
『おじさん追跡日記』-新刊超速レビュー
12月の22時以降の山手線の中での「おじさん」の存在感はすごい。つり革を命綱に周りの人にぶつかりまくる泥酔おじさんや、飲んだ帰りなのだろうが何故か同僚にひたすらケンカを売りまくるおじさん。おまえの頭は何トンあるんじゃと突っ込みたくなるほど座席で隣のオネーさんに頭を預けるおじさんなどがいる。格好も千差万別で見ていて飽きない。ただ、私がこうした肯定的な気持ちを抱
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12月の22時以降の山手線の中での「おじさん」の存在感はすごい。つり革を命綱に周りの人にぶつかりまくる泥酔おじさんや、飲んだ帰りなのだろうが何故か同僚にひたすらケンカを売りまくるおじさん。おまえの頭は何トンあるんじゃと突っ込みたくなるほど座席で隣のオネーさんに頭を預けるおじさんなどがいる。格好も千差万別で見ていて飽きない。ただ、私がこうした肯定的な気持ちを抱

各レビュアーが今年の一冊をご紹介する、恒例の「HONZ 今年の一冊」、いよいよ発表。というか、やっと出揃いました(某ノーレビュー師匠がなかなか書かないのはレビューだけではなかったのだ)。毎度のことながらみんなバラバラですが、それぞれの個性がいっそう際立つ一方、意外な選択もあり、偶然にもメルヘン栗下と高村和久の微妙かつ絶妙なバトルが発生したりと、なかなか楽しめ

社会 / HONZ客員レビュー
あなたが、隣人にどうしても馴染めないのなら、引越せばいい。しかし、昔の遊牧民ならいざ知らず、国は引越すことができない。どこかで、折り合いをつけるしかないのである。中国で過激な反日デモに遭遇した記者(著者)は問う。「日本のなかに根強くあった中国に対する『脅威論』と『崩壊論』に、無視を決め込む『消去論』までじわじわと広がる・・・『反日』のこぶしをふりあげて想像を

一年を振り返り、例年よりも多岐にわたるジャンルに目を向けられたように思います。HONZでレビューを見て読んでみたくなったり、気になっていた方とお会い出来たり、さらに新しいイベントをご紹介していただき本とも繋がれました。一生懸命伝えようとされている人に胸を打たれ刺激された日々だったと思います。今回のテーマベスト5を順位をつけずに記載していきたいと思います。 専

爆発物処理班(EOD)が爆弾の処理をする際、ロボットの故障や使用不可能な状況に陥るときがある。すると彼らは、ひとり 対爆スーツ を身に着け爆弾解除に向かう。そんな状況の事をEODの連中はロングウォークという。群衆が取り囲むなか、いつ爆発するわからない爆弾に30キロを超えるスーツを着込みひとり対峙する。死の影が常に足元からにじり寄り彼らの魂をつかみ去る瞬間を狙

暮れも押し迫った先週、生まれて初めて「手術」を受けました。 たかだか2cm切るだけでしたが、私にとっては一大事。何かあったら冥土の土産になるかと思い大好きなモンブランをたらふく食べ、思い残すことなくいざ病院へ。 しかし思った以上に緊張していたのか、受付から手術室へ移動する僅か100mの間に検査結果と手術同意書と診察券の入ったファイルを紛失-。内線を掛けまくる

『スラムダンク』でお馴染みの漫画家、井上雄彦氏が日本の伝統行事である「遷宮」行事を通じて人々が体験した、先祖または神から受け継いできた歴史を、筆絵とエッセイで解き明かした一冊だ。 また本書には、神宮司庁の河合真如広報室長、出雲大社の千家和比古権宮司、式年遷宮で総棟梁を務めた宮間熊男棟梁、建築家の藤森照信教授との対談も収められている。 絵描き(職人)だからか、

2011年3月11日、東日本大震災が東北地方を襲い、巨大な津波が沿岸に押し寄せた。ビルも電車も、家も車も、大人も子どもも、犬も猫も、逃げ遅れたものは津波に浚われた。飼育されていた牛も豚も、そして馬も流された。 本書はその流されながら生き残った馬を通して、ヒトとその土地に残る行事と、解決策が見えない原発問題を追ったドキュメンタリーである。 大震災から3週間たっ

本書を私もまた、公田耕一の謎を解いてくれるものだと思い込んで、読み進めていたのは事実である。しかし、本書の読みどころはそこではなかった。著者は読者の期待を裏切ったのだろうか。 一面で「内閣支持急落22%」と麻生内閣の不人気を伝えた二〇〇八年十二月八日、「朝日歌壇」欄に公田耕一は彗星のように現れた。複数の選者に重複して評価された☆マークを三首で六つ獲得したので

