『危険な世界史 運命の女篇』 新刊ちょい読み
朝日新聞公式ブログ「ベルばらKidsぷらざ」に連載している「世界史レッスン」をまとめた本だ。これではなんのことだか判らない人が多いだろうが、『怖い絵』の著者だといえばお判りになるだろう。80編ほどの歴史エピソード集なのだが、取り扱っているテーマはフランス革命をはさんで前後100年と狭くて濃い。マリー・アントワネットはもちろん、エカテリーナもピョートル大帝もナ
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朝日新聞公式ブログ「ベルばらKidsぷらざ」に連載している「世界史レッスン」をまとめた本だ。これではなんのことだか判らない人が多いだろうが、『怖い絵』の著者だといえばお判りになるだろう。80編ほどの歴史エピソード集なのだが、取り扱っているテーマはフランス革命をはさんで前後100年と狭くて濃い。マリー・アントワネットはもちろん、エカテリーナもピョートル大帝もナ

今年も気がつけばもう師走。ムードある電飾のイルミネーションや精緻なCGアニメーションも良いが、素朴な手作りおもちゃも温もりがあって飽きが来ないものだ。 Eテレの番組 でもおなじみのピタゴラ装置は昔から私の大のお気に入りで、ボールが転がり始めるとついつい見入ってしまう。 本日はちょっと気分を変えて右脳系ブックレビュー。目に楽しく斜め読みでもくつろげる、こちらの
ちょうど1年前、今ではHONZ代表・成毛眞のブログで「本のキュレーター勉強会」の募集を見た。その内容は衝撃的で、かねがね私が思っていた、もっとノンフィクションを広く紹介したいという気持ちとぴったり合うものだった。ただ、曲がりなりにも私はプロ。受け入れてもらえるかビクビクしながら、課題に沿った書評を送ったのが昨日のことのようだ。 今日は12月の例会。12回目。

アイ・ウェイウェイの名前はそこまで日本では浸透していないだろう。艾未未、日本語読み(がい びび)中国読みで(アイ・ウェイウェイ)という彼は現代美術家・キュレーター・建築家・詩人・都市計画家であり、父であるアイ・チンは1930年代のパリでアートを学んだ詩人である。父アイ・チンはランボーやボードレールといった詩人の影響を受け、中国に帰国した後は最高の現代詩人と称
タイトルそのままの本だ。図鑑だからキレイなカラーイラスト満載。「公家服飾」「武家服飾」「町人男服飾」「江戸後期 町方女小袖」など15章で構成されていて細大もらさない。衣装だけでなく、たとえば江戸後期の男の髪型などというページもある。本多髷、若衆髷、銀杏髷、たばね、立髪など、歌舞伎ファンなどにとっては、ああなるほどなと感心することしきりだ。著者は江戸衣装考証家

チベット医学と言われてもピンとくる人は少ないだろう。中国医学、アーユルヴェーダ(インド伝統医学)ユナニ医学(イスラム伝統医学)とともに東洋四大医学に数えれらている。薬師如来によって説かれたとされ、その教えは8世紀に『四部医典』(チベット語せギューシ)として編纂された。その名のとおり、根本部、論説部、秘訣部、結尾部の全156章からなる大部である。 『四部経典』
本書が最初に出版されたのは昭和49年。本書は改版新刊だ。昭和49年といえば1974年だから、その年生まれの人は現在37歳だ。しかし、御所ことばがその37年間で変化したことなどないであろうから、新刊として読むことができるはず。御所ことばで思い起こすのは「豆腐」のことを「オカベ」、「鯉」のことを「コモジ」など特殊名詞だ。本書の後半はその語彙集なのだが、前半のイン

