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484記事

『ハイエンドトラベル』 発想と創造を生む新しい旅の形 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ハイエンドトラベル』 発想と創造を生む新しい旅の形

コンサルティング会社キャップジェミニの「World Wealth Report」によると、投資資産を100万ドル以上保有する世界の個人富裕層の資産総額は、7年連続で増加して2017年に70兆ドルを上回った。 国際NGOオックスファムは、2016年の報告書「1%のための経済」で、2015年に世界の上位1%の富裕層が保有する資産が残りの99%の人々の資産を上回り

自分が楽しいから書くのが一番『読みたいことを、書けばいい』 書影

教養・雑学 / ビジネス

自分が楽しいから書くのが一番『読みたいことを、書けばいい』

田中泰延をご存知だろうか?知らない人は知らないが、知っている人は知っている人物だろう。(当たり前だ)田中泰延と書いて「たなかひろのぶ」と読む。私はこの人の文章がとても好きで、本が発売されたら、必ず読みたいと思っていた。彼のことは「非常によくおモテになる先輩」のツイートで知った。 非常によくおモテになる先輩に昔言われた。「彼女とよく喧嘩するんです」「彼女の話を

『社長の条件』日本企業のガバナンスのあるべき姿を示す経営改革の集大成 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『社長の条件』日本企業のガバナンスのあるべき姿を示す経営改革の集大成

本書は、企業再生の専門家である経営共創基盤CEOの冨山和彦氏が、2003年の産業再生機構設立以来、長年に亘って取り組んできた日本企業の経営改革の集大成とも言うべき一冊である。 そして、本書の最大のポイントは、日本的経営の本丸である経団連トップの中西宏明会長(日立製作所会長)を対談相手として担ぎ出したことではないかと思う。なぜなら、経団連こそが日本企業が変わら

『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』バカ売れのヒントは経営学ではなく民俗学? 書影

民俗・風俗 / ビジネス

『1本5000円のレンコンがバカ売れする理由』バカ売れのヒントは経営学ではなく民俗学?

霞ヶ浦のレンコン農家に生まれ、社会学で博士号を取得し、民俗学の研究者となり、二刀流ではじめた超高級レンコンの商品開発に成功したアラフォーの物語だ。いまではニューヨークやパリのレストランでも使われているという。 しかし、けっして頭脳明晰な新世代農業経営者の成功物語ではない。研究者として民族学会に出席していた著者は、先輩研究者から「中国行ってレンコン1本1万円で

『捨てられる銀行3』「変わらない」道を選んだ、未来と向き合わない銀行 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『捨てられる銀行3』「変わらない」道を選んだ、未来と向き合わない銀行

本書は、ベストセラーになった共同通信社の橋本卓典記者による、『捨てられる銀行』シリーズの続編である。また日本版「金融排除」の問題点を鋭く指摘した著者の『金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実』と同じ問題意識に立脚している。 バブルの崩壊と「金融処分庁」による圧政の時代を経て、企業の実態を見る力を失ったことが、銀行というビジネスモデルを根幹から揺るが

リッツ・カールトン本にハズレなし『伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

リッツ・カールトン本にハズレなし『伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』

書店員時代から「リッツ・カールトン本にハズレなし」という経験則が私の中である。ビジネス書には名作を生み出す鉄板ジャンルというものがいくつかあるのだが、リッツ・カールトン本もその一つだ。サービス・ホスピタリティ関連ではスターバックス本にもハズレがない。その中でも、経営者が自らの経験を書いた本には良書が多い。 例えば、スターバックスの創業者、ハワード・シュルツの

狙うは女と口『ユダヤの商法』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

狙うは女と口『ユダヤの商法』

ビジネス書の名著と言われていながら、長らく絶版となっていた藤田田(ふじたでん)の『ユダヤの商法』が、他の著作とともに6冊同時に復刊した。私が書店で働いていたとき、この本を除く5冊はまだ販売されていたのだが、この中で一番評価の高かった『ユダヤの商法』だけは、なぜか絶版になっていて、読むことができなかった。当時、この本を読むには高値で取引されていた古本を買うしか

『実験思考 世の中、すべては実験 』本の値段を読者に委ねてみたら… 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『実験思考 世の中、すべては実験 』本の値段を読者に委ねてみたら…

実に面白い。本の中身の前に、まず本を売る仕組みについてだ。 本書は、価格が読者に委ねられた一冊である。紙の本を購入する場合は印刷原価に相当する390円、電子版については0円を支払う。その後、価格設定をいくらにするかを読者自身が決め、特設サイトから支払うという仕組みなのだ。 ちなみに発売から3日経った段階での支払総額は43,569,400円。支払った人の数が6

