ノンフィクションはこれを読め!

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『無脊椎水族館』とか『タツノオトシゴ図鑑』とか『ほぼ命がけサメ図鑑』とかで学ぶ「海にすまう生物たちの正体」 書影

生物・自然 / 教養・雑学

『無脊椎水族館』とか『タツノオトシゴ図鑑』とか『ほぼ命がけサメ図鑑』とかで学ぶ「海にすまう生物たちの正体」

知る人ぞ知るノンフィクション作家・宮田珠己は『 日本列島津々うりゃうりゃ 』(幻冬舎)を旅する、もしかすると当代随一の紀行文作家である。ただし、その目的は『 いい感じの石ころを拾いに 』(河出書房新社)とか、『 晴れた日は巨大仏を見に 』(幻冬舎)とかなので、ちょっと変わっている。 あまりの緩さに心を入れ替えて、お遍路に出たと思ったら『 だいたい四国八十八カ

今週のいただきもの:2018年9月2日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年9月2日週

まだまだ暑いですが、秋の夜長にオススメの夜食レシピをご紹介します。卵、マスタード、蜂蜜、油、チーズを使い、ビストロで定番の「ウフマヨ」を作りましょう。自家製マヨネーズと半熟ゆで卵のメニューです。 鍋にお湯を沸かし、きっちり7分半タイマーをかけ、卵をゆでます。その間にマヨネーズを作ります。卵黄と油(オリーブオイルやサラダ油など)を混ぜてとろみがついたら、マスタ

『小笠原が救った鳥 アカガシラカラスバトと海を越えた777匹の猫』外来種だって殺しちゃいけない同じ命 書影

生物・自然 / 社会

『小笠原が救った鳥 アカガシラカラスバトと海を越えた777匹の猫』外来種だって殺しちゃいけない同じ命

小笠原は東京から船で24時間以上かかる、東洋のガラパゴスといわれる特殊な自然の宝庫だ。 そこの固有種である「アカガシラカラスバト」は平成5年に国内希少野生動植物種に指定された貴重種だ。2001年ごろには推定個体数30羽。あまりにも少ないため島民も見たことのないこの鳥だったので、関心を向ける人は少なかった。 だがでこの島で産卵、子育てをする小笠原を代表する大型

『夢の猫本屋ができるまで』8/24トークイベント@本屋B&B 書影

教養・雑学 / HONZ活動記

『夢の猫本屋ができるまで』8/24トークイベント@本屋B&B

2018年8月24日、台風20号の進路次第では中止も検討されたが、幸いにも通り過ぎて『夢の猫本屋ができるまで』のトークショウ@本屋B&B(下北沢)が無事開催された。登壇したのは、夢の猫本屋 「キャッツミャウブックス」 」店主・安村正也さん、本書の著者でノンフィクション作家の井上理津子さん、司会として私、HONZの東えりかの3人。 金曜日の夜8時という遅い時間

『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む 書影

事件・事故 / おすすめ本レビュー

『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む

一般に、本は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』現代の「知の巨人」が問いかける人類の未来 書影

サイエンス / 生物・自然

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』現代の「知の巨人」が問いかける人類の未来

前作である『サピエンス全史』で著者ユヴァル・ノア・ハラリは、認知革命により、自らが生み出した虚構と共同主観を信じる能力を手にした、私たちホモ・サピエンスが、いかにして農業革命、科学革命を成し遂げ、現代に至ったかを、様々な哲学、宗教、そして最新の科学研究を駆使して論じ、さらに幸福という基準を軸にサピエンスの歴史を包括的に描き出した。 ハラリは『サピエンス全史』

「時間」そのものに興味がある人すべてにオススメしたい──『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る』 書影

サイエンス / おすすめ本レビュー

「時間」そのものに興味がある人すべてにオススメしたい──『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る』

「タイムトラベル」といえばこれを読んでいる多くの人は「あーはいはい」とその意味するところをすぐに理解してくれるだろう。空間のように時間を移動することができて、未来に行ったり過去に行ったりできるアレのことだ。もちろんタイムトラベル事象は我々の生活の身近なところにあるものではないけれども、邦画でも洋画でも、漫画でも小説でも「タイムトラベル」が出てくるものはいくら

