
世界の320万人が“いいね!”した『AMAZING KYOTO 』
表紙の帯をはずせば、平安貴族の旅装束から女性の口元が覗く。 この写真は葵祭、祇園祭とともに知られる京都三大祭りのひとつ「時代祭」のシーンである。時代祭とは京都御所から出発し、山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に約2,000名・約2キロにわたる行列をなし平安神宮を目指す伝統行事だ。常盤御前、巴御前、出雲の阿国など麗しい姿もあり、京都の歴史をしのばせる。 本書は
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表紙の帯をはずせば、平安貴族の旅装束から女性の口元が覗く。 この写真は葵祭、祇園祭とともに知られる京都三大祭りのひとつ「時代祭」のシーンである。時代祭とは京都御所から出発し、山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に約2,000名・約2キロにわたる行列をなし平安神宮を目指す伝統行事だ。常盤御前、巴御前、出雲の阿国など麗しい姿もあり、京都の歴史をしのばせる。 本書は

チベットが自由を取り戻すため、世界平和のために、私たちは焼身する。自由を奪われたチベット人たちの苦しみは、私たちの焼身の苦しみよりも余程大きい。 中国政府の圧政に対するチベット人の焼身抗議は2009年3月に始まり、2011年3月以降連続しながら今なお続いている。2015年8月1日の時点で亡命チベット人を含め147人が焼身を行い、内123人が死亡している。冒頭

深遠な海の中に身を沈めれば、無重力の浮遊感。 目の前には鮮やかな魚達が横切り、好奇心旺盛なイルカや色とりどりのサンゴ礁、人間よりも遥かに大きく愛嬌のあるマンタやジンベエザメなど。ダイビングは、陸上では味わえない世界を堪能できる。 一方、太平洋戦争時の旧日本軍の重要拠点であるミクロネシア連邦チューク州。旧トラック諸島と呼ばれたこの地は空襲により 2 日で壊滅し

「小用も座ってしてください」。先日、親族宅でこのような張り紙を見て、怒りを爆発させた。なんで一般家庭にこんな張り紙があるんだ!馬鹿野郎、日本男児は立ってするんだよ!女性や外国人が座ってしても、俺は立つぞ、立つんだ。 本書を読むと、自分の認識が浅はかであったことを思い知る。立ってすることにこだわったことに対してではない。日本男児でなくても、ついこの間まで、女性

「どこか遠くの島にでも行きたい」。そんなことを今夏も考えていたが、行けぬままにすでに9月も半ば。そんな悶々とした気分をさらに悶々とさせてくれるのが本書だ。離島にまつわるエピソードを交えながら、写真が並ぶガイドブックなのだが、紹介する33の島々は実は行きたくても、行けない島々。定住者もいないし、定期船など交通機関も存在しない。近づくことすら難しい島もある。 「

前作『驚きの介護民俗学』(医学書院)読んだ衝撃はとても大きかった。民俗学者である著者が、新たに選んだ仕事の場所は老人ホームだった。ルーティンの仕事に追われるある日、ふと聞いた昔話に民俗学の背景を見た。若いころの経験や仕事、恋愛、結婚のことを老人たちは嬉々として語ってくれたのだ。「傾聴」が大切と言われる老人介護だが、その方法は本当にあっているのだろうか。 そう

対談本はこの世に数多く出ているが、質的にはピンからキリまで玉石混交なジャンルである。最悪のケースとしては、忙しくて文章を書いている暇もない人気の著者や著名人を組み合わせて、その場で即興の言葉を拝借する。お互いのことをよく知らないまま表層的な会話に終始し、それっぽいまとめがあって終わってしまい、読後には釈然としない気持ちが残ることになる。 いやなに全ての対談本

出口 治明 ライフネット生命保険 CEO兼代表取締役会長。詳しくは こちら 。 *なお、出口会長の書評には古典や小説なども含まれる場合があります。稀代の読書家がお読みになってる本を知るだけでも価値があると判断しました。

マクドナルドや和民など、早く・安く・多くの胃袋を満たしてきたチェーンレストランの不調がニュース紙面を飾っている。日本人の食はこれからどのように変化していくのか。日本の高度成長期を支えた郊外団地から人々が流出し、残った住民も高齢化が進んでいるという。人口減少局面を迎えた日本人は、今後どんな家に住むことになるのだろう。 食や住居だけではない。テレビや車など、戦後

