ノンフィクションはこれを読め!

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380記事

2019年 今年の一冊 書影

HONZ今年の1冊

2019年 今年の一冊

HONZメンバーが選ぶ今年最高の一冊。令和元年となった2019年もこのコーナーがやってまいりました。 今年はHONZが始まって以来一番の、ノンフィクションの当たり年であったと言えるのではないでしょうか。こんなにも次から次へと面白そうな本が出ては読みきれません。そしてどこまでも自由なHONZメンバーたち。今年は初の試みとして、原稿の催促を一切しないでみましたが

『人口減少社会のデザイン』「人口減少社会」に直面する日本に残された選択肢とは 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『人口減少社会のデザイン』「人口減少社会」に直面する日本に残された選択肢とは

厚生労働省は12月24日、2019年の人口動態統計の年間推計を発表し、それが大きなニュースになっている。2019年の日本人の国内出生数は、最少だった2018年の91万8400人を下回り、前年比5.92%減の86万4千人となり、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。出生数が死亡数を下回る人口の自然減も51万2千人と初めて50万人を超えて、2017年

『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』

ブレイディみかこが『THIS IS JAPAN』を著してから3年。アメリカではトランプが大統領となり、イギリスではメイに代わってボリス・ジョンソンが首相となった。停滞、格差、分断がキーワードとして繰り返し取り上げられる中、旧来の「右vs.左」とは異なる「上vs.下」の構図が、瞬間的には描かれる。しかしすぐさま、人々の高まった不満は、ポピュリズムの構図へと着地

今週のいただきもの:2019年12月22日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年12月22日週

今年はクリスマスが平日だったため、週末に自宅でちょっとしたクリスマスパーティーをしました。作ったのは、クラムチャウダー、蒸しサラダ、砂肝とオリーブのオイル煮、レモンクリームパスタ、いちごのタルト。レモンは輸入物が多く一年中見かけますが、国産のものは12月下旬から3月頃が旬です。 レモンクリームパスタに使うレモンは、無農薬のものを選び、皮ごと使ってつくりましょ

『あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知 』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『あなたは、なぜ、つながれないのか ラポールと身体知 』

2015年10月、池袋・某書店の人文書フロアで、私は立ち尽くしていた。棚に面出しで置かれた『あなたは、なぜ、つながれないのか』を前に、動けなくなっていたのだ。正直レジに持っていくには、少し勇気の要る本だった。実際、その日カゴに入れていた本は詩集ばかりで、本書は当時の自分が手に取る系統の本ではなかった。 それでも、刊行当初から否応なく気にかかる一冊だった。タイ

『お金本』カネには色がないが、使い手には色がある 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『お金本』カネには色がないが、使い手には色がある

経団連(日本経済団体連合会)の1次集計では、大手企業に限れば冬のボーナスの平均額は過去最高なのだという。ほくほく顔の人もいれば、まったくピンと来ない人もいるだろう。不思議なことに、収入が少なくても貯める人は貯めているし、多くもらおうがカネがない人は常にない。それは会社員でも一芸に秀でた人でも同じであることが本書を読むとわかる。 作家の「お金」にまつわる約10

赤裸々な告白から学ぶアホと性悪からの脱出法『ほんのちょっと当事者』は世の中を良くするための処方箋だ! 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

赤裸々な告白から学ぶアホと性悪からの脱出法『ほんのちょっと当事者』は世の中を良くするための処方箋だ!

