ノンフィクションはこれを読め!

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496記事

今週のいただきもの:2016年12月25日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年12月25日週

2016年も残すところあとわずかですね。HONZメンバーが決める 今年の一冊 を参考に、お正月に何を読もうか悩みますが、それもまた楽しい。 今年の一冊ではないですが、私の今年最も「グッときた」映画は西川美和監督の 『永い言い訳』 です。映画のために監督自ら 小説 を書き下ろしました。 主人公は不倫中に、友人と旅行に行った妻を事故で亡くします。長年連れ添った妻

『ロレンスがいたアラビア』 書影

人物 / 世界史

『ロレンスがいたアラビア』

ピーター・オトゥールが扮した「アラビアのロレンス」は、紛れもなく僕を映画好きにした1作だった。本書は、ロレンスに惹かれて「知恵の7柱」(東洋文庫)を始めとする関連書籍を読み漁っていた学生時代を思い出させてくれたが、それだけではなく他の類書にはない面白さがぎっしりと詰まっていて驚いた。 ロレンスがいたアラビアには、他にもロレンスと同じような境遇の尖った若者がい

『地方創生大全』唯一最大の課題は、稼ぐことと向き合うこと 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『地方創生大全』唯一最大の課題は、稼ぐことと向き合うこと

著者の木下斉氏は、全国各地でまち会社への投資や設立支援を行っている「まちビジネス事業家」である。 高校時代から早稲田商店街の活性化事業に参画し、在学中に全国商店街の共同出資会社である株式会社商店街ネットワークを設立し、現在は全国のまち会社による事業連携・政策立案組織である一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスの代表理事を務めている。また同時に、内閣

『マラス 暴力に支配される少年たち』子供の姿こそ社会を映す鏡である。 書影

社会 / 事件・事故

『マラス 暴力に支配される少年たち』子供の姿こそ社会を映す鏡である。

学生時代からメキシコの貧困層の生活改善運動を研究しストリートチルドレンを見守り続けてきた、フリージャーナリスト工藤律子は2014年に気になるニュースを目にする。近年、中米からアメリカに不法入国する少年たちが増加しているという内容だった。記事によると、単独で国境を越えようとして米・国境警備隊に拘束された未成年5万2000人のうち、75%以上がホンジュラス、グア

『全裸監督 村西とおる伝』真珠湾でAVを撮ったビジネスマン 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『全裸監督 村西とおる伝』真珠湾でAVを撮ったビジネスマン

安倍晋三首相が28日に米・ハワイの真珠湾を訪問した。当初は、今回が現職首相として初の真珠湾訪問とされていたが、吉田茂、鳩山一郎、岸信介も首相在職時に訪れていたとの報道も出てきた。突如、過去に3首相の訪問が浮上してきたわけだが、真珠湾上空で男女の情事を撮った男は日本どころか世界でも一人であろう。 村西とおる。もはや過去の人かもしれない。十数年前に息子が超有名難

『コンピュータが小説を書く日  AI作家に「賞」は取れるか』書くことを通して人は「何か」を生み出す 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『コンピュータが小説を書く日  AI作家に「賞」は取れるか』書くことを通して人は「何か」を生み出す

日本は他国に比べ生産性が低いそうだ。最近は書店でも生産性の向上を唱える本をよくみかける。確かにわずかな努力で最大の成果を生み出せればこんなにいいことはない。生産性の向上、大賛成である。寝ながらにしてレビューが書ければ最高である。 ちょっと変わった味わいの短編の名手として知られるロアルド・ダールに、「偉大なる自動文章製造機」(『あなたに似た人Ⅱ』所収)という作

『使用人たちが見たホワイトハウス』秘密のベールに隠された、ホワイトハウスの日常とは? 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『使用人たちが見たホワイトハウス』秘密のベールに隠された、ホワイトハウスの日常とは?