日本の夏、海に花火に盆踊り。みなさん最近「盆踊り」行きましたか? HONZ読者のみなさんのような大人世代は、実は盆踊りに接する機会は少ないかもしれません。ましてや、盆踊りのために旅したり、徹夜で踊ったりなんて「何それ?」と思われることでしょう。はい、担当者も2年前はそうでした。それが「人見知り男子」と「リズム感不安な野宿女子」という盆踊りにハマったふたりに出

国内の山村にして遠野よりさらに物深き所にはまた無数の山神山人の伝説あるべし。願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ。 あまりに有名な民俗学の名著に記された、序文。明治43(1910)年に発表された柳田国男の『遠野物語』である。この時代、『遠野物語』にも登場する河童や座敷わらしは人々の身近に「いた」。しかし、深夜まで煌々と電気に照らし出された現代、そんな不思

世界が猛スピードで画一化している昨今だが、多様性を保持する源泉は自然の中に残されていた。チベット、アンデス、エチオピア。標高2000m〜4000mに住む極限高地の人々には、現代社会が忘れてしまった何かがある。地理的、気象学的にも特異な自然環境ゆえの孤立した暮らしの中には、他の地域に見られない独自の文化が粛々と受け継がれているのだ。 本書は、極限高地と呼ばれる

世界最貧国の一つ、コンゴ共和国。ここにサプールと呼ばれ、人々の羨望と尊敬を集る集団がいる。平日は普通に働いているのだが収入のほとんどを洋服に費やし、週末になるとハイブランドのスーツを着こなし街を闊歩するという。 本書は、そんな彼らの”NO FASION,NO LIFE.”な日々を記録した写真集である。写真家のダニエーレ・タマーニが長い時間かけて築いた親密な距

今、日本全国には77,000にも及ぶ寺院が存在するという。コンビニの数が52,380店というから、その多さに驚かれる方も多いだろう。だがもっと驚くのは77,000のうち、住職がいない無従寺院の数が20,000を上回るという現実である。 昨年「地方消滅」という言葉が、世間を賑わせた。2040年までに人口が急減し、896もの自治体に消滅の可能性があると報じられて

母は十年かけて少しずつ死んでいった。体中の機能が失われていき、やがて口を動かす機能が失われた。口が動かなければ食べられない。ある日、母のからだに直接栄養剤を送り込むための胃瘻の手術をし、その帰りがけに、中華料理屋で母のいない食卓を囲んだ。母が二度と食べることのなかった、あの餃子の味を、私は忘れることができないだろう。 あれは生きながら母を弔う通夜だった。母が

シズル感という言葉は、もともと広告代理店界隈の用語だったように思う。sizzle、すなわち肉がジュージューと焼けている音が語源で、「シズル感のある写真」とは、そんな臨場感の伝わってくる写真という意味。料理本業界では、シズル感のある写真は売れ行きを左右する、必須のものと言っていい。 料理の表面は乾かないようにし、できれば湯気なども写るようにする。光は料理の斜め

2020年以降の日本が、どのような世の中になっていくのか、気になっている方も多いことだろう。市場全体がシュリンクし、指標となる様々な数値が低下していくことに間違いはないのだが、ピークを迎えるものも少なからず存在する。その一つが死者数だ。 2013年の死者数、約126万人。これが2027年以降には、団塊の世代が80歳代になるため「大量死」の時代が到来すると言わ

自称「独立国家」、飛び地、消滅した国々、廃墟、立ち入り禁止区域……。世界の珍スポットを集めた本には、なんとも言えない面白さがある。マイナーな場所にまつわるマイナーな知識の数々に、知的好奇心がジワジワと刺激されるのだ。適当に開いた箇所からつまみ食いできるのも良いところ。 本書『オフ・ザ・マップ』もそうした本の1つである。「失われた」「地図にない」「誰もいない」

昨年からライブやフェスへよく行くようになり、そこで知り合った一回りくらい下の世代(20代前半)の人たちと接する機会が増えている。いまどきの若者たちは……などとおじさんじみたことを言いはじめる気はないけれど、彼らは自分たちの世代とはまったく違った価値観を持っているなと会話をしていて感じることが多々あった。 そんな中でみつけた『つくし世代』という本には、若者たち