「社長のおくりびと」が書いた 『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

「社長のおくりびと」が書いた 『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円』

本書は、新しい時代のキャリアプランについて書かれた本だ。しかし著者の略歴には、次のように書かれている。「後継者不在などで存続の危機にある中小企業を700社以上支援してきており、「社長のおくりびと」の異名をもつ・・・」この経歴に、興味を持つ方は多いに違いない。ただ一瞬、タイトルとの間に違和感を覚えるかもしれない。しかし、よく考えてみれば事業買収の一方の主役は売

『メモの魔力』や『FACTFULNESS』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

ビジネス / 併せて読まれたこの一冊

『メモの魔力』や『FACTFULNESS』を買ったのは、どういう人たちなのか?

ビジネス書コーナーが活況を呈しています。特に、『メモの魔力』と『FACTFULNESS』はここ数ヶ月1位、2位を争い数字を伸ばし続けています。テレビなどのメディアで大きく取り上げられたことで、普段ビジネス書を手に取らない層にも届いたのが売れ続けている事の大きな要因となっています。売場に人が増えたことで、その後発売になった新刊も動きがよくなっています。 今やベ

効率より想像を探究する 3冊 書影

アート・スポーツ / ビジネス

効率より想像を探究する 3冊

どんな時代にも想像力は大事な意味を持つが、対局にある「効率」に打ち負かされる。効率はわかりやすく、想像力はわかりにくい。さらに、想像力はつかみどころがなく扱いが難しい。働き方改革で、わかりやすい業務の効率化が主要な施策で、想像力の出番はほぼない。目的がはっきりしない試行錯誤やぼんやり想像する時間は、短期的な効率追求を目指す組織の中では無駄扱いだ。 組織の中で

『苦しかったときの話をしようか』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『苦しかったときの話をしようか』新刊超速レビュー

事業縮小により会社を退職し、4月から求職活動中の自分にとって、『 苦しかったときの話をしようか 』というタイトルにはとても心惹かれるものがあった。どんな内容か確認もせずに買ったところ、これが素晴らしい本だったので紹介したい。 仕事がうまくいかず、自己評価が極端に低くなっている人や、後ろ向きな仕事をさせられて、自分自身の存在価値を疑う状況に追い込まれている人に

『企業ファースト化する日本 虚妄の「働き方改革」を問う』働き方「改革」は「改悪」になるのか 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『企業ファースト化する日本 虚妄の「働き方改革」を問う』働き方「改革」は「改悪」になるのか

よくわからない事象でも、響きの良い名前が付くと、人は考えるのをやめ、特定のイメージを信じこむことがある。説明が要らないような錯覚に陥ることもある。 労働や経済に関わる政策は理解するのが難しいだけに、なおさらだ。4月に関連法が施行される「働き方改革」はその一例ではないだろうか。 政府は「長時間労働の是正」「同一労働同一賃金」を訴える。「働く人が自由に働ける」も

『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正 』こんなスケールの大きい日本人が本当にいた 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正 』こんなスケールの大きい日本人が本当にいた

ドクター佐々木は、私とソフトバンクにとって大恩人中の大恩人です。ドクター佐々木と出会っていなかったら、ソフトバンクという会社はスタートできていなかったかもしれない。 最初に出会ったのは私が19歳のとき。私はカリフォルニア大学バークレー校の学生でした。電子翻訳機の試作機を作って、いろんなところに持って行ったのですが、どこにも相手にされなかった。その中でただ一人

『持たざる経営の虚実』経営文学に支配された、平成30年間の企業経営 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『持たざる経営の虚実』経営文学に支配された、平成30年間の企業経営

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」。このダーウィンの名言を、若いビジネスパーソンへのメッセージとして援用する経営者は多い。 感じ方は人それぞれだと思うが、個人的にはサイエンスの理論を曲解し、都合よくビジネスに利用しようとする姿勢に違和感を覚えてしまう。 人間が自らの意志だけに

生産性をあげるための必殺技 ”どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門” 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

生産性をあげるための必殺技 ”どんな仕事も「25分+5分」で結果が出る ポモドーロ・テクニック入門”

ポモドーロ・テクニックをご存じだろうか。生産性をあげるための必殺技である。なんら難しいものではない。25分を一単位にして仕事を区切る。ただし、その25分の間は、これをやると決めたテーマに集中する。電話に出たり、メールをチェックしたり、ネットで遊んだり、といったことは絶対にしない。そして5分休憩。それだけだ。( 詳しくはここを ) そんな方法で生産性があがるの

