
世界の320万人が“いいね!”した『AMAZING KYOTO 』
表紙の帯をはずせば、平安貴族の旅装束から女性の口元が覗く。 この写真は葵祭、祇園祭とともに知られる京都三大祭りのひとつ「時代祭」のシーンである。時代祭とは京都御所から出発し、山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に約2,000名・約2キロにわたる行列をなし平安神宮を目指す伝統行事だ。常盤御前、巴御前、出雲の阿国など麗しい姿もあり、京都の歴史をしのばせる。 本書は
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表紙の帯をはずせば、平安貴族の旅装束から女性の口元が覗く。 この写真は葵祭、祇園祭とともに知られる京都三大祭りのひとつ「時代祭」のシーンである。時代祭とは京都御所から出発し、山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に約2,000名・約2キロにわたる行列をなし平安神宮を目指す伝統行事だ。常盤御前、巴御前、出雲の阿国など麗しい姿もあり、京都の歴史をしのばせる。 本書は

朝晩はすっかり冷え込むようになりましたね。 昨日は 半年ぶりの朝会 でした。メンバーも増え、和気あいあいと進行するかと思いましたが、 そうはいかないのがHONZの朝会。 あちらこちらで会話に花が咲き(=発表者の話を聞いていない)、 内藤順自ら「みなさ〜ん、編集長がしゃべってますよー」と声を上げなければならない始末。 また、誰もチェックしていない本が続くと「ど

1549年にザビエルが鹿児島に到着、イエズス会が日本で布教を開始する。82年に巡察師ヴァリニャーノが4人の天正遣欧使節を連れて長崎を出港したが、その直後本能寺の変が起こりキリシタンに理解のあった信長が逝去、90年に帰国した時は秀吉が伴天連追放令を発布していた。1614年、家康による宣教師の大追放(マカオとマニラへ)。そして44年が記録に残る最後の殉教となる。

この写真が中野翠をこの物語にいざなった張本人、中野みわである。 本書の冒頭を読んで納得した。翠の父親の遺品の整理をしている時に見つかった『大夢 中野みわ自叙伝』。曾祖母みわと一族について綴られたこの小冊子を読んだら興味を抱かずにはいられない。自分の足元へと伸びた幕末から現在までの血脈は、どくどくと流れ続けていたのである。 そう言われてみれば、意志の強そうなこ

意識をめぐる本は最近も『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』や『意識をめぐる冒険』が本職の神経科学者によるノンフィクションとして発表されるなど、翻訳(と出版)が比較的に途絶えない分野である。本書の著者もまた本職の認知神経科学者ではあるが、特異性は徹底した実証に基づく意識の定義、およびその応用可能性についての地道な記述であろう(他の著者が実証に

マネーロンダリング、韓国戦での八百長、W杯開催地選挙、会長選挙で飛び交う実弾。FIFAの闇はここまで深かった! そして2015年5月に迎えた、FIFA幹部の一斉逮捕。本書『FIFA 腐敗の全内幕』は、その端緒をつくったアンドリュー・ジェニングス氏の、長年にわたる調査報道を余すところなく伝えた一冊である。今回は特別に、日本版を手掛けた編集部による解説記事を掲

本書は Peter Vronsky, “ Serial Killers; The Method and Madness of Monsters, ”Berkley Books, New York, 2004 の全訳である。 著者ピーター・ヴロンスキーはオンタリオ州トロント生まれのカナダ人で、基本的には歴史家であるが、ジャーナリスト、著述家、そ

FIFAの汚職については既にニュース等で何度も見聞きしているし、多かれ少なかれ「この手の組織」に黒い側面があることも想像に難くない。だから腐敗があったこと自体、それほど驚くようなことではないのかもしれない。 だが本書を読んで本当に驚いたのは、なぜこれほどまでの長期間、腐敗を止めることが出来なかったのかということである。そこには地下組織のような腐敗の構造と、世

19世紀初頭の海は、現代のそれとは比べものにならないほど危険だった。当時のヨーロッパ諸国では海難事故の追跡調査が行われておらず、どれほどの人が犠牲になったかを正確に知ることはできないが、事故が日常茶飯事であったことは間違いない。イギリスの保険会社の帳簿によると、1816年だけで362隻が“海難”か“消息不明”と記されているほどなのである。 海難事故の原因の多

