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『戦略家ニクソン』『イラク建国』『ルワンダ中央銀行総裁日記』の3冊から、現代史を学ぶ 書影

世界史 / HONZブックマーク

『戦略家ニクソン』『イラク建国』『ルワンダ中央銀行総裁日記』の3冊から、現代史を学ぶ

没後ほぼ四半世紀を経て、その功績や人物像が見直されつつある国家リーダーが2人いる。田中角栄とリチャード・ニクソンだ。ニクソンはエヴァン・トーマスの『Being Nixon』(2016年3月)が出版ブームに火を付け、10点以上の書籍が発行された。歴代のアメリカ大統領で唯一任期中に辞任した彼は、ソ連とはデタントを進めながら、対中国交正常化の端緒を開き、ベトナム戦

「ビッグマック」を食べよう 『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

「ビッグマック」を食べよう 『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』

100,000,000,000,000。わたしたちひとりひとりの腸内にはそれだけの数の細菌がいるという。そうした細菌たちの集まりは「マイクロバイオータ」と呼ばれ、近年その研究が脚光を浴びている。本書は、マイクロバイオータとわたしたちの健康の関係について、微生物学者の夫妻がわかりやすく紹介するサイエンス書である。 マイクロバイオータと健康の関係については、すで

今週のいただきもの:2016年11月27日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年11月27日週

山種美術館 に行きました。日本画専門の美術館で、作品保護のために展示室は地下にあります。 横山大観 や 奥村土牛 など有名作家の作品を多く所蔵し、今回は 速水御舟 の大回顧展を開催していました。 速水御舟は『炎舞』に代表されるように象徴的、装飾的表現で知られています。と、言っても生涯通して同じような作風だったわけではありません。27歳の時に描いた『菊花図』は

『ヒットの崩壊』「PPAP」はヒットなのか? 書影

アート・スポーツ / 編集者の自腹ワンコイン広告

『ヒットの崩壊』「PPAP」はヒットなのか?

「最近のヒット曲って何?」 そう聞かれて、すぐに答えを思い浮かべることのできる人は、どれだけいるだろうか? よくわからない、ピンとこないという人が多いのではないだろうか。 こういう書き出しで『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)ははじまります。心当たりのある「ヒット」曲、ありますか? AKB48、三代目 J Soul Brothers、嵐……あたりが筆頭でしょう

『身体巡礼』解剖的なひとのまなざし 書影

民俗・風俗 / 「解説」から読む本

『身体巡礼』解剖的なひとのまなざし

メメント・モリとは、ラテン語で「死を忘るるなかれ」という意味の言葉だが、時代によってとらえ方が異なるという。ローマ時代などは、「どうせ死ぬなら陽気に生きよう」といった意味合いで使われていたそうだ。それがやがてキリスト教の普及により――死後の世界である天国や地獄のイメージが詳細になるにつれ――「現世で手に入るものなど空しいものばかりである。それよりも神の御意志

『そして、暮らしは共同体になる。』「ゆるゆる」という新スタンダード 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『そして、暮らしは共同体になる。』「ゆるゆる」という新スタンダード

佐々木俊尚さんといえば、これまでの著書において新しい潮流を描き出すとともに、旧態依然としたものを片っ端から斬ってきた遍歴を持つ。ターゲットは時に新聞・テレビであったり、日本のリベラルであったり、民主主義だったりと様々であった。そして本作ではその対象が「ジャーナリスト像」のようなものへ向かったのではないかと感じる。 とは言っても、本書は別にジャーナリズムについ

『ブロックチェーン・レボリューション』夢のつづき 書影

ビジネス / 「解説」から読む本

『ブロックチェーン・レボリューション』夢のつづき

──こんな立派な本の解説って、大丈夫なんですか。 いや。だいぶ不安なんですけど。 ──そういうときは断りましょうよ。なんで引き受けちゃったんですか。ブロックチェーン、詳しいんですか。 いや、そうでもないです(苦笑)。 ──そもそも、なんで頼まれたんですか。 いや、ぼくが編集長を務めてる『WIRED』日本版というメディアで、ちょうどブロックチェーンの特集をやっ

『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『マイクロバイオームの世界 あなたの中と表面と周りにいる何兆もの微生物たち』

本書はWelcome to the Microbiome(Yale University Press, 2015)の全訳である。原書カバーの袖に記された紹介文によれば、アメリカ自然史博物館で2015年11月から2016年8月まで開催されていた、マイクロバイオームをテーマとした展示会に合わせて制作されたものらしい。展示会はその後、アメリカ国内のみならず国外へも

