
ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓
「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌食になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取った本でした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう
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「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌食になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取った本でした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう

先日、長野のある旅館に泊まった時、朝食がシンプルながらもどれもおいしくて幸せでした。その中でも特に印象的だったのが、長芋の梅おかか和えです。簡単だけれど自分では作らない(自分のレシピになかった)ものに出会うと、外食をしてよかったなと思います。 私なりの再現レシピですが、長芋の梅おかか和えは、食べやすい大きさに切った長芋をオーブンで少し焼き、たたいた梅とおかか

冒頭、著者の鮫島浩は横浜中華街の料理店に妻と二人で入る。2014年当時、朝日新聞の特別報道部デスクを解任され、ある記事の責任を問われて蟄居謹慎の身だった。そこで演奏される二胡の音に涙した鮫島に妻の放った言葉は強烈だった。 あなたはね、会社という閉ざされた世界で『王国』を築いていたの。(中略)あなたがこれから問われる罪、それは『傲慢罪』よ! 『朝日新聞政治部』

コロナに右往左往させられるこのご時世、ロクに会えなかった父親が逝ってしまったとしたら。そんなとき、自分なら何ができるだろう? 父親を葬るという、誰にでも起こりうる人生の1ページを、『国道16号線』などの著作でも知られるメディア論の教授が綴った。こんな見送りの方法もあるのだ、と優しい気持ちになるエッセイのような一冊だ。 2020年の9月、著者の柳瀬さんは、故郷

米連邦最高裁判所は2022年6月24日、約半世紀ぶりに人工妊娠中絶の禁止を認めない判断を下した。全米50州のうち約半数で中絶が規制される見通しという。アメリカでは「母になるかどうか」を自分で決められなくなったのだ。 『母親になって後悔してる』 はイスラエルの社会学者が、平均三人の子をもつイスラエル人女性の中から、母になったことを後悔している人を厳選し、聞き取

もしあなたが子育て中なら、「大学を出て、企業に就職して、定年まで勤めあげる」人生をわが子に教え込まないほうが良いだろう。素直で親孝行な子であるほど、将来、親の期待を裏切って罪の意識に苛まれる可能性が高いからだ。時代は音を立てて変わっていて、もはや「過去の方程式」は通用しないのである。 本書の著者はリーマンショックの影響を受けた就職活動で、60社から不採用をも

あつい。 この夏の「暑さ」に負けない「あつさ」を『昭和の参謀』は持っている。 444ページという新書には破格の「厚さ」、テーマにたいする著者の「熱さ」、そして、取材相手への真摯な「篤さ」、この3点を、読者は、じゅうぶんすぎるほど堪能できるにちがいない。 陸軍で、その名をとどろかせた7人の参謀(石原莞爾、服部卓四郎、辻政信、瀬島龍三、池田純久、堀栄三、八原博通

近所のスーパーで丸ごと1匹胡椒鯛をゲットしたので、調理しました。あらで出汁を取ったスープもおいしかったのですが、今日ご紹介するのは胡椒鯛とズッキーニのスパイスソテーです。 オリーブオイルでニンニクと唐辛子の香りをだし、ズッキーニを両面焼いた後に塩、クミンとコリアンダーを振って、胡椒鯛(塩を振っておく)を両面焼けばできあがり。ズッキーニ、胡椒鯛それぞれに塩を振

本書には信じがたい話がいくつも出てくる。以下にその一例をあげよう。 子供が母親にこんなことを言われた。 「ゲームばかりしているとお父さんに怒られるよ。まぁ、今日はいいか。勉強もしたしね」 どこの家庭でもありそうな場面だ。母親は決して叱っているわけではなく、勉強を頑張ったご褒美に今日は特別にゲームをしてもいいよ、と言っている。むしろ子供への優しさを感じる言葉だ

沈静化するかと思われていたコロナ禍でしたが、7月後半から罹患者が急増。身の回りでも「陽性になりました」という報告が当たり前のように聞かれるようになりました。酷暑もあり外出が控えられているのか、出版業界は少し活気づいてきています。7月はどんな本が話題になったのでしょう。 発売と同時に注目を集めているのがこの『ストーリーが世界を滅ぼす――物語があなたの脳を操作す

