
バイリンガル・アート情報紙『ON BEAT』
本書は最先端のアートや展示など、世界への発信にフォーカスした美術情報誌だ。 vol.11となる今回では、森美術館で来場者数60万人以上を記録した塩田千春の展示会と、アートにおけるブロックチェーンの特集。また元サッカー日本代表の中田英寿による紀行や、メディアアーティスト落合陽一による新連載がスタートしている。 なにより特筆すべきは和英併記で、全項目に英文が記載
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本書は最先端のアートや展示など、世界への発信にフォーカスした美術情報誌だ。 vol.11となる今回では、森美術館で来場者数60万人以上を記録した塩田千春の展示会と、アートにおけるブロックチェーンの特集。また元サッカー日本代表の中田英寿による紀行や、メディアアーティスト落合陽一による新連載がスタートしている。 なにより特筆すべきは和英併記で、全項目に英文が記載

どうやら今の日本はパワー不足のようだ。元気のない状態が常態になりつつある。高度成長期のイケイケを知っている世代は若者に「覇気がない」だの「やる気がない」だのうだうだいうが、先行きに希望が見えないのなら、元気など出しようがないではないか。 せめてパワーをもらおうと「パワースポット」に向かうのは、何か縁(よすが)を得ようともがいてのことだと思うのだ。 もともと高

寒くなると鍋に入った鱈が食べたくなりますね。鍋だけではなく、煮付けにしてもムニエルにしてもおいしいですが、今日は野菜あんかけをご紹介します。 私にとって白身魚の野菜あんかけは、親戚のおばさん(調理師&栄養士)がよく作ってくれたレシピです。はじめに、玉ねぎ、にんじん、レンコンを細切りにして炒め、出汁、醤油、みりんで味を付け、片栗粉でとろみをつけます。次に、鱈に

1994年、アフリカのルワンダで大虐殺(ジェノサイド)が起こった。フツ族によるツチ族の虐殺で、百万人もの死者が出た。 男も女も大人も子どもも、赤ちゃんでさえ犠牲者となった。生き残っても、手足を切り落とされたり地雷で吹き飛ばされたりして障害を負った人が何十万人と残された。 ルダシングワ真美さんは義肢装具士である。マラリヤによって足が不自由になったルワンダ人の夫

著者のウォルター・アイザックソンは評伝の名手だ。これまでにもアインシュタイン、スティーブ・ジョブズ、レオナルド・ダ・ヴィンチといった歴史に名を残す天才たちの生涯を、独自の視点から描き出してきた。 しかし本書は、これまでの彼の作品とは一味違う。何といっても登場人物が220人を超えるというスケール感だ。チューリング、ENIACでのプログラミングを扱った6人の理系

50年前の1969年11月、日本は初の液化天然ガス(LNG)の輸入を成功させた。日本初の輸入LNGは米国アラスカから出荷され、太平洋を渡って日本へやってきた。購入したのは東京ガス・東京電力の連合で、三菱商事が交渉を取りまとめた歴史的快挙だ。 1969年時点では未知のエネルギー源であり、価格競争力もなかったLNGであるが、50年経った今では日本の一次エネルギー

今年1月14日、ツイッターである話題がトレンドを席巻した。「#古典は本当に必要なのか」というハッシュタグに連なる論争である。震源は明星大学人文学部日本文学科が主催した同名シンポジウムだ。 この催しの趣旨は以下のとおりだ。2015年の文系学部廃止報道以降、日本の古典文学研究・教育は縮小の一途をたどっている。この危機に対して、古典(本書では主に古文・漢文を指す)

9月・10月と荒天の影響を受けて書店店頭も大苦戦中です。そんな中、ノンフィクションジャンルには大きな追い風が吹いてきつつあります。まずは先日こちらでもご紹介した『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のYahoo!ニュース|本屋大賞 2019年ノンフィクション本大賞の大賞授賞。ノンフィクションの”普通“を超える驚異的な売れ方で関係者を驚かせています。

ここ最近の10年間で新聞の部数は約1000万部減り、売上は5645億円減少したという。これは新聞社一社が、まるまるなくなるほどのスケール感を持つ数字だ。 これほどまでに、急速に市場がシュリンクすることのインパクトは大きい。多くの場合、このようなケースにおいていは、古参同士が潰しあいをしながら新規参入組も迎え撃つという挟み撃ちの状況が強いられるのだ。プレーヤー