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 首藤 淳哉はラジオ局で朝の番組を担当する、敏腕プロデューサーだ。ラジオ業界きっての読書家で、 「嫁に隠れて本を買う」と題したブログ は業界の内外を問わずファンが多い。一週間前に面接したばかりなのに、既にレビューを2本も送ってくるアウトプットの速さは、マスコミ人として培われたフットワークの賜物なのか? それとも…。今

『本当に住んで幸せな街』官能的な街をはかる 書影

教養・雑学 / 社会

『本当に住んで幸せな街』官能的な街をはかる

「結局私たちは、どんなまちに住むのが幸せなのか」 センシャス・シティである。これが、本書の結論だ。 センシャスは日本語にすると「官能」、センシャス・シティは「官能都市」、艶やかな響きである。官能という言葉から、反射的にポルノチックなニュアンスが思い浮かんでしまう。しかし、官能の本来持つ意味を調べると、「感覚器官の動き」である。まず、センシャス・シティが夜遊び

むっちゃいけてまっせぇ~ 『マンガ 超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

むっちゃいけてまっせぇ~ 『マンガ 超ひも理論をパパに習ってみた 天才物理学者・浪速阪教授の70分講義』

超ひも理論である。HONZ代表の成毛眞とともに挑んだが、まったく歯が立たなかった難攻不落の理論である。まぁ、ひょっとしたら、挑んだ相手というか、説明してくれた人が悪かったのかもしれない。我々を十分に納得させてくれんかったのだから。その敗北記は、東洋経済オンラインの『天才物理学者・浪速阪教授に聞く、その1、その2』に詳しい。 その浪速阪教授こそ、小説『超ひも理

今週のいただきもの:2016年12月18日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年12月18日週

欧米ではクリスマスのご馳走に七面鳥を食べます。英語で七面鳥のことを「turkey(トルコ)」と言いますが、トルコでは「hindi(インドの)」と呼びます。さらにインドではペルーの鳥とされています。 七面鳥は北アメリカ原産の鳥です。欧州に伝来した際に、ホロホロ鳥=turkey cock(トルコの鶏)と混同され、turkeyの呼び名が定着しました。欧州では東方や

『実験国家 アメリカの履歴書』 統合と多元化に揺れ動く大国 書影

社会 / 世界史

『実験国家 アメリカの履歴書』 統合と多元化に揺れ動く大国

過激な発言や過去のスキャンダルのために共和党候補にすらなれないと思われていたドナルド・トランプが、世界最強国家アメリカの次期大統領となることが決まった。リーマン・ショックに端を発する不況が、世界を不安で包み込もうとしていた中、若く聡明なマイノリティのバラク・オバマに希望を託した人々が、8年後の今は、対極とも思える人物をリーダーに選んだのである(その選挙制度の

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『モンティ・パイソンができるまで ジョン・クリーズ自伝』

本書は、2014年にRandom House Books より刊行されたSo, Anyway... の全訳である。 ご存じの読者も多いと思うが、著者のジョン・クリーズは世界的に有名なコメディアンであり、彼の属していた〈モンティ・パイソン〉というグループが登場したのは1969年、《モンティ・パイソンズ・フライング・サーカス》という英BBCのコメディ番組でのこと

『進化とは何か? ドーキンス博士の特別講義』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『進化とは何か? ドーキンス博士の特別講義』

あなたはどうしてこの本を手にとったのだろうか。進化についての興味からだろうか。それとも、リチャード・ドーキンスというスター科学者にたいする関心からだろうか。あるいは、すでに熱心な愛読者であるために手にとるのも当然のことだったかもしれない。 どちらにせよ、あなたは最高の一冊を選びとった。本書は現在望みうる最良の進化論入門書であり、またサ

『マラス』凶悪ギャングの心の底は 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『マラス』凶悪ギャングの心の底は

中米から米国へ不法入国する若者が急増している。それも、メキシコよりさらに南の中米諸国から。2014年夏、そんなニュースが著者の目に留まった。 2013年10月から2014年6月中旬までの間、単独で国境を超えようとして米・国境警備隊に拘束された未成年者の数は約52,000人に上る。そのうち75%が、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスの中米3ヵ国の出身だっ

『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『最後の資本主義』資本主義を脅かしているのは、信用の弱体化である

去る12月2日に日本財団で行われた「Bコーポレーションを知る会」に出席してきた。 Bコーポレーションという言葉 は聞き慣れないかも知れないが、アメリカの非営利団体B Labが運営する、社会的責任や持続可能性などを評価する認証制度で、「TransFair」がフェアトレード・コーヒーを認証するのと同じように、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を

今週のいただきもの:2016年12月11日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年12月11日週

今週は 根津美術館 の 円山応挙 展に行きました。副題に「「写生」を超えて」とあるように、彼の描く繊細で色鮮やかな草花、動物はまるで呼吸をしているかのように感じられます。江戸時代中〜後期の絵師で、足のない幽霊を書き始めたとも言われています。(諸説あり) 『藤花図』に描かれた幹は下絵の線が無いため、場当たり的に描いたようにも見えます。しかし、絶妙なバランスで描

『無葬社会 彷徨う遺体 変わる仏教』ニッポンの葬送の変化とは? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『無葬社会 彷徨う遺体 変わる仏教』ニッポンの葬送の変化とは?