今朝は早起きをして、 三溪園 の観蓮会へ行ってきました。三溪園を造った原三溪は、蓮の花を「泥の中から清らかな花を咲かせる徳の高い花」としてとりわけ愛したそうです。蓮の花は朝7:00頃をピークに開き、昼頃には閉じてしまいます。また、開花4日目には花びらがすべて散ってしまうため、なんとも儚い花ですね。 また、観蓮会限定の朝粥がとてもおいしいので、お腹を空かせて行

医者という職業は私たちの身近に存在する。多くの人が何度となく医療機関を受診した経験があるだろう。しかし本書の著者であるリチャード・シェパードは私たちが想像する医者とは少し異なる。彼の患者は死者だ。リチャード・シェパードはイギリスの高名な法病理学者なのだ。不幸な事故や事件に巻き込まれた人々の遺体を解剖し、なぜ被害者が死に至ったのかを突きとめるのが彼の仕事だ。彼

思考というと、多くの人は難しいものと考えがちだ。しかし、決してそのようなことはない。とりわけ、科学的な論理思考というのはシンプルだ。いや、シンプルであるべきだ。そうでないと他の人に理解してもらえない。 多くの大学院生を教えてきた。同じ事を繰り返し言うのは嫌いなのだが、何度も何度も繰り返したフレーズがある。それは、「これは前にも言うたやろ」である。多くの場合、

私はふるさと九州をこよなく愛する人間だが、ひとつだけ、どうしても好きになれないところがある。ヤクザが幅を利かせているところだ。 九州は観光地も多い。「人と金が集まるところに暴力団あり」で、地元に根をはるヤクザが各地にいる。暴力団といえば、山口組や稲川会、住吉会などの指定暴力団を思い浮かべる人が多いだろうが、地場の暴力団の中には、そうした全国組織が容易には入っ

ベランダで育てているバジルが収穫まっさかりです。引越し前に住んでいた家は、1階で日当たりがあまり良くなかったため、なめくじと戦いながらハーブを育てていました(バジルもパクチーもイタリアンパセリもすべて齧られ…) バジルはカプレーゼやピザに少しのせるだけでも香りがすばらしいのですが、たくさん獲れた時のおすすめはジェノベーゼソースです。バジル、炒った松の実(他の

2022年4月1日、大分県別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)で入学式が行われた。そこに学長である出口治明さんが登壇され祝辞を述べた。 2021年1月9日、出口さんは脳出血で倒れた。一命はとりとめたが、右半身麻痺と失語症が残った。失語症は「聞く」「話す」「読む」「書く」という言葉を使った働きが上手く出来なくなる状態で、出口さんは相手の話している内容は

とうもろこしを見かけると、つい買ってしまいます。去年はとうもろこしごはんやバター醤油炒め(青唐辛子をほんの少し入れて大人味にする)を繰り返し作っていましたが、最近の一押しはコーンポタージュです。インスタントとはひと味違った仕上がりになりますよ。 作り方は、とうもろこしの実を芯から落とし、みじん切りにした玉ねぎ、少量の水で蒸し煮にします(芯も入れて出汁をとりま

元首相の銃撃・殺害という痛ましい事件が起きました。これも伴い、カルト関係の書籍への注目度が高まっています。ウクライナ、そしてそれを取り巻く世界の混乱は続き、コロナ感染者数も急激な拡大。久しぶりの緊急事態宣言下にない夏はどんな夏になるのでしょう。 2022年7月18日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成し

物理学は現代社会を動かす基本原理となっている。そもそも「物理」とは物の理(ことわり)という意味であり、「物理学」は自然界の現象を支配する法則について理解・整理することを目的とした学問だ。 江戸時代後期から明治初期には、「理を窮める学問」という意味で「窮理学」(きゅうりがく)と呼ばれていた。すなわち物の本質そのもの、すなわち「物の理(ことわり)」を知る学問なの

生々しいロシア-ウクライナの攻防が日々ニュース映像を通して伝わってくる。ただ、今回の戦争はそれが全てではない。目に見えない攻防が今まで以上に激しさを増している。 今回の戦争が一線を画すのは、両陣営ともにサイバー空間を多用し、「ハイブリッド戦」というサイバー攻撃と武力攻撃を組み合わせた戦いを繰り広げていることである。ハッキングなどのサイバー攻撃だけでなく、スパ