今後も地球温暖化が進んだ場合、自分たちが住んでいる地域は具体的にどう変わるのか。最先端の科学技術を駆使してその疑問に答えるのが、本書『ウェザー・オブ・ザ・フューチャー』である。 本書は、地球温暖化の影響を受ける代表的な地域を取り上げ、温暖化によって近い将来そこで何が起こりえるのか、最新の気候シミュレーションモデルを用いて予想する。地球温暖化の原理や経緯を解説
キチンと読み終えてから紹介するべき本だと思うのだが、怖いもの見たさで第4章の「幻覚妄想」から第5章の「入院」までを読んでしまい、書かずにはおれない気持ちになってしまったのだ。正直なところ統合失調症患者のイメージは理解不能で怖いという感じを持っている人もいるのではないか。しかし、その2章を読むだけで大変な病気であり、本人は本当にしんどそうで、むしろ社会が守って
昨年の夏、伊勢神宮へ参拝したときのことだ。神宮のホームページに書かれているように、五十鈴川の清流にかかる宇治橋を渡ると参道は深い森につつまれ、静かで神々しい空気に包まれるはずだった。日本人はもちろん、欧米人も厳かな面持ちで歩いているそのど真ん中をかきわけて、大勢で腕を組み、わめきながらのし歩く中国人観光客たちがあらわれた。久しぶりに頭に血がのぼった一瞬だった

著者は、アメリカではベストセラー連発のサイエンス・ライター。サイエンスといっても真面目で骨太な作品をものすのではなく、センス溢れる文章に笑えるコネタを挟み込み、実にアメリカっぽいレトリックで軽快に語る楽しい作品を生み出してきた。取り上げてきたテーマも変わっていて、まずは 死体 をめぐるルポを書き、続いて 霊魂 そして セックス ときて、今度は「宇宙開発」であ
オリオン座のアルファ星、冬の大三角形のひとつベテルギウスが間もなく超新星爆発する。地球から640光年しか離れていない星がスーパーノバ化すると、それから少なくとも3か月にわたって満月の100倍ほどの明るさで、昼も夜も天空に輝くことになるという。三葉虫の絶滅に関係したのではないかという仮説もある死のガンマ線バーストは、さいわいにも地球には向かないと予想されている

それでは、化学の本はどうだろうか。Amazonのカテゴリー別登録冊数を見ると、化学の7,051冊は物理学(5,971)、数学(7,051)よりも多いのだが、専門書が多く、幅広い人が楽しめる読み物は少ないように感じる。HONZでも化学がメインテーマの本は取り上げられていない。 そんな逆風の中、本書は真正面から化学(特に有機化学)の面白さを伝えてくれる稀有な一冊
「またまた複雑系か、そろそろ飽きちゃった」と思ったあなたは深刻なポピュラーサイエンス本マニアである。ニール・ジョンソンは元オックスフォード大学の物理学教授。現在はマイアミ大学「複雑性に関する学際的研究グループ」主任だ。「カオスとフラクタル」「金融市場の動向を予測する」「感染症、癌をいかに抑えるか」「自然と量子ゲーム」などの12章。各章には5つの節が設定されて

昨年のプロ野球日本シリーズのことだったと思う。開幕前の監督会議で中日・落合監督(当時)の審判団に投げかけた質問が、今でも印象に残っている。それは、「第7戦までのすべての試合が引き分けになったら、どうするのか?」というものであった。 日本シリーズは7試合制で、先に4勝したチームが日本一となる。第7戦を終えて7引き分けなら、最低でもあと4試合、最大で7試合を追加
今日から「新刊ちょい読み」というコーナーを始めます。「今月読む本」よりは詳しく、「おすすめ本レビュー」よりカジュアルに。本購入のご参考までにどうぞ。 本文204ページなのに本体2600円という高額本。それもそのはず紙質も印刷も素晴らしい。図版も写真も素晴らしい。装丁・デザインも素晴らしい。本棚に置いておきたくなる本の筆頭だ。デズモンド・モリスといえば1967
出版社/メーカー: 河出書房新社 メディア: 単行本 学生時代を思い出すと、「なぜあいつが」という思いをした経験は誰もがあるはずだ。成績は学年でも一桁の順位だったのに入試に失敗したり、部活動で練習試合では抜群の動きを見せるのに公式戦ではいまいちだった友人や知人が周りにいただろう。今でも周囲を見渡せが、「なぜあいつが」はいるに違いない。万全の準備をして問題ない

前々回、 『生物のなかの時間』 を紹介したあと、“ このまま終わってしまっていいのか、自分? 「スデモン」とか「カバさん」とか言っておわり、って、それはさすがにイカガナモノなのではないか?” という、そこはかとない秋の風情を感じたのだった。いや、季節のせいではない。もし万が一、私が安穏とした老後をむかえることになり、縁側でお茶なんぞ飲んで秋を迎えるようなこと

