
『文にあたる』校正の仕事は人生に似ている
本を読んでいて、誤植をみつけてしまうことがある。 粗を探しながら読んでいるわけではないのに、自然と目にとまってしまう。みつけるのは衍字(えんじ、文章の間に入った余計な文字)が多い。「思いった」とか「会社にには」みたいな誤りだ。DTPが当たり前になって、この手の間違いが増えた気がする。みつけるたびに、がっかりする。 がっかりするのは、子ども時代の刷り込みのせい
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本を読んでいて、誤植をみつけてしまうことがある。 粗を探しながら読んでいるわけではないのに、自然と目にとまってしまう。みつけるのは衍字(えんじ、文章の間に入った余計な文字)が多い。「思いった」とか「会社にには」みたいな誤りだ。DTPが当たり前になって、この手の間違いが増えた気がする。みつけるたびに、がっかりする。 がっかりするのは、子ども時代の刷り込みのせい

最近は週末にスーパーで1週間分の食材を買い、日々の気分で献立を考えるというのを日課としています。週の後半になると食材が少なくなってくるので、台所を預かる者として腕の見せ所です。ある日の昼食ではクリーム系のパスタが食べたいと思ったのですが、冷蔵庫には生クリームがなく(牛乳すらなかった)、でも諦めることができなかったので、家にあるもので何とかきのこのクリームパス

10月末から11月の上旬は読書週間です。読書関係のイベントも多くなり、出版業界も盛り上がっています。ノンフィクションジャンルも豊作です。そんな中でも特に注目したいのがクリスパーにまつわるノンフィクション本。 遺伝子編集技術「CRISPR」の生みの親ジェニファー・ダウドナの評伝『コード・ブレーカー』がいよいよ発売になります。日本でも大ベストセラーとなった『ステ

宇宙の誕生から人類の繁栄まで、138億年にわたる壮大な歴史を興味深く綴った本が出た。著者のウォルター・アルバレス(Walter Alvarez)はカリフォルニア大学バークレー校で地球惑星科学の教授を務める、米国を代表する地質学者である。 実は、私は著者の名前を30年以上も前から知っていた。というのは、恐竜が6500万年前に突如として大量絶滅した原因を見事に解

冬の鍋に欠かせない野菜といえば白菜ですよね。古くから日本の食卓に欠かせない野菜のように思えますが、意外と歴史は浅いんです。日本で普及のきっかけとなったのは、日清戦争(1894~95)でした。出征した兵士が現地で白菜を気に入り、中国から持ち帰って栽培し、急速に広がっていったと言われています。 和食や中華のイメージが強い白菜ですが、洋風に食べるのもオススメです。

「ディープステートが、メディアも、判事も掌握した。証拠がない、なんて言うのは、見ようとしていないからだ。いいか。ここにバドワイザーの缶がある。でも、目を手で覆ったら『見えない』。あるにもかかわらず、だ。証明を拒否しているにすぎない。本当は、証拠はあるんだ」 ダグラス・スイート(58歳)はこう答えた。著者のインタビューを読む限り彼は特段、過激な人物ではない。

ときどき、書店で本に呼び止められることがある。棚ざしになっていても、手に取ってくれとアピールするのだ。本書『遠い声をさがして』は久しぶりにそんなふうにして出会った本だ。 2012年の夏休み、小学一年生の浅田羽菜ちゃんは彼女の通う京都市立叡成小学校で、低学年児童69人と一緒のプール学習中に溺死した。水を怖がらず、むしろプール学習を楽しみにしていた羽菜ちゃんに何

英語圏ではすでにして評価の高い、ジューディア・パールの大著『因果推論の科学--「なぜ?」の問いにどう答えるか』(原題はThe Book of Why)が、ついに翻訳刊行された。実は私は原書を読みかけて挫折していたのだが、このたび邦訳が出たのを機に、ついに読み通すことができた。そして、本書を読み通したことで得たものは大きい。 ジューディア・パールは、人工知能へ

本書は2021年9月に出版された、 A Vulnerable System: The History of Information Security in the Computer Age (脆弱なシステム――コンピュータ時代の情報セキュリティ史)の邦訳である。著者のアンドリュー・J・スチュアートは投資銀行で情報セキュリティの専門家として働く一方、ロンドン大

カーストといえば、多くの方がインドを想起するかもしれないが、本書はアメリカの話である。カーストこそがアメリカ社会のヒエラルキー構造であり、社会秩序を維持するための手引きであり、対立の基盤でもあると著者は説く。 著者はアフリカ系アメリカ人の女性。ヒエラルキーに抗うことにより獲得した自由な視点で、自由の国アメリカの水面下に広がる、不自由や差別の構造を鬼気迫る筆致