青山ゆみこは数多くの本の出版に携わってきた知る人ぞ知るライターだ。著者として出版した第一作、ホスピスでの「リクエスト食」をめぐるエピソードを綴った『人生最後のご馳走』を読めばその人柄がわかる。やさしくて聡明。誰もがそう思うだろう。 わたしが知る青山ゆみこもそうであるし、周りの皆にとってもそのはずだ。確かに今の青山ゆみこはそうである。しかし、どうやら昔の青山ゆ

『ようかん』老舗和菓子屋が代々紡いだ目にも鮮やかな「ようかん全史」 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『ようかん』老舗和菓子屋が代々紡いだ目にも鮮やかな「ようかん全史」

大人になってから「美味しい」と感じたものの一つがようかんだ。子供の頃は和菓子、特にようかんには全く魅力を感じなかったが、ある日、濃いお茶とようかんに目覚めた。 『ようかん』は株式会社虎屋の資料室、 虎屋文庫 が編纂した類書なしの「ようかん全史」である。 おなじようかんでも、虎屋のものはありがたさが違う。カラーページには、ようかんの切り口に四季の景色や虎斑模様

麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』

歴史の本、特に最悪の医療の歴史などを読んでいると、あ〜現代に生まれてきてよかったなあと、身の回りに当たり前に存在する設備や技術に感謝することが多い。昔は治せなかった病気が今では治せるケースも多いし、瀉血やロボトミー手術など、痛みや苦しみを与えるだけで一切の効果のなかった治療も、科学的手法によって見分けることができるようになってきた。 だが、そうした幾つもの医

楽しく読めて役に立つ『からだと病気のしくみ講義』はサルでも読める医学書だ!(←自著誇大広告です) 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

楽しく読めて役に立つ『からだと病気のしくみ講義』はサルでも読める医学書だ!(←自著誇大広告です)

医学部を卒業して40年近くになります。その間に医学は飛躍的に進歩し、昔だったら治らなかった病気も治せるようになってきました。「人生100年時代」と言われるようになったのも、そのおかげです。 ただ、大きく進歩した分、医療はとても複雑になりました。ある病気に対して、選べる治療法が増え、薬の種類も多くなっています。私は大阪大学医学部で病理学を教えているのですが、今

『無敗の男 中村喜四郎 全告白』竹のようなしなやかさを特徴とする組織づくり 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『無敗の男 中村喜四郎 全告白』竹のようなしなやかさを特徴とする組織づくり

「中村喜四郎」という名を聞いて何を思い浮かべるだろうか。もはやかすかな記憶…「なにか汚職で捕まった人じゃなかったかしら」。若い人たちなら思い出す記憶もなく「だれ?」というだろう。 その「キシロー」の名を最近なぜか、チラチラと見かけるのである。それも思いがけないところで。「え?このキシローさんは、あのキシローさん?」 中村喜四郎氏は1949年生まれ。大学卒業後

これから出る本 2020年1月 書影

ビジネス / 併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2020年1月

先月初めて予約本ランキングを発表したところ、多くの反応をいただきました。そろそろ2019年も終わります、予約本ランキングから、2020年1月の注目本を見ていきたいと思います。 まずは予約ランキングから。 2019/12/20現在の予約リストから1月以降に発売になるタイトルを抽出しました。(日販調べ:タイトル等今後変更になる可能性があります) 三浦崇宏さんの『

今週のいただきもの:2019年12月15日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年12月15日週

風邪の気配を感じ、参鶏湯をつくりました。長葱、生姜、にんにくが入っているので、体が弱っている時にぴったりのスープです。お米も入っているのでお粥っぽくもあります。本格派を目指すなら、高麗人参を入れたくなりますが、熱がある時は注意しましょう。高麗人参には体内の熱を上げる効果があります。 材料は長葱、生姜、にんにく、米、鶏モモ、手羽元を使ってつくりました。大根を入

東京が生んだ奇跡、代官山『HILLSIDE TERRACE 1969-2019』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

東京が生んだ奇跡、代官山『HILLSIDE TERRACE 1969-2019』

東京屈指の人気の街、代官山。おしゃれなイメージを持っている人も多いだろう。実はこの街は、丹念に手入れされ、長年の努力の積み重ねでできあがっている。重要文化財指定の和風建造物があり、街自体が建築の有名な賞を受賞した、と聞けばどうだろう。その歴史と成り立ちは、都会に生まれた奇跡かも――街の秘密をとじこめた一冊を、今回はご紹介したい。 本の監修者は「ヒルサイドテラ