生命の星、地球。都会のようなコンクリートジャングルにおいても雑草が茂り、アリたちが闊歩する。足下をふと見れば道路の片隅にコケが生育していて、そのコケの中にはクマムシがいる。朝晩の電車に乗り込めば、無数のホモ・サピエンスと接触する。生物はそこに居て当然。そんな風に私たちは感じてしまう。だが、地球以外の天体に由来する生命体は、現在までまだ見つかっていない。はたし

日本でもここ数年盛り上がりを見せているハロウィン。 起源は古代ヨーロッパの中・西部に住んでいたケルト人のお祭りにあることをご存知ですか? もとは秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う宗教行事でした。アメリカに渡り仮装をしたり、子供がお菓子をもらうために家々を訪ねるイベントになったと言われています。 そして何より驚きなのがハロウィンと言えばカボチャのランタンですが、本

本書は、アイルトン・セナの人間性に惹かれ親交を深めたイタリア人ジャーナリストが、ユニークな切り口で、その人物像をまとめたノンフィクションである。伝説のF1ドライバー・セナを一方的に礼賛した回顧録は世に数多あるが、本書は、敬意と友情を交えつつ、神格化されたセナの“あまりにも人間的な側面”を描くことで、逆にその魅力を最大限に引き出すことに成功している。セナ没後2

「昔は良かったよねー」とぼやき、ノスタルジーという名のお花畑に住む老人や、世にはびこる非科学な通説を統計を使って切り捨ててきた謎のイタリア人、パオロ・マッツァリーノ先生。今回ぶった切る対象が生きた時代は「昔は良かった」と懐かしむこともできない2500年前の中国。「昔は良かった頃の偉大な人」で、もはや誰も突っ込むことができない「孔子」と彼の言動をまとめた『論語

本書の訳稿の校正作業に入っていた2015年7月23日、日本の油井亀美也宇宙飛行士が米ロの同僚二人とロシアのソユーズ宇宙船に乗って宇宙へ旅立った。そして打ち上げからわずか5時間45分ばかりののち、地球の上空約400キロの宇宙空間の軌道上を秒速8キロで回る国際宇宙ステーション(ISS)とドッキング、約5カ月に及ぶ予定の宇宙長期滞在ミッションを開

虫とミステリ。なんと素晴らしい組み合わせであろうか。今回ご紹介するのは東化研株式会社会長、兵藤有生氏(監修・林晃史氏)による害虫事件簿だ。東化研は、環境衛生管理を施工、コンサルタントする企業で、特に害虫防除に実績のある企業だ。本書は、長年食品製造などの害虫防除に携わった著者の、害虫混入事件体験記である。 事件は決まって、事務所の電話のベルが鳴るところから始ま

ベトナム戦争終結から、今年でちょうど40年。その間、この戦争について多くの研究書や回顧録、ルポルタージュが刊行され、映画もたくさん制作されてきた。もちろん、これを主題とする小説も書かれた。わたし自身も何度かベトナム帰還兵の登場する作品を訳し、この戦争について学ぶ機会を得ている。英日翻訳を専門とする出版翻訳家なら、誰もが一度は向き合わざるをえないテーマかもしれ

ここ数年、買い手としての自分と売り手としての自分との間に、上手く折り合いをつけられずにいる。一消費者としての立場から考えると、様々なコンテンツが安く、便利に手が入るようになったことは間違いなく喜ぶべき状況である。だが、広告屋としての売り手の立場から考えるとコンテンツが安くなる状況というのは、決して喜ぶべき状況ではない。 ただ喜ぶべき、もしくはただ憂うべきだけ

「ゾーンに入りました。パットを打てば入る感じでした」。これはあるゴルフ選手の試合後のコメントだ。ほかのスポーツ選手が同じようなことを言うのをスポーツニュースなどで耳にしたこともあるのではないか。観客から見て「神がかり的」なプレーを連発するようなとき (たとえば、サッカーのゴールキーパーがスーパーセーブを連発するとき

2015年10月27日(火)から2016年2月21日(日)まで東京国立博物館にて 特別展「始皇帝と大兵馬俑」 が開催される。1974年、3月始皇帝陵の東1.5キロの地点で偶然に兵馬俑坑が発見された。兵馬俑の「俑」とは人間や軍馬の姿をありのままに写し取り、墓に埋めたひとがたをいう。2200年前の兵士と馬の姿が等身大で目の前に現れたのだ。その数は8000体にも上