深夜に甘いものを食べたくなる時ってありますよね。先日、どら焼きがどうしても食べたくなり、家にあるもので作りました。材料は、ホットケーキミックス、はちみつ、ヨーグルト、卵です(あんこは買い置きのぜんざいで代用)。 水80ml、ヨーグルト50g、はちみつ8g、卵1個を混ぜ合わせ、ホットケーキミックス150gを加えます。熱したフライパンに油を引いて、お好みの大きさ

俳優の山口智子が世界中を巡り、後世に残る音楽ドキュメンタリーを10年もかけて撮っていた…。 いま、この地上のどこかで民衆が歌う声を残したいという決意。それを彼女はほんの数人の仲間たちと成し遂げようとしている。本書を読み終わって心の底から驚き、感動した。 『LISTEN.』のイントロダクション映像 2011年9月、ハンガリーのブタペストで夜の帳から聞こえた音楽

ショパンコンクールとはショパンの故郷のポーランドで5年に1度開催される、世界三大ピアノコンクールのうちの1つだ。16歳以上30歳以下のピアニスト達が世界中から集まり、予備選を含めファイナルまで計5回のステージで審査される。 1次予選からファイナルラウンドまでの日程は3週間弱。演奏はYouTubeにて配信されるため、世界中の観客が生の感動をチャットで綴る。粛々

9月はノンフィクション豊作の月となりました。特に『自民党の統一教会汚染追跡3000日』ほか宗教関連のノンフィクションが大きく注目を集めランキングを牽引しています。翻訳ノンフィクションも『因果推論の科学』や『格差の起源』など大物新刊が相次いで刊行されています。 そんな中で勢いを見せているのが『メガバンク銀行員ぐだぐだ日記』です。すっかりお馴染みになった日記シリ

我々は連日のニュースの多くを娯楽として消費している。事件・事故・災害に憂い悲しみ、スポーツ選手の活躍に喜び、可愛らしい動物の映像に癒やされ、職場や飲み会、SNSにて好き勝手に意見感想を述べる。そして時が経つにつれてあっさり忘れられ、次の話題に移っていく。 しかし、当然ながらどのようなニュースにも当事者がおり、彼らの人生もまた同じように続いている。 あれから、

新型コロナの流行で多くの日本人がファイザーかモデルナのワクチンを接種したと思う。老舗のファイザーに比べて、モデルナは2010年にマサチューセッツ州ケンブリッジで創業されたばかりの新興企業である。これをファイナンス面のみならず開発面からもバックアップしたのが、同じケンブリッジのフラッグシップ・パイオニアリングというベンチャーキャピタルだということは、意外に知ら

冷蔵庫に野菜がたくさんあって、使い切りたい時はとりあえず韓国料理にします。この日のメニューはチャプチェ、カボチャのナムル、ポッサム、大根と長葱のスープです。 大根と長葱のスープは、ポッサムの茹で汁でつくりました。ポッサムは豚の塊肉をニンニク、長葱、生姜で煮るので、いい出汁がとれるんですよ。 それでは今週献本いただいた新刊本のご紹介します。版元のみなさま、毎度

子供が巻き込まれた悲しい事故のニュースを目にするたびに胸が痛む。幼稚園バスに置き去りにされた子供たちはどれほど心細い思いをしただろう。そんなことを想像するだけで辛い気持ちになる。 いつものように送り出した我が子が、亡骸となって戻って来る。 あってはならないことだが、時にそうした悲劇が起きてしまう。 一冊の本を紹介したい。2012年、京都市内の小学校のプールで

おもろい研究をする人がいたもんだ。ハナモゲラじゃなくてホシバナモグラ、って書いても、タモリのハナモゲラを知ってる人も今では少なくなってるでしょうなぁ。と、まぁ、それはええとして、カタニア先生の興味は、キモいというよりも、不思議な生物ばかりである。 名前のとおりに星のような鼻を持つホシバナモグラをはじめとして、エサである魚を口の方へと魔法のように誘導するヒゲミ

先日も クリコさん のレシピを参考にクリームシチューを作ってみました。ルゥは市販のものを使っています。 1.玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを7mm角に切り、玉ねぎをサッと炒めたあと、にんじんと水を加えて煮込み、じゃがいもも追加します。 ※にんじんよりじゃがいもの方が先に柔らかくなるので、時間差で入れるといいです。 2.別鍋で小松菜を茹で、ブレンダーでピュレにし

