
『進化とは何か?』by 出口 治明
「私たちはなにもので、どこから来て、どこへ行くのだろう」有史以来人間はずっとこの根源的な問いを考え続けてきた。人間は動物で星のかけらから作られている、そして進化を続けてきて今日の姿になったのだ、ということを現在の僕たちはよく知っている。僕たちが宇宙論や生物学や進化論が好きなのは、きっとどこかに自身のルーツを確かめたい気持ちがあるからに違いない。 本書は、とり
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「私たちはなにもので、どこから来て、どこへ行くのだろう」有史以来人間はずっとこの根源的な問いを考え続けてきた。人間は動物で星のかけらから作られている、そして進化を続けてきて今日の姿になったのだ、ということを現在の僕たちはよく知っている。僕たちが宇宙論や生物学や進化論が好きなのは、きっとどこかに自身のルーツを確かめたい気持ちがあるからに違いない。 本書は、とり

12月も押し詰まった26日の金曜日。多くの会社では仕事納めで一杯飲んで帰るのが普通だろうに、HONZはこの日を忘年会にした。すべて遠藤陽子の陰謀である。その上、B&Bに話をつけて、なんと公開忘年会という暴挙を企画。年の瀬の忙しい時にひとなんか集まらないだろう、と思っていたが、蓋を開ければ50席は満席。ご来場のみなさま、誠にありがとうございました。 メンバーの

「フィクション」と「ノンフィクション」の境界線上にある本、いわゆる自伝や書簡集、日記などに昔から心を惹かれます。事実は小説より奇なり!という面白さはもちろんですが、それ以上に、いつもの日常や無名の人生といった平凡な題材が言葉の力で磨きあげられ、唯一無二の物語として成立するところに魅力を感じます。「私小説」というジャンルに当てはまるものの、暗さは全くなく、読む

本や雑誌づくりにおいて扇の要のような役割を担っている、編集者という職業。その中でも編集長の座に就く人物は、作品の良し悪しを左右するキーマンといっても差し支えないだろう。 しかし、読者の目の前にその姿がクローズアップされることは少ない。ましてや本書のように『昭和の』という条件がつけば、その神秘性はさらに高まってくる。 本書は戦後出版史において一時代を築いた、昭

ヒトとその他の動物を隔てるものは何か?それを様々なアプローチで描き出していくのが、本書『現実を生きるサル 空想を語るヒト』である。人間らしさの根源を突き詰めることは、すなわち人間と機械の共生が叫ばれる現代社会の将来を占うことにも、つながっていくのかもしれない。 ビックデータやIT関連書籍の翻訳を数多く手がけられ、また「 シロクマ日報 」などのブログでも知られ

「何かについてすべてを学び、すべてについて何かを学ぼうとせよ」 「きっぱりと決断して行動し、その結果を引き受けよ。優柔不断は何 の良い結果も生まない」 ──トーマス・ヘンリー・ハックスレー 「私たちはスポットライトの中で生きている」とドーキンスは言う。「『現世紀』というのは膨大な時間の流れの中の小さな一スポットライトに過ぎない」のだと。 このフレーズは、

マイ茶室を持っているという方は挙手願います。 手、上がりませんよね?普通は持ってないですよね?例えお茶を習っていても茶室を持とうと思うことはまれではないかと思う。それが普通だ。スタンダードだ。多数派だ。招かれることはあるかもしれない、しかし所有するものではない、そうでしょう皆さん。しかし、ここにその希少な例がある。茶室作っちゃった人いたー!!しかもその茶室へ

昨日は今年最後の公開イベント――「HONZ大忘年会」@下北沢B&B――でした。 年末のお忙しい時期にもかかわらず遊びに来てくださったみなさま、どうもありがとうございました! そして、「今週のいただきもの」も今日が今年最後です。 毎週たくさんのご献本をお送りくださった版元のみなさま、本当にありがとうございました。 おかげさまで、書店では出会えなかったたくさんの

今回で私の担当が最後となる。HONZと出会えた感謝を込めて丁寧に言葉を紡ぎたいと思う。 ミシマ社の営業さんと話をしていると、真剣に本の良さを伝えようとしているのが分かる。こちらも自然と届けたいと思える雰囲気になる。本書を読み、三島さんの考え方が同じ会社で働く人々に伝わっているのだと感じられた。自由が丘の拠点、城陽から京都へとオフィスを移転させるまで、「感覚」

