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741記事

科学は生死の境界線を動かし続ける『人はいかにして蘇るようになったのか』 書影

サイエンス / 医学・心理学

科学は生死の境界線を動かし続ける『人はいかにして蘇るようになったのか』

心拍が停止し、呼吸が停止し、瞳孔が拡大・固定される。この3つの条件がそろった場合、人は死んだとみなされていた。しかし近年の蘇生科学の発達は、遺体がこれら3つの条件を示した数時間以内であれば、人間を蘇らせ、脳や記憶に障害を与えずに元の生活に戻すことを可能とするようになった。 本書では、幾度となく心停止の現場に際してきた臨床医師であり、ニューヨーク州立大学の医学

金髪とカルチャーセンターと核兵器『ミリタリーテクノロジーの物理学〈核兵器〉』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

金髪とカルチャーセンターと核兵器『ミリタリーテクノロジーの物理学〈核兵器〉』

タレントで金髪といえば所ジョージ、ジャーナリストで金髪といえば津田大介、物理学者で金髪といえば「SHOさま」こと、多田将である。しかもロン毛だ。見た目はロックンローラー内田裕也を若くして、すこしJK風味を付け加えたようなものだと思ってもらえばよろしい。しかしてその実体は、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所でニュートリノ物理学を研究している助教であ

『ロジ・コミックス ラッセルとめぐる論理哲学入門』内容と形式の間に描かれたメタな物語に驚愕 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『ロジ・コミックス ラッセルとめぐる論理哲学入門』内容と形式の間に描かれたメタな物語に驚愕

二つの大きな世界大戦に見舞われた20世紀前半は、激動の時代であった。その時代の激しさと呼応するように、学問の分野においても天才たちは離散と集合を繰り返し、次々とエポックメイキングな出来事が起きている。 物理学においてはアインシュタインとボーアの論争を中心に量子力学の時代が幕を開け、経済学においてはシュンペーターやケインズ、ハイエクらが新しい概念を打ち出し変革

新しい時代の技術と格差論──『ザ・セカンド・マシン・エイジ』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

新しい時代の技術と格差論──『ザ・セカンド・マシン・エイジ』

新しい技術が出現し既存の労働・雇用状況が変化していくと決まって「技術が労働者を駆逐する」「いや、ラッダイト運動の頃の例からわかるように労働者は別の仕事をするようになるだけだ」という議論が巻き起こる。確かに状況だけみると幾度もの技術革新を得ながらも我々は日々の労働から解放されてなどおらず、概ね嫌だ嫌だと言いながら仕事へ向かい、かつてはなかったが今は存在する仕事

わたしたちの世界は、わたしたち自身だ『生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

わたしたちの世界は、わたしたち自身だ『生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来』

「サイボーグ」といえばまず真っ先に、義体が当たり前になった近未来世界を描く攻殻機動隊シリーズや、そのままずばりタイトルに入っている石ノ森章太郎原作の『サイボーグ009』シリーズに代表されるイメージを思い浮かべる人が多いかもしれない。その特徴を一つ上げるならば、生身の人間ではなく一部だったり全体だったりが機械の身体に置き換わっていることだろう。 ところが本書が

『失われてゆく、我々の内なる細菌』 ピロリ菌だって役に立つ? 書影

サイエンス / 医学・心理学

『失われてゆく、我々の内なる細菌』 ピロリ菌だって役に立つ?

近年の医学の進歩は、人類に多くの幸福をもたらした。1850年のアメリカでは4人に1人の赤ん坊が1歳の誕生日を迎えることができなかったが、今日のアメリカでは1歳前に死亡する赤ん坊は1000人のうち6人に過ぎないという。出産で死亡する女性も激減し、寝たきりにならざるを得なかった老人は人工関節でスポーツを楽しむことすらできるようになった。先進国で伸び続けた寿命だけ

『ゾンビの科学 よみがえりとマインドコントロールの探究』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『ゾンビの科学 よみがえりとマインドコントロールの探究』

いまやゾンビは世界的なブームになっていて、映画やゲーム、小説、コミックはもとより、経済学、政治学などの本としても徘徊している。ネット上には「 Zombie Research Society 」なるサイトまであり、数十万人の会員が集う人気だ。もちろん、ここには「ゾンビ・サイエンス」のコーナーもある。 そう、「ゾンビの科学」は、最も旬な研究テーマのひとつであり、

『数学の大統一に挑む』こんな私でも数学を好きになれますか? 書影

サイエンス / 人物

『数学の大統一に挑む』こんな私でも数学を好きになれますか?

