと歩いた3カ月

春間豪太郎は海外旅行にまったく興味のない青年だった。昼は大学生で、夜は音楽系専門学校を掛け持ちしつつ、バンドでドラムを叩き居酒屋でバイトもしていた。だが親友がフィリピンで行方不明になったと聞き、救出に向かう。親友は無事だったのだが、この旅行が彼の好奇心に火を付けた。 一人旅で野宿をしながら海外をまわっているうちに、“GO”(外国用の通名)の冒険への関心は高ま

『辺境の思想 日本と香港から考える』 書影

社会 / 民俗・風俗

『辺境の思想 日本と香港から考える』

中国返還から20年がすぎ、「中国化」(大陸化)がじんわり進む中で、かつてのイギリス植民地下で育まれた自由の気風が減じている香港。しかし2014年の民主化デモ・雨傘運動以降、足もとでは新たな変化も起きています。一方、2011年の東日本大震災を経てオリンピックを控える東京には、どこか表層的な雰囲気が漂い、政治と社会の底ぬけが感じられるのではないでしょうか。 そう

『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』本が宝物だったころ イタリアの山村、モンテレッジォの物語 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』本が宝物だったころ イタリアの山村、モンテレッジォの物語

本書はそのイタリアの織物のように軽やかで、味わい深く、時には風を通すような美しい本だ。紙質、装丁など、どこを見ても丁寧に作られた一級品だ。文章は清々しくも温かい。上質のツイードそのものなのだ。 それもそのはず、内田洋子はイタリアの時空を縱橫に飛びまわり、掌編小説のようにエッセイ仕立てのノンフィクションを書く名手だ。 あくまでも著者が見たまま、聞いたままを文章

『ルポ 中国「潜入バイト」日記』絶望もなければ希望もない 書影

社会 / 民俗・風俗

『ルポ 中国「潜入バイト」日記』絶望もなければ希望もない

我々は中国をどこまで知っているのか。メディアにすり込まれたステレオタイプな中国人像で語ってないだろうか。上海の寿司屋、反日ドラマの日本兵役、山東省の田舎町にあるパクり遊園地の踊り子、上海の高級ホストクラブのホスト、爆買いツアーのガイド、留学生寮の管理人。七カ所の労働現場に入り込み、日本人が知られざる中国人の実像を描き出したのが本書だ。 「実像を描き出した」と

おやつを用意して読みたい『歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』 書影

教養・雑学 / 民俗・風俗

おやつを用意して読みたい『歴史をつくった洋菓子たち―キリスト教、シェイクスピアからナポレオンまで』

表紙のアップルパイに惹かれて、本書に手を伸ばした。甘く煮付けた熱々のりんごと、サクサクのパイ生地が美味しそうだ。洋菓子は、生きていく上で米や塩のように必須ではないが、私たちの生活に彩りをもたらしてくれる。 洋菓子の歴史は記憶によって語り継がれるため、伝説や珍説が生まれやすい。その全てを真に受けないためにも、洋菓子の背景にある文化史を理解することは重要だ。 著

360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

360年続く出版社を訪ねて 〜後編〜

360年続く稀有で貴重な出版社に乗り込んだHONZ! 大火に見舞われながらも続いてきた版元、その名は「檜書店」。能の謡本を出し続けてきた。江戸時代の大、大、大ベストセラーとなった「謡本」とはどんなものなのか。檜書店の内部にさらに迫ってみよう。久しぶりの出版社訪問レビューは続く。(※前編は こちら ) ここで、実際に謡本を見せてもらうことにしよう。 檜 これで

360年続く出版社を訪ねて 〜前編〜 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

360年続く出版社を訪ねて 〜前編〜

日本の出版社の数は3370社もあるそうだ。数は最近減ってはいるものの、それでもまだまだ世界的に見れば、出版活動が盛んな国だと言えるだろう。そんな出版社の中で一番古いのはどこか? と言われれば諸説あるのだけれど、360年続くという出版社が東京にあり、しかも書店を開いている! と聞き及び、これは行かねばなるまいぞ。ということで、今回は久しぶりの出版社訪問レビュー

主役は参加者!『夏フェス革命』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

主役は参加者!『夏フェス革命』

私はフェスが大好きだ。春夏秋冬、1年中様々なフェスに参加している。フェスに行くために仕事をしているといっても過言ではない。ところでHONZの読者の中で、夏フェスに行ったことがある人というのはどれくらいいるのだろうか?夏フェスはいまや大衆化し、花火や祭りと同様、夏の風物詩となっている感があるので、全くいないということはないだろうが、あまり多くはいない気がする。

『鹿児島学』 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『鹿児島学』

最初にお断りしておきますが、私は鹿児島県外出身者です。生まれも育ちも福岡県の旧豊前国(福岡県は豊前の北半分と筑前・筑後が合体して生まれた県なので、それぞれ言葉も文化も異なるのです)で、学生時代を旧筑前国で過ごした後、縁あって鹿児島に職を得てそろそろ四半世紀。今や生まれ故郷で過ごした時間よりも長く鹿児島の地で過ごしています。 著者の岩中さんは本書の中でご自分の

白いご飯は味がないから苦手?!『残念和食にもワケがある』 書影

社会 / 民俗・風俗

白いご飯は味がないから苦手?!『残念和食にもワケがある』

まずはこの写真を見てほしい。 幼いころ怒られて教えられた記憶がよみがえる。「お葬式の時にすることだから絶対やっちゃダメ」というのはもはや常識ではなくなってしまったのだろうか? 本書は「食ドライブ調査」に基づいて考察された、現代の日本の食卓にのぼる和食の実態である。たくさんの写真とインタビューから描き出される姿に、あなたは驚くだろうか、それとも何とも思わないだ

現代版「生類憐みの令」『おクジラさま』 書影

生物・自然 / 教養・雑学

現代版「生類憐みの令」『おクジラさま』

(HONZ 東えりかとのクロスレビュー:東えりかの書評は こちら ) イルカとクジラの問題について日本人としてのアカウンタビリティ(説明責任)を問う一冊だ。 捕鯨問題に対して自分なりの意見を表明できるようにすることは、日本人のアカウンタビリティと著者はいう。捕鯨への反感は日本人が想像もつかないほど広く根深く世界に浸透しているからだ。 たしかに筆者も海外で経験

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』 書影

民俗・風俗 / 日本史

渋谷の歴史と音楽と時間と『渋谷音楽図鑑』

今年のフジロックで小沢健二とコーネリアスを観てきた。コーネリアスが今年発売したアルバム『 Mellow Waves 』が素晴らしくよい作品だったので、コーネリアスを最後まで観たかったのだけど、最後まで見ていると入場規制で小沢健二が観れないと思い、泣く泣く途中で切り上げ小沢健二をみにいった。その後、予想通り入場規制がかかったので、はやめに移動して正解だった。