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』 書影

社会 / 「解説」から読む本

『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』

本書『ホモ・デウス——テクノロジーとサピエンスの未来』は、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリが『サピエンス全史――文明の構造と人類の幸福』に続いて、該博な知識とじつに多様な分野の知見を独創的に結集して著したHomo Deus: A Brief History of Tomorrowの全訳だ。ただし、前作同様、最初のヘブライ語版が刊行されてから著者が行

『硯の中の地球を歩く』1億年前の原石に命を吹き込む無名の名工の誇りと決意 書影

教養・雑学 / 人物

『硯の中の地球を歩く』1億年前の原石に命を吹き込む無名の名工の誇りと決意

端正な本だ。内容に不釣合いなカバーと帯を取りはずすと、表紙には原寸大に近い一面の硯が刷られている。装丁だけでなく、紙質や印刷も素晴らしい。ゆっくりと味わうように読んだ。 著者は書道道具店の四代目。浅草の店では定番の筆や墨なども取り扱っているが、高級な硯は代々の店主がみずから原石を内外で買い付け、手作りで調製したものだ。文化財レベルの硯の修理なども手がけており

『偽りの薬 降圧剤ディオバン臨床試験疑惑を追う』 書影

医学・心理学 / 「解説」から読む本

『偽りの薬 降圧剤ディオバン臨床試験疑惑を追う』

製薬企業と大学医学部などの医療機関がカネで癒着して、特定の薬の効果を証明する臨床試験のデータを改ざんあるいは捏造して、実際にはない効果を「ある」とする報告(論文)を公表し、企業は論文を利用して大々的に宣伝、医師はどんどん患者に投薬したら何が起こるのか。 それは、あまりにも明白だ。その薬を処方された患者は、効くと信じて医療費を支払い、薬を飲み続けているのに、症

今週のいただきもの:2018年8月26日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年8月26日週

朝晩は過ごしやすく、心地よい虫の声が聞こえてくるようになりました。この時期、美味しい魚といえば鰯ですね。すぐに弱ってしまうことから、魚に弱いと書いて「鰯」ですが、「海の米」「海の牧草」と呼ばれ、世界中の海の生態系を支えています。 そんな鰯を使ったパスタをご紹介します。材料は、鰯、ニンニク、オリーブ、トマト缶、ディル、レーズン、ナッツだけです。はじめに、鰯はは

『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』 書影

生物・自然 / 「解説」から読む本

『土・牛・微生物 文明の衰退を食い止める土の話』

本書はデイビッド・モントゴメリー著“Growing a Revolution”の全訳であり、『土の文明史』『土と内臓』(ともに築地書館)に続く三部作の完結編である。三作はいずれも、人間社会とそれを包括する文明と環境を、「土」という共通の切り口で解読したものだ。 一作目『土の文明史』では、世界の文明の盛衰と土壌の関係を。世界中のさまざまな時代と地域を検証した著

『GAFA 4騎士が創り変えた世界』GAFA以降のゲームのルールにどう立ち向かうのか 書影

ビジネス / おすすめ本レビュー

『GAFA 4騎士が創り変えた世界』GAFA以降のゲームのルールにどう立ち向かうのか

本書『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』は、Google、Apple、Facebook、Amazon(GAFA)という巨大テクノロジー企業4社を、それぞれが地上の4分の1を支配し、剣、飢饉、悪疫、獣によって「地上の人間を殺す権威」を与えられた、ヨハネの黙示録に登場する四騎士になぞらえている。 そして、神にも擬せられるほどの力を持つようになっ

『死ぬこと以外かすり傷』新刊超速レビュー 書影

ビジネス / 新刊超速レビュー

『死ぬこと以外かすり傷』新刊超速レビュー

今日発売した本を仕事帰りに購入し、帰りの電車で貪るように一気に読んで、いまこの原稿を書いている。久しぶりにここまで熱狂しながらビジネス書を読んだような気がする。この本は予約の段階でamazonの総合ランキングで1位を取っていた。そのせいなのか発売日なのに書店にあった本はなぜかすべて2刷だった。それもそのはず、この本は発売日前で4刷りが決まっており、すでに3.