「数学なんて勉強する人たちは、いったい何者なのだろう。」ノンフィクションの中でも、私が挫折した本数ナンバーワンは数学本である。目に見えない概念にめっぽう弱いため、数式に拒否反応が出てしまう。しかし、私のこの意見に「同感!」と思った人にこそ、是非とも読んでもらいたい一冊だ。 著者であるエドワード・フレンケル氏が数学者として自分を見出したのは、石油ガス研究所(日

人類の叡智は無限である(ような気がする)『狂気の科学』 書影

サイエンス / 医学・心理学

人類の叡智は無限である(ような気がする)『狂気の科学』

この本、一度は書店でやりすごした。タイトルも装丁も地味。目次を見たら、脈絡のないトピックスが、年代順に並べてある。ぱらぱらっとめくったが、なんとなく読みにくそうな気がしたので、パス。 しかし、次に書店に行ったとき、また、この本が呼ぶのである。一度捨てた本に呼びかけられることはめったにない。そこまで迫ってくるのならと、ちょと目を通したら、むちゃくちゃおもろい。

『その<脳科学>にご用心 脳画像で心はわかるのか』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『その<脳科学>にご用心 脳画像で心はわかるのか』

このような本に興味を持たれたあなたは、色とりどりに塗り分けられた脳画像を目にしたことがあるはずだ。今こうして本書を読んでいるあなたの脳をスキャンしたら、やはり彩り豊かな画像が得られるに違いない。とはいえ、脳を直接眺めることができたら、自分の脳がその画像と同じように色鮮やかに輝いていると思う人はさすがにいないだろう(fMRIなどの脳画像法は、脳の様子をカラーで

『できたての地球』が二つの奇跡の謎を解く 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『できたての地球』が二つの奇跡の謎を解く

「地球の起源」と「生命の誕生」ーーそれぞれが存分に語られてきているテーマではあるのだが、両者を関連付けながら解明しようとする集団がいる。 東京工業大学地球生命研究所(ELSI) の研究者たちだ。本書は、ELSIの所長を務める廣瀬敬氏によって、現在までの地球生命科学の研究成果と課題、そして今後の展望がまとめられた一冊である。 カギを握るのは、初期地球の環境がど

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』鏡に映ったもう一つの私たち 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』鏡に映ったもう一つの私たち

「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、人類のルーツの謎を古代ゲノム解読で突き止めた『ネアンデルタール人は私たちと交配した』。この偉業のインパクトは、「何がわれわれを、われわれにしているのか」という問いに答える、大きな可能性が切り開かれたことにあるのだという。尚、著者のスヴァンテ・ペーボ博士は、7月5日(日) NHKスペシャル「生命大

『分子レベルで見た触媒の働き 反応はなぜ速く進むのか』 見えない世界が、未来を変える 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『分子レベルで見た触媒の働き 反応はなぜ速く進むのか』 見えない世界が、未来を変える

限られた土地資源に制約され算術級数的にしか増やせない食料では、幾何級数的に増加する人口を支えることはできない。18世紀のイングランドに生まれヨーロッパ諸国の人口を観察した経済学者 トマス・ロバート・マルサス はそう考えて、多くの人々もそれは動かしがたい事実だと受け止めていた。触媒の力を活用した ハーバー‐ボッシュ法 が、窒素をアンモニアに変えるまでは。 20

『ホワット・イフ?』一生懸命お茶をかき混ぜれば、沸騰させることが出来るのか? 書影

サイエンス / HONZブックマーク

『ホワット・イフ?』一生懸命お茶をかき混ぜれば、沸騰させることが出来るのか?

突拍子もない質問や、空想的な疑問に元NASAの研究員が全力で答える。全米NO.1マンガ科学サイトの書籍版『ホワット・イフ?(WHAT IF?)』。先日HONZサイトに 訳者解説&内容の一部を掲載したところ 、圧倒的な反響を呼び発売前に重版が決定した。 そして、大好評につき第二弾! 以下の3編を特別公開します。 ・一生懸命お茶をかき混ぜれば、沸騰させることが出

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』「ズル」をしないで大逆転した男の一代記 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』「ズル」をしないで大逆転した男の一代記