『聖なるズー』動物性愛者と過ごした日々、語り合うことで生まれる自由 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『聖なるズー』動物性愛者と過ごした日々、語り合うことで生まれる自由

動物とセックスをする人たち──そう聞けば、多くの人は激しい嫌悪感を覚えるだろう。しかし読み進めるにつれ、感情は目まぐるしく移り変わっていく。驚愕、好奇、悲哀、困惑、感嘆……。 本書は、ズーと呼ばれる動物性愛者たちの実像に迫った一冊だ。著者は、かつてパートナーからDV(ドメスティックバイオレンス)を受けていた過去を持つ人物。自らの身に降りかかった経験からセクシ

喪失が連鎖する時代の怖さ 『つけびの村』 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

喪失が連鎖する時代の怖さ 『つけびの村』

今年は、ノンフィクションに動きがあった年だと思う。途轍もないビッグヒットがあったわけでも、当たり年だったわけでもない。エビデンス重視の世の中で私的な感覚を言うのも憚られるが、私は潮流の変化を感じた。 年末に読んだ開高健賞受賞作『聖なるズー』 は刺激的で今後さらに話題になる予感があるし、2年目をむかえた 本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞作『ぼくはイエローでホ

『聖なるズー』動物性愛者に密着取材!近来稀な問題作 書影

生物・自然 / 教養・雑学

『聖なるズー』動物性愛者に密着取材!近来稀な問題作

人間ではない者との結婚である異類婚姻譚は世界中に存在する。日本でも『鶴女房』や安倍晴明の母親、狐の「葛の葉」などが有名だ。多くは動物が人の形となって現れるが 『遠野物語』 で紹介された「オシラサマ」という民話は異質である。 東北地方の貧しい農家の娘が、飼っている馬に恋をして夫婦となる。だが父親はそれを許さず、馬を殺してしまうのだ。悲恋というより気味の悪い物語

『我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの 』生命を司るメカニズムの「多様性」 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『我々は生命を創れるのか 合成生物学が生みだしつつあるもの 』生命を司るメカニズムの「多様性」

生命の起源は現代科学の最重要テーマの一つである。地球上の生命は今から38億年ほど前に誕生し、幾多の進化を経て我々人類まで継続してきた。ところが、その発端がどうだったのかは長い間の謎で、世界中でいまだに論争が続く。 こうした根本的な疑問に答えるため、生命を実際にラボ(実験室)で作ってしまおうという企画が始まった。たとえば、飛行機がなぜ飛ぶかを知るには、まず紙飛

今週のいただきもの:2019年12月8日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年12月8日週

子どもの頃は銀杏なんて臭くて食べる人の気が知れませんでしたが、今ではすっかり好物です。銀杏はおいしいですが、1度に多く食べると、おう吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどを起こすことがあります。子どもの場合、5〜6個でも中毒になった症例があり、大人でも1度に数十個を食べるのは控えた方がいいでしょう。 自宅で手軽に食べるのなら、素揚げが1番でしょう。ただし、殻を割る

『しらふで生きる 大酒飲みの決断』生きることは寂しい、だからこそ酒を断つ 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『しらふで生きる 大酒飲みの決断』生きることは寂しい、だからこそ酒を断つ

30年間毎日欠かさずに酒を飲み続けてきた作家、町田康の断酒エッセーである。こう書くと酒をやめて健康になった暮らしぶりを健やかにつづったエッセーを想像してしまうが、決してそんな生易しいものではない。 その証左としてまずは目次からいくつかの見出しを引用してみよう。〈飲酒とは人生の負債である〉〈私たちに幸福になる権利はない〉〈「私は普通の人間だ」と認識しよう〉〈「

『2030年の世界地図帳』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

ビジネス / 併せて読まれたこの一冊

『2030年の世界地図帳』を買ったのは、どういう人たちなのか?

