
『量子力学で生命の謎を解く 量子生物学への招待』 生命は量子の力を利用しているのか?
量子力学が描き出す世界はあまりに奇妙だ。量子は波であると同時に粒子であり、壁をすり抜けることができ、いったんペアになった粒子同士はどれだけ遠く離れていても瞬時にコミュニケーションが取れるというのだから、すんなり納得することのほうが難しい。どれだけ信じ難くとも量子力学を支える科学的証拠はゆるぎなく、論理的にも強固である。DVDもMRIもスマホも量子力学がなけれ
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量子力学が描き出す世界はあまりに奇妙だ。量子は波であると同時に粒子であり、壁をすり抜けることができ、いったんペアになった粒子同士はどれだけ遠く離れていても瞬時にコミュニケーションが取れるというのだから、すんなり納得することのほうが難しい。どれだけ信じ難くとも量子力学を支える科学的証拠はゆるぎなく、論理的にも強固である。DVDもMRIもスマホも量子力学がなけれ

先週末は、広島へ旅行に行ってきました。お好み焼きや牡蠣、穴子そして焼きたてのもみじ饅頭!美味しいものがたくさんあり、肥えて帰ってきたことは言うまでもありません。 世界遺産として原爆ドームや宮島が有名ですが、広島に行ったらぜひ訪れてほしいのが 村野藤吾 設計の「 世界平和記念聖堂 」。コンペで建設案を募集し、当時すでに名声のあった 丹下健三 や 前川國男 が入

今週はノーベル賞発表などの大型ニュースもあり、日本中が沸いた一週間となりました。 なかでもHONZが色めき立ったのは、大村智先生の受賞です。なんと3年以上も前に『大村智 2億人を病魔から守った化学者』の書評が出ていたのです。当時、「誰や? このオッサン(書いている方も、書かれている方も)」と思ったことを、心の底からお詫びしたいと思います。 「面白そう!だけど

第三帝国の終焉が近づきつつある、1944年11月26日。フランスのストラスブールでは連合軍とドイツ軍が激しい砲火をまみえていた。そんな戦況の中、都市の中心にある豪華なアパルトマンの一室では、数人の科学者が一心不乱に書類を読み漁っていた。アメリカ人の粒子物理学者ゴーズミットが率いるこの特殊チームはアメリカよりも先進的な研究成果を持っていると考えられていたナチの

深遠な海の中に身を沈めれば、無重力の浮遊感。 目の前には鮮やかな魚達が横切り、好奇心旺盛なイルカや色とりどりのサンゴ礁、人間よりも遥かに大きく愛嬌のあるマンタやジンベエザメなど。ダイビングは、陸上では味わえない世界を堪能できる。 一方、太平洋戦争時の旧日本軍の重要拠点であるミクロネシア連邦チューク州。旧トラック諸島と呼ばれたこの地は空襲により 2 日で壊滅し

まずは下の写真を見て欲しい。これは「人物を撮る」ように言われた二人の被験者が撮影した写真だ。撮影した二人のうち、一人はアメリカ人、もう一人は日本人である。どちらの写真がどちらによって撮られたものか、お分かりだろうか。 多くの人が正解を予想できたのではないかと思うが、左がアメリカ人、右が日本人によって撮影された写真である。複数の被験者に対して行われたこの実験に

2015年3月21日、「世界ダウン症の日」が制定されてから10年目の記念に「ONE+LOVE WORLD」というイベントが、かめありリリアホールで行われた。これは若い世代に歌とダンスを通じて、ダウン症のある子たちのありのままの姿を見てもらおうと企画されたものだ。プロのシンガーやダンスチーム、有名なキッズダンサーとともに、本書の主人公である「ダンスチーム LO

読み始めると小学校の時、夢中になったドリトル先生を思い出し、時間を忘れてしまった。図鑑を見ながら憧れていた動物園の飼育員。この本の中には私の幼いころの夢がぎっしり詰まっている。 最近、結婚して子供が生まれ久しぶりに動物園に行ったという友人は、昔とずいぶん変わっていて驚いた、と話してくれた。 狭い檻の中に閉じ込められていたライオンや、長い鎖をつけられて杭に繋が

人々の行動を支配しているルールは存在しているのか。 組織での情報はどのように広がり、どのようにしてアイデアは広がっていくのか。創造的な社会構造を指し示すことは可能なのだろうか。これまでのところ、人間の行動は自由意志によってコントロールされており予測することは困難だというのが常識だった。 その状況が今、変わりつつある。近年はメールが、SNSが、身体に装着する記