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』

著者の山口揚平氏は、軽井沢と東京に居を構えながら一日3時間だけ働くというおだやかな暮らしを実践しているコンサルタントであり、またこれからのあるべき社会の未来を提示する思想家でもある。 HONZの紹介としては若干遅ればせながらという感じだが、各方面で余りに評判が良いのでとにかく読んでみたところ、期待をはるかに上回る内容だった。 本書の結論は、冒頭に出てくるアル

『両利きの経営』二兎を追いながら、双方を高いレベルで実現していく 書影

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『両利きの経営』二兎を追いながら、双方を高いレベルで実現していく

本書で言う「両利き(ambidexterity)」とは、あたかも右手と左手の両方が利き手であるかのように使えることであり、特に、会社経営における両利きとは、「探索(exploration)」と「深化(exploitation)」という活動が、高い次元でバランスが取れている状態を指す。 両利きという概念は、認知心理学の研究に由来するものである。人間の認知には一

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』アマゾン創業者とテスラ創業者。宇宙ビジネスの覇者になるのは? 書影

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『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』アマゾン創業者とテスラ創業者。宇宙ビジネスの覇者になるのは?

アマゾン創業者のジェフ・ベゾスと電気自動車製造会社テスラ創業者のイーロン・マスク。太陽が昇るどこかの惑星(または衛星)を背景に2人が対峙している表紙は鮮烈だ。どちらかがほかの星に降り立つ日も近いことを暗示しているようだ。 それぞれの個人資産は十数兆円と2兆数千億円。政府機関を凌駕する力をもつといわれる55歳と47歳。二人は人類にとってどんな存在になるのだろう

柔らかな白い部分に触れる 『イベントの教科書』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

柔らかな白い部分に触れる 『イベントの教科書』

モノ消費よりコト消費。呪文のように、そう言われた時期があった。その切札が「イベント」だった。並べているだけではモノが売れなくなり、イベントなどの体験を売ることでお得意さんやコミュニティを作ることの重要性を説く主張である。 当時、私もそれに大いに共鳴し、50件以上のイベントを企画してきた。ただ、私自身そうだが全体的な勢いは、弱くなってきた印象がある。その真っ只

『京料理人、四百四十年の手間「山ばな 平八茶屋」の仕事』料理とは手間の文化、修業とは手間を学ぶこと。 書影

教養・雑学 / ビジネス

『京料理人、四百四十年の手間「山ばな 平八茶屋」の仕事』料理とは手間の文化、修業とは手間を学ぶこと。

四条河原町から京都バスに延々と乗って20番目の停留所。そこが平八前になる。若狭街道、通称、鯖街道は交通量が多く、バスから降りたらすぐに道のわきに寄らないと危ない。 「平八茶屋」の暖簾がはためく大きな家があるのだけど、最初は入り口に戸惑う。向かって左側の鬱蒼とした木の下を通ると、そこから広く「山ばな平八茶屋」のお庭が見通せる。お部屋に通されると、外には高野川が

『天才を殺す凡人』会社を舞台装置にした物語論としての面白さ 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『天才を殺す凡人』会社を舞台装置にした物語論としての面白さ

天才について書かれた本を読むことにはもどかしさが伴う。天才とは何かがわかるという理解と引き換えに、自分が天才ではないという事実も受け入れなければならないからだ。 しかし本書はセンセーショナルなタイトルとはうらはらに、このセンシティブな部分のさばき方が非常にうまい。 この世界は天才と秀才と凡人で出来ているという語り口から始まるのだが、その3つの「人格」を、「創

『最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実』銀行の本分 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『最後の頭取 北海道拓殖銀行破綻20年後の真実』銀行の本分

2008年の世界的な金融危機、いわゆるリーマンショックから10年が過ぎ、その記憶も風化し始めている中、今から20年前の1997年から1998年にかけて我が国で起きた未曾有の金融危機を覚えている人はどれだけいるだろうか。 今や、大蔵省銀行局・証券局、長期信用銀行(興銀、長銀、日債銀)、北海道拓殖銀行(拓銀)という組織があったことさえ知らない若者も多い。 199

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』歴史を加速させる男たちの熱いストーリー 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』歴史を加速させる男たちの熱いストーリー

アポロ計画から50年ほどたった今、宇宙開発は明らかに停滞している。 アポロ11号の月面着陸ミッション当時のNASA管制室スタッフの平均年齢は26歳。恐れ知らずの若者たちが活躍する活気ある組織であった。しかし、今の平均年齢は50歳ほどで、リスクを避けようとする傾向が強く、官僚気質の組織へと変貌している。 加えて、ロッキード・マーティンとボーイングの2社が政府か