DNA鑑定と聞いて私がまず連想したのは、テレビドラマの犯罪捜査のシーンだ。「トレース」や「アンナチュラル」など、最近、その手のドラマをよく見かける。まるで水戸黄門の印籠のように、クライマックスでDNA鑑定結果と真実が提示される。 本書は、著者が手がけてきたDNA鑑定を紹介するだけでなく、「DNA」「染色体」「遺伝子」「ゲノム」といった言葉の使い分け方など、基

先週のメンチカツ に続き、揚げ物欲が止まらないためドーナツを揚げてしまいました。ドーナツの原型は、オランダの小麦粉、砂糖、卵で作った生地を酵母で発酵させ、ラードで揚げたボール状のオリーボーレンという菓子だとされています。リング状になった経緯は様々な説がありますが、揚げる際に熱の通りがよくなるというのは大きいでしょう。 自宅で作る場合は、ホットケーキミックスを

戦後最大の経済事件といわれる「イトマン事件」で逮捕された許永中が自身の半生を綴った自伝である。 許永中が語る戦後からバブル期までの日本は、現代のような漂白された潔癖な社会ではなく、政、財、官と裏社会が分かちがたく深く結びついた社会である。良しあしは別にして、混沌としながらもエネルギーに満ち溢れ、どこか生臭いにおいのする社会が、つい数十年前までこの国に存在して

『銃・病原菌・鉄』で一世を風靡したジャレド・ダイアモンドの最新刊がこの『危機と人類』である。主に七カ国を対象として、それぞれの国が陥ってきた危機と、それをどのようにして乗り越えてきたのか。また、今現在まさに危機にある国を取り上げ、比較しながら「国家的危機」についての枠組みについて考察しよう、という一冊だ。本書刊行時の著者はすでに80を超えているが、なおパワー

本書は、海外における日本アニメ研究の第一人者による「宮崎駿論」決定版とも言うべき一冊である(原書はMiyazakiworld: A Life in Art, Yale University Press, 2018)。通読してまず実感するのは、著者スーザン・ネイピアの「ミヤザキワールド」に対する並々ならぬ愛情の深さだ。自身も優れたストーリーテラーであるネイピア

本書は、NHKドキュメンタリー『人間ってナンだ?超AI入門』の特別編として、『世界の知性が語るパラダイム転換』というタイトルで放送された、マックス・テグマーク(宇宙物理学)、ウェンデル・ウォラック(倫理学)、ダニエル・デネット(哲学)、ケヴィン・ケリー(編集学)という4人の世界的知性のインタビューを一冊にまとめたものである。 我々は今、AI(人工知能)の登場

ある日を境に急に有名人になってしまうなんて経験、そうそうないだろう。だがソフィーとアンディの人生にはそのめったにないことが起きた。本書は、しなやかな発想で世界を驚かせた女子高校生2人の成長物語である。 ソフィー・ハウザーは、授業中に手を挙げて発表することにもおびえるほどの極度のあがり症だ。気楽に自分を表現できる場は日記か親友の前だけ。そんな彼女は、スタートア

「『イノベーションか、死か』『テクノロジーか、死か』そういう時代を今、我々は否応なしに生きている」 こうした書き出しで始まる本書は、シンガポールを拠点として、長年にわたり世界各国のテクノロジーやイノベーションに投資してきたベンチャーキャピタリストの著者が、今、テクノロジーの最前線で何が起きているのかを、一般のビジネスマン向けにわかりやすく解説したものである。

西洋近代における奴隷制の全体像を把握できる一冊だ。奴隷貿易の誕生から奴隷制廃止運動まで網羅しているが、本書の白眉は奴隷船にまつわる詳細なデータを提示することで、近代社会の実態を浮き彫りにしたところだろう。 奴隷船はその名のとおり、奴隷を運ぶ船であり、映画や小説で過酷な環境が描かれているように「移動する監獄」であった。 毎日16時間以上、鎖につながれ身動きでき

ロケットが飛ぶのもエアコンを使えるのも大元の原理には物理学がある。現代社会の科学技術は全て物理で説明されるが、その根底を作った科学者の筆頭にアインシュタイン(1875-1955)がいる。 相対性理論を発表した物理学者としても有名だが、彼は1922年(大正11年)から翌年にかけて約1ヶ月半の間、妻エルザとともに日本を訪問したことがある。しかも彼は日本へ向かう船