『大英帝国の歴史』イギリスの人気歴史家、ニーアル・ファーガソンの出世作がついに翻訳! 書影

世界史 / おすすめ本レビュー

『大英帝国の歴史』イギリスの人気歴史家、ニーアル・ファーガソンの出世作がついに翻訳!

『憎悪の世紀』『マネーの進化史』『文明』などで有名なイギリスの歴史家、ニーアル・ファーガソンの新刊である。最も本書は本国イギリスで2003年に出版されていた作品だ。連動して制作されたテレビ・ドキュメンタリー『EMPIRE: How Britain Made the Modern World』ではニーアル・ファーガソン自身が番組の案内役として出演し英語圏各国で

『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』を買ったのは、どういう人たちなのか? 書影

教養・雑学 / 併せて読まれたこの一冊

『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』を買ったのは、どういう人たちなのか?

「1日1ページ」「読むだけで身につく」…というのに続くのが「世界の教養」。HONZメンバーとしては看過しちゃっていいのか悪いのか、なんかもっと教養ってじっくり身につけるべきものの気もするし…といった思いを抱えながら、うっすら横目で見ていた本が、現在ベストセラー街道をひた走っています。 どのくらい売れているかというと、この影響でビジネス書ジャンルが(そもそもこ

『成績をハックする:評価を学びにいかす10の方法』学びの再起動ボタン 書影

教養・雑学 / ビジネス

『成績をハックする:評価を学びにいかす10の方法』学びの再起動ボタン

本書はニューヨークで英語やジャーナリズムを教える高校教師が、成績を用いず、生徒を評価する挑戦を行った記録である。通知表を捨て、成績をつけないクラスの実験を5年ほど前にはじめた。 淡々とコンパクトに実践の記録をまとめているが、時折顔をのぞかせる著者の成績に対する意見は核心を射抜いている。 成績は、生徒を動機づけたり、罰したりするのに使われます。生徒がしたくない

今週のいただきもの:2018年8月19日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年8月19日週

先日、夏らしいことをしようと、花火をしました。花火の締めといえば線香花火ですが、東西でずいぶん違うことをご存知ですか? 西の線香花火は、スボ手牡丹と言います。300年変わらない線香花火の原形です。米作りが盛んな関西には、ワラが豊富にありました。ワラスボの先に火薬を付け、それを香炉に立てて火をつけて遊んでいたことが、始まりだと言われています。ちなみに、火先は上

『意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源』 書影

サイエンス / 「解説」から読む本

『意識の川をゆく 脳神経科医が探る「心」の起源』

本書は1933年生まれ、2015年に亡くなった、神経内科医オリヴァー・サックスの最後の本 である。サックスはイギリス人であるが、ニューヨークで医師として多くの業績を挙げ、コロンビア 大学の教授も務めた。サックスの愛読者なら、すでに彼の著作をいくつか知っているであろう。その大部分は彼自身が診 み た患者に関するエピソード的な記録である。医学的、科学的であると同

『交雑する人類』 古代DNAが世界史を書き換える! 書影

サイエンス / 生物・自然

『交雑する人類』 古代DNAが世界史を書き換える!