予測精度の向上が、ビジネス戦略に破壊的な転換をもたらす──『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

予測精度の向上が、ビジネス戦略に破壊的な転換をもたらす──『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』

人工知能の発展・普及のすさまじい昨今だが、すっかりバズワード化してしまって「ここでいう人工知能って何を指しているわけ??」がわかりづらいケースも増えてきてしまっている。そんな中にあって本書は、人工知能とはいっても実際にはそれらは「知能」そのものではない点。また、現在の人工知能と呼ばれているものの多くが提供しているのが、知能の重要な構成要素のうちのひとつ、「予

『スーパーカブは、なぜ売れる』世界で1億台! 超ロングセラーの秘密 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『スーパーカブは、なぜ売れる』世界で1億台! 超ロングセラーの秘密

一昨年の夏、ベトナムを旅した評者は、空港から車に乗った途端、おびただしい数のオートバイに圧倒された。 まるで魚の大群のようにオートバイの集団が交差点を横切っていく。気がつけば、こちらの車も前後左右を密集するオートバイに囲まれていた。あの迫力は忘れられない。 ベトナムは2輪車大国だ。年間販売台数およそ330万台(2017年)、このうち75%ほどのシェアを占める

『NEW POWER』ニューパワーで世界を変革する指南書 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『NEW POWER』ニューパワーで世界を変革する指南書

ここ数年、IT(情報技術)とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の急速な発展により、人々があらゆる境界を越えてつながり、世界は激変したと実感している人は多いだろう。 ツイッターを活用して膨大な支持者層を手に入れたトランプ米大統領の誕生は、その象徴的なできごとである。 フェイスブックのような巨大IT企業が誕生し、社会の基盤となる一方で、セクシャルハ

トラブルを未然に防ぎたいなら ”巨大システム 失敗の本質”を読め! 書影

社会 / 事件・事故

トラブルを未然に防ぎたいなら ”巨大システム 失敗の本質”を読め!

この本の原題『メルトダウン』には二つの意味がある。ひとつは文字通り原子炉の炉心融解、もうひとつはシステムが崩壊または故障してしまうこと。もちろんこの本のタイトルは後者を意味している。数多くの事例から、メルトダウン的な大事故はどこにでもおこりうること、そして、いかにすればそのような大事故を防ぎうるか、が豊富な事例を紹介しながら論じられていく。 まず第一部『失敗

『共犯者 編集者のたくらみ』「志」より「部数」を重視、あの編集者の仕事術 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『共犯者 編集者のたくらみ』「志」より「部数」を重視、あの編集者の仕事術

徳間書店や幻冬舎にてエンターテインメント系小説でヒットを連発。今や大家となった浅田次郎に初めて単行本を書かせた男だ。帯には幻冬舎社長の見城徹が推薦文を寄せる。編集者の自伝となれば、熱い男を想像するだろうが、見事に期待を裏切ってくれる。 文芸の編集者と聞けば特殊な職業と思うかもしれないが、著者は営業マンと変わらないと語る。重要なのは志でなく部数。小説を作家と送

つまらない仕事を減らせ──『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

つまらない仕事を減らせ──『NO HARD WORK!: 無駄ゼロで結果を出すぼくらの働き方』

『小さなチーム、大きな仕事』の著者(というか会社)による最新作は、たくさん働いたって成果なんか上がらないしやめようぜ、休暇もいっぱいとろうぜ、という一労働者としては至極ありがたい思想を具体的なメソッドに落とし込んだ一冊である。 著者の一人デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンはRuby最大のWebフレームワークであるRuby on Railsの開発者であり、

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』地球レベルの悲観と、事業レベルの楽観と 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『宇宙の覇者 ベゾスvsマスク』地球レベルの悲観と、事業レベルの楽観と

イノベーションが加速する条件とは何か? 先端テクノロジーの開花か、組織の多様性か、それともポテンシャルのある市場環境か。様々な要素が考えられるが、最も重要なのは人間離れした男たちの、人間らしい競争意識ではないかーーそんなことを痛感させられる。 本書は宇宙ビジネスの最前線を描いた一冊である。数多ある類書と一線を画すのは、イーロン・マスクとジェフ・ベゾスーーこの

残業武勇伝を塗り替えろ! 『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

残業武勇伝を塗り替えろ! 『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』

本を開いたとき、「ウザすぎる!残業武勇伝」という見出しが目に入った。残業武勇伝とは、「終電まで残業した」「連続で何日も出勤した」などと自慢するアレである。残業に達成感と報酬と成長がついてまわっていた時代の、昔語りである。本書では、冒頭のコラムで当時(昭和)の残業と平成の残業の違いを考察していて、いきなり面白い。 大量生産大量消費の時代には、頑張れば頑張るほど