何年か前に私が出演したあるバラエティ番組で、"豚"が大議論になったことがある。お題は「肉じゃがに入れる肉は何ですか?」。スタジオの出演者は出身地別に東西に別れ、全国の視聴者から寄せられたアンケートの結果も交えつつ、正しい肉じゃがとは何かを語り合うという趣向。まあバラエティだし、それぞれのご家庭の味の思い出なんぞ も披露しなが

井上理津子さんは、「目と耳と魂のひと」だ。 その目で見てその耳で聞き、その魂で書く。井上さんは女一生の仕事として、最後に残るのは書き手の「人柄」という恐ろしいジャンルを選んだ。 井上さんの文章は構えがない。「よし、行くぞ」の前に走り出しているので、構えている暇がないのだ。敵が構えている間に斬っている。相手は斬られていることにも気づかないかもしれない。いや、斬

始まりは騒々しい街中。子どもの泣き声に夫婦喧嘩の嬌声、食欲をそそる鍋を振る音。息遣いを生々しく感じさせるこの街の騒音が、男は無性に好きだった。突然、音に溢れるこの街に、ひときわ大きな太鼓のリズムが鳴り響く。音の源へ急いだ男の目は一人の少女の踊りに奪われた。その舞は、これまでに見たどんなものよりも激しく、華麗だった。衝撃的な出会いから男と少女の間に恋が芽生える

自慢じゃないが、幸福の国ブータンについての本には造詣が深い。文献派なので、 2010 年の春にブータン旅行した前後に、手当たり次第にブータン本を読んだ。そのころは、まだそれほどのブータン本が出ていなかったので、手に入る本はほとんど読んだ。今は復刊されているが、当時は絶版であった、ブータン本の古典、中尾佐助の『 秘境ブータン 』も、高い古本を取り寄せて読んだ。

ややペダンチックな本ではある。でも美術好きにはたまらないだろう。なにしろ、扉絵がダ・ヴィンチから始まるのだから。光がない光源色としての黒、光の反射率がゼロですべての波長の光を吸収する物体色としての黒、黒は生命に敵対する色とも言われるが、世界の喪服には黒と白がある。また結婚式の礼服も白と黒。本書はこのように、極めて多義的な(両極端の意味とも結びつく)黒に捧げら

ハンチング帽を被ったおじさんが「吉田類」ですと名乗っても液晶画面越しに「誰だよ」と突っ込まなくなったのはいつからだろうか。「吉田類、下戸」の週刊誌報道に好きだったアイドルが結婚した時以上の衝撃を受けたのは私だけだろうか。 もはや新橋界隈で働くサラリーマンではゲック(月曜午後九時)といえばBS-TBSともいわれている人気テレビ番組「吉田類の酒場放浪記」でおなじ

人間誰しも、自分のことは実はよく分からない。第3者の目を通して、初めて自分のことがよく分かる。本書は、日本をこよなく愛するアメリカ人が、日本の景観を「国際的な目線」で、縦横に論じたものである。指摘が全て的確で痛快極まりなく、またそれだけに読み終えて、とても恥ずかしくなった。 日本で暮らしているとなかなか気がつかないが、「日本は電線・鉄塔の無法地帯」である(第

『 知ろうとすること。 』を読んで、僕の心に一番強く残ったのは、「トンデモ論に対して、正しいデータを出して、誠実で揺るぎない態度で撃破することが大切だ」という趣旨のところだった。まさにそれを文字通り実践した本に出合った。それが本書である。 「江戸しぐさ」については、昔、確か地下鉄の広告で見かけた記憶がある。「傘かしげ」「肩引き」「こぶし腰浮かせ」が3大江戸し

現在に不満な人は、未来に期待せず、過去を美化して懐かしむのです。歴史の中でもっとも捏造されやすいのは、庶民史と文化史なんです ああもうマッツァリーノ先生のおっしゃる通り。 日本は豊かにはなったが、肝心の心を失ってしまった、昔は貧しくとも大家族で笑顔でくらしていた、誇り高く礼儀正しく生きていた云々かんぬんが、近年やたらと目につくのである。 昔を懐かしんで楽しく