「面白そう!だけど買えないっ!」でおなじみの このコーナー 。始まってから、はや4ヶ月の月日が経ちました。1年の約1/3もの間「伝説の奥義ガー」とか書き続けてきたのかと思うと、我ながら何をやっていたのだろうという思いは尽きません。 それではSOLD OUTになった書籍とともに、伝説の奥義を紹介していきましょう! * 冬木糸一 と 私のクロスレビュー になった

陰暦で10月のことを神無月と言いますね。一説にはこの時期、全国の神々が出雲大社に集まり、 諸国に神がいなくなることから「神無月」となったそうです。 反対に出雲国(島根県)では「神在(有)月、かみありづき」と呼ばれています。 神様たちは出雲に集まって何をしているのでしょうか? 人には予め知ることのできない人生諸般のこと=神事(幽業、かみごと)を神議り(かみはか

本書は、精神を病んだ人を説得し医療につなげる「精神障害者移送サービス」に従事する著者がまとめた本だ。生命の危険を伴う仕事であろうことは想像に難くないが、全体の半分以上をしめる第1章「ドキュメント」では、想像をはるかに上回る壮絶な事例が多数紹介されている。その文章は、第三者によって安全な所から書かれたものとは違い、対象者の回復を願い行動を共にしている著者の目線

著者のランド・ポール上院議員は、アメリカで最も注目を集める気鋭の政治家の一人である。 2011年に初当選したばかりの新人議員ながら、2016年共和党大統領選候補世論調査で「大統領にしたい政治家ランキング1位」に七度も輝き、ワシントンの政治アナリストたちを大いに驚かせた。また、タイム誌の「世界で最も影響力のある100人」に2013年から2年連続で選ばれるなど、

肥満の解決方法は、それほど複雑なものではない。食事の量を減らし、適切な運動を行えばよいのだ。しかしながら、世界中で多くの人々が肥満とそれがもたらす2型糖尿病などの病に苦しんでいる。解決方法が明らかなのにその実行が困難なのは、美味しく高カロリーな食事が街に溢れ、身体をほとんど動かすことなく一日を終えることができるほどにテクノロジーが発展したからだ。 なぜ、わた

少子高齢化に悩むわが国では、ようやく人口政策の是非が議論され始めた。しかし人口問題は難度が高い。昨年 「人口の世界史」 (マッシモ・リヴィ‐バッチ)という人口問題を考える上で極めて示唆に富む良書が出版されたが、20万年の人口変遷史を記述した本書もそれに劣らない出来栄えだ。 20万年前(世界人口5千人、以下同じ)に、東アフリカで誕生したヒトの出生と死亡の原像は

インテリジェンス・オフィサーは語らず――。 情報の世界でながく語り継がれてきた箴言である。 機密情報に携わる者たちは沈黙を守り抜き、自らを厳しく律してきた。決して情報源を明かさない。これこそが彼らの至高の掟なのである。どのように情報を入手したかが露わになれば、相手側に災厄が及んでしまう。時には人命まで喪われる。それゆえ、情報を生業とする者は一切を墓場まで抱え

2014年の流行語に「ありのままで」が選ばれたことは記憶にあたらしい。それは現代社会が「ありのままでは生きづらい」ことの裏返しとも言えるだろう。本書は、東京大学東洋文化研究所の教授が、“男性装”をやめ、“女性装”を始めたことで、50代になってようやく「ありのままの自分」を見つけた、その過程と考察がまとめられている一冊である。 いわゆる“トランスジェンダー”(

「小用も座ってしてください」。先日、親族宅でこのような張り紙を見て、怒りを爆発させた。なんで一般家庭にこんな張り紙があるんだ!馬鹿野郎、日本男児は立ってするんだよ!女性や外国人が座ってしても、俺は立つぞ、立つんだ。 本書を読むと、自分の認識が浅はかであったことを思い知る。立ってすることにこだわったことに対してではない。日本男児でなくても、ついこの間まで、女性


「癒しを求めて」 「極上のセカンドライフを楽しむ」 「ゆったりと海外生活」 パンフレットには謳い文句が踊る。東京ビッグサイトの会場で行われた「ロングステイフェア2012」には、海外移住を考える大勢の高齢者が詰めかけていた。著者が到着した午前10時の時点で、入口にはすでに行列ができあがっていたという。 東南アジアの人気は根強い。年金の範囲である程度充実した生活