ゲノム革命は我々の想像を超える速度で進行している。ワトソンとクリックが生命のセントラルドグマを解き明かしてからわずか半世紀と少しの間に、 PCR や CRISPR−Cas9 などの革新的な技術が次々と開発され、SFの世界にしか存在しないと思われたような成果を次々と現実のものとしている。 遺伝子共有サイトのデータが迷宮入りしていた凶悪犯罪の犯人を追い詰めたとい

『甲子園に挑んだ監督たち』まるでスポ根!金足農業はかつて雪で鍛えた 書影

アート・スポーツ / おすすめ本レビュー

『甲子園に挑んだ監督たち』まるでスポ根!金足農業はかつて雪で鍛えた

酷暑もお構いなしに開幕し、熱戦が繰り広げられる全国高校野球選手権大会。21日に決勝戦を迎える。今年は100回の記念大会ということもあり、開幕前から例年以上にメディアで特集が組まれ、書店には関連本が所狭しと並んだ。 本書もその一冊と言えるが、異色の存在だろう。著者はそもそもスポーツライターではない。色街や世界の辺境を取材してきた(前作は『ストリップの帝王』、9

『ああ栄冠は君に輝く~加賀大介物語~』 書影

人物 / プレミアム・レビュー

『ああ栄冠は君に輝く~加賀大介物語~』

平成最後の夏、甲子園は100回目の記念大会、全国から集った56校が熱戦を繰り広げている。おもわぬ伏兵による逆転ホームラン、大差を諦めずに追いつき逆転した試合、2ランスクイズによる逆転サヨナラなど、とにかくドラマチックな試合が多い。そして、メディアは選手やチームに隠されたストーリーを掘り起こし、盛り上がりに加勢する。また、アルプススタンドもアツい。補欠の野球部

『ホモ・デウス  テクノロジーとサピエンスの未来』人類の営みをデータ処理システムと捉えてみれば 書影

社会 / おすすめ本レビュー

『ホモ・デウス  テクノロジーとサピエンスの未来』人類の営みをデータ処理システムと捉えてみれば

続編は前作を超えない、そんな通説を吹き飛ばすような会心の一冊だ。人類の来し方を描き、全世界で800万部を超えるベストセラーとなった『サピエンス全史』。これを受けた本書『ホモ・デウス』では、人類の行く末を戦慄の姿として描き出す。 過去何千年にもわたり人類を悩ましてきた問題、それは飢饉、疫病、そして戦争の3つであった。しかし驚くべきことに、我々は飢饉と疫病と戦争

今週のいただきもの:2018年8月12日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年8月12日週

東京は昨日からすっかり秋めいて、過ごしやすくなりました。涼しくなると、チョコレートのような濃厚で、甘いものが食べたくなりますね。そこで、今日は簡単でとっても美味しいチョコレートケーキのレシピをご紹介します。用意するのは、明治の板チョコ3枚、バター60g、卵3個、グラニュー糖大さじ9、生クリーム50cc、薄力粉大さじ3、ココアパウダー大さじ10、ウィスキー(o

"本の虫"の首相が牽引する『沸騰インド 超大国をめざす巨象と日本』 書影

社会 / 世界史

"本の虫"の首相が牽引する『沸騰インド 超大国をめざす巨象と日本』

「この銃はドイツ製だと思う」 「あの場面で出てきた髭を伸ばした人たちはおそらくIS関係だろう」 シリアの内戦下に生きる若者を追った ドキュメンタリー映画『それでも僕は帰る シリア 若者たちが求め続けたふるさと』 の配給をしたときのこと、ある朝日新聞記者にトークイベントで協力してもらった。彼は同社の中東特派員として計5年間、中東・アフリカ圏の紛争取材等にあたっ

『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』に三つのジレンマを考える 書影

医学・心理学 / おすすめ本レビュー

『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』に三つのジレンマを考える

羊水穿刺で胎児の染色体検査をうけた。告げられた結果は陰性。しかし、生まれた赤ちゃんはダウン症だった。産科の医師が検査結果を見落としていたのだ。天聖(てんせい)と名付けられたその子にはさまざまな合併症があり、三ヶ月で亡くなった。そして、訴訟がおこなわれた。こう書けばシンプルだが、ここには三つの大きなジレンマがある。 そのうちのひとつは、天聖君への慰謝料請求の妥

『スモール・スタート あえて小さく始めよう』起業の“小さなきっかけ”はこんなところに! 書影

社会 / ビジネス

『スモール・スタート あえて小さく始めよう』起業の“小さなきっかけ”はこんなところに!