『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』ドヤ顔で行ったら、浦島太郎だった 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』ドヤ顔で行ったら、浦島太郎だった

表紙に、Mistletoeファウンダーで本書を監修している孫泰蔵氏の、「ドヤ顔でエストニアに行ったら、浦島太郎だった」という言葉があるが、本書の内容を思いきり短くまとめれば、そういうことだと思う。 日本と同じような課題を抱えながら、ブロックチェーン技術を活用して、ほぼ100%の電子政府を実現し、ユニコーンと呼ばれる評価額10億ドル以上のベンチャー企業を次々と

『ホンダジェット 開発リーダーが語る30年の全軌跡 』 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『ホンダジェット 開発リーダーが語る30年の全軌跡 』

「ホンダジェット」は、バイクや自動車のメーカーとして有名なあのホンダが、初めて市場に送り出した飛行機である。斬新なデザイン、美しい仕上げと塗装、ライバル機の群を抜く性能。デビュー初日にいきなり100機以上売れ、「航空界のノーベル賞」ともいうべき権威ある設計賞を総なめにした。一言でいえば、誰もが認める傑作機だ。 その「ホンダジェット」についての本格的なノンフィ

『50 いまの経済をつくったモノ』経済学の視点から技術を見つめる一冊 書影

教養・雑学 / ビジネス

『50 いまの経済をつくったモノ』経済学の視点から技術を見つめる一冊

人類が発明した50のモノを、洗練された筆致で書き綴った、気軽な読み物だ。取り上げられているのは「コンクリート」や「紙」など手で触れられるものから、「経営コンサルティング」や「不動産登記」など目には見えない社会制度までと幅広い。 それぞれの章は独立していて読み切りだ。たとえば「電池」の章では、19世紀ロンドンで絞首刑にあった罪人の逸話から、電池が発明された18

『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる 』音楽家の役割は、顧客を創造すること 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる 』音楽家の役割は、顧客を創造すること

今年読んだ新書の中で、文句なしにNo.1の一冊。平易な文章で書かれ、分量もコンパクトだが、奥が深い。 昨年、『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』がヒットして以来、教養とビジネスの関係に注目が集まっているが、本書もまた同様の趣きをもっていると言えるだろう。 著者の片山杜秀氏は、クラシック音楽の歴史を追いながら、顧客が誰であったかという点にフォーカスを当て

『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』墓からみた日本人と企業 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』墓からみた日本人と企業

長いこと本を読んでいると、性格が素直じゃなくなる。新しい本を手に取っても、「この手のテーマ、前も読んだことあるな、フン!」などとついつい思ってしまうのだ。すれっからしもいいところである。 だがこの本には驚かされた。まさかこんな切り口があったとは!『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』は、文字通り企業が建立した「企業墓」をテーマにしたノンフィクションだ。

『澤野工房物語』下駄とジャズの二刀流で、細く、長く、好きを貫く 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『澤野工房物語』下駄とジャズの二刀流で、細く、長く、好きを貫く

人生100年時代と言われる昨今だが、一つ気になっていることがある。それは人生が長くなっているにもかかわらず、会社の寿命は案外短いということだ。 一般的に企業の寿命は30年とされているから、パラレルキャリアという言葉に注目が集まるのも無理はないだろう。しかし最も重要なのは、キャリアを2つ作ることではなく、どのように持続可能な状態を築けるかという点にある。 大阪

『海の歴史』未来は宇宙よりも海 書影

サイエンス / 生物・自然

『海の歴史』未来は宇宙よりも海

海から眺める人類史を一冊にした本で、海好きにはたまらない内容だ。海については、生活・科学・文化・物流・軍事などの様々な視点から数多くの書籍が出版されているが、これまで海の歴史を網羅的かつ包括的にまとめた書物はほとんどなかった。今回その壮大な歴史をまとめあげたのが、知の巨人ジャック・アタリ。壮大な世界観の歴史書を書かせれば彼ほどの適任者はいない。 本書は、13

地球儀外交のための『超エネルギー地政学』 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

地球儀外交のための『超エネルギー地政学』

原油価格が上昇傾向だ。2014年後半に大暴落して以来4年ぶりに高値圏に戻りつつあり、注目を集めている。価格上昇の主要因としてよく話題にあがるのは、トランプ米大統領の発言やイラン制裁など政治的要因だ。現代の国際情勢では、エネルギーを題材に駆け引きが繰り広げられており、政治とエネルギーが密接に絡み合っていることを物語っている。 この一般的には馴染みの薄い政治とエ