先日、「タコスが食べたい」と突然思い、自作しました。と、いってもタコスキットを使って作ったので、ひき肉を炒めてソースで味つけをし、レタス、チーズ、トマトと一緒に挟むだけです。 タコスの皮(トルティーヤ)は柔らかいものと、固いものがありますよね。前者はとうもろこしから作られ、メキシコで食べられています。後者は小麦粉を揚げて作られ(ハードシェル)、テックスメック

世の中がなんだかギスギスしているなぁと感じるようになったのは、いつ頃からだろう。電車でわずかに肩が触れただけで舌打ちされたり、高速道路で妙に煽ってくる奴がいたり、そんな些細な個人的体験だけでなく、ネットでも誰かの足を引っ張るような言説が目立つようになった。みんな何かにイラつき、余裕を失くしていた。一見、攻撃的な姿勢の裏に、人々の不安が見え隠れしているような気

深海は調査が進んでおらず、海底よりも月の表面の方がわかっていることの方が多いとさえ言われる世界だ。だが、近年深海用の潜水艇などの高性能機材が開発され、深海が想像されてきたより広く複雑な世界であることが明らかになってきた。本書はその書名通りに、深海にまつわるさまざまなトピックを扱った一冊だ。 生物の話からはじまって、地球温暖化と深海の関係性、深海底ビジネスが深

先日、近所の韓国惣菜屋で買ったチャプチェがとてもおいしかったので、自作してみました。材料は、牛薄切り肉、にんじん、パプリカ、きゅうり、スナップエンドウ、茹で筍、緑豆春雨と少し多いのですが、野菜はお好みのものでOKです。 まず野菜を細切りにし、それぞれごま油で炒め軽く塩を振ります(食感重視で別々に炒めていますが、フライパンは都度洗わず続けて炒めても大丈夫です)

あまりに早い梅雨明け、そして記録にないほどの猛暑…と通常の6月とは違った景色が広がっています。気候変動に関する取組や、今後の経済成長について考える本が増えて来ているのも、こういった気候の変化が体感としてわかるくらいになってきたからでしょう。 ウクライナ情勢関連では地政学への注目が集まっています。ここのところは資源関係の本の動きもよくなってきているようです。そ

ある事柄について語ろうとする時、いわく言いがたい居心地の悪さを感じることがある。たとえば「民主主義」がそうだ。「民主主義は大切だと思うか」と問われれば、迷わず「大切」と答えるが、そう即答しながらも、どこか口先だけでものを言っているような違和感が拭えない。まるでサイズのあわない借り物の服を着ているような収まりの悪さを感じてしまうのだ。 よく言われるようにそれは

シュートが連続で何本も決まる。賭け事で勝ちが続く。名案が次々と浮かんでくる。そんな「ツイている」「波に乗っている」状況は、誰しも身に覚えがあるだろう。 ひとつの成功がさらなる成功を呼び込む。そんな神がかった状態は「ホットハンド」と呼ばれる。この絶好調な感覚が本物であることを、統計的に証明しようとする試みがあった。 ホットハンドは実在するのか。この謎にまつわる

本書には冒頭から最後までアザラシへの愛が詰まっている。 小学生で出会い恋い焦がれ、現在は日本で唯一のアザラシ保護施設 「オホーツクとっかりセンター」 の飼育員として働く著者のアザラシ愛は飼育員仲間でさえ「ちょっと理解できません……(笑)」というほどのものらしい。 アザラシ科、アシカ科、セイウチ科に分かれる海棲哺乳類 鰭 脚 類はヒレ状の脚を持つ。耳たぶがあっ

タイトルを見ただけで楽しくなっちゃうし(うんうん、そりゃあ昆虫学者は挙動不審にもなるよねw)、装丁に描かれた昆虫たちがまた、妙におかしい!(人間もかなりおかしいけどね!!) 著者のコマツ博士は、信州のとある大学(←と、本文に書いてあるw)で博士号を取得後、いくつかの施設で昆虫研究者として働き、最後は某(上野の)国立科学博物館で研究員(無給)として働いたのち、

広大な宇宙で生命は地球だけに存在するか否かは、古来より人の大きな関心事だった。一九世紀英国の作家ウェルズはSF小説『宇宙戦争』にタコのような火星人を登場させ、地球外生命の一般的なイメージとなった。そして20世紀に入って宇宙飛行が実現すると、地球外へ積極的に生命を探索する研究が始まった。 地球外生命の探求は、生命はどのように誕生したかという生命起源をめぐる根本