中西麻耶というアスリートをご存じだろうか。 彼女は2006年、テニスで国体を目指す最中、勤務先での事故で右膝から下を失う大けがを負う。だが退院後、障害者陸上に転向するや、瞬く間に日本記録を塗り替え、事故からわずか2年で北京に、そしてその4年後のロンドン・パラリンピックにも出場を果たした短距離のトップランナーである。 2014年12月現在、障害者陸上競技のT4

来年の大河ドラマは『花燃ゆ』。吉田松陰の妹・文を主人公に、松蔭はもちろん、久坂玄瑞や高杉晋作など長州の志士たちが、その生き様をたっぷりと魅せてくれるであろう。大河ドラマで幕末物は当たらないなどというジンクスはいつのことやら、『篤姫』『龍馬伝』『八重の桜』、そして今回の『花燃ゆ』とつづくのも、近代日本の立ち上がりを振り返り、このところの閉塞感を打破するヒントを
2014年12月21日(日曜日)【出口治明さん × HONZ × d-labo × Book Lover's Day】が六本木ミッドタウンのスルガ銀行d-laboにて開催されました。 ミッドタウンのイルミネーションを見るために、なんと1時間待ちという混雑のなか、会場のd-laboの窓からは、それが一望できるというロケーション。なんとまあ贅沢な! 司会の東えり

2005年、著者は経産省から外務省に出向し、在ブルネイ日本大使館の二等書記官となる。ブルネイは石油と天然ガスにめぐまれ、東アジアでもっとも裕福な国だ。ブルネイ王室は、世界一裕福な王族であり、その資産は4兆円といわれる。「ポルシェ、フェラーリなど5000台の高級車を所有し、毎日乗り換えている」「11億円のギャラでマイケル・ジャクソンを招待した」「王子がマライア

企業秘密として、立ち入りを禁じられた場所。 軍事上のセキュリティによる観点から、非公開とされてきた場所。 都合が悪いからと、見て見ぬふりをされてきた場所。 都市伝説として知られており、本当にあるのかどうか分からない場所。 これだけ交通手段も発達し、情報化が進んだとはいえ、まだまだ世界は広い。宗教、科学、歴史、戦争、様々な分野において、限られた人間しか立ち入れ

2014年夏、マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツは、自身のブログ「 gatesnotes 」で『Business Adventures』という1冊の本を紹介した。20年以上前にウォーレン・バフェットから推薦されたもので、以来「最高のビジネス書」として愛読し続けているという。世界的にも大きな注目を集めた本書の魅力と概要を、翻訳者の須川綾子氏に解説していた

この本の編者ジョン・ブロックマンは、科学サロンである Edge.org の主宰者であり、そのサイト上で 毎年1つの質問 を知のトップランナーたちに投げかけている。本書は、2012年の質問に対する149人分の回答をまとめたものだ。 あなたのお気に入りの、深遠で、エレガントで、美しい説明は何ですか? スティーブン・ピンカーが考えたこの質問に対する回答は、物理学、

「ヒラノ教授、あんたの時代はよかった」。工学部ヒラノ教授シリーズを読んだ現役教授たちは、私とおなじようにつぶやくだろう。ご本人は、どこがよかったのか、とおっしゃるかもしれない。しかし、 20 年ほど前、いろいろと不自由や不条理はあったけれど、国立大学はゆるくてのどかな場所だった。 この本では、その時代にヒラノ教授が(たぶんやむなく)手を染められた不正行為が大

驚くほど憲法がよく分かると評判の『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』。著者の谷口真由美さんはヒョウ柄とアメちゃんをこよなく愛し、「全日本おばちゃん党」代表代行も務めるという由緒正しき大阪のおばちゃん。そんな本書の前書きを、HONZにて特別公開いたします。 大阪弁でしゃべるおばちゃんが憲法について井戸端会議でしゃべったらどないなるか?というコンセプト(いや、編集

作家の故丸谷才一さんは、書評を書くとき「最初の3行で読む気にさせる」ことを目指したそうです。私のものはまだ書評という芸域に達してませんが、ついつい皆さまに「読んでいただく」ことを忘れ、冒頭部分をダラダラと書いてしまいます。 先日亡くなられた高倉健さんの手記の言葉が、胸に響きました。「往く道は精進にして、忍びて終わり悔いなし」私はこのコーナーの原稿を書くとき、