2015年、地方寺院の困窮を詳細に調査した『寺院消滅』(日経BP)が大いに話題となった。その著者の次のテーマは「多死(大量死)時代の到来と葬送の変化」。社会の高齢化に伴い、今後25年ほど死亡者の数は増え続けると予想されている。 現在でも都会の火葬場は満杯の状態が続いている。待機期間は1週間から10日にもなり、遺体を保存するホテルのような施設もでき始めている。

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「ビジネス書グランプリ2017」が開催ーーそれがビジネス書かどうかも、ビジネスパーソンが決める!

今年2回目を迎える「ビジネス書グランプリ」。昨年からグロービス経営大学院と本の要約サイトflierの主催で始まっておりましたが、今年から主催者の中へHONZも名を連ねることになりました。グロービス経営大学院、Forbes JAPAN、flier、HONZでの共同開催です。(※ちなみに昨年のグランプリの模様は こちら ) このアワードのコンセプトは「 ビジネス

『10分後にうんこが出ます』悲劇と情熱がウンをもたらした! 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『10分後にうんこが出ます』悲劇と情熱がウンをもたらした!

HONZが送り出す、期待の新メンバー登場! 小松 聰子は精密機械メーカーに勤務するワーキングママだ。先日 『ブルマの謎』の客員レビュー を寄稿してもらったところ大きな反響を呼び、即、正規メンバー入りが決まった。愛称はもちろんブルマー小松。そんな彼女が仕上げてきた次なる原稿のテーマは「うんこ」。「ブルマー」から「うんこ」へ、この流れで本当に大丈夫なのか!? そ

『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『カフェインの真実 賢く利用するために知っておくべきこと』

著者のマリー・カーペンターは米国でも環境や食の安全に対して住民意識が高い先進地域に在住するジャーナリストで、ダムを取り壊した川にサケが還ってきた事例など、環境問題に関する報道も多く手掛けている。 本書ではまず、もともとは呪術者や王侯貴族専用の「魔法の薬物」だったチョコレートやコーヒー、お茶など、カフェインの入った飲食物が一般大衆にも嗜好品として普及するように

全米が泣いた!そのあざやかな生きざまに 『いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」 』 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

全米が泣いた!そのあざやかな生きざまに 『いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」 』

大病というのは人生の意味を明確にするはずだったが、私にわかったのは自分が死ぬということだけだった。でも、そのことは以前から知っていたのだ。 誰もがうらやむような経歴を持つ若き脳神経外科医が、不治の肺がんとの診断をうけた。それまでに学んできた哲学と医学を最大限に活かし、自らの人生と病いを深く洞察し、奇跡など決して信じることなく、行く末にある死を冷徹に見つめ、生

『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』は、ここまでの作家人生の、一つのピリオドとなる作品になりました。 書影

事件・事故 / 著者インタビュー

『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』は、ここまでの作家人生の、一つのピリオドとなる作品になりました。

『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』は、2007年に起きた凄惨な強盗殺人事件を、被害者の磯谷利恵さんの人生を軸にたどったノンフィクションだ。すでに HONZでもレビューが掲載され 、大きな話題を呼んでいる。これまで4作の作品を書いてきた大崎善生さんは、5作目の題材に選んだ本作を「作家人生のピリオド」とまでいう。その言葉の裏側には、どのような思いがあったのか

『ブロックチェーン・レボリューション』この技術が世界を変える、あなたがそれを望むなら 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『ブロックチェーン・レボリューション』この技術が世界を変える、あなたがそれを望むなら

本書は2016年5月に発売され、全米でベストセラーになった"Blockchain Revolution: How the Technology Behind Bitcoin Is Changing Money, Business, and the World"の邦訳である。本書の表書きを見ると、次のように書かれている。 「インターネットに比肩する発明によって