『ネアンデルタール人は私たちと交配した』は、人類のルーツをめぐる最大のミステリーを古代ゲノム解読で突き止めた、スヴァンテ・ペーボ博士による回想記である。 本書の読みどころは、科学的な実験によって明かされる様々な事実の面白さのみならず、それを導き出すまでの長きに渡るプロセスも、余すところなく描いている点だ。「科学の営み」における光と影、その両面を知り尽くした

『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『ホワット・イフ? 野球のボールを光速で投げたらどうなるか』

「 すべての人間が一カ所に集まってジャンプしたらどうなるか? 」など、ふと気になっても、「いや、そんなことはありえない」と、うっちゃってしまうような疑問や、「周期表を現物の元素で作ったらどうなるか?」など、突拍子もない疑問に、科学と数学と、シンプルな線画のマンガを使って答える本。アメリカでは、サイエンス系の本としては破格の大ヒットで、ニューヨークタイムズのベ

『宇宙を創るダークマター』 この世はダークでできている 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙を創るダークマター』 この世はダークでできている

「この世は謎に満ちている」という言葉は比喩ではなく、最新の科学的成果に基づく正確な世界描写であるようだ。2009年ヨーロッパ宇宙機関が打ち上げた プランク衛星 によって得られた高精度なデータを基に2013年に発表された研究結果によれば、宇宙の26パーセントをダークマターが、69パーセントをダークエネルギーが占めているという。我々を形作っている原子や空を照らす

『人工知能 人類最悪にして最後の発明』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『人工知能 人類最悪にして最後の発明』

2014年、『 トランセンデンス 』という映画が公開された。ジョニー・デップ演じる科学者の脳がコンピュータへアップロードされ、人間にはコントロールしようのない恐ろしい代物へと進化する ― そんな内容だ。 このように、強力なコンピュータ知能が人間に牙を剝くという筋書の映画は、かなり以前からいくつも作られている。古くは『 2001年宇宙の旅 』や『 ターミネータ

勝者の記録+α 『二重螺旋 完全版』 書影

サイエンス / 人物

勝者の記録+α 『二重螺旋 完全版』

言わずもがな、DNAの構造を明らかにした、いや、より正確には、DNAの二重らせんモデルを考えついた二人のうちの一人、 ジェームズ・D・ワトソン の著書『The Double Helix』の新訳である。初版は1968年、DNAの構造発見から15年後のことで、以来、20カ国もの言葉に翻訳されている。 日本でも原著と同じ年に翻訳が出ているので、読んだことがある人も

科学の最重要未解決問題『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

科学の最重要未解決問題『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』

「意識のハードプロブレム」とは何かご存知だろうか。端的に言うと「物質である脳が、どのようにして非物質である意識体験を生み出しているのか」という脳科学の未解決問題のことだ。哲学者のデイヴィッド・チャルマーズによって1994年に提唱され、それまで神経科学的な分析によって意識に関する謎はすべて解けたと考えていた研究者たちに大きな衝撃を与えた。 彼らが解決済みだと考

『二重螺旋 完全版』訳者あとがき by 青木薫 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『二重螺旋 完全版』訳者あとがき by 青木薫

世界を震撼させたドキュメントには、失われたピースが存在した。行方不明になっていたクリックの書簡、そして貴重な資料写真や図版を加えて、「分子生命学の夜明け」が再び蘇る。なぜ今、『二重螺旋 完全版』なのか? その出版までの経緯を、翻訳者の青木薫さんに解説いただきました。(HONZ編集部) 1953年の2月28日、ジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックは、

『捏造の科学者 STAP細胞事件』は、どんな人に読まれているのか? 書影

サイエンス / 併せて読まれたこの一冊

『捏造の科学者 STAP細胞事件』は、どんな人に読まれているのか?

4月7日、大宅壮一ノンフィクション賞の受賞作が発表されました。書籍部門は須田桃子さんの『捏造の科学者 STAP細胞事件』、雑誌部門は安田浩一さんの「ルポ 外国人『隷属』労働者」(G2掲載)。特に、このSTAP細胞事件はこの1年の科学界をいろいろな意味で揺るがした事件でした。後々も時代を代表する1冊となることでしょう。 今回は『捏造の科学者』の読者を分析してみ

『原子・原子核・原子力-わたしが講義で伝えたかったこと』 書影

サイエンス / 新刊超速レビュー

『原子・原子核・原子力-わたしが講義で伝えたかったこと』

さすがは 山本義隆 、と唸るしかない一冊だ。これが予備校での講演録だというから恐れ入る。原子とは何か、原子核とは何か、が、アリストテレスにはじまり、発見の歴史的経緯を追いながら丁寧に説明されていく。多少の数学と物理の知識は必要かもしれないが、古典力学から説き起こされる原子や原子核の話は直感的に捕らえやすく、決して難しくない。 そして、最後は原子力について。核