レイプはなぜ続くのか『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』 書影

社会 / 事件・事故

レイプはなぜ続くのか『ミズーラ 名門大学を揺るがしたレイプ事件と司法制度』

19.3%、実に5人に1人。 これだけの割合のアメリカ人女性が、年齢を問わず、これまでにレイプ被害を受けたことがあると、米国連邦機関・疾病予防管理センターによる2014年9月の報告書で明らかになった。これほどにも「ありふれた犯罪」である一方、被害者の64%〜96%は警察に被害を届け出ず、アメリカ国内でもっとも報告率の低い重大犯罪でもある。また、訴追されるのは

『バブル 日本迷走の原点』バブルを知らない我らが世代に送る 書影

社会 / HONZ客員レビュー

『バブル 日本迷走の原点』バブルを知らない我らが世代に送る

「岩瀬君のようにバブルを知らない世代に読んで欲しい本を書いている」 バブル時代に日経証券部のキャップとして大活躍したジャーナリスト、永野健二氏からそのように言われていた本が、ようやく上梓された。 あの時代をMOF担として渦中で過ごし、最近では読売新聞の書評委員として筆をふるう当社の出口会長をして、「あのバブルの時代は何だったのか、誰かにきちんと総括してほしい

『バブル 日本迷走の原点』社会全体としての歴史の記憶と知恵の蓄積が必要だ 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『バブル 日本迷走の原点』社会全体としての歴史の記憶と知恵の蓄積が必要だ

「バブルとは何か?」ーーこれに答えようとするだけで本が何冊も書けてしまう壮大な問いである。 本書の中でも、「バブルとは…」という記述が何箇所か出てくる。 まず、 ”バブル経済とは好景気のことではない。特定の資産価格(株式や不動産)が実態から掛け離れて上昇することで、持続的な市場経済の運営が不可能になってしまう現象のことである。” と経済学的に説明したもの。

『住友銀行秘史』が大ヒット、経済ノンフィクションが今アツい! 書影

社会 / 併せて読まれたこの一冊

『住友銀行秘史』が大ヒット、経済ノンフィクションが今アツい!

『住友銀行秘史』が売れています。ノンフィクションジャンルでは発売たちまち大重版という言葉はなかなか聞かれないものなのですが、これはその希有な作品となりました。 HONZレビューが掲載された 10/12段階ではすでに売上率が50%程度になっていましたから、品切れ店も続出していたと思われます。すごい売れ行きです。 発売後、もっとも早い動きは10/7にありました。

今週のいただきもの:2016年11月20日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年11月20日週

昨日はHONZの忘年会でした。HONZの飲み会といえば飲めや歌えのどんちゃん騒ぎなのですが(そうなのか?)、そのことは栗下直也のメルマガにお任せしましょう。 年末にその年の慰労をする宴会は日本だけではなく中国や韓国などでも行われていますが、キリスト教圏の国では12月にクリスマスパーティーがあるものの「忘年会」はありません。日本の忘年会は鎌倉〜室町時代の「とし

『シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問』

2015年夏、ヨーロッパに数十万人の難民がやってきました。最初はアフリカ系難民がイタリアに、次は主にシリア難民がギリシャに。いまにも沈みそうなボートで、運よく南ヨーロッパの海岸にたどり着いた人たちは、今度はドイツやスウェーデンを目指して、大移動を始めました。バルカン半島の田舎道に人があふれ、ターミナル駅では通勤客の横で難民が寝起きする姿が日常になりました。ヨ

不健康な脳から健康な心を推論する──『脳はいかに意識をつくるのか』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

不健康な脳から健康な心を推論する──『脳はいかに意識をつくるのか』

近年機能的磁気共鳴画像法(fMRI)など新技術の出現で脳の活動がより精確に観測できるようになり、脳科学/神経科学は飛躍的に進歩した。そうなると気になるのは、我々が「意識」や「心」と言っているものはいったいなんなんだという問いかけである。 幾つもの神経科学方面の本がその謎に挑んでいるが、本書は「機能不全に陥った脳を調べ、健康な脳と比較・検証することで心を推論す

『バブル 日本迷走の原点』邪悪なる善は甘い蜜に潜む 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『バブル 日本迷走の原点』邪悪なる善は甘い蜜に潜む