先日、無性に揚げ物が食べたくなり、メンチカツを作りました。メンチカツの発祥は、明治28年創業の洋食店、煉瓦亭です。初代店主が「ポークカツのひき肉バージョン」を考案し、「メンチカツ」と命名しました。ひき肉=ミンチ(mince meat)が「メンチ」となったのは、店主の聞き間違えによるもの。ちなみに、ハヤシライスやオムライス、豚カツ、カキフライ、エビフライなども

先日、現代アートのコレクター会に参加した。特に予備知識も無く参加してみたら、これがとにかく面白い。 例えば多摩美術大学の先輩(50代)であるアートコレクターに、何故この作品を購入したのですか?と聞くと、「これは一見、絵の構成に思えるけど写真なんですよ。見たことない画面でしょう」と言う。なるほど、一見それは抽象画のようだが、近づいて見ると実はNASAの建物であ

「見えない」のは、何か力を失った状態ではなく、「視覚に頼らない」という力をもつことでもあるのだと、ここ数年、いろんなご縁のなかで感じている。 その”ご縁”のひとつが、東京都北区田端にある、20席ほどの小さな映画館、そして日本初の「ユニバーサルシアター」でもある Cinema Chupki Tabata(シネマ・チュプキ・タバタ) だ。 「ユニバーサルシアター

著者太田牛一は長寿の人であった。名古屋市北区に生まれ、大阪市中央区で亡くなった。享年86。死因はインフルエンザをこじらせたためだといわれる。 と、今日の人のように書いたのは、その筆致がじつに現代的だからだ。もちろん原文はいわゆる古文なのだが、現代語訳すると論理的な構成になっていることに驚かされる。中川太古氏の現代語訳が素晴らしいということはいうまでもない。

「S&Mスナイパー」から派生したM男向け季刊誌「スナイパーEVE」が本年2019年5月発行の72号で終了した。発刊号(2001年7月発行)から私は女王様インタビュー「ミストレスの肖像」とM男性インタビュー「当世マゾヒスト列伝」を担当していた。「ミストレスの肖像」は最終号まで続き、「当世マゾヒスト列伝」は誌面刷新により、24号(2007年4月発行)で終了。 連

田嶋陽子さんは、討論バラエティ『ビートたけしのTVタックル』への出演で高い知名度を得た、日本を代表するフェミニストだ。時は1990年代、平成がはじまったばかりのころ。フェミニストがどういう人なのか、フェミニズムがなんなのかまったく知らなかった当時のわたしも、この番組でのやりとりを面白おかしく見ているうちに、「フェミニスト=田嶋陽子」と同義語のようにすり込まれ

「教養」がブームになってひさしい。2010年代の前半から『教養としての○○』というタイトルの本も数えきれないほど発売されている。そんな中、『教養としてのヤクザ』というタイトルの本を書店で目にして、つい手に取ってしまった。完全にタイトル勝ちである。ヤクザの話がいったい教養になるのかどうか?はなはだ疑問ではあるが、著者の名前を見て、これは買いだと確信した。 なぜ

いきなりだが、私は自分の頭に自信がない。HONZに学生メンバーで入って早8年。8年の月日は早く、気付けば社会人5年目になっていた。少しずつ仕事を任されるようになったが、「考えて動く」ことの難しさを日々感じている。そして私は心のどこかで同志と呼べる仲間を探している。そして、同志に伝えたい。私たちだって、頑張れば、何かしらになれるってことを。そして、この世には話

アスリートの引退時期を決めるのは難しい。 私の原稿は、気がつくとこんな書き出しになっていた。かつて沢木が、あるボクサーに執着して残した数多の文章の断片が澱のように私の中に漂っていたからだと思う。今回の原稿を書こうとしたとき、その澱がフワッと表面にあがってきた。 この本は、ある作家のファン50人が、その作家のおすすめの10冊を紹介した本である。本を列挙するだけ

本好きなら必ず一度は通る雑誌「本の雑誌」は創刊から43年が経つ。私にとって、最初は本を探す指針であり憧れだったから、後にこの編集部から仕事の依頼があったときには、天にも昇るほど幸せな気持ちになったのをよく覚えている。 現在でも連載中の「この作家この10冊」は、お気に入りの作家のお気に入りの10冊を、書評家、編集者、書店員、ファン、作家などなどが、それぞれ10

「ばっちゃん」をご存知だろうか。 中本忠子さん。84歳。広島市の基町アパートを拠点に、40年近くにわたって非行少年たちに無償で手料理を提供してきた人物だ。この活動と並行して、76歳の定年まで30年にわたり保護司も務めた。把握されているだけでも、これまで数百人を立ち直らせてきたという。こうした活動が評価され、国や各種団体からの表彰多数、その半生はNHKのドキュ

