
売切御免! 『最後の秘境 東京藝大』が手に入らぬ人は、これを読みながら待つべし!
全く役に立たない。本当に役に立たない。これっぽっちも役に立たない。つまり、目的を持って読んではいけない本の典型的な例だ。 HONZ編集長・内藤順によるレビュー内 の一文に、心が揺さぶられました。 ためになることを追求し、人生のヒントを得られるのが本だ! そんな肩肘張った毎日を吹っ飛ばす一冊『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』が、今飛ぶように売れて
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全く役に立たない。本当に役に立たない。これっぽっちも役に立たない。つまり、目的を持って読んではいけない本の典型的な例だ。 HONZ編集長・内藤順によるレビュー内 の一文に、心が揺さぶられました。 ためになることを追求し、人生のヒントを得られるのが本だ! そんな肩肘張った毎日を吹っ飛ばす一冊『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』が、今飛ぶように売れて

いやはやびっくり!HONZの客員レビューに、ビル・ゲイツが登場した。(レビューは こちら )まさに世界最強の食客。すごい! いつか、朝会にもきてくれるだろうか? ◆ さて、10月4日の朝会の後半は少し遅刻してきた 新井文月 。最近は 体操教室 も始めたみたいだ。 礼服を「らいふく」と読むのは天皇など特別な人が正式な儀式に着る特別な衣装だから。この本、非常に美

今年(2016年)のアカデミー賞授賞式で、レディー・ガガが「Til It Happens To You」という曲を歌った。「自分の身に起こるまで、この気持ちはわからない」。そう繰り返されるこの歌は、米国の大学で多発するレイプの問題を取り上げたドキュメンタリー映画『ハンティング・グラウンド』の主題歌として、自身もレイプ被害者であるレディー・ガガが書き下ろしたも

体育の日は1964年10月10日の東京五輪開会式に由来します。2000年より10月の第2月曜となったので、今年は曜日の並びがよかったですね。夏季五輪が10月開催になったのは高温多湿の真夏の東京は選手にとって厳しい環境となるからでした。 2020年の東京五輪は7月24日から8月9日開催と暑さのまっただ中ですが、これには理由があります。オリンピックはテレビの放送

昨年、私たちの財団でグローバル・ヘルス関連の仕事を手掛けているトレヴァー・マンデルが私に、この本を読むよう勧めてくれた。私はそれまで本書のことも、著者であるユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのニック・レーンという生物学者についてもまったく知らなかった。数か月後には、私はたんにこの本を読み終えていただけでなく、ニックのほかの著書3冊を取り寄せ、うち2冊を読み

気が付けば夏も過ぎ、金木犀の花も終わりに近づいている。前回の朝会が5月で、3か月に1回は集まろうね、と言っていたのも記憶はおぼろ。しかし新刊レビューは途切れることなく続いているのは奇跡のようだ。 この間でも何回かの「HONZ砲」が放たれ、話題の本を取り上げてきた。今ホットなのは 『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』 だろう。そろそろ増刷分が入荷す

本書は『生命の跳躍』、『ミトコンドリアが進化を決めた』のニック・レーンによる「生命の起源と来歴を語る」一冊だが、これが圧巻の内容である。前作までの内容を取り込みアップデートをかけた上で、生命の起源をめぐる問題に真っ向から挑み、多様な分野にまたがる議論を総括しながら、宇宙における生命の普遍的特性とまでいえる、説得力のある結論を導き出してみせる。 どんな法則が、

小説 / HONZ客員レビュー
戦争を背景にした作品には名作が多い。戦争という極限の過酷な環境が、人間性を際立たせるからだろうか。第二次世界大戦かつ比較的新しい作品に限ってみても、「朗読者」や「HHhH」などが反射的に脳裏に浮かぶ。 本書は、パリの博物館に務める優しい父のもとで育った目の見えない少女マリー=ロールとドイツの炭鉱町、ツォルフェアアインの孤児院で育てられた少年ヴェルナーの一瞬の

「自分の棺桶がほしい!」 これが健康なアラサー女子の切なる願い……? だがどうやら本気なのだな、これが。だって、著者は理想の棺桶を求めて、アフリカはガーナへと旅立ってしまうのだから。 タイトルにある「メメントモリ」は、ラテン語で「死を想え」の意味。そして言わずもがな、「ジャーニー」は旅、つまり本書は一言で言えば「死と旅のエッセイ」である。 旅先で、すごく完璧