『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 書影

サイエンス / 生物・自然

『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版

ハーバード大学やプリンストン大学をはじめ、全米200以上の大学で採用さている教科書『 Evolution: Making Sense of Life 』の邦訳3分冊の第1巻である。「教科書」といっても、本書は議論の余地のない事実が淡々と積み上げられた退屈なものではない。原著者は『 ウイルス・プラネット 』等で知られる大人気サイエンスライターのカール・ジンマー

『未来を築くデザインの思想』デザインは人を越えるか 書影

アート・スポーツ / 社会

『未来を築くデザインの思想』デザインは人を越えるか

コンピューターが人々の生活に浸透されたのをきっかけに、世界中のデザイナー達はその化学反応から起こりうる未来を予測してきた。本書はそこから生み出されたデザインの数々を紹介し纏められたものである。 それは「人間と非人間」をつなぐ新しい領域のデザインかもしれない。 本書に登場するのは、グラフィックデザイナー、MoMAキュレーター、書体デザイナー、インタラクションデ

『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで 書影

教養・雑学 / HONZ客員レビュー

『ブルマーの謎 <女子の身体>と戦後日本』ブルマー教授が出来るまで

『ブルマーの謎』は、最近ではすっかり見ることもなくなった女子体操服の「ぴったりブルマー(密着型ブルマー)」をテーマにした一冊である。長年研究を続けた社会学者が手掛けており、ブルマー研究の決定版とも言える内容だ。しかしこの画期的な研究が始まったのも、ゼミ生たちとの苦し紛れのやり取りから生まれた「偶然の産物」であったという。当時、山本ゼミに所属していた小松聰子さ

『文庫X』は、HONZでおなじみのあの一冊! 正体を隠すことで、どれだけ読者層が変わったのか? 書影

事件・事故 / 併せて読まれたこの一冊

『文庫X』は、HONZでおなじみのあの一冊! 正体を隠すことで、どれだけ読者層が変わったのか?

今年、注目を集めた本ランキングというものがあったら、間違いなく上位に入ってくるだろう1冊があります。それが『文庫X』。盛岡のさわや書店フェザン店さんが、本1冊を熱いコメントで覆い覆面本としてタイトルを隠して売り続けた作品です。夏から今まで、長い期間正体不明の本とされてきた作品が12月9日にヴェールを脱ぎました。 文庫Xの正体はHONZ読者にはおなじみの、『殺

今週のいただきもの:2016年12月4日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年12月4日週

ティファニー初のドキュメンタリー映画 『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』 を観ました。原題は『Crazy About Tiffany's』で、 『ティファニーで朝食を』 のオードリー・ヘップバーンのセリフに由来します。ドキュメンタリーなので単調かと思いきや、キャッチーな音楽とともに華やかな場面がどんどん展開し、『ティファニーで朝食を』や 『華麗なるギ

『毎日こなべ』食材の味を吟味しながら、少しずつ頂く 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

『毎日こなべ』食材の味を吟味しながら、少しずつ頂く

麻木久仁子さんがHONZでグラフィック社の『 一汁一菜でよいという提案 』(土井善晴著)の書評を書き、自身でもfacebook に「本日の一汁一菜」の写真をアップしているのを見て、これ美味しそうだな・・・HONZでこういうのもありなんだな・・・と思っていたら、ちょうどダイヤモンド社から『まいにち小鍋』(小田真規子著)が出版された。 ダイヤモンド社が料理本を出

『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 』この一冊がボブ・ディランの魂を揺さぶった(のかもしれない) 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 』この一冊がボブ・ディランの魂を揺さぶった(のかもしれない)

ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞とともに、ある一冊の文庫が突如脚光を浴びた。浅草一帯に勢力を張った伝説の博徒、伊地知 栄治の生涯を描いた『浅草博徒一代』である。授賞式を間近にひかえた11月、本書はついに緊急復刊。まるで予言めいた一文も記されている、2006年8月1日刊行時の文庫解説を特別に掲載いたします。(HONZ編集部) 本書は1906年に宇都宮に生まれ

えっ!ウチと違う!? 『お雑煮マニアックス』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

えっ!ウチと違う!? 『お雑煮マニアックス』

日本初のお雑煮のムックである。著者の粕谷浩子さんは、お雑煮が好きすぎて、各地の食べ比べレトルトパックの会社を立ち上げた情熱の人だ。その道のりは我々が想像するより、ずっと険しいものだった。お雑煮はレストランなどに無いため、粕谷さんは「地元の人と銭湯で仲良くなる作戦」などを駆使して、奥深いお雑煮の世界を丹念に調べていくしかなかったのだ。47都道府県のお雑煮を一挙

