ノンフィクションはこれを読め!

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419記事

『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』ドヤ顔で行ったら、浦島太郎だった 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ブロックチェーン、AIで先を行くエストニアで見つけた つまらなくない未来』ドヤ顔で行ったら、浦島太郎だった

表紙に、Mistletoeファウンダーで本書を監修している孫泰蔵氏の、「ドヤ顔でエストニアに行ったら、浦島太郎だった」という言葉があるが、本書の内容を思いきり短くまとめれば、そういうことだと思う。 日本と同じような課題を抱えながら、ブロックチェーン技術を活用して、ほぼ100%の電子政府を実現し、ユニコーンと呼ばれる評価額10億ドル以上のベンチャー企業を次々と

今週のいただきもの:2018年12月23日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年12月23日週

毎年恒例 今年の一冊 は、記事になるまで誰が何を選ぶのか全くわからないので、密かに(かなり)楽しみにしています。年末年始、時間のある時にぜひ、HONZメンバー選りすぐりの本を手にとってみてください。 さて、この時期はご馳走ばかりで、胃がもたれていませんか?そんな時おすすめなのが、葱と豚だけのしゃぶしゃぶです。温めた出汁に、細切りした白葱(白髪葱カッターが便利

『核兵器』極小の世界が生み出す、極大の破壊力のメカニズム 書影

サイエンス / 著者自画自賛

『核兵器』極小の世界が生み出す、極大の破壊力のメカニズム

本の著者が、自著を褒めまくる「著者自画自賛」のコーナー。第二回目は『核兵器』の著者、多田 将さんにご登場いただきます。人類史上最強の兵器と言われる核兵器、このテーマで執筆しようと思ったのは何故なのか? そして本書の読みどころは、どこにあるのか? 抑制の効いた筆致の中にも、著者の自信が伺えます。(HONZ編集部) 僕は、何事につけても、「最大」「最強」「究極」

実録自伝!旧ソ連の女ゴルゴ13 ”最高の女性狙撃手 レーニン勲章を授与されたリュドミラの回想” 書影

人物 / おすすめ本レビュー

実録自伝!旧ソ連の女ゴルゴ13 ”最高の女性狙撃手 レーニン勲章を授与されたリュドミラの回想”

すごい本だ。もしこれが小説なら、荒唐無稽と片付けられてしまうに違いない。ノンフィクションの醍醐味をこれほど味わえる本はない。今年最高の1冊と断言しよう。 旧ソ連、ウクライナ生まれの女性狙撃手、 リュドミラ・パヴリチェンコ の自伝である。軍需工場で射撃の経験があったリュドミラは、ドイツ軍のソ連侵攻の翌日、狙撃兵としての入隊を志願する。軍における女性の仕事は衛生

『文系と理系はなぜ分かれたのか』単純だが、悩ましい分類のこれまでとこれから 書影

サイエンス / 教養・雑学

『文系と理系はなぜ分かれたのか』単純だが、悩ましい分類のこれまでとこれから

理系か文系か、この二分法は、日常に浸透し、まるで血液型のように、はじめて会う人同士の話題になることが多い。そして、文系であるか理系であるかでレッテルを貼り、個人を理解しようとする。Wikipediaの「文系と理系」というページで展開されている「文系と理系を巡る観念的な印象」は、その代表例である。 4.1数学のできない「普通の」文系、それ以外の「特殊な」理系

『行列日本一 スタミナ苑の 繁盛哲学』ホルモンを制する者は、焼肉業界を制す 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『行列日本一 スタミナ苑の 繁盛哲学』ホルモンを制する者は、焼肉業界を制す

もうかれこれ30年くらい前になるだろうか、料理評論家の山本益博さんが食のコラムに、「日本一美味い焼肉屋を見つけた!」と、スタミナ苑のことを書いていた。 こう言われて行かない訳には行かないだろうということで、当時まだ大企業に勤めるサラリーマンだった私は、肉好きの後輩を連れ立って行ってみた。 その時の衝撃は今でも忘れられない。カルビ、ロースなどの特上の肉から、レ

『極夜行』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

教養・雑学 / 併せて読まれたこの一冊

『極夜行』を買ったのは、どういう人たちなのか?