HONZが発足してから11ヶ月、メンバー間で本代とともに右肩上がりで増え続けているのは酒量であろう。毎月の定例会、新刊本を持ち寄る 朝会 に加え、気付けば本を肴の夜会も恒例となり、こちらも今後ますます盛況となる気配。 さらに一同相当の飲み手だ。(甘党・下戸の内藤順は唯一の例外。) 私自身は晩酌の習慣もなく今まで付き合いでたしなむ程度、「このままではマズイ、何
サイゾー等のインタビュー で、「一日一企画必ず立案するノルマを自分に課している」と、宣言する事によって更に自分を追い詰め、結果的に実際本当に一日一企画以上、立案し続けているハマザキカクです。私と会った時にその前日に何を立案したか聞いてみて下さい。必ず答えられるようにしています。元々、入社以来「こんな本があればいいのになー」と妄想に耽る事が多く、自ずと一日一個

そうか、とうとう…そう思った。 ここ数年の高座では、まず最初に「死ぬ」ことの小咄から始まっていた。あまりにも死ぬ死ぬといいながら復活するので、もしかしたら死なないのじゃないかとも思っていた。 本書は今年6月に出た立川志らくの新刊を新潮社のPR誌「波」で書評したものを再掲。 立川流の弟子たちは総じて筆が立つのだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2009年、ニュースで寺田学衆議院議員が日本のサイバー関連予算の削減を要求している姿を観て、我が目を疑った。明らかにサイバー・テロ及び犯罪が頻発している時代に逆行する行為だったからだ。 アメリカではサイバー犯罪に対抗する為に「サイバーコマンド」が創設されているし、NATO、韓国、中国もサイバー・テロに備える組織をそれぞれ創設している。サイバー犯罪及びその対策

「幸せなら手をたたこう」という歌があった。故坂本九が偶然耳にし、1964年にレコード化したものだ。2011年現在、なかなか自信を持って、手をたたきにくい時代になった。その反動なのか、「幸せ」や「幸福」が頻繁にニュースの話題に取り上げられている。金銭的・物質的豊かさを目指すのではなく、精神的な豊かさ、つまり幸福を目指すべきだとする考えから生まれたGNH(国民総
※2011年11月30日に締め切りました。 2011年1月に「本のキュレーター勉強会」としてスタートしたHONZが、2012年学生メンバーを募集しています。 【学生メンバーとは】 毎月1本の書評(対象はノンフィクションのみ)を書いていただきます。 書いた書評のHONZへの掲載可否については正規メンバーが協議して決定します。 原則として1年間に5回以上掲載され

どちらもHONZ随一の武闘派、鈴木葉月の言葉である。HONZメンバーは常にもっと面白い本はないかと日々新刊情報に目を光らせている。毎月第一水曜日に行われる朝会の前日に都内の大型書店に出かければ、“ハンターの目“をしたメンバーを見つけることはそれ程難しいことではないだろう。朝会の前日でなくたって本屋には出かけるのだが、どんな本を見落としているかも分からない。妥

オーストラリア、メルボルン出身の著者マーク・カーゼムは、オックスフォード大学で人類学を研究していた。大学の帰りに馴染みの書店で大量に買い込んだ本を抱えて下宿先に帰宅したマークの目に一枚の紙切れが飛び込む。 この特徴ある文字の書き方は父に違いない。東ヨーロッパ出身でありながら、オーストラリア移住後はヨーロッパを訪れることを嫌っていた父がなぜ急に?母親との間に何

「英語ができても、バカはバカ」とは、 どこかで聞いたようなセリフ だが、「数学ができても、バカはバカ」という命題は、はたして真なのか、偽なのか。英語と同じように、数学を道具や媒介物と位置づけるなら、この命題は真となる。それなら話は簡単だ。結論は「数学を勉強せずに、本を読め!」である。 しかし数学は、道具と位置づけるには、あまりにも上手く出来過ぎているようにも

「よく壊れないでいてくれた。津波と火事に耐え、みんなの命を守ってくれた」 気仙沼に急行した丹野さんは、泥が流れ込んだ総局ビルの前で涙した。 「何やってんだ、俺。最低…」 ヘリからシャッターを切ることしかできない門田さんは、自分を呪った。 「奥さん落ち着いて。とにかく落ち着いて。」 販売部長の荒さんは、自分も取り乱しそうになるのを抑えて呼びかけた。 「ならこの