たとえば宇宙、あるいは深海、もしくは辺境。人類は未知の世界に魅了され、フロンティアを切り開いてきた。だが我々の日常には、もはや冒険すべきフロンティアは残されていないのだろうか。 材料科学という研究に従事してきた著者は、マンションの屋上から見えるありふれた風景を材料という視点から見つめ直すことにより、既知の世界をフロンティアへと変える。 文明とは煎じ詰めれば材

本を読んでいる時の紙。家で、仕事場で、ショーケースで、どこにでも存在しているガラス窓。口に含むまでは固形物なのに口に入れるとすぐにとろけるチョコレート。構造物の基礎としてあらゆるところに存在している鉄筋コンクリート。身近で日々接しているというのに、あまりにも当たり前に存在しているのでその凄さや来歴を特段意識したりはしないものだ。 コンクリートとはいったいどの

『 フィラデルフィア染色体 』と聞いても、医学関係者以外は何のことかわからないだろう。血液細胞の「がん」のひとつである 慢性骨髄性白血病 (CML)において認められる異常な染色体の名前である。その染色体の発見から、CMLに対する夢の特効薬がどのようにして開発されたかを丁寧に描いたのがこの本だ。 1959年、フィラデルフィアのがん研究者と「染色体おたく」が共同

著者の大河内直彦さんは 海洋研究開発機構 ・生物地球化学部門のリーダーであり、この分野では日本を代表する科学者の一人だ。そのかたわら気候変動や地球科学に関するポピュラーサイエンス、すなわち科学読み物の作家としても出版界では注目が集まっていた。気候変動の謎に迫った『 チェンジング・ブルー 』が硬派な大部であるにもかかわらず、非常に評価が高かったからだ。 現役の

イタリア料理店で働いていたことがあるのですが、前菜としてよく注文されるのがカルパッチョ。日本人は本当に魚好きだなと思います。 カルパッチョと聞くと魚料理をイメージしますが、元は生の牛肉にパルミジャーノ(チーズ)をかけた料理のことなんです。イタリアの画家カルパッチョが好んだことに由来します。 しかし、日本ではあまり好まれなかったため、魚を使って作ってみたところ

そんなときでも、この本さえあれば、もう大丈夫。 ……って、「普通じゃ~ん」と思ったあなた、い~えいえ違うのです。これは互いの腰に負担をかけず、犬が暴れてもキックされにくく、万が一、落としても着地の危険が少ない、という、じつに考え尽くされた持ち方なのだ。 これで、通りかかった配達のお兄さんから台車を強奪する必要もなくなった。本当によかった、この本があって!!

本書は、スタンフォードのコンピューター言語学者が、食の言語を手掛かりに人類史を探究するという異色の一冊である。そして「食と言語」と聞いて黙っていられなかったのが、辺境をこよなく愛するノンフィクション作家・高野秀行さん。食べ物の語源に舌鼓を打ちながら、いつしか現在取材されている納豆の話へ。本書の巻末に掲載されている、高野さんのエッセイを特別掲載いたします。(H

『ゼロからトースターを作ってみた結果』は変わった本である。軽快な文章と興味深い数々の写真から、多くの知識を与えてくれる本だとも言える。ある種の感動も与えてくれる。だがそれよりも、読後、世界の見え方を変えてしまうところにこの本の特徴がある。一読した読者は、世界が微妙に変わっていることに気がつくだろう。身の回りの鉄製品やプラスチック製品、各種の工業製品への感性が

戦後70年。この年月は、長いのだろうか。短いのだろうか。記憶をとどめる時として。記憶を伝える時として。 「まだまだ忘れてはならない」という声と、「もうそろそろ忘れたい」という声と。 そもそも何を記憶し何を忘却すべきなのだろうか。あの時代になにが起こっていたのかを総覧するのに、70年は長いのか、短いのか。 有史以来、庶民がもっとも貧困に喘いだのは、このときであ

書店で料理本のコーナーをのぞくと百花繚乱。単身者向け、若いご家庭向け、年配の御家庭用。あるいは節約、時短、作り置き。目についたものを買ってみるのだが、実際に使うとなると決まった料理研究家のものになるから不思議である。 私にとって「作ってみる度」が高いのが土井善晴さんのレシピだ。シンプルで、なんの衒いもない、誤解を恐れずにいえば「ありふれたレシピ」なのに、出来