なるほど、これが教育というものなのか。 Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school. 教育とは、学校で学んだことを忘れた後に残るものをいう 大学の医学部で教えているが、講義の最終回に伝える言葉のひとつだ。アルバート・アインシュタインの名言であ

寒くなると、温かいものを食べたくなりますね。そんな時におすすめなのが、フリカッセです。フリカッセとは、フランス語で軽い煮込みのこと。古代ギリシアの喜劇作家アリストパネスの作品『女の議会』には、「ありとあらゆる種類の食材を含んだ料理」として登場します。 ちなみに、古代ギリシア語で書くとλοπαδοτεμαχοσελαχογαλεοκρανιολειψανοδρ

恐竜についてまったく興味がないという人は珍しいだろう。地球上にさまざまな巨大生物が大量に跋扈している時代があったと思うだけでワクワクしてくる。 しかし、現在知られている恐竜たちは、子どものころ図鑑で見たイメージとはかなり違う。羽毛に覆われた恐竜がいたとか、鳥は生きた恐竜であるとか、まるでウソみたいだ。 これは、「恐竜化石の大発見時代」になり、さまざまなことが

いったいなぜ汚職が起こるのか、と言われても、それが発生する人間心理についてはそう不可思議な点はない。乱用できる権力があり、さらにそれを振りかざすことで利益が手に入るのであれば、そうすることもあるだろう、と容易く想像できてしまう。 「やるだろうな」と想像できる一方で、賄賂などを受け取ることによるリスク(法律違反による逮捕や、糾弾などの制裁)がある時、賄賂をため

映画プロデューサー・奥山和由といえば、強烈な個性とリーダーシップで数々のヒット作品を世に送り出す手腕が映画史に残る人物だ。 『丑三の村』『海燕ジョーの奇跡』『恋文』『ハチ公物語』『226』『遠き落日』『無能の人』『うなぎ』『地雷を踏んだらサヨウナラ』などなど。 これまでに100を超える作品を世に送り出した。 「世界の北野」を生み出したのも奥山さんである。『そ

見慣れた世界地図を、ちょっと視点を変えて色分けしてみると、思いも寄らない姿が浮かび上がってくることがある。たとえば「民主化」の度合いや「女性の社会進出」の進み具合で色分けすれば、欧米を中心にした国々を濃く塗りつぶすことになるだろうし、「政治的自由」の制限などを切り口にすれば、また違った国がクローズアップされるだろう。 では「霊」はどうだろうか? いや、唐突か

仕事の「ムダ」をなくすには、まずムダな仕事をしないことだ。本書のエッセンスを一言で表せばこうなる。いたってシンプル。そして「整理術」系の全てのビジネス書は、同じ内容を説く。 と言って、「ムダな仕事をしないこと」は、決して容易ではない。というのは、何が「ムダな仕事」かが分からないからだ。誰しもムダだと分からないから、ダラダラ仕事を続けてしまう。 これは人ごとで

著者の小林宙(そら)くんは、15歳でタネの会社を起業した。会社名は、「鶴頸(かくけい)種苗流通プロモーション」。どんな会社かというと、伝統野菜を主とするタネと苗の販売、そして農薬と化学肥料不使用の野菜(伝統野菜)の販売を生業としている。 本書は、宙くんが各地域の伝統野菜を守るために、「流通」を生業とした事業を立ち上げるまでの、ストーリーが綴られている。どうし

今回のゲスト、出口治明さんはHONZの客員レビューアとして、たくさん新刊を紹介してくださっています。APUの学長になられてからは、登場回数こそ少なくなりましたが、精力的に新刊を出されています。この分厚い本がベストセラーなのですから驚きます。 堀内勉のレビュー 刀根明日香のレビュー 仲野徹のレビュー 古幡瑞穂の併せて読まれたこの一冊 また新メンバーである鎌田浩

シャインマスカットにハマっています。最近はスーパーでもよく見かけるようになりましたが、2006年に登録された新しい品種です。流通しはじめた頃よりも値段が落ち着いてきたのは、実は作りやすい品種だからだそうです。気軽に買えるようになるのは嬉しいですが、農家の方たちのことを思うと少し気が引けますね。 シャインマスカットに限らず、ぶどうは傷むのが早いです。保管の際は