本書は「始動」「膨張」「狂乱」「精算」の4章、全21節で構成された好漢譚として楽しむことができる今年一番のおすすめ本だ。各節ごとにそれぞれ10人ほどの好漢たちが登場し、各々の役割を演じては舞台を去ってゆく。その好漢たちとは時の首相であり、日銀総裁であり、証券会社の経営者であり、銀行の頭取たちだ。もちろんバブル紳士も高級官僚も登場する。 広辞苑によれば、好漢と

『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格的ハードコア・ゴキブリ書 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『衛生害虫ゴキブリの研究』年季入りの本格的ハードコア・ゴキブリ書

「黒塗りの家庭内ランナー」としてお馴染みの生きもの、ゴキブリ。 たったの一匹が加工食品に混入しただけで、ひとつの企業を存続の危機に追いやるほど、この生物は忌み嫌われている。だがはたして、この同居人の実際の姿を知る日本人は、いったいどれくらいいるだろうか。 何のてらいもないタイトルの通り、本書は、屋内で遭遇する衛生害虫ゴキブリの研究書である。著者は、民間の研究

『落葉樹林の進化史』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『落葉樹林の進化史』

著者は米国コネチカット州にあるコネチカット・カレッジという教養大学の生物学教授である。カレッジのある町は北海道の函館くらいの緯度にあたり、ニューヨーク市から東方に車で三時間くらいのところにある。 第1章にあるように、現地の落葉樹林を訪れてみると、太平洋を隔ててはるかかなたにあるのに、似たような緯度にある北海道南部の落葉樹林に実によく似ている。 また本

『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND』 書影

教養・雑学 / 「解説」から読む本

『たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND』

日本はもちろん世界各国でベストセラーとなった、マインドフルネスとEQのバイブル的書籍『サーチ・インサイド・ユアセルフ』。そのベースとなった同名の研修プログラムはグーグル社内で最も人気となり、社外でも展開され15か国以上で1万人を超える人が受講し、その開発者で同書の著者であるチャディー・メン・タンはグーグルの重役からマイ

『「移動」の未来』はわたしたちの未来そのものだ 書影

社会 / ビジネス

『「移動」の未来』はわたしたちの未来そのものだ

小雨降る冬の日、空腹を満たすために凍える外気にその身をさらす必要はない。ネットでピザをオーダーすれば、数十分で熱々のチーズがあなたの口元にやってくる。ピザが届くまでの数十分も、お気に入りのコーヒー豆で淹れた一杯があれば苦痛ではない。世界中のあらゆる動画や脳を刺激するゲームを与えてくれるスマートフォンが手元にあるのだから、暇を持て余すことなどない。ネットで買え

かわいいあいつも、食べるとおいしい。『世界のへんな肉』アルパカもビーバーも、肉。 書影

生物・自然 / 教養・雑学

かわいいあいつも、食べるとおいしい。『世界のへんな肉』アルパカもビーバーも、肉。

肉。ああ、なんて魅惑的な響き! 焼きたての熱々をほおばれば、じゅわっと脂がとろけて、たちまち脳内はあふれ出る幸せホルモンの大洪水や~!! じるるっ。 おっと、よだれが。失礼しました。日本人がこういうときに想像するのは、やっぱり牛肉? 北海道の人ならヒツジかな? でも、世界では「まさかのあんな動物」や「かわいいこんな動物」も、肉です。食材なのです。 本書は3年

『周―理想化された古代王朝』 書影

世界史 / HONZ客員レビュー

『周―理想化された古代王朝』

中国では、常に古代の聖天子の時代が憧憬される。伝説の堯や舜はともかく実在が確実視される周の文王や武王、周公旦の時代である。周は約800年続いたが、これまで意外なことに読みやすい通史がなかった。本書は待望の1冊である。 従来の中国の古代史は概ね司馬遷の叙述(史記)など伝世文献に依拠してきたが、当時の金文(青銅器に彫られたもの)や竹簡などの同時代資料が陸続と発掘

適切な移民政策とは何か──『移民の経済学』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

適切な移民政策とは何か──『移民の経済学』

トランプ次期大統領が不法移民のうち犯罪歴のあるものを強制送還する、メキシコとの間には壁をつくると発言していることもあって、今移民をめぐる問題が熱い。しかし、実際のところ「移民はどのような影響を国(の政治や治安、労働環境)に与えている」のだろうか。アメリカの不法移民は1100万人にものぼるとされているが、仮に彼らを全員強制送還したとしてアメリカ経済にはどのよう