世の中を動かした調査報道は、社員寮での会話から始まった。 東京・港区三田に、共同通信東京本社勤務の若手らが住む「伊皿子寮」がある。 「私たち、東京に来てから何もしてないよ。このままだとやばいよね」 2020年8月のある日、寮のロビーでデリバリーの夕食をつまみながら、ふたりの女性記者が話し合っていた。鎌田理沙記者は19年春に入社し、一年間松江支局で勤務した後、

9月に入り、カルト宗教関連の本の出版が増えてきています。書店店頭で宗教について考える本のフェアをやっているのもよく見かけるようになりました。興味の高まりを感じる中『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』の予約が伸びています。この他も『 「神様」のいる家で育ちました 』などに注目が集まっています。 この他2022年9月17日時点の予約受注実績からこの先発売にな

先日、家族が喉を痛めて固いものが食べられなかった時、 クリコさん のレシピを参考にカニポテトクリームグラタンをつくりました。ホワイトソースは市販のものです。 1.はじめに、スライスした玉ねぎを炒めて飴色にする。 2.じゃがいも(2人分2個)はラップに包んで電子レンジで5-6分加熱し、火が通ったら皮をむいて、マッシャーでつぶす。常温に戻しておいたバター12g、

宇宙空間に浮かぶ地球を研究対象とする自然科学の一分野に「地球科学」がある。日本では高校の科目名や大学の学科名として、「地学」という呼び名が一般的に用いられてきた。ちなみに、高校の地学は、物理・化学・生物という理科3教科と比べるとマイナーな扱いだ。 理系科目としては地味だが、大学入学共通テストでは結構人気がある。すなわち、理科が苦手な生徒が選択する科目としては

表紙をみて思わず笑ってしまった。1光年は、光の速さで1年かかる距離だ。1億光年は1億年である。にもかかわらず表紙に描かれた人物は、遥か彼方の目的地にのんきにカヌーで向かおうとしている。 だが笑った後で、はたと気づいた。言語の習得というのは、まさしくカヌーを漕ぐような行為なのではないか。前に進むかどうかは自分次第。しかも目標に到達するまで気の遠くなるような時間

著者は現代美術作家の杉本博司。ロサンゼルスのアート・センター・カレッジ・オブ・デザインで写真を学び、その後ニューヨークに移住し今も第一線で制作を続ける。代名詞である「海景」「劇場」「建築」シリーズは、メトロポリタン美術館をはじめ世界有数の美術館に収蔵されている。 経済学科出身ということもあり、エッセイの中には資本と欲望についての考察がある。マルクスの『資本論

ベランダで育てているバジルがまだまだ元気で、たくさん収穫できます。我が家はパスタ好きなので、いつもならジェノベーゼパスタにしてしまうのですが、今回はリゾットにしました。 1.鍋に湯を沸かし、ブイヨン(orコンソメ)を溶かしてスープをつくる。 2.別鍋でみじんぎりにした玉ねぎを炒め、スープを少量入れて、玉ねぎが柔らかくなるまで軽く煮込む。水分が少なくなってきた

この『サイレント・アース』は副題に入っているように、殺虫剤や農薬などの化学物質の危険性を訴えた「沈黙の春」の昆虫をテーマにした現代版とでもいうべき一冊だ。 著者によれば、いま世界から昆虫の数が急速に減少しつつあるという。温暖化など環境の変化もあるうえ、森林の伐採など問題は絶えないから、昆虫の数が減っていること自体に違和感はない。では、具体的に何が原因で昆虫は

8月の最後になって稲盛和夫さん、ミハイル・ゴルバチョフさんと大きな訃報が続きました。ミハイル・ゴルバチョフについては以前このコーナーでも紹介した『我が人生 ミハイル・ゴルバチョフ自伝』が注目を集めています。 稲盛和夫さんについては、世界的にも注目されている著書も多くありますが、今後自伝などの出版があるのかどうか気になるところです。 8月はどんな本が発売され、

2022年7月8日の昼頃、本書『老警』の文庫解説を書き始めたちょうどその時、ニュース速報がスマホに届いた。 「安倍晋三元首相、奈良市で応援演説中に銃で撃たれ、心肺停止」 テレビを付けると、すでに臨時ニュースでその瞬間の映像が流されていた。 参議院選挙を二日後に控え、自民党候補の応援演説を行っている最中、安倍元総理は背後から狙撃されその場に倒れ込んだ。容疑者は