まるで歴史ドキュメンタリー番組を観ていたかのような読後感を味わえる一冊だ。 本書は、歴史上、ロシア・カナダ・アメリカなど極寒の世界に人々が「何」を求めて遠征していき、「何」を売り買いすることで世界経済と繋がっていったのかをおう歴史書である。歴史書といってももちろん学校で習うような事実の羅列とは全く違う。本書を読んでいると、学校で暗記した地域や年代別の世界史が

2013年に読んだ本の中からベストを選出してみます。出来る限り、「2013年に出た本」から選ぶようにしました。順位には強い意味はないのですけど、順位をつける方が書きやすいのでこのようなスタイルにしました。 この本は、全国民が読むべき一冊だ。自らの「生」と引き換えに、日本を救った男たちの物語である。2013年7月9日、福島第一原発の所長だった吉田昌郎が亡くなっ

いまでは永遠のライバルと目されているアップルとグーグル。新製品の開発競争や販売の主導権争いだけでなく、世界各国の法廷でもモトローラやサムソン電子などの第三者も巻き込みながら、熾烈な闘争を続けている。もはや伝統的な企業競争から、両陣営の感情的な果たし合いに推移しているように見える。 しかし、この両社はつい5年前まで「世界をマイクロソフトから守る企業連合」だった

フェデリーコ(フリードリッヒのイタリア語読み。彼が愛したプーリアでは、今でもそう呼ばれているので、ここではフェデリーコと呼ぶ)のことを識ったのは、ブルクハルトが最初だった。学生時代の頃、愛読していた世界の名著(中央公論社)からである。彼のことを、もっともっと知りたいと思い、13世紀の西洋史の本を探してきては、むさぼり読んだ。パレルモやカステル・デル・モンテ、

チャイルド・ケモ・ハウスという医療施設をご存じだろうか。小児がんに関する研究事業、啓発事業を行っている NPO法人チャイルド・ケモ・ハウス が設立した日本初の小児がん専門の治療施設である。この施設は「夢の病院」であるという。夢?いったいどういうことだろう。高度な先端治療を受けられる施設なのか。ファンタジー世界を現実化したような施設なのか。誰にとっての、どんな

ノンフィクションファンの人たちにとってHONZが恐ろしいのと同じ意味において、私は恵文社一乗寺店が怖い。 関西地区では、そのイメージキャラおねえさん『 おけいはん 』で知られる京阪電鉄。その終点の出町柳は、比叡山方面へ向かう叡山電鉄、いまだにICカードを導入していない奥ゆかしき小さな私鉄、の始発駅でもある。 ワンマン電車にとことこ揺られて三つ目の駅が一乗寺。

小説 / HONZ客員レビュー
今年は小説が豊饒だ。僕と同年、定年退職した65歳のハロルド・フライのもとに、ある日、1通の手紙が届く。かつての同僚のクウィーニー・ヘンシーからだ。彼女はがんで死にかかっているという。ハロルドは、返事を書き、ポストに向かいはしたものの、どうしても投函できない。20年前の彼女のハロルドに対する誠実さに、この返事は全く見合っていないからだ。次のポストを求めて歩き始

戦後日本は格差の少ない中流社会だった、小泉改革が格差を拡大させた、日本はいまだに苛烈な学歴社会だ。日本の「格差」を象徴するようなこれらの言説は、マスメディアでも繰り返し喧伝され、広く浸透してきた。しかし、「格差が少ない」とは具体的にどのような状態なのか、格差が拡大するとは何が大きくなることを意味するのか。そもそも、「格差」とは何で、どのように分析されるべきも

皆様、こんにちは。今月は書店員の2013ベストを発表!ということで、大好きな海外文学作品をご紹介させて頂きます。当店は幸い海外文学の棚が広めなのですが、ニーズの少ない海外文学になかなかスペースを割けないのが書店の現状です。そこで、個人的嗜好で選んだ海外文学2013ベスト5をお届け致します。「年末年始に何を読もうかな」と楽しみにしていらっしゃる皆様の本選びに少