働き方改革の旗印のもと、多くの企業では長時間労働の見直しや生産性向上に取り組み、時短や在宅での勤務も珍しくなくなった。反対に誰もが知る大企業が経営不振に陥り、従業員は先行きの不安に怯えている。 そんななか、自分の半径1メートル内の身近な仕事をネットで始めるという話をよく聞く。主婦の間ではメルカリで小遣い稼ぎをするのはもはや当たり前のことになった。 まさに本書

『わたしは不思議の環』 あるいはゲーデルの渦、シンボルのダンス、自己増強する錯覚 書影

サイエンス / 医学・心理学

『わたしは不思議の環』 あるいはゲーデルの渦、シンボルのダンス、自己増強する錯覚

わたしたちが最もよく知っているものでありながら、それが結局何なのかはまるでわからないもの──そう、それが「私」である。「私」とはいったい何であるのか。また、わたしの脳からどうやって「私」が生じてくるのか。本書は、その難問に認知科学者のダグラス・ホフスタッターが挑んだものである。 ホフスタッターといえば、その前著 『ゲーデル、エッシャー、バッハ』 があまりにも

『中国の「一帯一路」構想の真相』を知る上で不可欠なガイド本 書影

社会 / 世界史

『中国の「一帯一路」構想の真相』を知る上で不可欠なガイド本

本書は今日の中国の外交・経済財政政策を理解する上で必読の一冊だ。今後、歴史に残るであろう中国の壮大な構想と、その背後にある哲学を理解することができ、また、この構想がアジア域内にもたらす波紋をあたかも現場にいるかのように感じることができる。中国の壮大なビジョンを理解する上で不可欠なガイド本といえよう。 この中国の壮大な構想こそが『一帯一路』または『新シルクロー

HONZ in APU④ 悲観論にとらわれることなく、人生を楽しむこと 書影

HONZ活動記

HONZ in APU④ 悲観論にとらわれることなく、人生を楽しむこと

立命館アジア太平洋大学(APU)を訪問した興奮もさめやらぬ中、別府の繁華街へと繰り出す。出口治明学長はじめAPUのみなさんが懇親会の場を設けてくださったのだ。 この日は「べっぷ火の海まつり」が開かれていて、駅前の目抜き通りはたいへんな賑わいだった。 ところで、APUの噴水の話をおぼえているだろうか。噴き上げられる水の高さをめぐってHONZのメンバー間をフェイ

悶絶かわいい! 『子どもの着物大全』 書影

教養・雑学 / おすすめ本レビュー

悶絶かわいい! 『子どもの着物大全』

かわいくてたまらん出版賞受賞決定! と勝手に叫びたくなる「かわいい」のオンパレード。七五三のあの初々しさ、節句の飾りの華やかさ、と日本の子どもの可愛らしさが凝縮されている、昔ながらの子ども着物。年中行事や年齢に応じた装い、文様、結び方など「日本子ども衣服史」にもなっている。B5判に写真等400点が満載で、「やっぱりかわいい」と後で読み返して頷くこと必至だ。今

『ゲンバクと呼ばれた少年』いつだって星を見上げて 書影

人物 / おすすめ本レビュー

『ゲンバクと呼ばれた少年』いつだって星を見上げて

この『ゲンバクと呼ばれた少年』は、さながらギリシャ神話の最高神ゼウスが人類最初の女性パンドラに与えた箱の中からあふれ出た、戦争、貧困、疫病、憎悪といった人類を取り巻くあらゆる災禍と、それでも箱の底に最後に残されたかすかな希望の物語のようである。 本書は、昨年8月に放送されたNHK・ETV特集「原爆と沈黙〜長崎浦上の受難〜」の内容を、子ども向けに書籍化したもの

今週のいただきもの:2018年8月5日週 書影

今週のいただきもの

今週のいただきもの:2018年8月5日週

最近、料理のレシピばかり書いている気がしますが、今日もアボカドナーラのご紹介です。 材料は、アボカドとパルメザンチーズ、パスタだけ。初めに、お湯沸かしてパスタを茹でましょう。その間に、柔らかくなったアボカドを潰し、パルメザンチーズを混ぜ、塩胡椒で味付けします。パスタが茹で上がったら、アボカドペーストを和えれば完成です。 それでは今週献本いただいた新刊本のご紹

HONZ in APU③ ライブラリーをみれば、その大学の知性がわかる!! 書影

HONZ活動記

HONZ in APU③ ライブラリーをみれば、その大学の知性がわかる!!