今年、Yahoo!ニュース/本屋大賞ノンフィクション本大賞という新たなノンフィクションの賞が創設されました。相次ぐノンフィクション掲載誌の休刊なども重なりノンフィクションの危機が叫ばれている中、ネットメディアが創設したこの賞は大きな意味を持つものになるでしょう。 この賞の第1回の受賞作『極夜行』は、受賞をきっかけとして大きく部数を伸ばし世の中に広がりました。

死とどう向き合うべきか──『現代の死に方: 医療の最前線から』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

死とどう向き合うべきか──『現代の死に方: 医療の最前線から』

特に病気をしているわけではないのだけれども、自分ももう若くはないせいか、死ぬことについて考えることが増えた。はたして、自分は余命宣告されて、それをスッと受け入れられるだろうか。治療方針や、諦めどころなど、難しい決断を迫られて対処できるだろうか。ただ何も出来ずに生きながらえるだけは嫌だと思うが、死を前にしてそれが自分にいえるだろうか、などなど。 死は一つだが死

『ホンダジェット 開発リーダーが語る30年の全軌跡 』 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『ホンダジェット 開発リーダーが語る30年の全軌跡 』

「ホンダジェット」は、バイクや自動車のメーカーとして有名なあのホンダが、初めて市場に送り出した飛行機である。斬新なデザイン、美しい仕上げと塗装、ライバル機の群を抜く性能。デビュー初日にいきなり100機以上売れ、「航空界のノーベル賞」ともいうべき権威ある設計賞を総なめにした。一言でいえば、誰もが認める傑作機だ。 その「ホンダジェット」についての本格的なノンフィ

『空をゆく巨人』国境を越えた友情を追う 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『空をゆく巨人』国境を越えた友情を追う

第16回開高健ノンフィクション賞受賞作は川内有緒『空をゆく巨人』に決定した。 ノンフィクション好きはこの作者の名に見覚えがあるかもしれない。『バウルを探して地球の片側に伝わる秘密の歌』(現『 バウルの歌を探しにバングラデシュの喧騒に紛れ込んだ彷徨の記録 』幻冬舎文庫)で第33回新田次郎文学賞を受賞した実力派なのだ。バングラデシュの「バウル」という吟遊詩人を追

今週のいただきもの:2018年12月16日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年12月16日週

年末ということで少し贅沢をしようと、すき焼きを食べました。すき焼きは関東と関西で食べ方が異なりますね。関東では、わりしたで肉や野菜を一緒に煮込みます。一方、関西では、熱した鍋で牛脂を溶かして肉を焼き、醤油や砂糖で味付けます。先に肉を食べてから野菜を入れるのが主流で、わりしたを使いません。 すき焼きのレシピは、各ご家庭こだわりのものがあると思います。そこで、今

『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』人類史の最新トピック「人新世」問題とは? 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『サピエンス異変 新たな時代「人新世」の衝撃』人類史の最新トピック「人新世」問題とは?

本書『サピエンス異変』は、「人新世」問題を大胆に提起したノンフィクションPrimate Change: How the world we made is remaking us(Cassell, 2018)の日本語訳である。 2018年9月にイギリスで刊行された本書は、ガーディアン紙に「壮大なスケールで人類史を描いた」と賛辞を寄せられ、フィナンシャル・タイム

『日本史で学ぶ経済学』趣味としての教養で心豊かに 書影

教養・雑学 / 日本史

『日本史で学ぶ経済学』趣味としての教養で心豊かに

ここ数年、リカレント教育や「社会人の学び直し」という言葉を聞くことが増えてきた。文部科学省や厚生労働省が予算を付けはじめたことで、大学の公開講座や社会人向けの大学院も増えている。スキルアップや転職に備えて、最新のビジネス知識やテクノロジーを学び直すのが目的だろう。一方で、総合的な教養を学び直したいというニーズもあるようだ。 フェイスブックの投稿を見て、己の教