社会人の皆様は今、仕事に燃えているだろうか? 学生の皆様は、将来への希望に満ち溢れているだろうか? ビジネス書を手に取ってフレームワークを学んだり、自分探し・自己啓発で異業種交流・外部セミナーに参加する前に、なすべきことがあるはずだ。それは、今この瞬間を生きること。与えられた仕事をトコトンまでやり切ってみろ。目の前の仕事に全身全霊ぶつかっていけ! ― ページ

私事で恐縮だが、順調であれば来年の春に父親になる予定だ。最近は子供の名前を考えたり、将来どういった人間になってほしいか人並みに考えたりもしてしまう。それでも、最終的にはなるようにしかならないと思いつつ、キラリと何か1つでも輝けるもの持ってもらえたらと密かに期待したりもする。本書はそういった私の子育て哲学を後押ししてくれる一冊だ。 今、20~30代の多くは自分

著者は探検家である。ご自身のブログでそう宣言しているのだから疑う余地はない。じっさい、第8回開高健ノンフィクション賞を受賞した著者の前作『空白の五マイル』では、チベットの奥地にあるツアンポー峡谷を命からがら探検している。峡谷とはいえ全長5百キロメートル、最大深度が6千メートルもある巨大峡谷だ。 今回の探検はそのような人類未踏の地ではなくヒマラヤに雪男を探しに

科学本なのに、まるで小説を読んでいるかのようである。物語が壮大でロマンに溢れ、本書を読んでいると、不思議とやる気と力がみなぎってくる。ロマン溢れる仕事をしたいと思っている若手ビジネスマンにはぜひ読んで欲しい一冊だ。 本書は、地質学者を目指していた学生がボストンマラソンに挑戦し、見事9位入賞を果たした場面から物語が始まる。完走後、この学生は将来の進路について考

「より少ないボタンを持つ洗濯機により多くの金を払う」複雑さを避けるために簡単さを選ぶ、そういった選択は取られるのだろうか?否、そんな理想的なことは起こりそうにない。人々は複雑さを取り除きたいと考えている一方で、商品購入時には機能の一つも失いたくない。高機能の製品に高い値段がついていることに納得し、機能を削いだ製品は低価格であるべきだと考えてしまう。そうして、

ある冬、軍事演習を行っていたハンガリー軍の少尉は偵察隊をアルプス山脈に送り込んだ。その直後降り始めた雪は2日間にわたって止むことはなく、少尉は「彼らを殺してしまったのでは?」という不安に苛まれていた。しかし、3日目に奇跡が起こる。彼らは全員無事に帰ってきたのだ。驚く少尉に調査隊のメンバーがその経緯を話し始めた。 「地図もコンパスもなく自分がどこにいるかも分か

いわゆる多読というものを初めてから、それほど年月を重ねていないのだが、多読以前と以後で全く変わらないものがある。それは全体に占める、未読本の割合だ。年間50冊程度しか本を買っていなかった時も、年間500冊近く買うようになった今も、およそ30%が本の山に積んだまま、もしくはパラパラとめくっただけなのである。 未読が発生するメカニズムについても、自分なりに、かな
出版社/メーカー: 筑摩書房 「それは書いてほしいな」。HONZ副代表の東えりかは11月の定例会で私の隣で、そう、つぶやいたのである。小声だったが確かに。本書『ポルノ雑誌の昭和史』を紹介した時だ。私はやはり「セクハラの人」なのである。 HONZサイトがオープンした7月。私は困惑した。「HONZ」の面々はレビュアープロフィールを読む限り私を含め一見普通の社会人




HONZ、ファンの方が増えたのはとても嬉しいのだけど、あんまりたくさん紹介すると恨まれる… だから一番人が見ない、日曜の早朝にこっそり更新。 私にとって書店はテーマパークだ。何を買うという目的もなく、有り金も気にせず、ふらふらと平台やら棚ざしやらを見て歩く。できればそんな時間を月に1回は持ちたいと思っている。HONZが始まってから、そこに「気合」が入るように