"Interpreting Our World: 100 Discoveries That Revolutionized Geography"は、「地理学」(geography )を変えた100の発見や発明や事柄を取り上げた、百科事典のような読み物である。 英語の本だし価格も1万円近くするので万人向けではないが、専門書にしては以外に平易な言葉で書かれているの

墓。それは、21歳の私には想像もつかないほど遠く感じるテーマである。しかし、墓は限りなく現実的なテーマだ。 義務教育さえ終わってしまえば、進学や就職をしない人生だってある。この先、結婚できる保証などないし、子供が生まれるかもわからない。仮に結婚できたとして、離婚だってありうる。しかし、どんな人にも必ず平等に訪れるイベント、それが死なのだ。 自分の死だけではな

外来種と言えば、琵琶湖の在来種を脅かすブルーギルやブラックバスが脳裏に浮かぶ。いかにして駆除するか、心ない放流を食い止めるか。獰猛な外来種から琵琶湖の自然を守れ。確かにそうだと思う反面(因みに、僕は琵琶湖の外来種の駆除にはずっと賛成している)、何か心にひっかかるものをずっと感じていた。本書は、この問題に正面から挑んだ力作である。 冒頭、南大西洋・アセンション

今年の秋冬のトレンドカラーとして街でよく見かける赤茶色のようなテラコッタ (terra-cotta)。terraは大地・土、cottaは焼いたというラテン語で「焼いた土」を意味します。また、テラコッタとは素焼きのことでもあり建築資材や陶器に使われます。 イタリア、特にフィレンツェの建物の屋根はほぼ全てこのテラコッタでつくられており、高台から見下ろすと赤茶色に

警察より先に犯人に辿りついた『桶川ストーカー殺人事件』や、足利事件の冤罪の可能性を指摘し、足利事件を含む連続幼女誘拐殺人事件の真犯人の存在を示唆した『殺人犯はそこにいる』など、社会を動かす調査報道を世に放ってきたジャーナリストの清水潔さん。最新刊『「鬼畜」の家』で、ネグレクト、嬰児殺し、身体的虐待という3つの虐待事件を取材したノンフィクション作家の石井光太さ

週刊文春が年明け以降、特ダネを連発している。芸能人や政治家の不倫、現役大臣の金銭授受問題、イケメンハーフ顔のニュースコメンテーターの経歴詐称まで。文春の報道を新聞やテレビが後追いするのはもはや見慣れた光景だ。 なぜ文春がスクープで快走できるのか。週刊文春の元記者による20年の取材生活をまとめた本書を読むと、鮮やかなスクープは地べたを這いずり回る地道な努力の積

ジビエレストラン「 LA CHASSE(ラシャッス) 」がどこにあるか直ぐに分かる人はかなりの通である。住所は港区六本木三丁目で、泉ガーデンの首都高環状線を挟んで向い側の、先日オープンしたばかりの六本木グランドタワー(六本木三丁目東地区計画)の直ぐそば、六本木通りから少し入った寄席坂の上の方にある。この都会の喧騒の中にポツリと佇む隠れ家レストランをわざわざ訪

渾身の書である。1938年に生まれた著者は、55歳でアイルランドを訪れて、「世界で最も美しい本」(ケルズの書)に魅せられた。その頃、テンペラ画を習い始めていた著者は、ケルズの書の全装飾ページ22葉の復元模写を思いつき、15年間6088時間をかけて模写を行った。本書はその全ての記録である。 ところで、ケルズの書とは何か。それは、8世紀の末にスコットランドの西方

パンク生誕40周年と言われている年にふさわしいPUNKなビジネス書が誕生した。その名も『BUSINESS FOR PUNKS』(ビジネス・フォー・パンクス)。全世界でクラフトビールブームを牽引しているクラフトビールのメーカーの「BREWDOG(ブリュードッグ)」創業者ジェームズ・ワットが書いた刺激的な経営の本である。PUNKが大好きでクラフトビールにはまって

ロンドンといえば、おしゃれな大人の街。政治経済はもとより文化、芸術、ファッションにおいても世界をけん引する大都市のひとつでしょう。そのロンドンの19世紀の衛生環境を、こと細かに調べ上げて綴ったのが本書です。 19世紀というとはるか昔という印象を持ちますが、本書で取り上げているのは、およそ120~170年前のできごとが中心で、そう遠い過去の話ではありません。日