私たちは一線を引いたのではなかった。私たちは怖れを知らないのではなく、力がなかったのだ。壊滅的な破綻を防ごうとして失敗したのだ。 アメリカ史上最大規模となったリーマン・ブラザーズの破産申請を、当時の米国財務長官である本書の著者ティモシー・ガイトナーは、このように振り返る。しかしながら、当時のマスコミの多く、左派の《ニューヨーク・タイムス》から右派の《ウォール

日本では馴染みがないが、神経犯罪学=neurocriminologyという分野がある。犯罪の原因には社会環境的な要因だけでなく、生物学的要因が密接に関わっているのではないかという見地から、遺伝的要因、胎児期・周産期の影響、外傷を含む後天的脳障害、自律神経系の異常、栄養不良や金属などの脳への影響などを研究する学問だ。 一般に凶悪な犯罪が起こった場合、虐待などを

読みどころ豊富なビジネス書である。ひとつのメッセージだけをパッケージにした軽い読後感のビジネス書とは、一線を画している。その読みどころはどれも質が高く、どれから紹介するか迷ってしまうほどである。でも、それを統べるのが「ドラマ思考」というキーワードだし、おそらく皆様もそれが何かを知りたいと思うので、まずは、そこから説明したい。 少し前に「プラス思考」が流行した

「本書を手に取ったあなたに最初にしてほしいこと。それは日本の地図を描くことである」という書き出しに、どきりとした。学校時代、地理は得意科目ではなかったからだ。それでもとにかく頭に浮かべたのは、天気予報でおなじみの、海を背景に日本列島の輪郭が取られたあの図だった。 ほどなく、私がそんな図を思い浮かべたことを著者がずばりと当てたのでもう一度どきりとした。どうして

「面白そう!だけど買えないっ!」でおなじみの このコーナー 。更新をサボっていたら、すっかり秋めいて参りました。秋といえば、まもなくプロ野球のドラフト会議が開催されます。かつて「空白の一日」などで世間を賑わせたドラフト、今年はどんなドラマが繰り広げられるか楽しみですね。 ところで我々SOLD OUT業界にも、「空白のSOLD OUT」という現象があることをご

今週の水曜日は「成毛眞還暦 インスパイア設立15周年 感謝の会」が催されました。 成毛は着なかったのですが、還暦と言えば赤いちゃんちゃんこ。どうしてなのでしょうか? 還暦とは 十干 と 十二支 を組み合わせた 干支 が一巡し、生まれた年の干支に戻ること。 一種の生まれ直しであるとも考えられているんです。 また、赤には魔除けの意味があり、昔は産着に赤が使われて

「死ぬ前に何を食べたいですか?」ありがちな質問だ。誰もが考えたことがあるかもしれない。しかし、それはあくまでもフィクションとしての質問にすぎない。遠からず死ぬという状況の中で考えるのと、元気な状態でフィクションとして考えるのは根本的に違うのではないだろうか。この本は、フィクションではなく、そのリアリティーが描かれた本だ。 淀川キリスト教病院 といえば、日本で

編集者3年生の吉田倫哉がお勧めする、クリエイティブになりたい人のための一冊・・・ 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 (クロスメディア・パブリッシング)の誕生秘話をちょっとだけお話しします。 「なんかおもしろいこと考えてよ〜」「君、新規事業担当ね!」などと、ノリとイキオイで上司に言われたことがある人は少なくないのではないでしょうか。 そんなとき

アメリカ国内で有名な未解決事件のひとつに ゾディアック事件 といわれる事件がある。1966年から1974年にかけて複数の男女が白人の男に襲われ、猟奇的な方法で6人が殺害された事件だ。この事件を世間に印象付けた理由はゾディアック自身が犯行後に警察を挑発し嘲笑するような電話や自分の本名が書かれていると主張する暗号文をマスコミに送り付けるなどし、世間に大きく扱われ

食べすぎと運動不足は身体によくない、とは、つとに知られるところであり、いまさら誰かに言われなくてもわかってるよ、とみなさんも思っているかもしれないが、その一方で、そんな身体に悪いことをついしてしまい、しかもやめられないのはどうしてなのだろう、とつねづね悩んでいる人もきっと少なくないに違いない。 身体によくないことを自然にしてしまう、というの