今週のいただきもの:2016年11月13日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年11月13日週

「私はダリでしょう?」CMが流れていた当時やたら印象的で今でも頭に残っているフレーズなのですが、10年前のダリ展のものでした。(もっと幼い頃の記憶のような、しかし10年前と言われるとだいぶ前ですね…) 当時、美術の教師に「ダリは絵が小さいし、ダリ展なんて人が多くてゆっくり見られないから図版で見た方がいいわよ」と、言われ美術館には足を運びませんでした。しかし、

お腹が空いてくる! 『韓国食文化読本』 書影

民俗・風俗 / おすすめ本レビュー

お腹が空いてくる! 『韓国食文化読本』

変なかたちの本なんである。そして、やたらとたくさん、韓国料理の写真が出ているんである。発行元は「国立民族学博物館」。115項目にわたって、隣の国の「食」についてまとめられている。そういえば、知っているようで知らない韓国のごはん。たとえば、韓国ドラマで食べていた「ワカメスープ」はなんだったのか? 変なかたちのこの本、幅220ミリ×高さ185ミリで、普通よりも幅

『バブル 日本迷走の原点』 書影

社会 / HONZブックマーク

『バブル 日本迷走の原点』

「失われた20年」が続き、今なお抜けられぬデフレ状況。本書『バブル 日本迷走の原点』は、その起点となったバブル時代の正体を様々な角度から捉えた一冊である。特筆すべきは経済モノとしての確かさだけではなく、物語としての面白さも群を抜いている点だ。時代の狭間に蠢く、男たちの野心と欲望。30年の時を超えた今だからこそ書ける事実を積み重ね、バブルの再到来へ警鐘を鳴らす

『キラーストレス 心と体をどう守るか』そのストレスがあなたを殺す! 書影

サイエンス / 医学・心理学

『キラーストレス 心と体をどう守るか』そのストレスがあなたを殺す!

キラーストレスという言葉は造語であり、学術的に特別なストレスが存在するわけではない。しかし、近年の目覚しい科学の発展によって、いくつものストレス要因が重なると、ただのストレスでも命に関わるような病気の原因になる事が明らかになってきた。本書は最新のストレス研究を扱ったNHKのテレビ番組『 NHKスペシャルシリーズ「キラーストレス」 』の書籍化である。 テレビシ

『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』

もし世界からニワトリが消えたなら? きっと各地でパニックが起きるに違いない。鶏肉は牛肉・豚肉などと比べて国際的な生産・消費量が急増しており、とりわけ新興国・途上国での需要がぐんと伸びている。安価で栄養価の高い肉や卵は、多くの庶民の健康を陰で支えてきた。 その膨大な加工食品も含めて、人類にとってますます不可欠な食材となり、成長する巨大都市のエネルギー源にもなっ

『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』あの事件の真相が語られる?! 書影

人物 / 社会

『狂うひと「死の棘」の妻・島尾ミホ』あの事件の真相が語られる?!

島尾敏雄『死の棘』を読んだのは、大学生のときだ。当時、虚実入り混じったスキャンダラスな私小説として評判になっており、興味本位で手に取ったのだと思う。濃密な描写に引きずられるように読みふけり、この作品から「男女の愛」について一つの定見を得たように思ったのだ。 ただ、そのときは“私”とはいえ、小説だと思っていた。事実は事実のままに、かなりの創作が入った美化された

『最高機密エージェント』10億ドルのスパイと呼ばれた男 書影

人物 / 世界史

『最高機密エージェント』10億ドルのスパイと呼ばれた男

時は1980年代前半、ソ連の最高機密文書をアメリカに提供しつづけた男がいた。「10億ドルの(価値ある)スパイ」とアメリカ政府の中枢から呼ばれていた人物だ。 この大物スパイの活躍は長年機密扱いとされ、これまで表舞台で語られることはなかった。最近のCIA(アメリカ中央情報局)機密解除をうけ、本書でその全貌がはじめて明かされている。ワシントン・ポストの敏腕記者が、

『土と内臓 微生物がつくる世界』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『土と内臓 微生物がつくる世界』

本書の原題 The Hidden Half of Nature は「隠された自然の半分」という意味だ。それが示すとおり本書は、肉眼で見えないため長いあいだ私たちの前から隠されていた、そして今も全貌が明らかにはなっていない微生物の世界を扱っている。 昨今、腸内フローラという言葉がちょっとした流行語となっている。腸内細菌の重要性は以前から言われてきたが、さらに一

ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

ウンコのうんちく、てんこ盛り 『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』

はばかりと呼ばれることがあるほどに、口にすることが憚られがちなトイレである。毎日必ずお世話になるにもかかわらず失礼なことだ。そのトイレを巡っての、うんこ話じゃなくてうんちく話が、うんこ盛りじゃなくててんこ盛りの一冊だ。編著者は『屎尿・下水研究会』である。会員は20名ほどだが、その職種が便器の設計者や紙の研究家、屎尿処理行政担当者など多岐にわたっているだけあっ

今週のいただきもの:2016年11月6日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2016年11月6日週

ここ数日寒さが続いていますね。こんな日はポーランドを旅した日を思い出します(実際にはもっと寒かったのですが記憶とは曖昧なものです)。ポーランドの寒さには驚きましたが、それよりも衝撃的だったのは彼の地には餃子のような食べ物があったことでした。 ポーランドは歴史的に見て中国と地続きであるソ連の影響を強く受けたので少し考えてみれば当たり前のことなのですが、東欧のス

『ききりんご紀行』-編集者の自腹ワンコイン広告 書影

教養・雑学 / 編集者の自腹ワンコイン広告

『ききりんご紀行』-編集者の自腹ワンコイン広告

突然ですが、りんごの種類、いくつ言えますか? ぶどうなら、巨峰・デラウェア・シャインマスカット……3つくらいすぐ出てきて見分けもつくのに、りんごとなると、黄色いのは王林、赤いのはふじ、つがる……名前は知っているけれど、区別がつかない。たいていの人は(青森や長野出身の人はのぞいて)そんな感じではないでしょうか。 りんごはスーパーでほぼ1年中手に入るし、「わーい

『最古の文字なのか?  氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『最古の文字なのか?  氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く』

本書は『最古の文字なのか?』がメインタイトルで、サブタイトルが「氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く」。一瞬、メインとサブが逆なのではないかと思ったほどであるが、これこそがまさに「名は体を表す」であった。 洞窟に入って壁画を見れば、誰だって巨大な牛やウマの絵に目が向くことだろう。たしかに絵のような芸術品は、太古の人々の生活を具体的なイメージとして捉える

男が父親になる日 『フランスはどう少子化を克服したか』 書影

社会 / おすすめ本レビュー

男が父親になる日 『フランスはどう少子化を克服したか』

以前は日本と同じように少子化に悩んでいた、フランスの合計特殊出生率は2014年のOECDデータで1.98となっており日本の1.42と大きな開きがでている。本書は、現地で子育て中の日本人ライターが、少子化を克服したフランスの「5つの新発想」についてレポートしたものだ。この数値だけを指して問題視するつもりはないが、私も現在の子育て環境には窮屈さを感じており、見習

『いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『いま、希望を語ろう 末期がんの若き医師が家族と見つけた「生きる意味」』

2014年1月、《ニューヨーク・タイムズ》紙に「私にはあとどれくらいの時間が残されているのだろう」と題したエッセイが載った。執筆者はエッセイのなかで、自らの末期がんを告白しており、余命が不確かななかでどう生きたらいいかわからずに葛藤しながらも、やがて前を向き、仕事に復帰する決意をするまでの経緯が綴られていた。その執筆者とは、スタ

『宇宙エレベーター その実現性を探る』宇宙エレベーターの入門書 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

『宇宙エレベーター その実現性を探る』宇宙エレベーターの入門書

宇宙エレベーターというものを知ったのは私が中学生の頃だったと思う。田中芳樹、原作の『銀河英雄伝説』というアニメでだ。特にSFファンというわけではない私にとって、この作品に描かれていた宇宙エレベーターは、あまりに荒唐無稽で実現の可能性など全く存在しないアニメの中だけの話だと思っていた。しかし、宇宙エレベーターの原理は科学的に認められているようだ。実際に原理だけ

『礼服(らいふく) ―天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い―』 書影

教養・雑学 / アート・スポーツ

『礼服(らいふく) ―天皇即位儀礼や元旦の儀の花の装い―』

日本における最高の正装をご存知だろうか? タイトルでもある礼服(らいふく)とは、「大宝律令」および、これを改定した「養老律令」の衣服令において、皇太子以下五位以上の貴族の正装と規定されており、わが国で最も格式の高い服である。元日に行われる朝賀の他、大祀や大嘗という特別な祭祀にも用いられており、国家的に最も重要な儀礼に使用された装束といえる。 といっても明治天