日経新聞の「私の履歴書」を長年、愛読している。やはり、本人が直接書いた物が、面白い。現在は、コトラー博士が連載中で、毎日、楽しみにしているが、本書は(尊敬するコトラー博士には申し訳ないが)桁外れに面白い。マンデルブロ集合の発見者、偉大なフラクタリスト、マンデルブロの自伝である。全体は3部から構成されている。 第1部は、生い立ちから20歳まで、第2次世界大戦の
本屋には、本を買うこと以外にも大切な楽しさがあると思います。思わぬ新刊との出会い、自分の興味外分野での発見、暇つぶしなど… HONZをご利用の方にも、このような楽しさを本屋で実感している方も多いのではないでしょうか。 かくいう私も月に何度も本屋に訪れ、1〜2時間ほどうろうろして30〜40冊ほどチェックし、多い時で10冊ほど購入します。そのとき最も気持ちがいい

先日、ひと足早くサンタクロースが来てしまいました。 そして今、私の目の前には4冊の本が積まれています。 『確立微分方程式』『数量分析入門』『ブラック・ショールズモデル』『偶然性の数学』。 先日仕事でこれらの本に関係する何やら難しい話が出たとき、私がうつろな視線を宙にさまよわせていたため、社長サンタがプレゼントしてくれたのです。 年末年始の課題図書ということか

あなたはボノボ、それともチンパンジー? 答えに困る質問である。もちろん、私たち人間はそのどちらでもない。しかし、彼らはもっともヒトに近い類人猿だ。ヒトがチンパンジーとボノボの祖先と分岐してから、わずか100万年しか経過していないという。大人になっても遊びをやめないボノボ、集団同士で激しく殺しあうチンパンジーの特徴を本書で知れば知るほど、ヒトと彼らの類似性に驚

この雑誌に出会った日が悪かった。金曜の昼過ぎ、アポイントメントまで時間があったのでJR御茶ノ水駅前の丸善書店に入ったところ、「おい、こっちをみろよ」といわんばかりにノンフィクションコーナーになぜか鎮座していたのでつい手に取ってしまった。『飲んだビールが5万本!』。雑誌だが1470円もするので、装丁はしっかりしている。作家の椎名誠が仕掛けた雑誌で、今号が創刊号

HONZの時代小説の紹介コーナーは、忘れた頃にやってくる!不定期過ぎて申し訳ございません。忘年会や大掃除、そして新年を迎える準備など、慌ただしい日々が続いております。年の瀬ですね。今年は、長期の冬休みという方も多いのではないでしょうか。年末年始、お酒を片手にのんびりと時代小説の世界に浸ってみるのも乙な過ごし方かもしれません。素敵な読書のお手伝い、お役に立てれ

「次の所長候補」の選考において、MITメディアラボは、 伊藤さん に辿り着くまでに300人の面接を行ったそうだ。アメリカ人の学者や研究者から検討を始め、MITは最終的に「ドバイに住んでいる、大学を出ていない日本人」を選んだ。 本書は、伊藤さんの就任後にメディアラボで始まった授業「 カンバセーション・シリーズ 」から、4回の対談を本にしたものだ。英語の題名は"

刺激的な本だ。一言でいえば、デモクラシーの世界史である。上下2巻2段組みで900ページに迫る労作だが、知らないことがたくさん書かれており、読者を飽きさせない。本書は全体で3部に分かれており、上巻では「集会デモクラシー」と「代表デモクラシー」が、下巻では「代表デモクラシー」の続きと、「モニタリング・デモクラシー」が語られる。デモクラシーは、要するに、貴族制、王
HONZは、第2期学生メンバーを募集します。学生メンバー採用関連業務は私、村上浩が担当いたします。 毎月1本の書評(対象はノンフィクションのみ)を書いていただきます。 書評のHONZへの掲載可否については正規メンバーが協議して決定します。 毎月第1水曜日朝7時からのHONZ朝会に出席することができます。(六本木ミッドタウン内) 毎月第3水曜日のHONZ夜会や

「2013年のベスト本の紹介を…」とご依頼いただき、改めて一年読んだ本を振り返って思うのは、悩みに寄り添い、励ますような本に惹かれる1年でした。思い入れが深い本ばかりで説明文が長くなってしまった為、前置きは省略し早速ご紹介していこうと思います。 1位 「哲学者の先生、教えてください!」とあるように、誰しも一度は疑問に思うような人間の根源的な問いに対して、哲学

黒地に髑髏とクロスボーンをあしらった海賊旗(ジョリー・ロジャー)を高らかに掲げ、木造帆船を駆使して大海原を闊歩する海賊。最近では漫画『ONE PIECE』や映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』が世界的なヒットを飛ばしている。体制に反抗しながら、お宝を追い求める男たちの物語に多くの人々が何かしかのロマンを感じているのだろう。その一方ソマリアなどで繰り返される海