『超ひも理論をパパに習ってみた』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『超ひも理論をパパに習ってみた』

「シャープペンシルを使って文字を書くためにはどんな力が必要ですか?」と質問されたら、あなたはどのように答えるだろうか。 シャープペンシルを持って動かすための筋力、芯が紙を滑ることで作られた黒鉛の粉を紙の繊維のなかに残すのだから摩擦力、文字を書くのだから思考力も必要だ、などと答えるのではなかろうか。 しかし、世界中の物理学者に同じ質問をすると全員から同じ答えが

『6度目の大絶滅』が今まさに進行中 書影

サイエンス / 生物・自然

『6度目の大絶滅』が今まさに進行中

ニューヨークの観光名所アメリカ自然史博物館の一角に、生物誕生後の35億年の間に起きた5度の大絶滅を紹介する展示物がある。その展示物の銘版には、過去5度の絶滅は、隕石衝突含む地球規模の気候変動によっておきたものと解説され、そしてそれに続いて驚くべき一文が続く。「現在、6度目の大絶滅が進行中であり、今回の原因はひとえに人類が生態系の景観を変えたことにある」と。

『6度目の大絶滅』で人類も絶滅するのか? 書影

サイエンス / 生物・自然

『6度目の大絶滅』で人類も絶滅するのか?

バブルの渦中にいると、自分を取り巻くものがバブルであると理解することは難しい。ハジけて初めて、それはバブルとして広く知覚される。本当の悲劇は、取り返しの付かない段階にならなければ気づくことができないからこそ、悲劇となりうるのかもしれない。それでも、リーマン・ショックが起こる前からサブプライムローンの 危険性にいち早く気づいて大儲けした人々 がいたように、人類

さらに積み上げよ!『サイエンス・ブック・トラベル: 世界を見晴らす100冊』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

さらに積み上げよ!『サイエンス・ブック・トラベル: 世界を見晴らす100冊』

HONZ読者の方々は、読みたい本がどんどん積み上がっていく毎日を送られているかもしれない。だが、それをさらに推し進めてくれるのが書評集である『サイエンス・ブック・トラベル』だ。もちろん、書評集なんてわざわざ読まなくたってこの世には読みたい本・読むべき本はたくさんある。油断をすると、ヤツラはいくらでも積み上がっていく。 『神話の力』という神話をめぐる本の中で、

『人類五〇万年の闘い マラリア全史』 100万人の命を奪う殺し屋 書影

サイエンス / 医学・心理学

『人類五〇万年の闘い マラリア全史』 100万人の命を奪う殺し屋

地球上で最も危険な生物は? サメ?ヘビ?それとも人間? 2014年4月末にビル・ゲイツが 自身のブログ で投げかけたこの質問が大きな話題を呼び、多くの ニュースサイトでも報じられた のは、その答えがあまりにも意外だったからだろう。危険の尺度を「1年間に何人の人間が殺されているか」とすれば、最も危険な生物はサメでもヘビでも人間でもなく、蚊なのだという。ある推計

次の世界を知るために『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

次の世界を知るために『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』

ディープラーニング、機械学習、人工知能……正確な未来予測は無理でも、だいたいの方向性において人類は「技術的な進歩」を重ねてきたし、これからも重ねていくだろうということは予測できる。そしてその技術的な進歩が今後必ず起こるのがAI分野だ。本書はそのAI分野の「過去」から「現在」そして「未来」までを見通してみせるきっちりとした仕上がりの良書だ。 特に昨今ではディー

熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 書影

サイエンス / 小説

熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』

著者の岩田先生は、不思議な本を書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根本的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な本」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的

『フューチャー・オブ・マインド』訳者あとがき by 斉藤 隆央 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『フューチャー・オブ・マインド』訳者あとがき by 斉藤 隆央

人の夢を覗き見る。テレパシーで思考を読み取る。念力で物を動かす。偽りの記憶を植えつける。学習せずに新しいスキルを身につける。人の行動を操る。脳と脳を結んで精神を融合する。動物の知能を高める。感情を持つロボットを作る。脳を人工物で置き換え、永遠の命を手に入れる。魂を遠くの宇宙へ飛ばし、着いた先で新たな体に入り込む。 このなかで、科学的に可能なものはどれか? 答