国連で働く女性職員をといえば、事務所の中ではパリっとしたキャリアスーツを着てパソコンを猛烈に叩き、難民キャンプや食料調査、医療現場では髪をひっつめにして笑顔で支援にあたる、という絵が思い浮かぶ。キャリアウーマンの頂点、超エリートだと思っていた国連職員。しかし真実の姿はちょっと違っているようだ。 著者の川内有緒は日本の大学を卒業後、アメリカに留学。その後、東京

ふだんから活字を読みすぎている方に、ここでちょっと一息。 本書は生涯忘れられない「一生に一度の極上の旅」を体験するために、今行くべき魅惑的な大都市や美しく雄大な大自然の数々を紹介している。ということは、残りの人生でどれだけの海外旅行にいけるか逆算できるガイド本でもある。 ナショナルジオグラフィックが誇る旅の達人とカメラマン達がつくるだけあって、世界400箇所

とても面白い本だ。「事実は小説より奇なり」という格言が本当によく実感できる。ロンドンに駐在していた時、日本から賓客が来られたら、よくクリヴデンにお連れしたものだ。ヒースロー空港に近く、豪華で典型的な貴族のカントリーハウスであったからである。現在はナショナルトラストが保有しているが、最後のオーナーがアスター卿であった。本書はそのアスター家の子爵夫人に仕えたメイ


生前から、死体を「有機物」と呼んでいた実直な無神論者の父(著者、サラはファと呼んでいた)が、癌との闘いを終えて旅立った後に残された手紙には「遺灰は旧友たちが眠るドーセットの村の教会の墓地に」と書かれていた。サラはとまどう。死んだ後はたんなる「有機物」と言い切っていたファが、なぜ最後の通過儀礼のようなものを重要と考えるに至ったのか。生と死の絆の意味を求めて、世

キューバを賞賛し理想的な未来を託す人たちは高度で無料な医療や教育、英雄チェ・ゲバラやフィデル・カストロを語る。一方で、キューバに怪訝な印象を持ったり、近代化の遅れを叱責する人たちは、旧ソ連及び社会主義陣営解体後の悲惨な経済状況、サトウキビの生産に頼った産業、左翼の理想郷として語る。中立的なところでは、オリンピックでメダル常連の野球、大リーグにも選手を数多く排

クラシックが好きな人間なら、バッハの「音楽の捧げもの」という名曲を少なくとも一度は聞いたことがあるはずだ。この曲は、老バッハがフリードリヒ2世の宮廷を訪ねた時、若き君主が与えた主題にバッハが曲をつけ、献辞をつけて献呈したと言われている。心温まるエピソードのように聞こえるが、著者は、王はバッハを困らせようとして、この主題を与えたのではないかと推論する。しかもそ

医師や救命士をはじめとした世界中の医療関係者による甚大な努力にもかかわらず、人類の死亡率は100%に留まっている 誰にとっても死は他人ごとでもあるかのように振り払いたくなるが、避けられない死。本書は、人が意識を失った後のできごと、「弔い方」を世界各地で探求した旅日誌である。 自分の葬儀を自分で計画することも突飛な時代ではなくなった。過去にはウィンストン・チャ

成毛眞 :本書は、おそらく世界中を見ても類書がまったくない、唯一無二の本。そのテーマからして他の追随を許さない、まさに「独走」状態の一冊だよね。であるからして、この本の最後に誰かがしたり顔して何か付け加えたって、蛇足もいいところで、むしろ本書の価値を落とすばかりだと思うんだ。そこで、われわれHONZが愛するこの世にも稀なる作品をせめて応援させてもらうため、代


中央アジアのキルギスという国は、北はカザフスタン、東は新疆ウイグル自治区、南はタジキスタン、西はウズベキスタンに囲まれた場所に位置しており、国土の面積は日本の約半分という小さな国である。 山や湖に囲まれたこの美しい国には、今なお続く信じ難い現実がある。それは仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させるというもの。キ

先日、六本木で食事をしたときに、約束の時間よりだいぶ早くついてしまったので、時間を潰そうと青山ブックセンターに立ちよった。するとこの本がレジのすぐ近くに平積みされているのをみて、タイトルに惹かれて即購入してしまった。さすがは外国人の多い街、六本木。 『正しいFUCKの使い方』って!タイトルが最高だ。今年No.1のタイトルではないだろうか。しかも正しい発音CD