生きて帰らなければなりません、絵を描くために『無言館――戦没画学生たちの青春』 書影

アート・スポーツ / 社会

生きて帰らなければなりません、絵を描くために『無言館――戦没画学生たちの青春』

秋晴れの澄んだ青空に映えて、赤や黄色に色づいた木々の葉がまぶしい。小高い丘を登りきり、小さな盆地を見下ろす高台に建つ飾り気のないコンクリートの建物――それが、無言館だった。 先月、長野県上田市を訪れた私は、せっかく来たのだからと、ガイドブックに載っていたこの小さな美術館まで足をのばした。その受付で販売されていたのが、1992年に単行本として刊行され、今年にな

『フェルメール』写真家・植本一子のフェルメール「全点踏破」の旅 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『フェルメール』写真家・植本一子のフェルメール「全点踏破」の旅

まだ肌寒い3月、成田空港から11時間のフライトを経て、あなたはオランダ・アムステルダムに降り立った。隣には写真家の植本一子さんがいる。ここからあなたの旅が始まる。オランダ・ドイツ・オーストリア・アイルランド・イギリス・フランス・アメリカー7カ国14都市、17の美術館を巡る旅。全部で35作品、あなたはフェルメールに会いに行く。 あなたはフェルメールについて、ど

『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』哲学界の「ロックスター」が語る、世界が存在しない理由 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』哲学界の「ロックスター」が語る、世界が存在しない理由

本書は、「欲望の資本主義」「英語でしゃべらナイト」「爆問学問」「ニッポンのジレンマ」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー」など、異色の番組を次々と世に送り出してきた敏腕プロデューサー丸山俊一の手による、ドイツの若き天才哲学者マルクス・ガブリエルのドキュメンタリー番組「 欲望の時代の哲学~マルクス・ガブリエル 日本を行く~ 」を、一冊の本にまとめたも

異なる道筋で進化した「心」を分析する──『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

異なる道筋で進化した「心」を分析する──『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』

タコというのはなかなかに賢い生き物で、その賢さを示すエピソードには事欠かない。 たとえばタコは人間に囚われている時はその状況をよく理解しており、逃げようとするのだが、そのタイミングは必ず人間が見ていない時であるとか。人間を見ると好奇心を持って近づいてくる。海に落ちている貝殻などを道具のように使って身を守る。人間の個体をちゃんと識別して、嫌いなやつには水を吹き

『50 いまの経済をつくったモノ』経済学の視点から技術を見つめる一冊 書影

教養・雑学 / ビジネス

『50 いまの経済をつくったモノ』経済学の視点から技術を見つめる一冊

人類が発明した50のモノを、洗練された筆致で書き綴った、気軽な読み物だ。取り上げられているのは「コンクリート」や「紙」など手で触れられるものから、「経営コンサルティング」や「不動産登記」など目には見えない社会制度までと幅広い。 それぞれの章は独立していて読み切りだ。たとえば「電池」の章では、19世紀ロンドンで絞首刑にあった罪人の逸話から、電池が発明された18

今週のいただきもの:2018年12月9日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年12月9日週

ここ数日グッと寒くなり、いよいよ年末感が出てきましたね。クリスマスやお正月には、特別な食事をとる方も多いのではないでしょうか。そんな時、エビは見栄えのする良い食材です。 頭のついたエビは美味しそうに見えますが、鮮度を求めるならおすすめできません。エビは死ぬとすぐに、消化器内の酵素が身に流れ出し、やわらかくなってしまいます。身の劣化を遅らせるためには、できるだ

『(あまり)病気をしない暮らし』(略称:あま病)を読んで健やかに! 書影

医学・心理学 / 著者自画自賛

『(あまり)病気をしない暮らし』(略称:あま病)を読んで健やかに!