『宇宙飛行士が教える地球の歩き方』 訳者あとがき by 千葉敏生 書影

サイエンス / 人物

『宇宙飛行士が教える地球の歩き方』 訳者あとがき by 千葉敏生

著者のクリス・ハドフィールド氏といえば、本国カナダでは知らない人はいないというくらい有名な宇宙飛行士です。計3回の宇宙飛行の経験を持ち、1995年と2001年にはアメリカのスペースシャトルで、2012年にはロシアのソユーズで地球を飛び立ちました。その経歴はとにかくまぶしいかぎり。1995年の宇宙飛行では当時のロシアの宇宙ステーション「ミール」とのドッキングに

な、なかったんですかっ?! 『ニュートンのリンゴ、アインシュタインの神 : 科学神話の虚実』 書影

サイエンス / 教養・雑学

な、なかったんですかっ?! 『ニュートンのリンゴ、アインシュタインの神 : 科学神話の虚実』

毎年、年末ぎりぎりに高校の同級生との忘年会がある。過去 10 年以上にわたっておこなわれているのであるが、デジャヴみたいに同じような話が繰り返される。しかし、自分のことが語られていても、自分では覚えていないこともあるし、自分の記憶と違っていることもよくある。 自分が正しいのか、友人たちが正しいのか。もちろん、自分が正しいと思いたいけれど、よってたかって間違え

『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代 書影

サイエンス / 社会

『暴力の人類史』 人類史上もっとも平和な時代

テロ、紛争、無差別殺人。世界は悲劇的なニュースで溢れている。人類は自らの手でその未来を閉ざしてしまうのではないか、と不安になる。ところが、著者スティーブン・ピンカーは大胆にもこう主張する。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類が地上に出現して以来、最も平和な時代に暮らしているかもしれない にわかに信じがたいこの説を検証し、読者に確信させる

『捏造の科学者 STAP細胞事件』知ることからしか始まらない! 書影

サイエンス / 青木薫のサイエンス通信

『捏造の科学者 STAP細胞事件』知ることからしか始まらない!

「青木薫のサイエンス通信」久々の番外編です。今回取り上げたのは、毎日新聞の科学記者・須田桃子さんによる『捏造の科学者 STAP細胞事件』。論文に欠陥が発覚した後、一部の科学者たちの反応に、青木さんは違和感を感じたという。科学史にも残るであろうこの事件、はたして問題の本質はどこにあったのか?(※本稿は、青木さんご自身のFacebookに書かれていた感想を、その

『生命の惑星 ビッグバンから人類までの地球の進化』でサイエンスリテラシーを鍛える 書影

サイエンス / 生物・自然

『生命の惑星 ビッグバンから人類までの地球の進化』でサイエンスリテラシーを鍛える

6,000円を超える価格、700ページに迫るボリューム、頻出する数式や化学反応式。この本の表面的な特徴だけに着目すれば、購入までのハードルは随分と高い。しかし、この本にはその価格以上の価値が間違いなくある。終盤まで読み進める頃には、「もっと読んでいたい」と思わずにはいられないストーリーがある。そして、この世界の成り立ちと仕組みを深いレベルで理解できる喜びがあ

『現実を生きるサル 空想を語るヒト』際限なく広がる思考 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『現実を生きるサル 空想を語るヒト』際限なく広がる思考

動物に人間の心を映し、親しみを覚える。これは普段誰もが何気なくやっていることだろう。ペットの行動に癒されたり、近所の野良猫に話しかけたり、動物園で気怠そうなライオンに同情したり……。振る舞いを人間的に解釈することで、彼らを身近に感じている。 こうした擬人化は、動物だけでなく物質や自然現象にまで及ぶ。「空が泣いてる」なんて言い方も聞くほどだから、動物の行動を人

『かぜの科学:もっとも身近な病の生態』 祝!文庫化記念。 書影

サイエンス / プレミアム・レビュー

『かぜの科学:もっとも身近な病の生態』 祝!文庫化記念。

人は一生に平均200回の風邪をひくという。しかし予防薬もなければ特効薬だって現れない。もし一発で風邪が治る薬が発明されたら、それだけでノーベル賞ものなのだそうだ。風邪の一種だと思われていたインフルエンザはワクチンもでき、治療薬も数種類見つかっているのに、ポピュラーな風邪はどうして治せないの? そもそも風邪ってどんな病気で、もし罹ってしまったらどうするのが正し