2008年8月、カナダ人女性がソマリアでイスラム過激派に拉致された。身代金目的で監禁され、繰り返し拷問や暴行を受ける悪夢のような日々を過ごしたのち、2009年11月に解放される。460日間にわたった壮絶な体験を本書で語るのはアマンダ・リンドハウト。拉致されたときは27歳だった。 アマンダは「使命感を持って戦場に行ったジャーナリスト」ではない。旅慣れているほか

ラムチョップが一瞬にしてなくなった夏の夜のことだった。著者はその年、ロックフェラー一家から寄贈されたニューヨーク郊外の土地で、豊かな土壌を持つ場所で運営される実験農場に直結する、誰もがうらやむ環境で、レストランをオープンさせた。その4年前にニューヨーク市内で開業したレストランは「ファーム・トゥ・テーブル」の代表格として大繁盛し、オバマ大統領もお忍びで通う。

学生時代に元素周期表を見せられて「この対応を覚えるのだ」と言われた時程の絶望はなかなか味わえるものではない。水平りーべ僕の船などと語呂の合わせ方も多くのパターンが編み出されたが逆にいえばそれぐらい覚えることが困難であり「hが水素で……hが2つにoが1つでh2o、つまり水か……って水は水やないかい! 何がh2oじゃボケ! いったい……いったいなぜこんなものを覚

20世紀の半ば、人類史上最大の集団暴力が、ポーランドからウクライナ、ベラルーシ、バルト三国、ロシア西部にまたがる広大な地域を襲った。スターリンとヒトラーが同時に政権の座についていた1933年から45年までの12年間、この地で独ソ両国の大量殺人政策が重複して進められたのだ。スターリンもヒトラーも、自分の思い描く国造りのため、邪魔者を排除しようとした。ふたつの大

「面白そう!だけど買えないっ!」でおなじみの このコーナー 。使いかけのリップクリームとSOLD OUTは、忘れたころにやってきます。 今週は前文職人・栗下直也が 長めの前文を書いていた ため、対抗措置として短めに切り上げます。それでは早速、SOLD OUTになった書籍を、紹介していきましょう! * 今週の目玉は、新進気鋭の独立研究者・森田真生さんのデビュー

ミラノ万博&ベネチアビエンナーレの視察に行ってきました! 万博は10/31、ビエンナーレは11/22に閉幕ですがイベントが無くても魅力たっぷりのイタリアを旅行する時にちょっとためになる情報をお知らせします♪ 一つめ、カフェやバール(BAR)ではスタンディングor着席するかによって料金が異なる! 気軽なカフェでも席料があります。エスプレッソを目覚めの一杯や食後

福井県若狭湾近くに水月湖という湖がある。周囲長は富士五湖の西湖とほぼ同じ10kmほど。深さ38mの汽水湖だ。このほとんどの日本人が知らない湖こそ、世界中の考古学者や地質学者にとって奇跡の湖なのである。 この湖のおかげで各分野の研究者たちは5万年前に起こった天変地異や人類の進化などについて、より正確な時間を知ることができるようになった。その精度は5万年前で誤差

チベットが自由を取り戻すため、世界平和のために、私たちは焼身する。自由を奪われたチベット人たちの苦しみは、私たちの焼身の苦しみよりも余程大きい。 中国政府の圧政に対するチベット人の焼身抗議は2009年3月に始まり、2011年3月以降連続しながら今なお続いている。2015年8月1日の時点で亡命チベット人を含め147人が焼身を行い、内123人が死亡している。冒頭

町内に信号機が1つもない地方で生まれ育ったわたしは、お受験(小学校受験)には縁がなかった。学力・経済面の問題以前に、近隣に私立小学校が存在しなかったのだ。母校の小学校も廃校になるほどの過疎地域だからかと思っていたのだが、著者も大学に入るまで私立小学校出身者に会ったことがなかったという。私立小学校が身近な存在ではない、というのはそれほど珍しい体験ではないようだ


タイトルに違和感を持つ人は多いかもしれない。政治宣伝を意味する「プロパガンダ」と聞けば、権力者を讃える映像や音楽を嫌々に観たり聞いたりする印象が強い。そして、その映像は退屈きわまりなく、楽しいわけがないからだ。 本書を読めばその考えは一変する。ナチスはもちろん、欧米や東アジア、そして日本でかつて展開されたプロパガンダの実例が豊富に並ぶが、「プロパガンダの多く