自己肯定感の強い男、と周囲から言われ続けている。まぁ、そんな気がしないでもない。しかし、多々異論はあるだろうけれど、主観的にはけっこう謙虚だと思っている。謙虚と自己肯定は必ずしも排他的ではない。謙虚にして自己肯定感がつよい。素晴らしいではないか。と、まぁ、こういうことを書いたりするから、やっぱり自己肯定男と思われるのである。 信じてもらえないだろうが、かなり

ナニワの病理学教授の本! 『(あまり)病気をしない暮らし』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

ナニワの病理学教授の本! 『(あまり)病気をしない暮らし』

『こわいもの知らずの病理学講義』が7万2千部に! ということでウハウハだという大阪のおっさんこと、ナニワのレビュワー仲野徹先生の新刊登場! 「2匹目のドジョウを狙う」と公言する今回は、ダイエットフェチとしての極意から、お酒との賢い付き合い方、風邪をひいたらどうするか、そしてがんにならないための生き方に至るまで、病気と健康をテーマに笑い語ります。 あのナカノ先

『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる 』音楽家の役割は、顧客を創造すること 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる 』音楽家の役割は、顧客を創造すること

今年読んだ新書の中で、文句なしにNo.1の一冊。平易な文章で書かれ、分量もコンパクトだが、奥が深い。 昨年、『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』がヒットして以来、教養とビジネスの関係に注目が集まっているが、本書もまた同様の趣きをもっていると言えるだろう。 著者の片山杜秀氏は、クラシック音楽の歴史を追いながら、顧客が誰であったかという点にフォーカスを当て

「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」の発明家が綴る『無駄なことを続けるために -ほどほどに暮らせる稼ぎ方-』 書影

アート・スポーツ / 人物

「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」の発明家が綴る『無駄なことを続けるために -ほどほどに暮らせる稼ぎ方-』

「歩くたびにおっぱいが大きくなるマシーン」「インスタ映え台無しマシーン」「全ての者が裸に見えてしまうメガネ」「土下座しても悔しくならない無駄装置」「一人でもコックリさんが出来る装置」など、200以上の「無駄なもの」をつくり、 YouTubeで6万人以上 、 Twitterで5万人 近いフォロワーを誇る、発明家の藤原麻里菜さん。 本書『無駄なことを続けるために

『地面師』積水ハウスはなぜ55億円を騙し取られたのか 書影

社会 / 事件・事故

『地面師』積水ハウスはなぜ55億円を騙し取られたのか

2016年10月、東京・新橋の歓楽街の一角。資産家の女性の白骨遺体が発見された。自宅と隣家のせまい隙間に、うつぶせに倒れていた。これだけでも十分きな臭いが、驚くべきことに彼女の土地は何者かによって転売されていた。 地主になりすまして、不動産をだましとる「地面師」の存在は古くて新しい。戦後の混乱期やバブル期に暗躍し、アベノミクスで沸くここ数年、再びうごめき始め

『アナログの逆襲 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『アナログの逆襲 「ポストデジタル経済」へ、ビジネスや発想はこう変わる』

いま、さまざまな分野でアナログの魅力が再注目され、ヒットしている。たとえば、音楽でもCDの売上は落ち込む一方なのに、アナログ・レコードは世界的に人気が高まっており、売上も大きく伸びている。 こうした現象が興味深いのは、アナログ人気がけっして過去を振り返るノスタルジーではないことだ。今日のアナログ・ブームを牽引しているのは、幼い頃からデジタルに慣れ親しんでいる

巨人の肩に乗って 『感動の創造 新訳中村天風の言葉』 書影

人物 / おすすめ本レビュー

巨人の肩に乗って 『感動の創造 新訳中村天風の言葉』

平成最後の年間ベストセラーリストが発表された。メディアでは、当代のベストセラーを振り返る報道が相次いでいる。ここでは、平成のミリオンセラー『超訳ニーチェの言葉』『嫌われる勇気』『漫画君たちはどう生きるか』の振り返りから入りたい。 この三冊は、偉大な哲学者(ニーチェ)や心理学者(アドラー)などの思想を、今の人に伝わるように表現を工夫したものだ。時代の空気を読み