パスコの食パン「超熟」のTVコマーシャルを覚えているだろうか。女優の小林聡美が湖畔で小さなサンドイッチ屋さんを開いていて、そばで遊んでいる子供たちにサンドイッチを作ってあげるという、どこか現実離れしていながら、それでいて懐かしさを感じさせるようなコマーシャルである。 これは、2006年に公開された、群ようこ原作、小林聡美主演の映画『 かもめ食堂 』の設定を再

「いま、ここ」に真剣に生きる。 そのような当たり前の事実をアドラー心理学やマインドフルネスで説かれる。わかっちゃいるけど、実践できないのは、ついつい過去を悔やんだり、不確実な未来に思い悩むからである。一方で、リスクを出来るだけ最小化するために予測可能性を高め、テクノロジーが予見する世界像を理解・共有しながら、未来の解像度を高めようとする。そうして、現在と未来

『赤の女王 性とヒトの進化』で魅力的に性の仕組みを解説し、『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』では「現代ほど良い時代はかつてなかった」という単純な事実を、膨大な例証と共に指摘してきたマット・リドレー最新作とあれば読まないわけにはいかない。今作のテーマは『進化は万能である:人類・テクノロジー・宇宙の未来』という書名通りに「進化」である。 進化はリドレ

最近煮卵にはまっています。卵をゆでて殻をむき、ジップロックにめんつゆ、醤油、砂糖、水を入れて一晩漬けるだけなのでとっても簡単で美味しいですよ。さて、卵には赤玉と白玉とありますが違いをご存知ですか?一般的に赤玉の方が値段が高く、栄養価も高いイメージですよね。 実は殻の色は鶏の色によるもので栄養価には全く関係ないんです。茶の鶏が赤玉を、白の鶏が白玉を生みます。茶

ニックはジャレド・ダイアモンドのような書き手たちを思い起こさせる。世界について多くを説明する壮大な理論を考え出す人々だ。彼はそんな独創的な思索家のひとりで、あなたにこう言わせる。 ”この男の仕事についてもっと多くの人が知るべきだ” これは、本書を読んで圧倒されたビル・ゲイツが、 自身のブログに記した 言葉だ。そして、「この本を

触って、触られて――。他人とのそうした身体的接触を、人生最大の愉しみと考える人も少なくないだろう。しかし、「なぜ感じるのか」「どう感じるのか」という問いに何かしらの答えを与えられるという人は、おそらくほとんどいないのではないか。本書は、そのようなめくるめく触覚の世界とその裏側に、 『快感回路』 などの著書でも知られる神経科学者がやさしく案内するものである。

2012年に世界を震撼させた「ヒッグス粒子」の発見。本書は、その発見にいたるまでの人類の歴史と、その先に広がる量子物理学のフロンティアをノーベル賞量子物理学者が綴った一冊である。宇宙の始まりを解き明かせるくらいの極小な世界を探索していく中で、今、実験物理学には大きなパラダイムシフトが起きているという。本書に余すところなく描かれたそのダイナミズムを、翻訳者の青

本書『進化は万能である』は、『赤の女王』『ゲノムが語る23の物語』『徳の起源』『やわらかな遺伝子』といった、進化や遺伝、社会についての作品を手がけてきたイギリスのベストセラー作家マット・リドレーが、前作『繁栄』に続いて昨年発表した The Evolution of Everything: How New Ideas Emerge の全訳だ。

その昔。今の20歳以下の人たちには理解できないかもしれないけれど、人はおカネを払って楽曲を買っていた。しかもCDというメディアに入ったアルバムというものを買っていた。アルバムの中には12曲くらい入っていて、2枚組なんていうものもあった。その前にはレコードなんていうものもあったし、私が生まれて初めて買ったのはユーミンのLPだったけど、そんなこ

日本という国で暮らすことは、地震と一緒に生きていくこと。 2007年に発行された『地震イツモノート』は、阪神・淡路大震災の被災者167人の声と工夫を集めた本だ。「モシモ」ではなく「イツモ」、地震とつきあっていくことを語りかけた同書が2010年に文庫化されてから今日までの間にも、巨大な地震は繰り返し起きてきた。今も書店の文庫コーナーや防災コーナーでは、そう苦労