最近、電車の中などで襟元にSDGs(Sustainable Development Goals)のバッジをつけている人をよく見るようになりました。2015年の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されて以降、年々注目度は上がっており、いまや企業にとっても避けて通ることが出来ない大事なテーマになっているとも言われています。(そんな中、

日本の科学は失速状態  『誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃』 書影

サイエンス / 社会

日本の科学は失速状態 『誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃』

日本の科学は失速している。一昨年の3月、ネイチャー誌に掲載されたレポートは大きな反響を呼んだ。一般の人たちには驚きを持って迎えられたようだが、多くの研究者にとっては、やはりそうかという感じであった。 『誰が科学を殺すのか』は、企業の「失われた10年」、「選択と集中」でゆがむ大学、「改革病」の源流を探る、海外の潮流、の4章から構成されている。毎日新聞に掲載され

『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』歴史の進歩とは何か 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代』歴史の進歩とは何か

本書は、2016年に「津久井やまゆり園」で障害者19人が殺害された相模原障害者施設殺傷事件*をきっかけに行われた、作家の雨宮処凛と以下の6人の識者との対談を一冊にまとめたものである。 ①神戸金史(RKB毎日放送記者) ②熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術センター准教授、小児科医) ③岩永直子(BuzzFeed Japan記者) ④杉田俊介(批評家、元障害者ヘル

『宇宙から帰ってきた日本人』あの名著から36年、宇宙は近くなりにけり 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙から帰ってきた日本人』あの名著から36年、宇宙は近くなりにけり

1983年、知的欲求旺盛なあるジャーナリストが一冊の本を上梓した。それは、米ソが宇宙開発戦争に明け暮れていた時代、母なる地球を離れ、宇宙へと向かった飛行士たちの精神的変化に着目し、幅広い知識をベースに、インタビューイを搾り尽くさんばかりに貪欲な取材を重ねまとめ上げたノンフィクション――立花隆『宇宙からの帰還』である。 人類は今の地上の支配者だ……と書いても過

今週のいただきもの:2019年12月1日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年12月1日週

最近、我が家でヒットした鯖のパスタを紹介します。鯖は骨を取り、1cmほどの幅に切りましょう。フライパンにオリーブオイルを引き、ニンニクと唐辛子を焦がさないように炒め、鯖を皮目から焼きます。鯖に火が通ったら身を崩し、ケッパー、レモン、塩胡椒、フェンネルで味をつけ、茹で上がったパスタと絡めたらできあがりです。 最後にレモンを一絞りすると味が引き締まります。玉ねぎ

『奥東京人に会いに行く』えっ? ここが東京? あなたの知らない東京の横顔 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『奥東京人に会いに行く』えっ? ここが東京? あなたの知らない東京の横顔

私たちは東京のことを知っているようで、実は何も知らないのかもしれない。吉祥寺に住む著者がそのことを実感したのは、ある新聞記事を目にしたときだった。井の頭公園の入り口に「いせや」という有名な焼き鳥店がある。2012年、建て替えのため店を取り壊したところ、跡地からなんと約1万5000年前の「焼き場」が見つかった。どうやら旧石器時代の人々も、同じ場所でこんがり焼け

『ドライバーレスの衝撃――自動運転車が社会を支配する』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『ドライバーレスの衝撃――自動運転車が社会を支配する』

本書は2018年11月に出版された、サミュエル・シュウォルツによる No One at the Wheel: Driverless Cars and the Road of the Future (誰も運転していない――自動運転車と道路の未来)の邦訳である。 原題にある「ホイール(Wheel)」とはハンドルもしくは車輪のことで、直訳すれば「ハンドルのところに

今週のいただきもの:2019年11月24日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年11月24日週