今週のいただきもの:2018年12月2日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年12月2日週

先日、ラ・フランスをたくさんいただいたので、マリネにしたり、ソースにしたりと贅沢な食べ方をしています。1903年、日本に初めて輸入された目的は、食用ではなく受粉だったことを思えば、ラ・フランスを十二分に味わっていると言えるでしょう。 ラ・フランスをオリーブオイル、紅茶の茶葉、レモンで和えたマリネも美味しかったのですが、ボークソテーのソースにしたのは絶品でした

『貧困脱出マニュアル』本当にハングリーなやつは夢を見ることも許されない! 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『貧困脱出マニュアル』本当にハングリーなやつは夢を見ることも許されない!

貧困は罪悪であり、病である。すべての悪の根源である。 タカ大丸は英語同時通訳・スペイン語翻訳者のポリグロット(多言語話者)である。テレビ出演も多いのだが、視聴者から「見た目が怪しい通訳」と言われているそうだ。だがその実力は折り紙付きである。2015年 『ジョコビッチの生まれ変わる食卓』 でグルテンフリーという食事の概念を紹介し、その後、大ブームとなったのはご

『「日本の伝統」という幻想』時代の変わり目を前にして 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『「日本の伝統」という幻想』時代の変わり目を前にして

平成の終わりが近づいている。といっても、元号が変わるだけで、生活にドラスティックな変化が訪れるわけではない。が、それでも、平成の世、もっと言えば日本がたどってきた道のりに思いを馳せてしまう人は多いのではないか。受け継がれてきた行事や慣習も一つの節目だ。どんな時代が来ようと大切に守っていかねばならない、でも中にはなんかモヤモヤするものもある――もしかしたら、今

『美酒復権』NEXT5のその先へ 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

『美酒復権』NEXT5のその先へ

「NEXT5」というグループをご存じだろうか?日本酒が好きな人ならきっと一度は耳にしたことがあるだろう。ゆきの美人の小林忠彦。白瀑(山本)の山本友文。福禄寿(一白水成)の渡邉康衛。新政の佐藤祐輔。春霞との栗林直章。秋田の蔵元5人が2010年に結成した蔵元集団である。共同で醸造酒をつくり、酒造りを研究し、技術と精神を切磋琢磨している醸造家集団だ。 2014年か

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

社会 / 併せて読まれたこの一冊

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』を買ったのは、どういう人たちなのか?

年の終わりを待たず一足早く、年間ベストセラーが発表されましたが、今年は大人向けのノンフィクションは上位にランクインするものが少なく苦戦の年となりました。 そんな中、勢いを見せるのがユヴァル・ノア・ハラリの『ホモ・デウス』です。 著者のデビュー作『サピエンス全史』は2016年~2017年の年初に大きな話題になり、歴史・人類学ジャンルの本としては異例のヒットを記

『深淵の色は 佐川幸義伝』ー合気武術の深奥に触れる津本陽の遺作 書影

アート・スポーツ / 人物

『深淵の色は 佐川幸義伝』ー合気武術の深奥に触れる津本陽の遺作

2018年5月26日、多くの武道小説を書き続けてきた津本陽が急逝した。本書はその遺作となったの、合気の達人「佐川幸義」の評伝である。 異色であると同時に大変な力作であるこの本は、武術の極意を小説で表そうとした小説家が、実際に合気という神技の深奥に触れた感動が正直に語られていく。 津本が、大東流合気武術の祖である武田惣角の弟子であり、天才武術家として名を馳せて

今週のいただきもの:2018年11月25日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年11月25日週