今週、会社の忘年会がありました。 そんなに飲んだ覚えはないのですが(というか、そもそも記憶が無い)、捕獲された火星人さながら、同僚ふたりに両脇を抱えられ家まで送還されたことを考えると、相当ひどい状態だったようです。 そのうえ翌朝、取引先の社長から「豪快なヒレ酒の呑みっぷりに感心しました!」というメールが……。果たして、額面どおり褒め言葉と受け止めてよいのでし

「結婚できない」のか「結婚しない」のか。30代、40代の独身男性が増え続けている。少し前のデータになるが、2010年の国勢調査では30歳から34歳の男性の未婚率が47.3%に達している。ほぼ2人に1人が未婚という状況だ。 電子書籍「僕たちが結婚できない理由~ロスジェネ未婚男22人の本音~」は30代の独身男性にフリーライターの大宮冬洋さんが取材し、恋愛や結婚に
ご案内しています12月21日(日曜日)の 【出口治明さん × HONZ × d-labo × Book Lover's Day】 のトークショウですが、予定人数に達しましたので募集を終了します。 多くの皆様にご応募いただき、感謝です。 当日はささやかなクリスマスパーティにしたいと思っております。ミッドタウンのイルミネーションをバックに、本の楽しい話をしましょ

地図に思いを馳せるーー残念ながら私はそんなロマンチストではなく、地図も全く当てにできない方向音痴だ。しかし、宝の地図や、新大陸と聞けば、やはりワクワクせずにはいられない。古代の人々にとって、地図とはそのようなものであった。南北アメリカが初めて地図に登場した時代、アフリカ大陸の内陸部の状態が分からず空白だった時代、それぞれの時代を生きた人間が持つ世界観や野望が

意欲作の多いミネルヴァ日本評伝選の1冊である。異例の女性皇太子を経て即位、恵美押勝の乱に勝利し、道鏡を用いて仏教を基軸とする政治を推進した奈良時代最後の天皇を描いた力作である。専門書に近い内容で簡単に読み進める訳ではないが、この個性的な女帝の評伝としては本書の右に出るものはないのではないか。 奈良時代は女帝の世紀と呼ばれたりするが、持統、元明、元正、孝謙・称

12月というと、出版業界にとっては様々な「年間ベスト」が発表され、お店の売場が賑わう時期です。今年は年末に興味深い本が数多く出版され、読みたい本・積ん読本の数と読書に使える時間が反比例しております。 こんな時期なので、私も何かベストっぽい事をしてみたい!ということで、2014年「HONZアクセスランキング」というのを作っていただきました。これをもとに今年注目

HONZ のレビュアーをしていると、ありがたいことに、あちこちから献本をしていただくことがある。できれば、全部読んで、できるかぎり宣伝に努めたいのではあるが、そうもいかない。パラパラっとめくって、ごめんなさい、してしまうこともある。 しかし、この本は違う。おもわず、これはええわぁ~と言い続けながら、最後まで一気に目を通してしまった。年末のクソ忙しい時期にこん

年末恒例、「今年の漢字」が発表になった。2014年(平成26年)を表わす一文字は「税」。ずいぶん直接的な文字である。 個人的には今年の漢字は「欺」にして欲しかった。美談から地に落ち、汚名まみれになった人の多かったこと。STAP細胞騒動、歌手のASKAの麻薬、30年前の従軍慰安婦報道の過失を認めた朝日新聞、号泣県議、福岡と京都で発覚した連続夫殺しの二人の女など

ある会社の経営者の講演を聞いていて、思い出したことがあった。歴史好きで大学で講座を持つほど深い知識を有することで知られるその人は「歴史的な出来事はすべて必然である」として、その大きな要因のひとつに気候変動や自然災害がある、と語った。日本民族の歴史の中で江戸時代の人間が一番小さかった理由も、モンゴル帝国の崩壊も自然を起点として考えると分かりやすいのだそうだ。

とある夜、晩御飯の後、焼酎の湯割りを片手にいそいそとこたつに潜り込む。つまみは『証明の探究』、前回ご紹介した(HONZ活動記は こちら )『コミック 証明の探究 高校編!』の元となった本である。いや、本を読むのにお酒なんて、と思わないでほしい。いつもなら背筋を伸ばして読むのだが、「はじめに」で著者がこう書いてあるのである。 慌ただしい日常生活の余暇に、バラ色

「下町の工場が海底探査ロボットを開発して、世間をアッと言わせたい。」 2013年末、東京下町の町工場が「江戸っ子1号」という深海探査機を開発し、世界初の深度8000mでの三次元ハイビジョン映像に成功した。これまで、大企業の下請けというイメージの強かった町工場だったが、自ら開発力をもつことで息を吹き返しつつあることを世に証明している。今回の成功は2009年に東