著者の村上由美子氏は、上智、スタンフォード、ハーバードで学び、国連、ゴールドマンサックスなどに勤務した後、2013年からOECD(経済協力開発機構)東京センター長を務めている。しかも、内外を飛び回りながら、国際結婚して三人のお子さんを子育て中というスーパーウーマンである。 本書の紹介に当たって最初に村上氏の経歴を取り上げたのは、後述するように、こうした村上氏


「天高く馬肥ゆる秋」というように秋は空気が澄み、過ごしやすい日が続きますね。夏空には入道雲ですが、秋の空と言えば真っ白なうろこ雲。高度5,000〜13,000mという高い位置に出るため秋は空が高く感じられるんです。 いわしやさばなど旬の魚になぞらえ、いわし雲、さば雲と呼ぶと何とも美味しそうですね。しかし、これらの雲は低気圧が近付くことにより発生するので、数日

大学に関するノンフィクションは数あれど、藝大がテーマというのも珍しいなと思い読み始めたのだが、中に登場する人物たちは、もっと珍しかった。まさに珍獣、猛獣のオンパレードである。 舞台となる東京藝大は上野にキャンパスがあり、芸術家を志すものたちにとっての最高学府である。上野駅を背にして左が美術学部で、右が音楽学部。美術と音楽、二つの芸術がまさにシンメトリーのよう

日本人の記憶から、らい病(ハンセン病)の記憶は薄らぎつつある。50歳を超えた私でも実際の患者さんを直接見ることはなく、小泉内閣のときに 国家賠償が行われるというニュースで初めてその歴史をかいま見たぐらいだ。それは遠い物語のようだった。 1873(明治6)年、ノルウェーのハンセンがらい菌を発見し、1907(明治40)年、日本に「癩予防に関する件」が制定された。

2000年10月、中国政府は中国-アフリカ協力フォーラム第一回会議を北京で開催し、江沢民国家主席(当時)が中国のアフリカへの「対外進出」政策の推進を高々と宣言した。天然資源を軸とした中国とアフリカ諸国の蜜月関係のはじまりである。 以降、2000年代初頭から今日に至るまで、欧米企業が主導していたアフリカでの資源開発に中国企業が次々と参入することとなる。 後世の

化粧角折入、白帯桃色乙女筆、天使の翼、苺楊梅、雪空時鳥、竜宮翁恵比寿、艶芋、日本乙姫心……。 読み方は、ケショウツノオリイレ、シロオビモモイロオトメフデ、テンシノツバサ、イチゴナツモモ、ユキゾラホトトギス、リュウグウオキナエビス、アデヤカイモ、ニッポンオトヒメゴコロ。 えーっと、これは……中国の古典文学? 密教のおまじない? 戦隊モノの必殺技の名前? それと

人工光合成の技術を利用すれば、石油や石炭といった化石燃料に頼らずにエネルギーをまかなうことができる。同時に、全人類にとっての大問題となっている二酸化炭素の排出量を減少させることもできる。まるで夢か魔法の技術だ。 光合成というのは、植物や藻類、シアノバクテリウムといった細菌においておこなわれる、光をエネルギーにして水と二酸化炭素から炭水化物と酸素を作る生化学反

ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)の日本リサーチセンターは、江川雅子前所長(現一橋大学大学院教授)の時代には丸の内にあったのだが、アカデミズムにおける場所の重要性という観点から、佐藤信雄現所長や竹内弘高教授の意向もあり、数年前に今の六本木ヒルズ49階のアカデミーヒルズ内に移転した。 当時、私はアカデミーヒルズの担当役員だったことから、ここに勤めていた山

多くの感動と興奮を残して、リオ五輪が終了しました。勝ち取った数多くのメダルは、続く2020年の東京に向けて、次のヒーロー、ヒロインたちを育ててくれる物になるのでしょう。そこで、今回はオリンピックでメダルを獲得した競技について、その関連書の動向や読者の併読本を見てみたいと思います。 8月末からオリンピックを総括するグラビアや関連書の発売が相次いでいます。その中

とてもおかしな連想かも知れないが、本書を読んで映画「ロード・オブ・ザ・リング」を思い出した。実際に見た方も多いと思うが、この映画は闇の冥王サウロンが自らの残忍さ、邪悪さ、そして生きるもの全てを支配したいという欲望を注ぎ込んだ、世界を滅ぼす魔力を秘めたひとつの指輪を巡る壮大なドラマである。 邪悪なものだと知りながらも、一度サウロンの指輪を手にすると、その怪しげ