おでんが美味しい季節ですね。おでんは室町時代に流行した「豆腐田楽」に由来します。豆腐田楽は、豆腐を拍子木型に切り、竹串を刺し、味噌をつけて焼いた料理です。田楽とは豊穣祈願の舞のことであり、この舞の姿に似ていることから名付けられました。江戸時代には、豆腐だけではなく、茄子やこんにゃく、魚と種が増えていきます。銚子や野田で醤油の醸造が盛んになると、醤油味の煮込み

『魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行動するか』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『魚たちの愛すべき知的生活―何を感じ、何を考え、どう行動するか』

陸に生きるわたしたちがなかなか目にすることのできない魚の世界。水のなかに棲む魚たちはいったいどんなふうにこの世界を知覚し、どんな工夫を凝らして生きているのでしょうか。 サケが生まれた川に帰ることやマグロが海を回遊していることは有名ですが、サケが母川のほんの微量なにおい物質を嗅ぎつけてたどっていくこと、マグロが対向流熱交換システムで体全体を温め、冷たい水のなか

『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』墓からみた日本人と企業 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』墓からみた日本人と企業

長いこと本を読んでいると、性格が素直じゃなくなる。新しい本を手に取っても、「この手のテーマ、前も読んだことあるな、フン!」などとついつい思ってしまうのだ。すれっからしもいいところである。 だがこの本には驚かされた。まさかこんな切り口があったとは!『ルポ企業墓 高度経済成長の「戦死者」たち』は、文字通り企業が建立した「企業墓」をテーマにしたノンフィクションだ。

『日本4.0 国家戦略の新しいリアル』エドワード・ルトワックによる新提言 書影

教養・雑学 / 社会

『日本4.0 国家戦略の新しいリアル』エドワード・ルトワックによる新提言

米戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問で戦略家のエドワード・ルトワックの新刊である。前著『戦争にチャンスを与えよ』は紛争が長引く原因として、人道的支援という美名の下で国際社会が紛争に早期介入するためだという、口にしがたい現実を鋭く指摘して話題になったので、記憶している方も多いのではないだろうか。 前著の内容を知らず「それはどういうことだ?」と疑問に感じた人

『人体はこうしてつくられる―ひとつの細胞から始まったわたしたち』は、ヒトの発生を知るための決定版だ! 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『人体はこうしてつくられる―ひとつの細胞から始まったわたしたち』は、ヒトの発生を知るための決定版だ!

我々の体は、250~300種類、37兆個にもおよぶ細胞からできている。しかし、その複雑な構造は、精子と卵子が融合してできた受精卵たった一個からつくられてくる。受精卵が分裂し、さまざまな機能を持つ細胞へと分化し、適材が適所へと移動する。そして、相互に作用しならがさまざまな生命機能を営んでいる。 不思議だとは思われないだろうか。外部から栄養分が与えられるとはいえ

『脳と時間: 神経科学と物理学で解き明かす〈時間〉の謎』全方位から迫ればわかるのか、わからないのか 書影

サイエンス / 医学・心理学

『脳と時間: 神経科学と物理学で解き明かす〈時間〉の謎』全方位から迫ればわかるのか、わからないのか

英語で最も頻出する名詞は「time」である。 いっぽう、時間をどう定義するかについての見解は一致していない。 時間という単語にはさまざまな意味が含まれているが、文章の中や日常の会話で、異なる意味を意識して使い分けることはほとんどない。下記の文章には「時間」という単語が3つ登場する。 時間の性質についてのミンコフスキーの講演は時間どおりに終わったが、長い時間が

『Factfulness(洋書)』なぜ世界はあなたが思っているよりベターなのか? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『Factfulness(洋書)』なぜ世界はあなたが思っているよりベターなのか?

”Factfulness: Ten Reasons We're Wrong About the World—and Why Things Are Better Than You Think(ファクトフルネス:我々が世界を見誤る10の理由ーなぜ世界はあなたが思っているよりベターなのか?)”は、ビル・ゲイツが「これまで読んできた中で最も重要な本のひとつ(One