ここ数日、急に寒くなりましたね。東京は、年末年始並みの冷え込みだったそうです。あまりに寒いので気分だけでも春を先取ろうと、スーパーで手に取ったのは鰆でした。鰆は魚へんに春と書きますが、関東では12~2月が脂がのった旬の時期です。瀬戸内海では、晩春から初夏にかけて産卵のために押し寄せる鰆を真子や白子と一緒に食べる文化があるため、春が旬とされています。 最近、お

『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』日本経済再生のカギは「中小企業神話」の克服にあり 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『国運の分岐点 中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか』日本経済再生のカギは「中小企業神話」の克服にあり

本書の「中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか」というサブタイトルは非常に刺激的で、早くも各所で物議を醸している。 著者のデービッド・アトキンソン氏は、英オックスフォード大学で日本学を専攻し、米ゴールドマン・サックスの経済アナリストとして、1997年からの金融危機とその後の銀行大再編を予測して名をはせた、「伝説のアナリスト」である。 今は、縁あって文化

動物を愛し性を意識する人々 『聖なるズー』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

動物を愛し性を意識する人々 『聖なるズー』

今年度の開高健ノンフィクション賞を受賞した傑作だ。京都大学大学院で「文化人類学におけるセクシュアリティ研究」に取り組む女性が、単身ドイツに渡り、複数の動物性愛者(ズー)の家を泊まり歩いて丹念に取材している。最初私は「動物性愛」ときいて腰が引けたが、興味が打ち勝って本書を開いた。すると、こんな書き出しが待っていた。 私には愛がわからない。 ひと口に愛といっても

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併せて読まれたこの一冊

これから出る本 2019年12月

「××を買ったのは、どういう人たちなのか」の企画もスタートから長い時間が経ったため、突発的新企画を開始することにしました! 今、書店では「これから出る本」の予約が出来るお店が増えていて、店頭での予約ランキングが作れるまでに規模が拡大中。コミックスや文庫、写真集といったジャンルに予約が集中しているのですが、このコーナーではHONZで取り扱うジャンルに絞ってラン

天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ! 書影

人物 / 事件・事故

天才プログラマーにして闇社会の帝王、超大金持ちにしてドケチ。その男の名はル・ルー。ドラマ化決定の『魔王: 奸智と暴力のサイバー犯罪帝国を築いた男』は超弩級のノンフィクションだ!

海賊が跋扈するため、ソマリア沖ではマグロ漁ができなくなっていた。そこで漁をすれば一網打尽、一攫千金だ。しかし、そのためにはロジスティクスも安全も確保しなければならない。巨額の資金による、飛行場付き、傭兵が警護する完全武装の漁業基地建設が始まった。 全米で多くの医師や薬剤師がオンライン薬局での処方薬販売にかかわっていた。違法ぎりぎりの取引に気づいた麻薬捜査官に

『野生化するイノベーション 日本経済「失われた20年」を超える 』イノベーションに今、何が起きているのか 書影

社会 / ビジネス

『野生化するイノベーション 日本経済「失われた20年」を超える 』イノベーションに今、何が起きているのか

イノベーションは、意味のあいまいなままに、いかにも新しい内容を伝えているかのように思わせる言葉として、多用されています。日本企業の「有価証券報告書」を調べると、1,100社以上がイノベーションという言葉を用いています。この10年で4倍以上(2006〜2007年では、262社)に増え、短期間で浸透しています。 時事用語辞典では、プラスティック・ワード(人工的で

持続可能なコーヒー栽培を目指して──『世界からコーヒーがなくなるまえに』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

持続可能なコーヒー栽培を目指して──『世界からコーヒーがなくなるまえに』

コーヒーを日常的に飲む国が増えたこともあって、世界のコーヒー需要は年々あがっている。 一方で、大量生産と安価な供給を目指し大規模に工業化されたコーヒーの栽培、育成が大地に与える悪影響。また、全世界的な気候変動が伴って㉚年後には今のようにコーヒーを楽しむことはできないという研究者もいる。『世界からコーヒーがなくなるまえに』は、そんなコーヒー終了のお知らせの最中