アルフレッド・アドラーという人物を知っているだろうか?私はこの本を読むまでまったく知らなかった。どうやらフロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されている人物らしい。個人心理学(アドラー心理学)というものを創始した人だという。ただフロイトやユングに比べるとアドラーというのはマイナーな感が否めない。試しにグーグルで検索をしてみたらアドラーが約27万件に対

昨年春に起こった 「亀岡市登校中児童ら交通事故死事件」 を始めとして、今年9月に起こった 「京都・八幡の登校中の小学生の列に車で突っ込み5人重軽傷を出した18歳少年の事件」 など無謀運転で犠牲者が出るたびに大きな憤りを感じる。免許を取って30年以上、事故ったことが無いわけではないが、遊び半分に暴走したことなど一度もない。若さはバカさであるけれど、取り返しのつ

久しぶりに面白いキーワードを目にした。 標題の『グロースハッカー』とは、シリコンバレー発による「事業の成長請負人」のことを指す。 Dropbox 、 Mailbox 、 Twitter 、 Instagram 、 Pinterest 。今では華々しく活躍しているこれらの企業にも、苦境にあえいだスタート時期があった。人もいない、予算もない、顧客もいない、知名度

暮れも押し詰まってきました。皆さま、いかがお過ごしですか。政党再編がらみのニュースで読まれる「江田氏ら」というフレーズが、どうしても「江頭(えがしら)」に聴こえてしまい、何度も顔をあげてしまう私です。好きなんですよね、江頭2:50さんの芸風。でも残念ながら中学2年生ぐらいから、自分ではそういうことを出来なくなってしまいました。何度か挑戦しましたが、やっぱり恥

もうすぐクリスマスですね。街にはイルミネーションがきらめき、陽気なクリスマスソングが流れ、特に予定のない私も何だか華やいだ気分になります。 (こういうことを書くとまた麻木久仁子に「カマトト」と言われそうですが、)子どものころサンタさんを信じていて、毎年律儀に手紙を書き、欲しいものをリクエストしていました。 しかし親が家を建てた年から希望とは違うものが届くよう

辞書を引く、という言葉はすでに死語なのかもしれない。なんといっても電子辞書やコンピューターでの検索が速くて便利である。辞書をひいたついでに、まわりの単語をチラ見しながら、ふむふむそうか、というようなという楽しみがなくなってしまった。紙の辞書を捨てたわけではないのだから、いつでもできるのであるが、わざわざするようなことでもない。 かつては、ジャポニカ百科事典の

コータリンこと神足裕司といえば、ラジオ番組「キラ☆キラ」での、小島慶子とのオープニングトーク、週刊アスキーの連載、そして私の世代には忘れられない、西原理恵子とのコンビによる週刊朝日の「恨ミシュラン」などが印象深い。そして執筆やテレビ出演など超多忙な日々を送るなか、毎週毎週、事件記者としてさまざまな事件の現場を実際に取材してレポートした週刊SPA!の連載「これ
「HONZ被害者の会」@読書メーター 「もうこれ以上は読めないという確信を持って、本を購入してしまう」 「周りの人と本の話をしても、まったく話題が咬み合わない」 「夫婦げんかの大半は、本代と本の置き場所が原因」 HONZによるレビューに触発され、 甚大なる被害を被る人々が後を絶ちません 。食費や養育費を削ってまで本を購入し、本で部屋のスペースを埋めていく姿に

今年の春、車を買い替えた。11年乗った赤の4WDのアウディをとっても気に入っていたのだけど、さすがに調子が悪くなってきたので、車検を機に新しくすることにしたのだ。 この車には思い出がいっぱい詰まっている。最初の5年ほどは、北方謙三氏の秘書をしていたので、彼の別荘に行ったりカンヅメになっているホテルに物を届けたり、病気になった北方ボスの愛犬を医者に連れて行った

ここ数年、数学が何やらブームの兆しを見せている。『フェルマーの最終定理』や、『ブラック・ショールズ方程式』といった、難解な高等数学に関する本がそれなりの売れ行きを見せ、数学者をモデルにした映画もヒットしている。パズルブームは息が長いし、脳を鍛える手段として、数学のドリルをやることに対する一般の関心も高まっている。 このような数学に対する関心の高まりの背景には

文庫本を読むとき、なぜか解説を先に読む人が多いという。だから、この解説も、これからこの本に「挑戦」しよう、という読者を念頭に置いて書くことにした。 すでに本を読んでしまった人には、一部、話のくりかえしになるかもしれないが、どうか、あしからず。 娘が3歳なので、ウチには一杯(折れた)クレヨンがある。この本の解説を書かせてもらうことになり、久しぶりに塗り絵をやっ