慟哭のノンフィクション 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

慟哭のノンフィクション 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』

大崎善生は大好きな作家の一人である。もちろん最初の一冊はあの『聖の青春』で、いきなりファンになってしまった。以後、著作のほとんどを読んでいる。どの本も面白いのだが、なかでも、稀代のSM作家・団鬼六を描いた『赦す人』などは、誰にでも勧めたくなる出色のノンフィクションだ。 いちばん好きな作品は、短編集に収められた『優しい子よ』である。重い病に冒された子どもとの交

『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』 研究の全体像を見渡せる概論的読み物 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』 研究の全体像を見渡せる概論的読み物

近年、わたしたちの体内や体表面に驚くほどの微生物がいることが明らかになってきた。人間の体にある細胞のうち、なんと90%が微生物のものであるというし、また、人体の内部や表面には1万種を超える微生物が棲息しているという。 そのような、「私たちの体の内部や表面のほか、家庭や学校などの生活の場のそれぞれに存在する微生物の集まり」は、「マイクロバイオーム(microb

『会議でスマートに見せる100の方法』働く時間があったら昼寝しろ! 書影

ビジネス / HONZブックマーク

『会議でスマートに見せる100の方法』働く時間があったら昼寝しろ!

会議でスマートに見えること。それが私の一番の望みだが、だれだってそうだろう。とはいっても、会議中は眠くなったり、次の休暇やランチのことで頭がいっぱいになったりしてスマートに見せるのが難しくなるときもある。そんなときこそ裏ワザの出番だ。この本では、頼りになる 100の裏ワザを紹介しよう。 先人は「やみくもに働くのではなく、スマー

『ロレンスがいたアラビア (上、下巻)』サイクス=ピコ協定からバルフォア宣言まで 書影

人物 / 世界史

『ロレンスがいたアラビア (上、下巻)』サイクス=ピコ協定からバルフォア宣言まで

1918年、トーマス・エドワード・ロレンス大佐はバッキンガム宮殿に呼び出される。ジョージ五世は笑顔で「贈り物があるんだよ」と語りかける。国王の贈り物とは大英帝国勲章ナイト・コマンダーであった。戦争での活躍が評価されたのだ。ロレンスはナイト爵を授かろうとしていた。子供の頃から騎士の物語に憧れ、三十歳になるまでにはナイトに叙せられることを目指していたロレンスは、

『超監視社会 私たちのデータはどこまで見られているのか?』 書影

社会 / HONZブックマーク

『超監視社会 私たちのデータはどこまで見られているのか?』

私たちがSFの世界に生きていると言われてもピンと来ない人は、手元の携帯電話を見てほしい。オシャレで、カッコよくて、想像を絶するくらい高性能な携帯電話――それは生活に欠かせない道具、そこにあるのが当然の存在になっている。地球上のどこにいても、それをポケットから取り出せば、地球上のどこにいる人とも話せる。 これは、ごく自然な日常の光景に思えるかもしれない。 しか

『晴れたら空に骨まいて』人を弔うのは、こんなにも愛しく楽しいことなんだ! 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『晴れたら空に骨まいて』人を弔うのは、こんなにも愛しく楽しいことなんだ!

ある日、実家の母の家で夕食を食べていると、母の友人が、熱い串カツをハフハフしながら、こう言った。 「もうすぐネパールへ行くんだ。旦那の骨を撒きに! 度肝を抜かれた著者が事情を聞くと、8年前に亡くなった旦那さんの遺骨をクッキーの缶に保存し、少しずつ出張や旅行に持っていき、何年もかけて世界の川や海、例えばセーヌ川や万里の長城などに撒いているのだという。 だって、

『宇沢弘文 傑作論文全ファイル』経済学は人を幸せにしているのか? 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『宇沢弘文 傑作論文全ファイル』経済学は人を幸せにしているのか?

本書は、故宇沢弘文先生の研究生活の後半40年にわたる代表的な論文をひとつの形にまとめたものである。宇沢先生のノートパソコンに入っていた2千以上もの論稿を、コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授、京都大学の松下和夫名誉教授、国連大学の竹本和彦所長、帝京大学の小島寛之教授など、多くの関係者の協力を得て編集したという。 「知の巨人」宇沢先生の業績と、今日のグ