どんな研究がいい研究か?いろいろな考えがあるだろうけれど、わかりやすい研究がいちばんだ。気の利いた小学生高学年の子にわかるように説明できる研究、というのがひとつの条件だと常々思っている。この本の著者である吉崎さんの研究目的はほんとうにわかりやすい。小学生どころか幼稚園児でもわかるかもしれない。サバにマグロを産ませようというのだ。ほ乳類ではないのだから、より正

一年の終わりが近づいています。振り返ると、いつも周りの方々に助けられ、励まされ、支えられてここまでこれたなぁとしみじみ思います。とりわけ仕事関係の方々には大変お世話になりました。 「ビジネスライク」という言葉があるように、ともすると利害関係が最優先事項になりがちなものですが、私は幸いにも公私ともに仲良くしてくださる方も多くて、本当に幸せな時間を過ごさせて頂き

実際の殺人事件を捜査する刑事たちに密着・撮影した、実録写真集。時代は、戦後まもない昭和33年、モノクロの陰影がバラバラ殺人の謎を深めていく――神保町でイギリス人に「発見」され、フランスの出版社を経て、日本でも刊行された評判の写真集をもう見ましたか? 評判の写真集なので、すでにご存じの方も多いのではないか。 と思いきや、意外に周囲に知らない人がいたので、紹介し

12月も半ば、忙しくて本を読むどころではないという方も多いのではないでしょうか。かくいう私も今月は忘年会に追われ、まだ一冊も読めておりません。 もっとも私の場合、村上浩に会うたびに「遠藤さんって、ほんと本読んでないよね」と言われておりますので、いつもどおりとも言えますが……。 何はともあれ、年末年始に思いっきり読書に浸るのを楽しみに、がんばって師走を乗り切り

定年退職で上司たちが去っていく。新人の頃に仕事を教えてもらった大先輩や、同じ部署で長く一緒で飲み仲間だった先輩を、ひとり、またひとり見送るうち、気づけば自分も歳をとり、会社人生の終わりが見え始めてガクゼン……そんな人も多いのではないだろうか。 本書は、1963年生まれ、まさに等身大の3人が登場する、小説仕立てのマネー本だ。 <おもな登場人物> 一度聞いたら忘
クリスマス直前に、HONZが参加するステキなイベントを行います! *以下「Book Lover's Day」からの情報です。 『もっと、本を手に取るきっかけをつくりたい。』をコンセプトとした 森の図書室主催の「Book Lover's Day」 で、この度、豪華なイベントの開催が決まりました! ライフネット生命の代表で、著書が多数かつ、読書家で有名な出口治明

11月11日、肌寒い中、JR大阪駅に着いた。休みを取っての日帰り旅行は、 Osaka Book One Project に選出された文楽小説の傑作 『仏果を得ず』 の著者、三浦しをんさんのトークイベントを拝聴するためである。 大阪に行くついでに、知り合いと会う約束をしていた。 『ドーナツを穴だけ残して食べる方法 越境する学問―穴からのぞく大学講義』 の出版元

サバがマグロを産むとはなんとも信じがたいが、東京海洋大学の著者らは既に、ヤマメにニジマスを産ませることに成功している。結論から言ってしまえば、まだサバからマグロは生まれていない。それでも著者は、サバにマグロを産ませる研究は頂上までの道程の9合目に達しているという。この研究が発展すれば、人類と環境の関わり方はガラリと変わってしまうかもしれない。 本書はわずか1

自慰行為は体に悪いのか。馬鹿になるのか。思春期の男子ならば一度は頭をよぎったはずだ。インターネットが普及した現代では、「自慰 毎日 馬鹿」などと検索すればたちまち良くも悪くも多くの情報に接することができるが、残念ながら、近年までそのような利器はなかった。明治時代以来、欧米から流れ込んだ言説に惑わされ、悶々と時を過ごした若者は私を含めてどれくらいいただろうか。

このたび、『ノンフィクションはこれを読め!2014』(中央公論新社)の発売を記念して、HONZ史上初「公開大忘年会」を開催することとなりました。 成毛眞、東えりか、土屋敦をはじめとしたHONZレビュアー陣がビールを片手にそれぞれ「今年最も◯◯だった一冊」そして「年末年始に読む本」を二冊、ご紹介します。 日時は12月26日(金)夜8時~、場所は下北沢にある書店