のっけから一言、かますことをお許しいただきたい。 ライブラリー(図書館)をみれば、その大学の知的レベルがわかる!! お前ごときが知性を云々するなとか、早くも四方からのツッコミが聞こえてきそうだが、何を言われようがへっちゃらである。なにせここ別府は、アウェーではなくホーム。怖いものなしなのだ。 でもあながち的外れでもないだろう。実際、ライブラリーをみるだけで、

『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 書影

日本史 / おすすめ本レビュー

『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉

意表を突かれた。企画も内容も構成も、見事という他ない本だ。毎年、終戦の日にむけて様々な本が出版されるが、とりわけ異彩を放つ本である。本書を手にしてはじめて私は、「開戦を人々がどう受け止めたのか」という個々の情報が、ごっそり抜けおちていたことに気づいた。 ものすごく解放感がありました。パーッと天地が開けたほどの解放感でした。 (本書11頁、吉本隆明、原典:三交

ほら、あなたの隣にも! 見てびっくりのサイズ感『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

ほら、あなたの隣にも! 見てびっくりのサイズ感『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』

「ようこそおこしやす」。そんな言葉が聞こえて来そうだ。”味のある座敷“で、芸妓さんが迎えてくれている……っと、どうやら迎えてくれているのは、芸妓さんだけではなさいようだ。 えええっ? この画像を見たときの衝撃といったら。イクチオステガって、こんなに小っちゃかったのおおお?! 芸妓さんに並んで三つ指(?)ついてかしこまっているのは、イクチオステガ・ステンシオエ

HONZ in APU② 学生たちが暮らすAPハウスは、異文化が混ざり合う場 書影

HONZ活動記

HONZ in APU② 学生たちが暮らすAPハウスは、異文化が混ざり合う場

立命館アジア太平洋大学(APU)は、2000年開学にもかかわらず、瞬く間に日本を代表する国際大学となった。たとえばイギリスの高等教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』による「世界大学ランキング2018年日本版」の「国際性」部門で、APUは私立大学で見事1位を獲得している。 開学からこれまで、世界147カ国・地域の生徒を受け入れており、現在も88カ

HONZ in APU① 立命館アジア太平洋大学、そこは天空のキャンパスだった! 書影

HONZ活動記

HONZ in APU① 立命館アジア太平洋大学、そこは天空のキャンパスだった!

ふるさとに特別な思い入れを持つ人は多い。 以前、会社を辞めて雪深い新潟にUターンした先輩の家を訪ねたことがある。鈴木牧之の『北越雪譜』(岩波文庫)を読んで、いちど豪雪地帯の暮らしを見てみたかったのだ。先輩は満面の笑みでぼくを出迎えてくれ、その日の晩は、地元産の美味しい食材をふんだんに使った料理が次から次へと出てくるわ、地元の日本酒やワインがグラスの空く暇もな

『無脊椎水族館』得体のしれない彼らに会えば、人生が救われる、新しい発見がある! 書影

生物・自然 / おすすめ本レビュー

『無脊椎水族館』得体のしれない彼らに会えば、人生が救われる、新しい発見がある!

動物園は明るすぎる。園内は賑やかで、陽気で社交的でなければ浮いてしまいそうだ。 その点、水族館は落ち着く。全体が薄暗く静かで、どんなに陰気で孤独でも変に思われない。 水生ほ乳類には興味のない宮田珠己が向かうのは無脊椎動物の水槽の前。たいがいそこは空いていて、思う存分眺めることができるのだ。本書はそんな安寧の場所を求めた国内水族館の探訪記である。 訪れたのは葛