『生命機械が未来を変える』ご恵送いただいたこの本、たいそうなタイトルやなぁと思いつつ軽い気持ちで読み始めたのだが、一気に読了。そして、ふたつのことに驚愕した。ひとつは、もちろんその内容だ。 MIT(マサチューセッツ工科大学) においておこなわれている研究を中心に、生物学と工学を本当の意味で融合させた研究、「エネルギー」、「浄水」、「医療」、「身体」、「食料」

協力的コミュニケーションのひとつに、指さしジェスチャーがある。わたしたち人間は何かを指さすことによって、「あれを見て」という自分の意図を他人に伝えることができる。至極簡単に思えるそのコミュニケーションも、しかしながら、ほかの動物にとってはことのほかむずかしいようだ。実際、ヘアらの実験によって、チンパンジーでさえも指さしを理解できないことが明らかになっている。

知識が好奇心を育むのだ。好奇心を持続させるために、ノンフィクションを読み続ける。あらためて学ぶことの楽しさを実感したのは、本書『子どもは40000回質問する』を読んだからだ。 本書によると、好奇心は、少し知っていることが肝心だと言う。全く知らないのでは手が伸びない。反対に知りすぎていても好奇心は育たない。その塩梅が大事で、だからこそ広く浅く興味を持つことは、

先日、あるお店で食べた鶏手羽の台湾風煮込みがとてもおいしかったので、家でも作ってみました。 手羽元を沸騰した湯に入れ、表面のアクを取ります。別鍋に水、醤油、砂糖、八角、ローリエ、シナモン、生姜を入れ、一煮立ちさせたら手羽元を入れて、弱火で6分ほど煮込んでできあがりです。煮込んでいる間は、手羽元の上下をひっくり返し、両面味が染み込むようにします。お好みで葱やパ

「新しい資本主義」が掲げられ、世界経済が大きく動く中、今後の世界のあり方を考える本が多く出版されています。これからどんな本が出てくるのでしょう。 2022年6月20日時点の予約受注実績からこの先発売になるタイトルを抽出しノンフィクションの予約ランキングを作成しました。(日販調べ:タイトル・発売日等今後変更になる可能性があります) 注目したいのは『工藤會事件』

湿度が高いとあらゆる動きが緩慢になるのですが、そんな時は中華を食べてやる気を出すことにしています。最近、作ってみて我が家で好評だったのは、中華風ラムチョップのグリルです(買い物に行くのも億劫で冷凍庫に眠るラムを使いました)。 ラムチョップを、醤油、オイスターソース、紹興酒、花椒、にんにく、生姜に漬け、オーブンで20分ほど焼いて完成です。残り時間10~5分ほど

スタジオジブリが出している『熱風』という小冊子に、ジャーナリストの青木理さんが聞き手をつとめる「日本人と戦後70年」という連載がある。ここに2021年8月号と9月号にわたり著者との対談が掲載された。 一読して驚いた。朝日新聞が生き残りをかけて調査報道を新たな看板に据えようとしていたこと、そのチャレンジが経営陣によって潰されたことが、生々しく語られていたからだ

人は本来、自分自身が成長したいという願望がある。それが学習でも仕事でも、一生に打ち込めるライフワークを見つければまだいい。ただ目指すべきロールモデルとなる人が、まわりにいないのでないか。 たとえば貴方が会社員であれば、友人は同じく会社員であることが多い。似たような環境、似たような考え方であることも多いし、本当の意味で刺激的な人と出会うのは少ないだろう。その方

先日所用のため、千葉の東金へ行きました。東金の道の駅もすばらしく、野菜はもちろん、キムチ(ふるさと納税の品にもなっている富子のキムチが絶品)やイカメンチ、おこわなど何を買ってもおいしいんです。キッチンカーで売られている焼きそばやホットドッグ、どら焼きまでおいしいのでびっくりします(あと花や植木なども本当に道の駅か?というレベルであります)。 道の駅で買った、

連休。なんと甘美な響きだろう。 ラジオの番組作りの仕事は面白いのだが、ネックは休みがとりづらいことかもしれない。先日のゴールデンウィークも、「最大10連休」なんてニュースで伝えながらまるで他人事だった。10日なんて贅沢は言わない。3日間でいいから続けて休んでみたい。 わずか3連休でも羨ましく感じるくらいだから、2000連休なんて桁が違いすぎて想像することすら