東京は広い。長いこと住んでいても、まだまだ知らない場所がたくさんある。 著者は東京品川区の戸越銀座で生まれ、現在もそこで暮らしている。著者の家は祖父の代からこの地で町工場を営んでいた。 戸越銀座は五反田から東急池上線なら二駅、都営浅草線なら一駅だ。戸越銀座も五反田もそれなりに知っているつもりでいたが、所詮それはピンポイントの知識に過ぎなかった。本書を読むまで

先日、三浦の海の駅 うらりマルシェ へ行ってきました。マグロはもちろんその他の海鮮も新鮮豊富で、我が家の冷蔵庫はいっぱいになっています。 買ったその日のうちに料理をして好評だったのは、ハマグリと空芯菜の炒め物です。砂抜きしたハマグリを酒蒸しにして殻が開いたら、鶏がらスープ、4-5cmに切った空芯菜を加えて炒め、塩胡椒、胡麻油で味付けをして、水溶き片栗粉でとろ

競技場に、細長い布の両端を持った男女のペアが十数組立っている。合図とともに、会場にキツネが放たれる。怯えたキツネは競技場を走り回り、やがて布を踏む。その瞬間、男女は力を合わせて布を引っ張り、キツネを宙に飛ばす。繰り返し空に投げられるキツネたちは当然のごとく怪我をしていくが、誰も手当などしない。そして競技が終了に近づくと、参加者は弱ったキツネを憐れみながら撲殺

初めてお会いしたのは、読売新聞の読書委員会だった。元・防衛大学校長らしく、動作も物の言い方もあまりにキビキビしておられるのに驚いた。なんでも、以前は中国政治思想史を専門とされる慶應大学法学部の教授だったとか。真っ先に「防衛大学校長にご着任される前からこんなにキビキビしておられたのですか」とお尋ねしたのをよく覚えている。残念ながら、そのお答えは記憶にないのだが

筑後川は「筑紫次郎」の異名のとおり「坂東太郎」の利根川「四国三郎」の吉野川とともに日本の暴れ川と言われている。さらにここ10年あまり、九州に打ち続く豪雨は毎年のように筑後川とその支流に大水害を起こす。 著者は2009年から九州北部を流れる広大な筑後川流域の全域で、川と人間の共生の歴史を調査してきた。 本書の冒頭に掲げられた筑後川全域の地図を見ると、その広さに

何となく夏バテ気味のような、食欲がまったくないわけではないけれど、何を食べていいかわからないという時は、少しジャンクなサラダを作ります。 材料はキャベツや大根、ツナ、マヨネーズ、すし酢だけです。千切りにしたキャベツ(or大根)をツナ、すし酢とマヨネーズで和え、最後にお好みで胡椒を振ってできあがり。きゅうりやにんじん、紫蘇などを千切りにして混ぜてもおいしいです

世界はどんどん良くなっている。世界の人口のうち、極度の貧困状態にある人の割合は、過去20年で半分になった。そして自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年で半分以下にもなった。 一方で、世界はどんどん悪くなっている。政治の分極化、止まらない環境破壊、野放しのデマゴーグ、混迷きわめるウクライナ情勢、終わりの見えないコロナ禍。 一体どちらが、本当の姿なのだろう
コロナ影響で自殺者が増加したというニュースが駆け巡りました。パンデミック関連の書物の出版は少し下火になってきた感もありますが、自殺や貧困といった社会問題に取り組む本の出版計画が増えてきているようです。予約ランキングにも『ルポ自殺』が入ってきています。 著者の渋井哲也さんは長年にわたって自殺問題を取材し続けてきました。今の時代をどう見ているのでしょうか。 この

ちくま新書で『人類5000年史』というシリーズが刊行中だが、文明の誕生から現代まで人類史を簡潔に一望できる。今回紹介する第4巻では、1501年から1700年までの通史がシリーズ通し番号の第9章・第10章として充てられている。 かいつまんで紹介すると、銃を手に銀を求めて海を渡ったコンキスタドール(征服者)が、交易の時代を押し開いた。宗教改革という狼煙が上がった

著者は2015年の「世界コピーライターランキング1位」を獲得したクリエーティブ・ディレクター。レニングラード生まれ、両親の仕事の関係で小学1年から中学3年の間にロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダの6カ国で9回の転校を経験している。4つの言語で教育を受け、学制がちがうため小学校は3回卒業した。 国によって教育方針も方法も、文房具も科目も全部違う