「神保町」へ、ブラHONZしてきました 書影

教養・雑学 / イベントレポート

「神保町」へ、ブラHONZしてきました

はーい、こんにちは。好評だった 箱根本箱 に続く、2回目のブラHONZは、本の街・神保町です! 神保町といえば、世界最大の古書街で、たくさんの出版社が集まる、まさに本好きの聖地。第1回の箱根本箱に続き、私・塩田春香と足立真穂が、神保町散策&マンガアートホテル宿泊をレポートします! ――というわけで、やってきました、神保町(私、会社が神保町にあるので、 わざわ

今週のいただきもの:2019年11月17日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2019年11月17日週

今年はサンマが記録的な不漁で、11月3日に銚子漁港で初めて水揚げされました。昨年より1カ月半遅れの初水揚げ出そうです。サンマの稚魚は成長しながら北上し、秋に産卵のため南下します。 塩焼きや炊き込みごはんなど、サンマを楽しむ方法はたくさんありますが、洋風にグリルで食べるのもおすすめです。サンマに塩を振りグリルします。その間にレモン、ニンニク、オリーブオイル、バ

『「してはいけない」逆説ビジネス学』読むと起業したくなくなる? 傷だらけ試行錯誤の説得力 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『「してはいけない」逆説ビジネス学』読むと起業したくなくなる? 傷だらけ試行錯誤の説得力

2019年のビジネス本で一番の奇書といっても過言ではないだろう。タイトルの長さに目を奪われるが、内容も語り口こそ熱いながら読み手のモチベーションは上がるどころか下がりかねない。「俺がラーメン屋を始める前にこの本を読んでいたら、絶対にラーメン屋だけはやらなかったよ!」と胸を張られても。失敗談から学び、起業を後押しするビジネス本は少なくないが、失敗から学んで起業

『野球消滅』「メジャー」が「マイナー」へと変わる時、何が起きているのか 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『野球消滅』「メジャー」が「マイナー」へと変わる時、何が起きているのか

日曜日に決勝が行われた野球の世界大会「プレミア12」は、ライバル韓国を下した日本の優勝で幕を閉じた。いよいよ本格的にオフシーズンが始まる。夏の甲子園期間に刊行された本書にもうひとつ読みどきがあるとしたら、まさにこの総括の時期がふさわしいといえるだろう。 「プレミア12」での侍ジャパンの戦いぶりは、言うまでもなくすばらしかった。辞退者やケガによる離脱で必ずしも

『美味しい進化 食べ物と人類はどう進化してきたか』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『美味しい進化 食べ物と人類はどう進化してきたか』

日頃からなじみのある食べ物でも、進化のレンズをとおして見ると、思いがけない事実が浮かび上がってくる。たとえば、パンケーキ(ホットケーキ)……おもな材料は、卵・小麦粉・ミルクだ。これらの共通点はなんだろう? その答えはすべて生命進化の大いなる分岐点にあることだ。 「卵」は、もともと海から陸へと移った両生類が発明したものだが、ぷにゅぷにゅしたゼリー状で、これでは

『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』バチカンでいま何が起きているのか 書影

人物 / 世界史

『悩めるローマ法王 フランシスコの改革』バチカンでいま何が起きているのか

ローマ法王が38年ぶりに来日する。 滞在中は広島と長崎の訪問や、東日本大震災の被災者との面会などが予定されている。前回ヨハネ・パウロ2世が来日した時は、初めてローマ法王が日本を訪れたとあって、各地で熱狂的に迎えられた。今回はどうなるだろう。個人的に気になっているのは、東京ドームで行われるミサである。何か荘厳な雰囲気を出すための演出はあるのだろうか。いまから気