『数学する身体』は、独立研究者・森田真生氏が「数学とは何か」そして「数学にとって身体とは何か」を自問しながら数学の歴史を追いかけた一冊である。その流れは、アラン・チューリングと岡潔の二人へと辿り着く。 そしてこの森田氏の試みを応援すべく、二人の刺客が客員レビューに名乗りを上げた。一人目は科学哲学を専門とし、同じように身体論へアプローチする下西 風澄さん。彼は

本書『大村智――2億人を病魔から守った化学者』は、2012年2月に刊行された。今回、北里大学特別栄誉教授の大村氏が2015年のノーベル医学生理学賞を受賞したことで改めて注目され、現在、万単位の重版が続いている。とはいえ本書は、受賞報道以前にも3刷まで進んでおり、学術書単行本ではスマッシュヒットとなっていた。この HONZレビューでの紹介 が後押しの一つになっ

小豆の旬の季節です。スーパーでは一年中手に入りますが、採れたての新豆の味にはかないません。お赤飯や牡丹餅、お汁粉、ようかんなど小豆を使った料理はどこかホッとするものが多いですね。中でも成り立ちが面白いのはようかん(羊羹)。 鎌倉時代に中国から伝わった時は文字通り羊肉の羹(=吸い物)でした。 しかし禅宗では肉食が禁じられていたため、吸い物の具に羊肉ではなく、色

著者のピーター・H・ディアマンディスは、シンギュラリティ大学の共同創設者であり、グーグル・ルナー・Xプライズと呼ばれる、民間初の月面無人探査を競うコンテストを企画した人物でもある。そのコンテストに日本から唯一参加しているのが、HAKUTOチームを率いる袴田 武史氏。本書の骨子でもある「エクスポネンシャル」というキーワードについて、袴田氏に解説していただきまし

大村智先生、ノーベル医学生理学賞ご受賞、まことにおめでとうございます! この本、3年前の出版当時、HONZデビューでとりあげた思い出の本だ。全面改訂にしようかと思って、本をもう一度読んでみたのだけれど、書き加えるとすると、すでに受賞報道で聞いたようなことになりそうだ。それならば、初読の時の驚きを伝えたほうがよかろう。ということで、メインの本文にあまり手を入れ

従来は、「ゴシック至上主義者」エミール・マールに代表されるキリスト教図像学者が、「稚拙」なロマネスク美術を発想源とされるテクストとの関連で読み解いてきた。これに対して著者は、「書物よりも大理石を読み解こう」と考え、「反図像学的試み」を主張するマイケル・カミールに親近感を抱く。そして、ヨーロッパの古寺巡礼を始めたのだ。読みながら、ヴェズレ―やオータンなどのロマ

「神の眼」を持つといわれ、今世紀最も偉大な写真家と称される男がいる、セバスチャン・サルガドだ。ブラジル金鉱で働く男たち、爆発しつづけるクウェートの油田を消火する消防士、悲壮感漂うルワンダの難民たち、数百万羽ものペンギンたちの群れなど、その圧倒的なインパクトで人々の魂を揺さぶり、観るものを非日常へとつれ去ってしまう彼の写真。セバスチャン・サルガドの場合、写真と

出版業界には「初速」という言葉があります。発売から数日、たとえば1~3日くらいの商品の動きを示す言葉で、コミックなど超売れ筋であればあるほど初日の売上が大きく出ます。そんな中、「こりゃ『ONE PIECE』のグラフか!?」とばかりに二度見をしてしまったグラフがありました。それがこちら『山口組百年の血風録』の売上データ。 怖そうなおじさん(イメージ)に「……こ

自動車の追突事故。幸いなことに外傷はなく、CTスキャンなどの検査でも異常は認められなかった。しかし、さまざまな神経障害で生活に大きな支障をきたす外傷性能損傷(脳震盪症)患者となった著者・クラーク・エリオットは人工知能を専門とする大学教授。ほんとうにそんなことがあるのかと思えるほどに複雑な症状だ。つらかっただろうに、よく自らの症状をこれだけ克明に記録したものだ

独自の視点で、質の高い写真集をいつも紹介してくれる出版社、赤々舎。今度は、「鳶」として日本を駆け巡りながら、休みを利用して撮影をする「写真家」の作品を刊行するという。しかも、なんと1年間、毎月、月刊体制で連続刊行するとのこと。見れば強烈な生命力を感じる写真が並ぶ一冊だ。撮影したのは鈴木育郎さん、1985年生まれ。いったいどんな人なのだろう。 「この鈴木さんの